86 / 297
第伍局【少女たちの挑戦編】
11巡目◉ラーシャ
しおりを挟むツンツン
カオリが赤伍萬のキーホルダーをつついてwomanを呼び出す。
《なんですか? カオリ》
(別にい。声聞きたいと思っただけ)
《なんですかそれは。恥ずかしいな。もう…。神の無駄遣いはやめてください》
(なんか減るの?)
《無尽蔵ですけど…》
(今日はね、ラシャの付喪神さんの名前を考えようと思って)
《なんだ、用事あったんじゃないですか》
(一応ね)
〈…わ、私の…… 名前?〉
(そうですそうです。せっかくキレイな声してるから)
〈照れます〉
……………
(あれ?もしかしてwoman消えてない?)
《まだ居ますよ。考えてただけです。でもそろそろなんで消えるの面倒だからカオリが握ってて下さい》
(ハイハイ)
カオリはキーホルダーを勉強机の電気スタンドから外して手でギュッと握る。
〈私はラシャでいいですよ。その通りなんだし〉
《…わかった! 『ラーシャ』とか。可愛くないですか!》
「それいい!」
《あっ! カオリ! 声出てますよ》
部屋にはマナミは居なかったが奥の部屋でお母さんが仕事してた。
「カオリなんか言った~?」
「んーん。なんでもないの。サッカー観て応援してただけー! 『それーー!』『がんばれーー!』って」
「ふーん」
こうして、ラシャの付喪神の呼び名はこの日から『ラーシャ』になった。
応援ありがとうございます!
10
お気に入りに追加
70
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる