12 / 21
12.惹かれる 〜ランスSide〜
しおりを挟む
「二ヶ月でなんとかして下さい」
そう彼女、ホノカは途方にくれている俺に言った。
驚かせ泣かせてしまった後、ここは土足厳禁だと怒られ、掃除はともかく何故か荷物持ちを頼まれた。不思議な乗り物から荷物を運びだし、その作業中にどうして今に至るか、自分の中での整理も兼ねてホノカに話した。
自分でも正直よく分からないから曖昧な表現ばかりだった。
お茶をもらい、とりあえず此処にはいられないと思い怖がらせたホノカに安心もしてもらう為出ていくと告げた。
それが、期限つきの滞在許可だ。
彼女は、本当にこんな話を信じてくれようとしていた。また今度は身一つの俺の為に買い物に出ていった。
帰って来た時、ついお帰りなさいと言ったら、ホノカは一瞬だが固まりその後なんとも言えない表情をした。
何かあったのだろうか。
服や文字の本まで買ってもらい、俺は何で礼を返せばいいのだろう。そんな事を考えながら貸してもらうにはとても贅沢な部屋の掃除をした。
そして強い何かに引き寄せられた可能性を考え、その源を探す為お願いをしたところ、彼女に祖父の部屋かもしれないと案内されその部屋へ足を踏み入れた瞬間、俺は驚いた。
まさに混沌としていた。
でも何故か懐かしいような、わくわくするような部屋だ。そして、やはり勘は間違っていなかった。
部屋に散らばる何か。
それも各々がとても強い気を放っていた。
それからしばらくして、強い力を放つ箱を見つけた。確かに強いが、まだ世界を跨ぐ程の力はこもっていない。
疲れた様子のホノカに気付き食事になった。久しぶりに料理をしたが味は気に入ってもらえたらしい。
あとは何故か俺の家を聞いて驚いていた。教育は受けたが、長男でない俺は家を継がないので騎士としてこの先も生きていくだろう。
*~*~*
食後、箱に入っていたペンダントに触れさせてもらえば、持ち主の気なのかとても優しい力も感じられた。ホノカに聞いてみたが、彼女はあまり興味がなさそうだった。
探す事を再開し疲労を感じた頃、ホノカに呼ばれ近づくと彼女はかなり古い陣が描かれた盤を手にしていた。
腕で擦り描かれた術式を見てみれば古代語だった。残念だが専門外で分からない。
ただこれだけは言える。
ちらりとしか目にしなかったが、ヒュラル達が見ていた物に似ている。ふと窪みが気になりホノカに先程のペンダントを借り合いそうな窪みにはめてみた。
それは、カチリと音をたて窪みの一つに収まった。残りの窪みもなにかしら必要だろう。
とりあえずまず、ヒュラルに連絡をとりたかった俺は図々しくも石を指差し貰った。
その言葉通り全てを自分に取り込む。慣れているけれど、ホノカの顔色を伺ってしまった。
その表情は驚き。
たったそれだけだった。
この異質な能力の説明をしても、それは変わらず逆に驚く提案をしてきた。その奪う量を調節し、他者に使えないかと。
そんな事は思ったこともなかった。
俺は異端な自分を、能力を隠す事しか考えていなかったから。
その時、穏やかな、けれど凛としているホノカを意識した瞬間でもあった。そんな脇道にそれている状況ではないのに。
この人の事が知りたい。
強烈に思った。
そう彼女、ホノカは途方にくれている俺に言った。
驚かせ泣かせてしまった後、ここは土足厳禁だと怒られ、掃除はともかく何故か荷物持ちを頼まれた。不思議な乗り物から荷物を運びだし、その作業中にどうして今に至るか、自分の中での整理も兼ねてホノカに話した。
自分でも正直よく分からないから曖昧な表現ばかりだった。
お茶をもらい、とりあえず此処にはいられないと思い怖がらせたホノカに安心もしてもらう為出ていくと告げた。
それが、期限つきの滞在許可だ。
彼女は、本当にこんな話を信じてくれようとしていた。また今度は身一つの俺の為に買い物に出ていった。
帰って来た時、ついお帰りなさいと言ったら、ホノカは一瞬だが固まりその後なんとも言えない表情をした。
何かあったのだろうか。
服や文字の本まで買ってもらい、俺は何で礼を返せばいいのだろう。そんな事を考えながら貸してもらうにはとても贅沢な部屋の掃除をした。
そして強い何かに引き寄せられた可能性を考え、その源を探す為お願いをしたところ、彼女に祖父の部屋かもしれないと案内されその部屋へ足を踏み入れた瞬間、俺は驚いた。
まさに混沌としていた。
でも何故か懐かしいような、わくわくするような部屋だ。そして、やはり勘は間違っていなかった。
部屋に散らばる何か。
それも各々がとても強い気を放っていた。
それからしばらくして、強い力を放つ箱を見つけた。確かに強いが、まだ世界を跨ぐ程の力はこもっていない。
疲れた様子のホノカに気付き食事になった。久しぶりに料理をしたが味は気に入ってもらえたらしい。
あとは何故か俺の家を聞いて驚いていた。教育は受けたが、長男でない俺は家を継がないので騎士としてこの先も生きていくだろう。
*~*~*
食後、箱に入っていたペンダントに触れさせてもらえば、持ち主の気なのかとても優しい力も感じられた。ホノカに聞いてみたが、彼女はあまり興味がなさそうだった。
探す事を再開し疲労を感じた頃、ホノカに呼ばれ近づくと彼女はかなり古い陣が描かれた盤を手にしていた。
腕で擦り描かれた術式を見てみれば古代語だった。残念だが専門外で分からない。
ただこれだけは言える。
ちらりとしか目にしなかったが、ヒュラル達が見ていた物に似ている。ふと窪みが気になりホノカに先程のペンダントを借り合いそうな窪みにはめてみた。
それは、カチリと音をたて窪みの一つに収まった。残りの窪みもなにかしら必要だろう。
とりあえずまず、ヒュラルに連絡をとりたかった俺は図々しくも石を指差し貰った。
その言葉通り全てを自分に取り込む。慣れているけれど、ホノカの顔色を伺ってしまった。
その表情は驚き。
たったそれだけだった。
この異質な能力の説明をしても、それは変わらず逆に驚く提案をしてきた。その奪う量を調節し、他者に使えないかと。
そんな事は思ったこともなかった。
俺は異端な自分を、能力を隠す事しか考えていなかったから。
その時、穏やかな、けれど凛としているホノカを意識した瞬間でもあった。そんな脇道にそれている状況ではないのに。
この人の事が知りたい。
強烈に思った。
10
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
廃妃の再婚
束原ミヤコ
恋愛
伯爵家の令嬢としてうまれたフィアナは、母を亡くしてからというもの
父にも第二夫人にも、そして腹違いの妹にも邪険に扱われていた。
ある日フィアナは、川で倒れている青年を助ける。
それから四年後、フィアナの元に国王から結婚の申し込みがくる。
身分差を気にしながらも断ることができず、フィアナは王妃となった。
あの時助けた青年は、国王になっていたのである。
「君を永遠に愛する」と約束をした国王カトル・エスタニアは
結婚してすぐに辺境にて部族の反乱が起こり、平定戦に向かう。
帰還したカトルは、族長の娘であり『精霊の愛し子』と呼ばれている美しい女性イルサナを連れていた。
カトルはイルサナを寵愛しはじめる。
王城にて居場所を失ったフィアナは、聖騎士ユリシアスに下賜されることになる。
ユリシアスは先の戦いで怪我を負い、顔の半分を包帯で覆っている寡黙な男だった。
引け目を感じながらフィアナはユリシアスと過ごすことになる。
ユリシアスと過ごすうち、フィアナは彼と惹かれ合っていく。
だがユリシアスは何かを隠しているようだ。
それはカトルの抱える、真実だった──。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)

おばさんは、ひっそり暮らしたい
波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23

【完結】戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
水都 ミナト
恋愛
最高峰の魔法の研究施設である魔塔。
そこでは、生活に不可欠な魔導具の生産や開発を行われている。
最愛の父と母を失い、継母に生家を乗っ取られ居場所を失ったシルファは、ついには戸籍ごと魔塔に売り飛ばされてしまった。
そんなシルファが配属されたのは、魔導具の『メンテナンス部』であった。
上層階ほど尊ばれ、難解な技術を必要とする部署が配置される魔塔において、メンテナンス部は最底辺の地下に位置している。
貴族の生まれながらも、魔法を発動することができないシルファは、唯一の取り柄である周囲の魔力を吸収して体内で中和する力を活かし、日々魔導具のメンテナンスに従事していた。
実家の後ろ盾を無くし、一人で粛々と生きていくと誓っていたシルファであったが、
上司に愛人になれと言い寄られて困り果てていたところ、突然魔塔の最高責任者ルーカスに呼びつけられる。
そこで知ったルーカスの秘密。
彼はとある事件で自分自身を守るために退行魔法で少年の姿になっていたのだ。
元の姿に戻るためには、シルファの力が必要だという。
戸惑うシルファに提案されたのは、互いの利のために結ぶ契約結婚であった。
シルファはルーカスに協力するため、そして自らの利のためにその提案に頷いた。
所詮はお飾りの妻。役目を果たすまでの仮の妻。
そう覚悟を決めようとしていたシルファに、ルーカスは「俺は、この先誰でもない、君だけを大切にすると誓う」と言う。
心が追いつかないまま始まったルーカスとの生活は温かく幸せに満ちていて、シルファは少しずつ失ったものを取り戻していく。
けれど、継母や上司の男の手が忍び寄り、シルファがようやく見つけた居場所が脅かされることになる。
シルファは自分の居場所を守り抜き、ルーカスの退行魔法を解除することができるのか――
※他サイトでも公開しています

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが

異世界に行った、そのあとで。
神宮寺 あおい@受賞&書籍化
恋愛
新海なつめ三十五歳。
ある日見ず知らずの女子高校生の異世界転移に巻き込まれ、気づけばトルス国へ。
当然彼らが求めているのは聖女である女子高校生だけ。
おまけのような状態で現れたなつめに対しての扱いは散々な中、宰相の協力によって職と居場所を手に入れる。
いたって普通に過ごしていたら、いつのまにか聖女である女子高校生だけでなく王太子や高位貴族の子息たちがこぞって悩み相談をしにくるように。
『私はカウンセラーでも保健室の先生でもありません!』
そう思いつつも生来のお人好しの性格からみんなの悩みごとの相談にのっているうちに、いつの間にか年下の美丈夫に好かれるようになる。
そして、気づけば異世界で求婚されるという本人大混乱の事態に!
魔王と囚われた王妃 ~断末魔の声が、わたしの心を狂わせる~
長月京子
恋愛
絶世の美貌を謳われた王妃レイアの記憶に残っているのは、愛しい王の最期の声だけ。
凄惨な過去の衝撃から、ほとんどの記憶を失ったまま、レイアは魔界の城に囚われている。
人界を滅ぼした魔王ディオン。
逃亡を試みたレイアの前で、ディオンは共にあった侍女のノルンをためらいもなく切り捨てる。
「――おまえが、私を恐れるのか? ルシア」
恐れるレイアを、魔王はなぜかルシアと呼んだ。
彼と共に過ごすうちに、彼女はわからなくなる。
自分はルシアなのか。一体誰を愛し夢を語っていたのか。
失われ、蝕まれていく想い。
やがてルシアは、魔王ディオンの真実に辿り着く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる