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第十局【激闘!女流リーグ編】
8巡目◉女流リーグ開幕前日
しおりを挟む「明日着ていく服決まった?」とマナミが部屋から顔を出して聞いてきた。明日はついに女流リーグだ。
「えっ? いつも通りじゃダメかなあ」
「はー… これだからカオリは。あのね、今や私たちは特集記事まで書かれた注目新人なのよ? もしかしたら、いや確実に、現代麻雀の記者が明日は私たちを見に来るわよ! それを踏まえて服を選ばないと」
「えっ、そうなの?!」
「当たり前じゃない、あんたは美人に生まれたという自覚が足りないのよ」
「えへへ、そうかなぁ」
「照れてる場合か!」
《そうですよカオリ。全くもってマナミの言う通りです。あなたはもうプロなんですから。それも次世代のスター候補に選ばれた注目新人。その自覚をした服を着て下さいね》
(womanまで。わかりましたー。って言ってもそんなオシャレなのあるかなぁ)
《ありませんよ。少し前の季節ならありましたが、もう暖かくなりました。今の季節に合った服を見に行きましょう》
「マナミー。あのさあ…」
「服なら買いに行かないわよ。私これからやっとかなきゃなんない課題あるから」
そうなのだ、カオリ達はまだ大学生。学業にプロ活動にアルバイトにと忙しい毎日で他人のショッピングに付き合う時間などないのである。
「ちえーー。私、オシャレわかんないんだよなー」
「なんでもパソコンで調べなさい。調べれば自分でいいと思うのが見つかるから」
《言っておきますが、私にもわかりませんからね》
(神様なのに)
《私、服を買ったことはありませんので》
(それはそうか)
こうして、女流リーグ開幕前日に対局用の服を慌てて買いに行くカオリ。
その時までカオリは知らなかったのだ。女流雀士の皆さんは対局用にけっこうな金額の上等なファッション(ドレスなど)で行っていたのだと。
「ウソでしょう? 全然所持金が足りないよ~!!」
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