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第三局【付喪神編】

11巡目◉4連勝の日

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 麻雀大会で麻雀不足から回復したカオリは集中して受験勉強をしていた。ミサトもそれを見てホッとして自分も勉強に集中した。受験に向けて毎日、毎日。帰ったら少しだけwomanとお話しをして。でも麻雀は今はやらないよと言うとwomanも《メリハリは大事です。それが分かっているカオリは素晴らしいし、応援したいと思います》とカオリのことを分かってくれる。
 一方、スグルは自分の実力不足を痛感して仕事場では本走1番手を買って出てシフトも増やし実践経験をとにかく沢山積んでいた。
 マナミやユウは今まで通り受験勉強をしていた。そして月日は流れて11月。

「ね、明日は久しぶりに麻雀部行こうよ。カオリのことだから受験勉強は抜かりないんでしょ? 息抜きは必要よ」
「そうね、何ヶ月も勉強に集中したし、たまには…… 少しくらいならいいかもね」


11月11日

 今日は久しぶりに麻雀部へと顔を出すことにしたカオリとミサト。その日は仕事に行っているスグル以外は全員揃った。いつもの部屋にカオリが入る。すると……

「せーの…!」 「「お誕生日おめでとう!!」」
 カオリの誕生日は確かに今日だった。でも祝ってもらえるなんて思ってなかったからびっくりした。
「みんなありがとう。まさかお祝いされるなんて思ってなかったから…… 嬉しいな」
「11月11日っていうのが覚えやすかったから。一回聞いたら間違いなく忘れないわよね」「だって1111でしょ。4連勝じゃない」とミサトとマナミが言う。カオリの誕生日は極端に覚えやすかった。
「ほんとは受験も近いし勉強しようかと思ってたけど、誕生日は特別よね!」
「そんな事言って麻雀したかっただけでしょ!」
 麻雀部は急に召集をかけられただけのようだ、その証拠にカオリにプレゼントを買ってきた人はいない。だが、ここに集まる目的は麻雀だからそれでいいのであった。
「いーからいーから! はやくやろ! 少ししかやる時間ないんだし。今日はお家でも絶対ごちそう作ってくれてるからね! 解散はいつもより早めで」
 麻雀部のみんなから祝福されたカオリは勝負は勝ったり負けたりだったがとにかく楽しかった。どんなプレゼントよりもここで仲間と打てる麻雀こそがカオリには最高の贈り物となったのだった。
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