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今後の展望
しおりを挟む俺とラゼルは学院の卒業式の翌日、結婚した。
お互い十八歳。ラゼルは貴族院議会の議長補佐の役目に就き、国へ仕える公人となった。
ラゼルの家は大公家で、王弟であるラゼルの父君が王家から分家した際に大公の称号を賜り独立した一家だ。
そんな立場柄、大公家はこの国の貴族を束ねる存在だ。いわゆる調整役を担ってる。国が円滑に回るように目を光らせ貴族同士で衝突が起こらないように采配する。ラゼルはそんな大公の跡を継ぐ為に父親の元でこれから実践形式の修行を始める。
俺は大公家に嫁いで家業の手伝いを任されていた。王家から分け与えられた領地に関する書類を処理する毎日。でもやりがいがあった。
そもそも何故俺とラゼルが結婚したのかと言うと、俺には屈辱でもあり、幸運でもある経緯がある。
第二王子フリュウの暗殺騒動が発端だった。
こともあろうに学院内でフリュウが襲われたのだ。
フリュウは襲撃者を反対に取り押さえて事なきを得たけど、この首謀者に俺の家、ヴァレリア家の名が上がった。
なんでも、俺がラゼルを次期国王にする為に父上と共謀し暗殺を目論んだと言うことだ。
襲撃現場にフリュウが居たのは、俺に呼び出されたから。証拠は、いつの間にかフリュウの机の上に置かれた手紙。筆跡は俺だった。差出人の名前なんて書いてないその手紙。でもフリュウはそこへ向かった。俺を匂わせる内容だったから。
有り体に言えば恋文。
俺がラゼルに無碍にされて、フリュウは俺に言い寄っていて、いわゆる三角関係のようだった当時。とうとう俺がラゼルを諦めてフリュウへと傾いた、みたいな中身。
──もう疲れた。報われない想いをずっと抱えるより、溺れるくらい愛されたい。裏庭の四阿で待ってる。少しでも想ってくれているなら来て欲しい──
その場に向かったフリュウは部外者が入れない筈の敷地内で襲われた。
手引きしたのはヴァレリア家だと、取り押さえられた実行犯が証言。
現国王の子供はハール殿下のみ。病状の不安定な第一王子ハールが居なくなれば大公家に転がってくる継承権。王弟の大公閣下が次候補に繰り上がり、そして息子のラゼルがその次に。どちらにしても継承権は傍系のベルン大公家へと移譲される。回復の見込みのない第一王子にその流れはほぼ間違いないと噂されていた。しかし予定外にフリュウが現れて計画が狂う公爵家はフリュウの暗殺を企てる。
王族と懇意になり公爵家の力を更に盤石にしたい父上。ラゼルをより良い地位へと推しあげたいと望む俺の個人的な恋情。二つの利害を汲む形で計画された犯行。
弁明はした。息子のことは可愛いが、身の程を弁えないほど愚昧では無い、と父上。俺だってフリュウに手紙なんて書いてない。誰かが俺の筆跡を真似て書いたものだと訴え続けた。けれどもともと評判は良く無い公爵家だ。それは貴族社会を渡る上での父上の時に悪辣な手腕もさることながら、俺の学院内での評価が加味されてのこと。嫌疑が掛けられるのも仕方ないことだった。結局証拠不十分で処分はされなかったが、煮湯を飲まされた父上はほぞを噛みながらも俺にもしばらく大人しくしておくように命じた。
けど間の悪いことに俺は騒動を起こしてしまった。
父上からラゼル接近禁止令が出ている間に、ラゼルに擦り寄る人物。
うちとはライバル関係にある三大公爵のうちの一つアルトバイム公爵家の三男、ハヤナ・アルトバイム。同じ王立学院の生徒で一つ下、俺と同じ希少種オメガだ。
積極的で明るくて、甘え上手。ラゼルは迷惑そうにしているが突き放す素振りはなかった。
ここで俺の嫉妬心が燃え上がったのはお察しだろう。
父上の命令に歯軋りをしながらも我慢した。けどある時、そのムカつく公爵家三男が俺をわざわざ挑発した。
俺もその挑発に乗った。結果、ハヤナが大怪我を負った。
アルトバイム家から抗議され、フリュウの暗殺騒ぎのことも相まって、俺や父上の立場は追い詰められた。
俺とラゼルの縁談が持ち上がったのはそんな時だ。
国の貴族を束ねる大公家としては揉め事や反意を匂わせる公爵家を敵として置くより身内として引き入れた方が目も届いて安心という判断だった。
つまり監視下に置かれるということ。
俺の事はラゼルが責任持って監督せよと大公閣下に言いつけられているのを、俺は同席した話し合いの席で目の前で聞いた。
愛でもなく情でもない。
ただ国の軋轢を生まないように組まれた縁談。
それでも俺は幸せだった。
今は義務でも、俺が立派な跡継ぎを産めばラゼルだって俺の事を認めてくれる。俺はそんな甘い夢を見ていた。
※ ※ ※ ※
俺は今回のこれからの為に二つの事を解決しよう思う。
まず一つは、ラゼルとの結婚阻止。
結婚しなければロゼアラは産まれないしあんな悲劇も起こらない。
それにはきっかけとなったフリュウの暗殺騒動とアルトバイム公爵家のハヤナとの諍いに巻き込まれないようにしなければいけない。
フリュウの方は襲撃の日にちを俺は覚えているので、事前にフリュウをあの場へ行かないように引き留めておけばいい。なんなら、フリュウを呼び出した手紙を置いた犯人を捕まえることも可能かも知れない。結局真の首謀者が誰だか分からないままだったんだよな。捜査がきちんとされたのかも謎。あの事件の当該者のウチの公爵家にそんな情報が入るわけもなく。俺が起こした騒動のせいでなし崩しになった気がした。
うちに敵が多いのは知ってるけど、誰があんな真似を。
俺がラゼルに王位を継がせる為にフリュウを襲ったって無理がない? 当時の俺は第一王子の病状も、フリュウが第二王子だなんてことも知らないんだから。
三大公爵であらゆる特権を持つうちの父上が何処からかその情報を掴み、それを俺に知らせて親子二人で共謀した、みたいに言われている。けどそれも矛盾。ラゼルが王位に就いたところで、ラゼルと俺は将来を約束した仲でもないんだから。王位に押し上げた見返りに俺を伴侶に迎え入れろって? それって事件の犯人は自分達でーすってゲロってるも同然。大公家がそれを有り難がるかどうか、危険な賭けじゃないか。仮にうちが首謀者としても、うちの父上はそんな危ない橋を自ら渡る阿呆でもなければ、そもそもこんな穴だらけの計画を企むような低能でもない。もっと綿密に計画を立て完全犯罪を決めてくる。
結局、確たる証拠もなく、三大公爵家に名を連ねるうちと対立を長引かせるのも得策では無いとの判断でそれ以上の捜査をされる事はなかった。
けど今更ながら、誰が指示したことなのか知りたい。俺は少なくともそいつに恨みがある。俺に汚名を着せて、結果俺はとんでもない未来を作ってしまう。
思い出したらまた腹が立ってきた。
今回は絶対に突き止めてやる。
見てろよ。手紙を置きに来たところを捕まえて全部吐かせてやる。真に手引きをした奴が明るみに出た時はどう報復してやろうか。この落とし前は絶対につけてやるからな?
※ ※ ※ ※
第一王子ハール殿下、今年十九歳になる彼は未だ立太子されてない。健康状態に問題があるらしく王宮の奥にこもって静養中らしい。
そんな中でも、現国王の誕生祭の夜会が開かれている。
公爵家の嫡男である俺はもちろん招待されている。両親と一緒に王の御前へ赴き祝いの言葉を贈った。
今はそれぞれ自由に社交に勤しむ歓談の時間だ。
会場は名だたる貴族たちでごった返している。
俺は人混みの熱気に当てられ、涼める場所を探して庭園にある幾つかある四阿の一つで身体を休めていた。
会場から遠く離れたこの場所へわざわざ足を運ぶ物好きは滅多にいない。
明かり取りの灯籠もまばらで警備上の問題もありそうな死角だけど静かで考え事にはもってこいの場所。俺はそこでさっきからこれからの俺の未来について色々考えていたのだ。
今現在で俺が悲惨な未来を回避する為にできる事はそう無い。
ラゼルと関係を切る。
これくらい。
フリュウ暗殺はまだ先の事だし、他に出来ることと言えば、よからぬ嫌疑がかからないように清く正しく生活する事かな。俺が揉め事を起こさず真面目に暮らしているなら、何かあった時にも疑われなくて済む。
なるほど、人が規律やルールを守るのは自分の身を守る為だったのか。人生二周目で初めて気がついたぞ。遅すぎだろ、俺…。
さて。
巻き戻し前ではハール殿下は王位を継がなかった。代わりに継いだのはフリュウだ。フリュウは今から四年後に立太子され、更にその九年後に即位する。その後ロゼアラと共に国に混迷を招くことになる。
ハール殿下が王位を継がなかった経緯も彼の生死も全部不明。
でも、もし彼が回復して健康になれば、正妃の産まれであるハール殿下は無事に戴冠するかもしれない。
そうなれば俺の知っている未来とは全く違う方向へ進むことになる。
どうにかできないかな。
これが俺が考えている解決したい二つのうちのもう一つ。
フリュウが君主とならない未来。
出来るだけ俺の知っている未来とは違うものにしたいから、変えれるところは変えておきたい。
思い出せ、俺。ハール殿下は何が原因で病に臥し、闘病を続けていたのか。
今この時点では無かった新しい治療法がハール殿下が消息不明になってから俺が死ぬまでの間に幾つか確立されている。些細なことでもいい。なにか手掛かりがあれば、未来を変える糸口になる。
頭を捻り過去の記憶を絞り出す。
けれど一貴族以上の接点の無い俺が知り得ることもほとんど無く、無駄に脳味噌を使っただけだった。
かさりと草を踏み締める音に振り返る。そこに居たのは礼装に身を包んだラゼルだった。慶事用なので装飾も多め。髪の毛も服装に合うようにお洒落にセットされている。前髪を上げているから三割増し大人な雰囲気。滅多に見られないラゼルの粋な姿。巻き戻し前でも同じ格好をしていた事を俺は覚えているけど、やっぱり何度見てもラゼルは何を着ても似合うなぁと再度感動。
「ここに居たのか。一人で何をしている」
「会場が暑くて少し涼んでいた」
「従者は?」
「控え室で休憩させてる。今夜の支度でずっと忙しかったからね」
「不用心だろう。お前は自分がオメガの自覚はあるのか」
ラゼルが眉を顰める。
「あんまり神経質になるのも勘違いって嗤われちゃうよ。ちゃんと首は保護してるから大丈夫」
俺はピラっと首を覆う襟を指で下げてその下の保護具を見せた。見た目的に服と合わないから好きじゃないんだよね、これ。
「お前は自分のことを知らないからだ」
「よく知ってるよ。高慢な可愛げのないオメガ。噂くらい耳に入っている」
「やっぱり全然わかってない…」
ラゼルは盛大にため息をついた。
「ラゼルこそどうしんだ。こんな僻地まで」
「お前を探しに来た。会場から姿が消えたから公爵や公爵夫人にお前の所在を聞いたが二人とも知らないというし。お前は警戒心が足りないから不心得ものの男に何処かへ連れ込まれているんじゃ無いかと…」
「心配してくれたの? ありがとう」
「…当たり前だ」
なんかやっぱりラゼルはこのところチグハグだな。
気にはなるけど、深追いは禁止。未来の為に余計な興味を持っちゃダメだ。
「そういえばフリュウは? 今日は出席してないの? 陛下の挨拶の時にも居なかったよね」
話を変える為にどうでもいい話題を提供。
「どうしてあいつがこの会に呼ばれていると思うんだ?」
「だってラゼルん家の遠い知り合いでしょ? 何かおかしな事言った?」
と、軽く躱しておく。
「あいつは気が乗らないと言って参加を見送った」
「陛下の誕生祭の会に? すっげぇ度胸だね」
複雑な生い立ちを考えればその選択も納得だけどね。
「お前、最近言葉遣い悪くなってないか?」
「こっちが俺の素だよ。ラゼルの前じゃ大人しくしてただけ」
「あいつの影響か?」
「あいつってフリュウ? まさか。俺、ラゼルの前でだけは可愛こぶってたんだよ。今考えると痛いよな」
何故そこでフリュウが出てくるのか不思議だ。
「今は何故やめた?」
「それは…」
必要じゃ無くなったから。
「やっぱりあいつのせいだな」
成立しているようで微妙に噛み合ってない会話に少し違和感。
「…ラゼルってフリュウに対して敵対心持ってる?」
この前から意識しすぎに思える。
「……」
「あ! アルファ同士の力比べ? 俺、同族になにも感じないけどアルファはやっぱり違うんだな。闘争本能が疼くの? 俺が上だ!とか。なんちゃって…」
アルファ、すぐ張り合う。なんて言葉が作られるくらいにアルファって変に意識高い。
居心地が悪くて誤魔化すように茶化してみたら、凄い目で射抜かれた。
狩りをする野獣のような猛々しい圧に晒されて俺は竦み上がる。
なんでそんな目で見るの?
捕食されるような錯覚さえ覚えて俺は身動ぎひとつできずに固まってしまった。
怖い…。
そんな緊迫した空気を一瞬で消したのは誕生日を祝う打ち上げ花火の轟音。
「…綺麗……」
俺はチカチカ瞬きながら消えてゆく大輪の花火を見上げた。
「……。隣、座るぞ……」
ラゼルが俺の隣に座った。脱力している。気が削がれたのかな。
それから二人して夜空に咲く花火を黙って見ていた。
…そういえばあの時もこうやって賑やかな花火が上がっていたな。俺はラゼルを独占する事に夢中でしっかり見物なんてしなかったけど。
※ ※ ※ ※
「ラゼル、ファーストダンスは俺とって約束したよね?」
してない。何言ってんの、この時の俺。これは俺の一周目のこの日の記憶。
煌めくシャンデリアの下、会場の大広間では間も無くダンスが始まろうとしていた。俺は大広間に姿を現したラゼルを見つけるなり駆けよって、その腕を両手で抱き込み引き寄せた。俺の行動に周りはざわざわしている。
きっと憶測が飛び交ってる。
大公家嫡男アルファのラゼルと、公爵家嫡男オメガの俺。きっと想像逞しくされている。
でもそんな事気にしていられない。ラゼルが普段交流がないご令嬢達に囲まれてダンスを申し込まれている姿を見たら居ても立ってもいられないよね。
ラゼルを誰かに渡すつもりも譲るつもりも俺は無かった。
「それともあのお嬢さん方と延々ステップ踏みたいの?」
俺がいなしてやると言外に含めて詰め寄る。婚約者の座が未だ空席のラゼルは、こう言った社交の場でご令嬢方の格好の獲物にされるのだ。優良物件だから入れ替わり立ち替わりダンスを申し込まれるのは明らか。
ラゼルはため息をついたけど、左手を差し出した。
「トワ、一曲お願いします」
「もちろん。喜んで!」
俺は満面の笑みを浮かべた。ラゼルに促され広間の中央辺りに陣取る。
程なくして始まるワルツの調べ。
俺はラゼルのリードで誇らしげにステップを踏む。
羨望、嫉妬、その中には俺への称賛も混じっている。
母親譲りのこの顔はやや吊り目気味だが、ふにゃりと甘く笑った時の、普段との落差、その激しさが目を惹くのだ。俺はそこも計算済み。ラゼルに向き合い会心の微笑み。誰をも虜にすると言われる俺の笑顔はラゼルだけに贈られる。それを羨ましがる者と嫉妬する者。いろんな人達の感情がないまぜになって俺たちはこの会場で誰よりも目立っていた。
使える武器は使わないとね。
お前達なんて敵じゃないよと、虎視眈々とラゼルを狙うその他大勢に勝ち誇った。
「ありがとうございました」
曲が終わって最後の挨拶。向き合ってお辞儀をしあう所までが礼儀。
「じゃあラゼル。今度は俺からダンスを申し込むね。一曲お願いします」
俺はラゼルに手を差し出した。
「トワ、続けて二曲は」
続けて二曲踊るのは婚約者以上の特別な関係でのみに許された行為。
「牽制したつもりだけどなかなか胆力のあるお嬢さん方がチラホラいるね。どうする? 今、ここで踊っておけば皆んな諦めてくれるよ。ラゼルが俺以外と踊りたいってんなら止めないけど」
「そういうわけではないが作法違反だ」
こういう融通の効かない真面目な所も悪くないんだよね。揶揄いたくなる。
「俺は構わないよ? 本当に婚約したら良いんだ」
ラゼルは一瞬ぎょっとしたように俺を見たけど、すぐに首を横に振った。
「俺がお前以外のやつと踊って、その後そいつがなにか悪い目に合わないか、その心配はある」
「ふふ。ちゃんと加減はしているよ。もう二度とラゼルに近寄ろうとは思わなくなる程度の」
「……」
「誤解しないでよ? 俺はあくまでラゼルを利用しようとする相手限定で最後通告してるだけ。大丈夫だって。この続けて二曲目も微笑ましい若気の至りだって皆んな目溢ししてくれるよ」
俺の主張を呑んだのか、ラゼルが渋々手を差し出してきた。俺はさっきと同じように手を重ねる。
「そんな顔しないで? せっかくの夜なんだ。楽しもうよ。ラゼルはどんな顔もカッコいいけどね」
ラゼルは諦めたように細く息をついた。
それからは吹っ切れたようにラゼルは俺を振り回した。物理的に。
二曲どころか続け様の四曲だ。
流石にヘトヘトになって俺はラゼルと連れ立ってテラスへと涼みに出る。
「疲れた! でも楽しかった!」
手摺に背中を預けて夜空を仰ぐ。
「ほら、果実水」
ラゼルがここへくる途中、給仕から貰ってきた二つのグラスの片方を俺に差し出す。俺はありがたく受け取った。
「ありがとう。喉カラカラ。ラゼルは流石に消耗してないみたいだね」
「あれくらい何ともない」
「俺にもうちょっと体力があればラゼルを振り回してやれたのに。俺も少しは鍛えようかな」
「やめておけ。お前は体質的に筋力がつかないんだ。やるだけ無駄だ」
「同じ男なのになぁ。第二の性持ちばかりにこの不遇。まぁいっか。そのお陰でこうしてラゼルとダンスできるんだもんな」
恋愛も結婚も性別問わず誰とするのも自由だけど、貴族はそうはいかない。跡継ぎ問題がある為に、伴侶は子供が成せる相手に限るのだ。そして俺はオメガ。ラゼルの側にいても許される存在。
だから皆んな、俺が居るとラゼルに近寄らない。
アルファと希少種オメガなんて最高の組み合わせなのだ。勝てない勝負なんて皆したくないだろう。
「ねぇ」
「なんだ?」
俺は隣で手摺に寄りかかりグラスに口をつけるラゼルの肩にぴとっとくっつく。
今は仲の良かった昔に戻ったような和やかな空気が流れている。だから俺は少し積極的になっていた。
折しも外では陛下の誕生を祝う花火が打ち上げられていた。弾けては消える夜空の大輪の花の煌めきに照らされる俺たち二人。非日常な雰囲気に俺は酔っていたかもしれない。
「来年もこうして俺と踊って? 来年だけじゃなくその次の年も更に次の年も。ずっとラゼルと一緒にいたい。駄目?」
上目遣いで見上げる。そこには躊躇うようなラゼルの表情。これは俺の求愛の言葉。ラゼルの心に届いてくれますようにと願いながらの。
「トワ、離れろ」
しかしラゼルは俺から離れてしまった。そのあいた距離が俺は悲しくて、さらにラゼルへと擦り寄った。
「やだ。こうしてずっと側に居たい。俺はラゼルが好きなんだよ? ラゼルは? 俺じゃ駄目? 俺を選んでよ…」
「トワ…! やめろ。俺はお前にそういった感情は持ってない」
「嘘。だってラゼル、俺のこと邪魔だと言ってても結局いつも俺のことを受け入れてくれてるよな」
そうなんだ。ラゼルはいつも俺に対して曖昧な距離を取ってくる。遠くに行ったと思ったら近くに居たり。俺はそれに常に一喜一憂していた。
「お前は友達だ。だから」
「恋人になりたい。俺、なんでもするよ? ラゼルの為なら」
今は近くに留まって居られるタイミングだ。俺は大胆になっていた。
すぐ背後の壁に追い詰めて両手でラゼルを閉じ込める。背伸びしてじっと見つめる。ラゼルはすぐに視線を外す。でも目元が赤い。
ラゼルなら俺を振り切ることだって簡単なはずだ。でもそれをせずに大人しく閉じ込められている。
これで期待するなっていう方が無理だ。
「こっち見て、ラゼル…」
「トワ…」
何かを耐えているような、苦しそうなラゼルの声。
どうしてそんな顔をするのだろう。ラゼルのもどかしそうなその表情を俺は不思議な思いで見ていた。
「ラゼル」
その時俺たちを引き裂く声が割り込んだ。
不意の闖入者にギョッとした。
ラゼルはその人物を見るなり一瞬鋭く睨んだが、すぐに俺を背中に隠すように立ち塞がった。
「叔父上、どうしました。何か俺に用でも?」
ラゼルの広い背中から緊張が伝わってくる。警戒しているみたいだ…。
「伝言を頼まれた。チトセの具合が優れないらしくてな。アンリと今夜はもう下がるそうだ」
「母上が? 俺もすぐに帰ります」
アンリと言うのはラゼルの父君の大公閣下の名前。そしてラゼルを呼びに来たこの人物は母君の叔父で名前をギオンといった。ラゼルにとっては正確には大叔父。この人物の事を結婚後に紹介されたが、何処に住んでいるのか何歳なのかは教えてもらえず、俺にとっては名前以外素性不明の親戚だった。ベルン家自体も彼の事を良く思っていないようで疎遠のようだった。だから学院へ入る前にラゼルの家へよく遊びに行っていたがそこで出会うことも無く、この叔父とはこの日が初対面でもあった。
「そちらの可愛らしい人のエスコートはどうするんだ」
痩身で顔には深い皺が刻まれている。若々しい格好をしているがそれなりに歳を重ねている。
「ラゼル、早く行ってあげて。今日は楽しかった。大公夫人にお大事にと俺が言っていたと伝えて」
「…悪い。叔父上、あなたも一緒に帰りますよね?」
「無論だ。今日は思いがけない収穫があったからな」
機嫌良く笑う。こちらを見られた。猛禽類のような獲物を狙う目。俺は背筋が震えた。
「行きますよ、叔父上」
ラゼルの背後で居心地の悪さを感じながら、こうやってこの夜は終わった。
次の日、学院では俺とラゼルが婚約したという噂がまことしやかに広まっていたのは俺の目論見通りだったことは言うまでもない。
※ ※ ※ ※
俺は前回のこの日の事を何となく思い出していた。
俺はラゼルと踊る為に特別にオーダーした華やかな礼装に身を包んでいた。誰よりもラゼルの隣にいる資格があるのだと周囲に知らしめようと気合いを入れたのだ。
しかし二周目の俺は、学院の制服着用だ。貴族の子息御用達だけあって仕立てはしっかりしているし、学院の制服は公式行事に参加する際の基準服と認められているのでマナー的に許される。今回はラゼル狙いじゃ無いから、大人しく控えめでいようと制服を選択したのだ。
「お前、覚えているか。俺たちが初めて会った時のこと」
そんな事をラゼルが言い出したのは、打ち上げ花火が終わった後のことだ。
「勿論。大使館での昼食会だよね。たまたま席が隣になってその時が初対面」
花火の余韻もそこそこに俺は答えた。
「俺が食べられない料理をお前がこっそり食べてくれた」
「あはは。オーリザン! 今は克服してて偉いね」
オーリザンっていうのは、少しクセのある野菜。拳大の果肉で中はほとんど空洞。緑色の可食部は苦味がある。
「あの独特の風味は子供には恐怖だろ。それが俺より小さいしかもオメガのお前が平気で食ってて驚いた」
「オメガは関係ないから! 俺は逆に大人みたいにすました顔のラゼルがオーリザンの肉詰めを前に泣きそうになってるのみて可愛いって微笑ましかったよ」
「可愛い…。そうか…」
あれ、照れてる。イケメンのデレ顔、可愛すぎるよ!
あれは俺が十一歳の頃。社交界に出る前の貴族の子供達が集まって、擬似社交のような催しが開催された。
大使館での会食だ。
本格的な社交前に雰囲気に慣れさせるって名目。
俺も公爵家の子供だから参加させられた。その時、隣の席になったのがラゼルとの出会い。
「ねぇ、それ苦手なの?」
「苦手ではない」
ラゼルは当時の俺を自分より小さいと評したけど、十一歳のラゼルはまだ俺とそう身長も体格もそんなに変わらなかった。貴族の息子らしく手入れの行き届いた身体に、線の細やかさのあるちょっと神経質な顔立ち。この頃のラゼルは小動物みたいな警戒心があった。そんな少年が目の前の皿に載った料理を涙目で睨みつけているんだ。気にならないわけがない。
「でもさっきから手が止まってるよ」
「こ、こんなものくらい食べれなくては一人前の大人ではないだろう。俺を誰だと思ってる」
今では考えられないくらいの子供っぽい言い回し。
「大公家のご子息だよね」
俺は笑いたいのを堪えた。
「そ、そうだ。俺はみんなの手本にならくてはいけない。そう父上にも母上からも言われている。このような料理如きで遅れをとるわけがないだろう」
必死だなぁ。ちょっと可愛く思えてきたぞ。
「苦手なものは苦手でいいと思うけど。俺だって嫌いなものはあるよ」
「俺は弱点を見せてはいけないんだ。それが大公家の家訓で俺はそれを破るわけには」
なんだかたいそうな事を言い出したラゼルの皿の上から手付かずのオーリザンの肉詰めをフォークに刺して一口で頬張ってもぐもぐ食べた。
「うん。やっぱり少し苦いね。今日の料理人もどうしてこんな子供受けしないメニューにしちゃったかな。あの子も、あそこの子も残してるよ」
「………」
「俺ね。何でも食べれるけど、犬が苦手なの」
口の中のものを飲み込んでナフキンで口周りを拭う。グラスの水で口の中をリセット。
「は?」
「小さい頃に追いかけ回されてそれ以来姿を見ただけでもゾッとしちゃって慌てて逃げちゃう。でも君は凄いね。嫌いなオーリザンをちゃんと逃げずに食べようとしてた。俺も見習わなくちゃね」
「…代わりに食べてくれてありがとう。助かった。いつかお前の前に犬が現れた時は俺が追い払ってやる。犬だけじゃ無くてお前が何か困ってたら、助ける…よ」
子供のラゼルは顔を赤くしていた。
「えへへ。じゃあその時はよろしくね」
「ああ。…名前、聞いていいか?」
「トワだよ。トワ・ヴァレリア」
「俺はラゼル・ベルンだ」
この甘酸っぱさよ。
生真面目で努力家。その努力を人に見せないし、頑張った事を口にしない。
俺はまっすぐなラゼルが可愛くてしょうがなかった。
それ以来、俺たちは仲良く言葉を交わす友人になった。お互いの家を行き交い、他愛のないお喋り、乗馬の練習も一緒にした。毎日が輝いていた。
そのうち、俺もラゼルも身体に第二の性の特徴が顕著に表れ出して、あの可愛かった面影が消えてラゼルはすごく男らしくなった。俺は反対に身体つきに頼りなさが目立ってきた。
その頃から俺はラゼルを意識し出した。
出会いの印象はお互い悪くなかったのに、こんなに拗れてしまったのはいつからだろう?
順調に関係を築いていたのに。俺が暴走しだしてから? 嫌、違う。俺が暴走したのはラゼルの態度がある日を境にガラリと変わったからだ。
目を合わすことを避けるようになった。
会話も最低限のやり取りになった。
避けられていると感じて、俺は納得いかなくて躍起になってラゼルを追いかけた。だって俺はその頃には不器用で一生懸命、健気で放っておけないラゼルに恋をしていたから。
俺が守ってやりたかった。
貴族の頂点に立つ大公家の跡取りと産まれて見えない重圧に負けないよう歯を食いしばっているラゼル。泣き言なんて言わない。弱みを見せない。見せてはならない。そんな風に頑なに思い込んで誰にも頼らず一人で踏ん張っているラゼルの力になりたい。
上手くいかないことがあって落ち込んでいたら大丈夫だよって近くで励ましてあげたい。ラゼルに笑っていて欲しい。俺だけは味方だよって。そんな気持ちが溢れて。
俺たちはごく当然のように親しくなって、日々を重ねる内にお互いを意識するようになっていた。
そうだ。あの日。十五歳の誕生日を迎える前。俺は心の中で育ててしまった想いを言葉という形にしてラゼルに伝えようとした。
俺の屋敷の庭園に呼び出した。勇気も度胸もなかなか出なくてもじもじするばかりの俺に、ラゼルも顔を赤くしてた。
それでも俺たちは両想いなのだと漠然と感じていた。運命の相手。オメガとアルファはその言葉に本能的に囚われているのだから。
何となく甘い雰囲気になって、彷徨っていたお互いの視線が重なった。ラゼルの漆黒の瞳。そこには俺だけが映っていて。目が離せなくなって、それはラゼルも一緒で。見つめ合ったまま引き寄せられるように唇が近づいて…。
その時。
えっ? と思った時には足から力が抜けてその場にへたり込んだ。ラゼルが慌てて支えてくれたけど、俺は頭が霞がかかったようにぼうとして、ただラゼルが好きだと幸せな気持ちだけに満たされて。
「好き。ラゼル、…好きだよ」
自分の身に何が起こったかはわからないまま口にした。
それからだ。ラゼルの態度が激変したのは。
ラゼルから声をかけてくれる事もなく、目もくれない。そんな困惑の中でそれでも俺はラゼルに執着した。独占欲と嫉妬心。ラゼルが俺以外の事に興味を持つことが許せなかった。ラゼルに近づくありとあらゆる物を排除していった。今にして思えば病的なほど。
あの時から俺の世界はラゼル中心に回っていた。
「あのさ、ラゼルはハール殿下と従兄弟だよね。お見舞いに行ったりするの?」
花火が終わり静寂が戻ってきた四阿。俺は知りたいと思っていたことをラゼルに尋ねる。
「たまに挨拶くらいは」
「殿下は今、どんな症状なの? 病気ってことは知ってるけど」
「…それをお前が知ってどうする」
ああ、悪手だった。探られてると警戒されてしまったか。でも俺は知りたい。未来を変える為の手掛かりを。
「それは、何か手助けできないかと思って」
「お前が? どうやって?」
そうだよな。
ラゼルに言われるまでも無く俺が今できる事は、その治療法を確立した研究者達を探し出し研究を進めるように尻を叩いて本来の治療法発見の時期を早めることしかできない。俺には医学の知識なんかないんだから。しかもその治療法がハール殿下の病と合致している確証も無い。本当に藁にも縋った状態なのだ。
「…今言ったこと忘れて。失言だった」
あまりに他人任せで無責任な発言だった。
「お前は殿下と知り合いだったのか?」
しょんぼりする俺に気がついたのかラゼルの声のトーンが労わるように少しだけ柔らかくなった。
「ううん。殿下がまだ元気だった頃、何かの式典で遠くから顔を見たことがある程度」
言葉を交わしたことすらない。
「それがまたどうして?」
「えと、この国の貴族として産まれたからには何か力になれたらと」
何か考えるような仕草をした後、ラゼルは穏やかに笑った。
「殿下の事は詳しくは説明できない。だがお前が心を砕いていたという事は伝えておく。殿下も喜ばれるだろう」
「うん……」
ラゼルは優しい笑顔をしている。その表情に俺の胸は一杯になる。
ああ、俺はやっぱりラゼルの笑顔が好きだ。
それを見せなくなったのは俺が暴走したせい。今ならわかる。俺は迷惑千万な奴だったんだ。嫌われても仕方ない。
まるで魔法にでもかかったようにラゼルを求めた。今はその魔法が解けたみたいだ。
ラゼルを想うこの気持ちは今も変わらないけど、歯止めの効かなかった少し前までの俺。巻き戻ってからは、嘘のように制御できている。告白しようとラゼルを呼び出したあの日以前のように。
悲惨な未来を見てきたからだろうか。
その悲惨な未来でも俺は変わらずラゼルを求め、そしてロゼアラを巻き込んで破滅した。
今の俺にはそれが尋常じゃない状態だったことがちゃんと分かる。
今は、魔法が解けた。
だったら、魔法はいつ掛かった?
この答え合わせもしないといけないんじゃないだろうか…。俺は漠然とそう感じていた。
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