52 / 55
第二部
第二十三報◉ノーレート店
しおりを挟む鈴乃木と上村は評判の悪い店舗を見て回る旅に出た。すると、良い所も見つかったが悪い所はそれ以上に見つかった。
(これは良くない)と考えた鈴乃木は自らの利益を無視してアクアリウムを浄化すると決心した。
その始めが御徒町店炎上騒動だ。アクアリウム御徒町店は責任者が女性従業員に対する準強姦事件をおこし、それを内々で隠蔽し、その後も反省の色なくセクハラを働くという本物の事件を上層部に隠していた。
しかし、その被害者の怒りの訴えにより上村までその事件の話は届き、重い罰を与えることを決定した。
鈴乃木大河は性犯罪を最も嫌っていた。鈴乃木には幼い頃幼馴染が変質者にさらわれて性被害にあって、以来引きこもりになってしまった過去があった。そのため「性犯罪者は死刑でいいよな、上村」と常々言っていた。そのくらい性犯罪を許さなかった。なのでこの従業員には社会的抹殺を行った。
この犯罪を犯した従業員は担当エリアが広い責任者であったため、事は『アクアリウム大規模閉店事件』へと発展する。
これは鈴乃木にとっても本当に大きな痛手になるはずだが鈴乃木の座右の銘は『義を見てせざるは勇無きなり』であるのでこの結論は仕方なかった。それはボーナスや役職手当てが大幅にカットされた上村も納得していた。
しかし、閉店により罪のない従業員の職場を奪うことにもなり、そればかりは申し訳なかった。
なので──
「よし、上村。あの計画を今こそ実行しよう。今は受け入れ先が必要だからな。そうだろ?」
「しかし、今はそんな資金を使っていい時ではないような」
「なに、そのための金なら計画を立てた時から準備してある。時が来るのを待っていただけだ」
「ええ~? それなら私の役職手当てくらいはくださいよー」
「細かいことを言うな。上村が困ることがあればいつでも力を貸すからそれでいいだろ」
「わかりました。では、私は渡辺と一緒に新店オープンに携われば良いということですね」
「ああ、ついでに杜若と神戸も連れて行けたらいいな。全員行くと言ってくれればいいが。新しい店は何かと難しい。せめてスタッフ間の連携は取れるメンツが必要だろう」
「わかりました、今日にでも声をかけておきます」
こうしてアクアリウムノーレート店オープン計画が決行された!
11
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
麻雀少女激闘戦記【牌神話】
彼方
キャラ文芸
この小説は読むことでもれなく『必ず』麻雀が強くなります。全人類誰もが必ずです。
麻雀を知っている、知らないは関係ありません。そのような事以前に必要となる『強さとは何か』『どうしたら強くなるか』を理解することができて、なおかつ読んでいくと強さが身に付くというストーリーなのです。
そういう力の魔法を込めて書いてあるので、麻雀が強くなりたい人はもちろんのこと、麻雀に興味がある人も、そうでない人も全員読むことをおすすめします。
大丈夫! 例外はありません。あなたも必ず強くなります! 私は麻雀界の魔術師。本物の魔法使いなので。
──そう、これは『あなた自身』が力を手に入れる物語。
彼方
◆◇◆◇
〜麻雀少女激闘戦記【牌神話】〜
──人はごく稀に神化するという。
ある仮説によれば全ての神々には元の姿があり、なんらかのきっかけで神へと姿を変えることがあるとか。
そして神は様々な所に現れる。それは麻雀界とて例外ではない。
この話は、麻雀の神とそれに深く関わった少女あるいは少年たちの熱い青春の物語。その大全である。
◆◇◆◇
もくじ
【メインストーリー】
一章 財前姉妹
二章 闇メン
三章 護りのミサト!
四章 スノウドロップ
伍章 ジンギ!
六章 あなた好みに切ってください
七章 コバヤシ君の日報
八章 カラスたちの戯れ
【サイドストーリー】
1.西団地のヒロイン
2.厳重注意!
3.約束
4.愛さん
5.相合傘
6.猫
7.木嶋秀樹の自慢話
【テーマソング】
戦場の足跡
【エンディングテーマ】
結果ロンhappy end
イラストはしろねこ。さん
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?


古屋さんバイト辞めるって
四宮 あか
ライト文芸
ライト文芸大賞で奨励賞いただきました~。
読んでくださりありがとうございました。
「古屋さんバイト辞めるって」
おしゃれで、明るくて、話しも面白くて、仕事もすぐに覚えた。これからバイトの中心人物にだんだんなっていくのかな? と思った古屋さんはバイトをやめるらしい。
学部は違うけれど同じ大学に通っているからって理由で、石井ミクは古屋さんにバイトを辞めないように説得してと店長に頼まれてしまった。
バイト先でちょろっとしか話したことがないのに、辞めないように説得を頼まれたことで困ってしまった私は……
こういう嫌なタイプが貴方の職場にもいることがあるのではないでしょうか?
表紙の画像はフリー素材サイトの
https://activephotostyle.biz/さまからお借りしました。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる