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第八局【運命の雀荘編】
3巡目◉空切り
しおりを挟むその日、カオリはプロの動画を見て勉強していた。それを一緒にwomanも見る。
二三四78889白白(③④⑤) ドラ伍
その動画ではプロはこの手を③リャンメンチーしていた。
《何を焦っているんでしょうか》
(わからないけど、とりあえず私の麻雀とは違うわね)
ここになんと4枚目の8を引いてくる。それをプレイヤーは空切りした。
(カンでもした方がマシなんじゃないの?)
《いえ、これは8切りです。しかし、空切りはいただけませんね。8はツモ切りの一手でした》
(そうなの? 私、ちょっとどんな時に空切りだと良くてツモ切りだとダメとかまだ難しくて分からないんだけど)
《そう言う時はイメージするんです。どんな物語ならアガリを取れそうか》
(ストーリー?)
《そうです。必ず相手目線になって考えて。例えばコレなら白があと1枚必ず必要なわけですから、それを相手が持っていると仮定してツモ切りと空切りのどちらだと鳴けるだろうか? って考えてみましょう》
(えっとー、空切りってのは相手から見たら手出しなわけだから要するに手が進んだように見えるわね。比べてツモ切りは前進していないのだからツモ切りの方が白を切りやすいわ)
《そう言うことです。空切りは”それ以前の安全牌が安全ではなくなるという良さ”は確かにありますが、この場合はまず大前提として役牌が打たれやすい場にしないといけませんので可能な限りツモ切りをしましょう。こういう役牌が鳴けないとどうにもならない場合は安牌をクルクル交換したりするのも厳禁です。目的の役牌を鳴けるまでは全然手が進んでいないことをアピールしていきましょう》
(なるほどねー。ちょっとわかったわ。麻雀って複雑ね)
《だから面白いんですよ》
(そうね)
そう言うと動画を消してカオリはネット麻雀を開いた。
(やっぱり、知らないプロの動画よりwomanの麻雀の方が勉強になるわ。ネット麻雀をやりましょ)
《いいですねー! やりましょうやりましょう!》
こうして、神の打ち筋を日常的に学べるカオリは日々とんでもない早さでレベルアップしていくのだった。
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