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第十一局【麻雀教室編】
6巡目◉かも知れない運転
しおりを挟むミサトは自動車免許を取る事にした。高校生の時は麻雀で忙しくてそんな時間は無かったのだが、よくよく考えたら大学生になっても麻雀で忙しいし、この先どう考えてもずっと麻雀で忙しい未来しか想像がつかなかったので。いま無理矢理にでも時間を作って取っとかないと一生取らない気がしたのだ。
「井川さん『かも知れない運転』を心がけてくださいね」と教官が言う。
「分かりました! 『かも知れない運転』ですね。それは得意分野です」
「えっ?」
「私は守備派なので」
「あの見通しの悪い角の先に…」
「そうそう、ああいうのの先に居るかも知れないですよね」
「警官が」
「いや、警官もそうだけど子供想定してね!? ネズミ取りイメージしながらのかも知れない運転ってどうなの?」
「あっ、違いました? ポリスメンがいたら危ないなーって思ったんで」
「道路交通法守ってれば大丈夫だから!」
「信号が黄色ですね。速度を落として…」
「タイミング悪いので脇道に逸れましょう! ここを通れば信号を使わずに目的地まで行けます」
「そうですけど! でも大通りで練習して下さい」
「あ、すいません、危険は方針で回避するスタイルでして」
「今日は天気が良くないですね、こんな時はいつも以上に安全運転を心がけましょう」
「いえ、今日は天気が良くないから運転はやめておきます。ベタオリで」
「運転はしてね?!」
その後もなんだかんだ苦労したが、ミサトは何ヶ月も頑張って自動車免許を取得するのだった。
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