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第七局【新人王編】
9巡目◉ビンゴゲーム
しおりを挟む「ちょっと自分が打つので見ててください」と言ってナツミは雀ソウルの三人東風ストリートファイトを開始した。
「まず、北抜きは暗槓に近いものとして考えてください。新ドラは開示されませんが、ツモがもう一度来るしリンシャンという役が瞬間的に貰えて一発は消せると言う点では共通しています、それを踏まえてこれ」
②④④④2456689発中 北ツモ 3巡目ドラ8
「北抜きは暗槓です。いまやる必要がありそうですか?」
「いいえ、発か中あたり捨てとけばいいわね」
「その通りです」
7巡目
②③④④④4556689北 4ツモ
「テンパイしました。ここで抜きます。どうです? こうすればリンシャンの可能性があって得ですし決して無理なく持ってられましたよね」
次巡ツモ③
「四暗刻がちらつきますが現実の待ちに期待出来ませんので③はツモ切りです」
打③
次巡ツモ①
「あー、そっち先に引きますか。役無しだったら前巡打9で戻してたからここで三面張リーチできましたけどね」
打9
次巡ツモ1
「1ですか。いいんじゃないでしょうか。多分誰も使ってません。迷彩も効いてるしドラ単騎をやめるだけの価値はありそうです。これを最終形として採用します」
打8『リーチ!』
次巡ツモ1
『ツモ!』『リーチ一発ツモ一盃口裏1抜きドラ1…跳満!』
「親跳になりました。まあざっとこんな感じです」
「ツモ損サンマの北の扱いは
①槓と同じと考えてキープする。
②リーチが来たら抜いてほぼノーリスクで一発を消す。の2つが基本的考えです」
「ふむふむ、なるほど」
「相手にドラを持ってるということを教える必要はありません。アガれそうになってきてから抜きましょう」
「言われてみればそりゃそうよね」
「それに、この考えが重要だからよく覚えて欲しいんですけど『整ってない序盤からツモ回数を増やしても無駄な方向にあれこれ手を伸ばすだけ』の可能性が高くて勿体ない使い方なんです。例えばビンゴゲームだと思ってください。二回引ける権利があるとしたら初っ端から引きますか? 自分が和了しそうなタイミングまで権利をキープしてから一気攻めした方が戦略として有効ではありませんか? 自分の手の方向性が定まった後でツモ回数が増えた方がより効率的ですよね」
「言えてるわ。天才か、この子」
「カンと違って新ドラが開くわけじゃないからさっさと引きがちだけど、あとで引いた方がより得があるというわけね」
「そうです!」
「あとは…」と言うとナツミはカバンから紙とペンを取り出して牌譜を書いた。
③⑤⑤⑥中中北(222)(444)
「ここに④を引いたとしたら…と。こんな感じでとりあえず役のないテンパイした時。ここで抜くと…」
「リンシャンであがれるかも! ってことね。すごいわ。たしかにこれは北即抜きしてたらあがりになれない手もあがれる可能性が出てくる…!」
「あとはー、どうしても安全牌がない時捨てるとかも出来ますが、それについては私は反対派です。オリてますと明確に宣言しているようなものですから。なるべくならその選択は選びたくないですね。でも、それも場面次第では有効ですし。流し満貫にも使えますからその場合は捨てていけばいいですよね。やり方の幅を持たせるためにも北はキープが一番いいんです」
「勉強になりました」
「今後も教えてください、ノモノモさん」
「ノモノモゆーな」
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