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第八局【運命の雀荘編】

2巡目◉ノモノモのサンマ教室

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 一方、麻雀部はというとカオリ、マナミ、ミサトがプロになっただけでも誇らしかったのにミサトは新人王。ユウはプロを押しのけてのUUC杯優勝という快挙を成し遂げていて麻雀部部室スグルのへやには2つの優勝カップが飾られた。
「スゴイわ~。先輩たち」と野本ナツミは感動した。
「ミサト先輩なんか全然放銃しないのに攻撃力も備えていて本当に強いのよ」とヤチヨが言う。
「部長も強いですよね。勘がいいというか。誰にも真似出来ない強さです」

 優勝2つの横にマナミの新人王戦3位の盾も輝いていた。3位だってたいしたものである。

「さて、今日はみんなで野本さんに『じゃんソウル』の3人打ちを教わろうということで、野本さんの麻雀をモニターに映してみんなで質問していきましょう」

…とは言え、みんなそれほど下手なわけではないので野本ナツミが教える程のことはもうあまり無かった。この局を除いては。

三人半荘戦
東1局はCPU南家CPUから3900を取り、続く東1局一本場は西家ノモノモが8000は8200を親から出和了る。
そして迎えた東2局
4巡目

ノモノモ手牌
九①⑨129東南南西北白発 中ツモ

「はいテンパイしました。ここで問題です。この手はリーチしますか?」
「リーチで牽制しておいたほうがいい気がするなあ。足止めしてアガリを拾う! 私はリーチで」とヤチヨ。
「私もリーチかな。無視されたくないし」とヒロコ。
「一は1枚切れだしツモれそうよね長引かせたいし私もリーチで」とユウも同じ意見だった。
「カオリ先輩はどうですか?」とナツミが聞いてみた。
「えっ、私。私はどうだろう。ダマかな?」
「それはなぜですか?」
「ロンしたいからさ。32000ならゲームセットでしょ」
「そう! そうなんですよ。現状の点棒状況ならツモよりロンがしたいしこの三人打ちはツモ損ですのでリーチして足止めしてツモっても8000点損して勝負が長引くだけなんです!」
「なのでダマとーー」
「理由はそれだけじゃありません」
 そう言って続きを開始したらほどなくして一をツモる

ノモノモ手牌
九①⑨19東南南西北白発中 一ツモ

「ツモりました。でも。ここなんですよ、ダマにした理由はここにある!」

『リーチ』

打南

「そうか! 国士無双13面待ちはダブル役満扱いだ!」

次巡ツモ九

『ツモ!』

『16000.32000』

「ロン出来なかった場合はこれで決着をつけるのが一番いいので最初のテンパイでリーチしちゃダメだったんですよ」

「ノモノモ先生は本当にすごいわね」
「麻雀、深いわあ。ルール次第で役満すらフリテンにする。こんなセオリーもあるなんて、まだまだ研究の余地がありそうね」

「もー、ノモノモって呼ばないで下さいよお。テキトーに名前つけるんじゃなかった」

 こうして、麻雀部は野本ナツミの参加によって三人打ちにも強くなっていき隙のない最強集団へと成長していくのであった。
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