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12.惹かれる 〜ランスSide〜
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「二ヶ月でなんとかして下さい」
そう彼女、ホノカは途方にくれている俺に言った。
驚かせ泣かせてしまった後、ここは土足厳禁だと怒られ、掃除はともかく何故か荷物持ちを頼まれた。不思議な乗り物から荷物を運びだし、その作業中にどうして今に至るか、自分の中での整理も兼ねてホノカに話した。
自分でも正直よく分からないから曖昧な表現ばかりだった。
お茶をもらい、とりあえず此処にはいられないと思い怖がらせたホノカに安心もしてもらう為出ていくと告げた。
それが、期限つきの滞在許可だ。
彼女は、本当にこんな話を信じてくれようとしていた。また今度は身一つの俺の為に買い物に出ていった。
帰って来た時、ついお帰りなさいと言ったら、ホノカは一瞬だが固まりその後なんとも言えない表情をした。
何かあったのだろうか。
服や文字の本まで買ってもらい、俺は何で礼を返せばいいのだろう。そんな事を考えながら貸してもらうにはとても贅沢な部屋の掃除をした。
そして強い何かに引き寄せられた可能性を考え、その源を探す為お願いをしたところ、彼女に祖父の部屋かもしれないと案内されその部屋へ足を踏み入れた瞬間、俺は驚いた。
まさに混沌としていた。
でも何故か懐かしいような、わくわくするような部屋だ。そして、やはり勘は間違っていなかった。
部屋に散らばる何か。
それも各々がとても強い気を放っていた。
それからしばらくして、強い力を放つ箱を見つけた。確かに強いが、まだ世界を跨ぐ程の力はこもっていない。
疲れた様子のホノカに気付き食事になった。久しぶりに料理をしたが味は気に入ってもらえたらしい。
あとは何故か俺の家を聞いて驚いていた。教育は受けたが、長男でない俺は家を継がないので騎士としてこの先も生きていくだろう。
*~*~*
食後、箱に入っていたペンダントに触れさせてもらえば、持ち主の気なのかとても優しい力も感じられた。ホノカに聞いてみたが、彼女はあまり興味がなさそうだった。
探す事を再開し疲労を感じた頃、ホノカに呼ばれ近づくと彼女はかなり古い陣が描かれた盤を手にしていた。
腕で擦り描かれた術式を見てみれば古代語だった。残念だが専門外で分からない。
ただこれだけは言える。
ちらりとしか目にしなかったが、ヒュラル達が見ていた物に似ている。ふと窪みが気になりホノカに先程のペンダントを借り合いそうな窪みにはめてみた。
それは、カチリと音をたて窪みの一つに収まった。残りの窪みもなにかしら必要だろう。
とりあえずまず、ヒュラルに連絡をとりたかった俺は図々しくも石を指差し貰った。
その言葉通り全てを自分に取り込む。慣れているけれど、ホノカの顔色を伺ってしまった。
その表情は驚き。
たったそれだけだった。
この異質な能力の説明をしても、それは変わらず逆に驚く提案をしてきた。その奪う量を調節し、他者に使えないかと。
そんな事は思ったこともなかった。
俺は異端な自分を、能力を隠す事しか考えていなかったから。
その時、穏やかな、けれど凛としているホノカを意識した瞬間でもあった。そんな脇道にそれている状況ではないのに。
この人の事が知りたい。
強烈に思った。
そう彼女、ホノカは途方にくれている俺に言った。
驚かせ泣かせてしまった後、ここは土足厳禁だと怒られ、掃除はともかく何故か荷物持ちを頼まれた。不思議な乗り物から荷物を運びだし、その作業中にどうして今に至るか、自分の中での整理も兼ねてホノカに話した。
自分でも正直よく分からないから曖昧な表現ばかりだった。
お茶をもらい、とりあえず此処にはいられないと思い怖がらせたホノカに安心もしてもらう為出ていくと告げた。
それが、期限つきの滞在許可だ。
彼女は、本当にこんな話を信じてくれようとしていた。また今度は身一つの俺の為に買い物に出ていった。
帰って来た時、ついお帰りなさいと言ったら、ホノカは一瞬だが固まりその後なんとも言えない表情をした。
何かあったのだろうか。
服や文字の本まで買ってもらい、俺は何で礼を返せばいいのだろう。そんな事を考えながら貸してもらうにはとても贅沢な部屋の掃除をした。
そして強い何かに引き寄せられた可能性を考え、その源を探す為お願いをしたところ、彼女に祖父の部屋かもしれないと案内されその部屋へ足を踏み入れた瞬間、俺は驚いた。
まさに混沌としていた。
でも何故か懐かしいような、わくわくするような部屋だ。そして、やはり勘は間違っていなかった。
部屋に散らばる何か。
それも各々がとても強い気を放っていた。
それからしばらくして、強い力を放つ箱を見つけた。確かに強いが、まだ世界を跨ぐ程の力はこもっていない。
疲れた様子のホノカに気付き食事になった。久しぶりに料理をしたが味は気に入ってもらえたらしい。
あとは何故か俺の家を聞いて驚いていた。教育は受けたが、長男でない俺は家を継がないので騎士としてこの先も生きていくだろう。
*~*~*
食後、箱に入っていたペンダントに触れさせてもらえば、持ち主の気なのかとても優しい力も感じられた。ホノカに聞いてみたが、彼女はあまり興味がなさそうだった。
探す事を再開し疲労を感じた頃、ホノカに呼ばれ近づくと彼女はかなり古い陣が描かれた盤を手にしていた。
腕で擦り描かれた術式を見てみれば古代語だった。残念だが専門外で分からない。
ただこれだけは言える。
ちらりとしか目にしなかったが、ヒュラル達が見ていた物に似ている。ふと窪みが気になりホノカに先程のペンダントを借り合いそうな窪みにはめてみた。
それは、カチリと音をたて窪みの一つに収まった。残りの窪みもなにかしら必要だろう。
とりあえずまず、ヒュラルに連絡をとりたかった俺は図々しくも石を指差し貰った。
その言葉通り全てを自分に取り込む。慣れているけれど、ホノカの顔色を伺ってしまった。
その表情は驚き。
たったそれだけだった。
この異質な能力の説明をしても、それは変わらず逆に驚く提案をしてきた。その奪う量を調節し、他者に使えないかと。
そんな事は思ったこともなかった。
俺は異端な自分を、能力を隠す事しか考えていなかったから。
その時、穏やかな、けれど凛としているホノカを意識した瞬間でもあった。そんな脇道にそれている状況ではないのに。
この人の事が知りたい。
強烈に思った。
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「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
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