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第六局【規格外の新人編】
2巡目◉優勝
しおりを挟む「…ツモ」
三四伍六六23(西西西)(中中中)1ツモ
「1000.2000」
最後の局。手を開けたのはユウだった。感動で震えながら倒牌する。
「第一回UUCコーヒー杯優勝は佐藤ユウさん! おめでとうございます!!」
優勝はユウ
準優勝は富士山
3位は杜若
4位は猿山という結果で大会は終了した。
「実力派プロを差し置いて美少女の最年少優勝! これは話題になるぞ!」と湧いている人達もいれば「猿山プロお疲れ様でした」「富士山プロおしかったのに!」「杜若プロあと一歩でしたね!」とプロ達に駆け寄る人達もいた。
(夢みたい、私が優勝なんて。いや、これからだった。夢実現のための第一歩がいま達成されたんだ)
「勝利者インタビューしていいですか? 何かあればひとことでいいので」
ユウはマイクを受け取って、少し話すことを考えた。
「あのっ! あのっ! 私。大会とか、身内でやったことしかなくて…… 雀荘に来たのもこの大会の予選が初めてだったし… でも、練習は毎日してて! ほんとに麻雀好きなんで…… この面白いゲームを1人でも多くの人に共有してもらいたいなって思ってて、いつか麻雀を教える人になりたいんです。そのために、資格とかより説得力ある実績が欲しいなと思って参加したので最高の成果を出せたこと、とても嬉しいです…! 次回も参加して連覇を狙います。ありがとうございました!」
パチパチパチパチパチパチパチパチ!
こうして、ユウは自身初の大会で初参加にして初優勝を決めた。
今までは麻雀部でしか麻雀をしてなかったから彼女たちの中ではとくに目立たなかったが、それは部員に天才が多すぎただけで佐藤ユウは紛れもなく麻雀の申し子だった。その事になんとなくユウ自身が気付くのはまだ先。今はまだ、ユウ自身は(ついてたな)くらいにしか思っていないのだった。
佐藤ユウ(アマチュア)
獲得タイトル
第一回UUCコーヒー杯優勝
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