45 / 297
第三局【付喪神編】
6巡目◉誠意
しおりを挟むwomanはどうやらカオリが伍萬に触れると数分間だけ現れるようだ。通りでいたりいなかったりするわけである。
カオリの手は進んで6巡目。やっと形になってきた所でマナミとスグルからリーチが入る。それに対してヒロコも降りてない。
(やばいやばいやばいやばい。まくられるよこれ)
《落ち着いて、カオリ。まだ、そうと決まったわけではありません》
(でも!)
《ヒロコさんの手はあの切りで逆転狙いなら四暗刻か萬子チンイツです。チンイツならここにある伍がネックになってる可能性は高いでしょ》
オーラスの点棒状況は
スグル30000点
ヒロコ7900点
マナミ26400点
カオリ35700点
事実、ヒロコの手はチンイツで伍がネックになっていたし、まだリャンシャンテンだ。しかしテンパイすればタンピンメンチン二盃口という逆転勝ちの可能性があり、諦めるには早かった。というより、ヒロコは確率的にはほぼ無理だろう。と思ってはいる上で分かっているけど牌に対して精一杯の努力はするという姿勢を見せたに過ぎなかった。
それは決勝戦という場に対して。または麻雀という競技に対して。そういったものに対する誠意。感謝の心からなる選択だった。なので可能性あるかぎり押す! 三倍満が必要でも、その手順があるのなら作るしかない! そう思って、最後の、もうほとんど断ち切られてしまった気力の残り僅かな力を振り絞って作るが、そこはまあ、さすがにそう都合よくはいかないのも麻雀のリアルであった。
「リーチ!」
スグルからのリーチが飛んでくる。
スグルの手は高めタンヤオ赤の1-4待ち。安目ツモでも捲れるようにとリーチした。
「私もリーチ!」
それはマナミも同じで、マナミも安目だと届かない手だった。なのでリーチで決めにきた。
2軒のリーチに挟まれてもまだカオリに勝機は充分あったのである。
11
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる