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第一局【女子高生雀士集結編】
1巡目◉麻雀部
しおりを挟むピピピピピピピピピピ…
「やめ! 鉛筆を置いて下さい。答案用紙を回収します」
ここは日本プロ麻雀師団の試験会場。私はいまプロ試験を受けている。
休憩を挟んだら次は小論文だ。テーマはどんな麻雀プロになりたいのか。
私はそこに自分の想いを短く纏めた。
【私のなりたいプロ】
受験番号22
財前香織
勝って笑うことは誰でも出来る。私は負けた時にも笑って勝者を讃えることの出来る人になりたい。真剣に向き合うことで負けの悔しさは増えるでしょう。つらくて涙の出る時も来るかもしれない。でも、本気でやり合えた試合を喜び。勝者を讃える人になりたい。私は麻雀そのもの。試合そのものを愛しているのだから。そんな器のプロになりたい。
(なりたい、なりたい、か。…違うな。私はプロに、なりたいんじゃない。
……必ず『なる』んだ!)
…そんな器のプロになりたい。のあと、私はこう加えて文章をしめた。
そしていつかは、誰よりも讃えられたプロに私は、なる。
これは後の麻雀界を大きく変えていく伝説の雀士たちの青春物語である。
ときは、遡る———
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————————
———————————
私、財前カオリ。マナミと2人で財前姉妹と呼ばれる未来の麻雀プロよ。
私達姉妹は血の繋がりはない同い年の姉妹。親の再婚で16.17の時に姉妹になったの。でも、私達が打ち解けるのには全く時間は要らなかった。なぜなら私達は2人とも麻雀が大好きだったから。
女子高生で麻雀好きなんて、なかなかいない。なので奇異の目で見られるのを恐れた私は自分のこの趣味をなるべく隠していた。でも、同じ家で暮らす人にはバレるよね。まして姉妹で同じ部屋ならさ。
私の部屋には使ってない広いロフトがあった。そこを新しい家族であるマナミに使わせる事になったのだ。
ロフトに入ってしまえばカーテンもあるしそれぞれの空間に別れるのだが問題は入るまでだ、私の部屋のロフトなのだからまずは部屋に入る必要が当然あり、マナミのプライバシーは守られても私のプライバシーを守れるようにはなってない。
当然、マナミにはバレた。私が麻雀好きだと言うことが。そりゃバレるよ、毎回部屋入ってくれば。だって『現代麻雀』とかいう雑誌落ちてるもん。
「麻雀やるの?」
「やるっていうか、好き」
もう、バレたんだしどうでもいい。
すると……
「私も!!」
え? うそお!
「じゃあさじゃあさ、麻雀部作んない!?」とマナミが提案した。
「いや、部もなにも私たちは高校別じゃん」
「そうじゃなくてー、麻雀する人集めて部活みたいにして遊ぼうよってこと」
「集まるかなぁ」
「カオリの所は将棋部があるでしょ。将棋部は麻雀するんじゃないかな。麻雀好きはけっこう将棋も好きだから」
「なるほど、マナミの所はどうなの?」
「うちには将棋部はないけど、1人アテはあるのよね。まあ期待していいよ」
マナミは自信ありげだった。そんなにうまく行くかなぁ。私は内心期待してはいなかったが、行動を起こすことにしてみた。
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