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第三局【付喪神編】
3巡目◉降り損
しおりを挟む一本場。12000加点したスグルに追加点を許す程甘い少女達ではなかった。これ以上離されないよ。とすぐにマナミは1000.2000の一本場をあがり返して局を進める。
「本当は最高形まで育てて跳満の親被りさせたかったんだけどね。まあ、和了れたならよしとするわ」
南2局
(ここだ! ここで決めないと優勝はない!)ヒロコはそう思っていた。
現在の点棒状況は
スグル32000点
ヒロコ20400点
マナミ18900点
カオリ28700点
たしかにトップになるにはこの親番で一撃決めたい所である。祈るように配牌を取るそのヒロコの指先にはやはりオーラが集中していた。
(あ、またオーラだ。……聞きたい時いないんだよなー。配牌のタイミングとか全然居ないし)
気合いを入れて配牌を取ったヒロコだが、良いとも悪いとも言えない普通の配牌だった。この局に手が良かったのはマナミだ。
「リーチ」
マナミは5巡目にテンパイ即リーチとし、そして——
「ツモ!」
一一一八八12345678 9ツモ
「リーチ一発ツモイッツー! …2000.4000!」
裏が無かったのだけが唯一の救いだったが2種類安目のある3面待ちで高目ツモはキツい。
(うわ、最悪。降り損だ。一発で本命の3引いて回しちゃった、打った方が全然良かったなあ)とヒロコは後悔した。親のヒロコは4000点の払いだ。3を勝負していれば一発といえども安目なので2600失点で済んでいた。しかしそんなことは分からないのだからそれはちょっと仕方がない。ヒロコの手が3に対応出来ないような手であれば親番なので真っ向勝負で打っていただろう。だが残念ながら今回の手は3に対応可能な形をしていた。つまり本当の不運は3を掴んだことではない。3を止めて、うまいこと迂回すれば復活出来そうな手が来てしまったことが不運だったということだ。
スグル30000点
ヒロコ16400点
マナミ26900点
カオリ26700点
満貫は炸裂したものの、まだ誰も諦めるような点差にならないまま勝負は南3局へと進んだ。
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