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第九局【新世代編】
1巡目◉新しい才能
しおりを挟む第3節を終えて全員昇級圏内に入ってきた茨城組。その彼女らの帰り道。
「まあ、昇級圏って言ったってまだ2節あるし、ちっとも安心はできないんだけど。でも、やっぱり少しホッとするわよね。3節終えて上位7位までに入っていると思うと」と言うのは7位の井川ミサトだった。
「ミサトは守備力が高いからいいけど私たち3人は攻撃力に比重が傾いてる打ち方だから+200ポイントあってもまだわからないわよ」と財前マナミは言う。
「そう言うけど、私はボーダーラインギリギリの7位だから守ってばかりもいられないわ」とミサト。
「結局、まだ誰も安全圏じゃないってことね」
「まあ、いいじゃない。今はとりあえずの全員上位ランクインを喜んでおきましょうよ」
「そうね」
「そうと決まれば飲みに行くわよー!」
酒を飲むのはメグミだけだが、4人はとりあえずの祝杯を上げにファミレスへと向かうのだった。
————
一方、1年生の野本ナツミは近頃毎日のように麻雀部へと顔を出していた。
ピンポーン
「ユウ先輩こんにちは! 今日はサトコ先輩とショウコ先輩も連れて来ました!」
『もう、2人は3年生なんだからあまり無理に連れてきちゃダメよ』
「私は大丈夫ですよ、調理師専門学校に行くので大学受験はしませんから」とショウコが言う。
「私も大丈夫。朱雀谷大学を受ける予定ですけど。私の学力なら油断さえしなければ大丈夫なので」とサトコも大丈夫なようだ。
『…まあいいや、鍵開いてるから上がりなさい』
「おじゃましまーす!」
スグルはここに居なくなったしカオリたち麻雀部第一世代はユウ以外はもう滅多に部室に顔を出さなくなっていたが野本ナツミという新しい才能が加わったことによって麻雀部は人は変わりながらも活気はある部活として存在し続けていた。
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