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第一局【女子高生雀士集結編】

15巡目◉新入部員

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 授業が終わり教室でアンが来るのを待つ。私はいつもアンが来るまで教室で待ってそれから一緒に帰るようにしてる。この学校は1年生の教室は3階で2年生は2階3年生は1階という配置なので私が1年生の教室に行くよりアンが2年生の教室に寄る方が自然だった。すると後ろの席のミサトから話しかけられた。
「ねえ、帰らないの?」
「あ、私は人を待ってるからミサトは先に帰っていいよ」
「彼氏?」
「まさか! ただの後輩の女の子よ」
「ふーん」
と、言いつつもミサトは疑っているようだった。私がソワソワしていたからかもしれない。でもそれは早く麻雀部に行きたくてソワソワしていたのであって恋人との待ち合わせとかではないのだが。
「ミサト帰らないの?」
「カオリの後輩を見てから帰るわ」
 するとその瞬間扉が開いた。

ガラガラガラ

「先輩お待たせ!」

 アンだ
「じゃあ私帰るからまた明日ねミサト」
 そう言いカオリとアンが帰ろうとするとミサトがついてきた。

「え? 私たち行く所あるんだけど…」
「それって私がついてっちゃマズイ所?」
「そういうわけじゃないけどー」
「じゃあ、連れてって。私カオリと友達になりたいの」

「ひとつ聞きたいんだけど。ミサトは麻雀ってやったことある?」

「ゲーム機でならやったことあるからルールは分かるけど、それが?」

「はい、決まり」

こうして、その日から井川ミサトが麻雀部に加わった。
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