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第四章 それぞれの選択
side Osaka3 -バイト-
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八月十三日。
唯志からすると夏休み三日目の大阪組。
昨晩はゲームに熱中して割と夜更かしをしてしまった面々だった。
今は朝の八時ごろ。
本来今日はゆっくり寝てゆっくり起きるつもりだった。
だが、昨晩急きょ決まった探偵のバイトがある為割と早めに起床し、準備をしていた。
朝食は唯志が作っていた。
どうやらパンケーキを作っている様だ。
そんな中、申し訳ないとは思いつつも光は化粧をしたり準備をしていた。
なお、莉緒は爆睡中。
莉緒は莉緒で大学の友人と遊ぶ予定があるらしいのだが、昼からなので昼まで寝るそうだ。
準備の終わった光がリビングに顔を出す。
「お待たせ、唯志君。何か手伝うことある?」
「いや、出来たところ。座って食べてくれたら良いよ。」
部屋中にパンケーキの (主にシロップの) 甘い香りが漂った。
「わー、おいしそう。唯志君凄いねー。」
「これ、混ぜて焼くだけだぞ?何も凄くないって。」
「そっかなぁ。タク君の部屋じゃ一生出てこなそう・・・。」
そう言って光は笑っていた。
----
朝食も食べ、準備も済ませた光と唯志は佐藤の事務所に向かっていた。
「ねぇ唯志君、私の格好変じゃないかな?」
「ん?いつも通りだけど?」
光は家を出る前くらいから少しそわそわしていた。
「あんまり気にしなくて良いって。それっぽく見えたら良いだけなんだから。」
「うう~。でもほら、フリとはいえ・・・一応デートってことだよね?」
光はもじもじしながら言っていた。
「まぁそうだな。そもそもひかりん可愛いんだからどんな格好でもっぽく見えると思うぞ?」
「え、あ、その・・・。」
光は顔を真っ赤にして更にもじもじしていた。
「どした?」
光の様子がおかしいと思ったのか、唯志は心配そうに光に聞いた。
「いや、その・・・。フリでも一応デートだし・・・」
光は小声でボソッと言った。
唯志には聞こえないくらいの声量で。
「?」
唯志はよくわからず、はてなを浮かべていた。
----
佐藤の探偵事務所の一室。
「--と言ったところだけど、何か質問は?」
ひと通りの説明を終えた佐藤が光と唯志に向けて質疑応答を行っているところだった。
「カメラ、コンデジなんですね。」
(コンデジ?)
光はコンデジがよくわかっておらず、ポカーンとしていた。
「場所も場所だし、徒歩となると一眼レフは目立つからね。そのデジカメと仕込んだビデオカメラだけで十分証拠は撮れると思うよ。」
と佐藤が答えた。
確かに探偵と言えば、どこぞの窓からとか車から一眼レフを構えてる絵が思い浮かぶ。
多分ドラマとかの影響だろう。
「ターゲットは待ち合わせからすぐにラブホ街に移動するんですか?途中で百貨店やら商店街に寄られたりすると尾行は素人ですよ、僕ら。」
確かに、唯志一人ならまだしも光もいるとなるとボロが出そうだ。
「一応情報だとラブホ街直行らしい。いつものパターンみたいだ。」
と佐藤が答える。
「押さえるのは入ったところと出たところですよね?ホテルに滞在してる時間の予想は?」
「詳しい時間はわからない。が、普段不倫時の出かける時間と帰ってくる時間から推測すると二、三時間だろうね。」
「まぁ普通ってところですか。それだけの時間、表で張るのは難しいでしょうし、最中小一時間程度は移動しても?」
「ああ、構わないよ。むしろそうしないと怪しすぎるからね。」
「了解です、ひかりんは聞きたいことは?」
唯志は一通り聞きたいことを聞いた様で、光に話を振った。
「んーっと。ずっと気になってたんですけど・・・皆さんが言ってるラブホって何ですか?」
光は真顔できょとんとして訊ねていた。
カップルのフリの部分には露骨に照れていた光がラブホ街には特に反応を示さなかったのは、知らなかったからのようだ。
「えっと・・・そっか。未来じゃラブホって言わないのか・・・。」
恵が予想外と言った感じで答えに困っていた。
「なるほど・・・だからそこには反応が薄かったのか・・・。」
佐藤も何か腑に落ちたと言った感じで困っていた。
「あー、えっとな・・・。ラブホテルって言ってもわからない?」
唯志が言葉を選びながらなんとか答えようとしている。
「ラブホテル・・・?ホテルってこと?」
「うん、ホテルはホテルなんだが・・・。まぁあれだ。大人の男女用のホテルってことだ。」
唯志が珍しく言葉を濁して答えた。
流石の唯志でもこれははっきりとは言いづらかった様だ。
「大人の・・・?・・・・ッッ!!」
光が目も口も大きく開いて、顔は真っ赤になっていた。
「まぁその、ターゲットの顔写真とかの資料は二人のスマホに送っておいたから!じゃあ、よろしく頼むよ!」
佐藤はそう言って、そそくさと部屋を出て行った。
(あ、一人で逃げた。)
恵は佐藤が逃げてしまい、逃げるタイミングを逸してしまった。
「えっと、じゃあ今日今から行くラブホ街って・・・?」
光はあわあわしながら唯志に質問を続けていた。
「まぁそう言うホテルが立ち並ぶ場所・・・。当然そういう目的のカップルが集まってる場所・・・かな。」
何の反応も示さなかったので平気なんだろうと思っていた唯志だったが、この反応は予想外だったようだ。
「~~ッッッ!!」
光は一人声になってない叫びを発していた。
唯志からすると夏休み三日目の大阪組。
昨晩はゲームに熱中して割と夜更かしをしてしまった面々だった。
今は朝の八時ごろ。
本来今日はゆっくり寝てゆっくり起きるつもりだった。
だが、昨晩急きょ決まった探偵のバイトがある為割と早めに起床し、準備をしていた。
朝食は唯志が作っていた。
どうやらパンケーキを作っている様だ。
そんな中、申し訳ないとは思いつつも光は化粧をしたり準備をしていた。
なお、莉緒は爆睡中。
莉緒は莉緒で大学の友人と遊ぶ予定があるらしいのだが、昼からなので昼まで寝るそうだ。
準備の終わった光がリビングに顔を出す。
「お待たせ、唯志君。何か手伝うことある?」
「いや、出来たところ。座って食べてくれたら良いよ。」
部屋中にパンケーキの (主にシロップの) 甘い香りが漂った。
「わー、おいしそう。唯志君凄いねー。」
「これ、混ぜて焼くだけだぞ?何も凄くないって。」
「そっかなぁ。タク君の部屋じゃ一生出てこなそう・・・。」
そう言って光は笑っていた。
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朝食も食べ、準備も済ませた光と唯志は佐藤の事務所に向かっていた。
「ねぇ唯志君、私の格好変じゃないかな?」
「ん?いつも通りだけど?」
光は家を出る前くらいから少しそわそわしていた。
「あんまり気にしなくて良いって。それっぽく見えたら良いだけなんだから。」
「うう~。でもほら、フリとはいえ・・・一応デートってことだよね?」
光はもじもじしながら言っていた。
「まぁそうだな。そもそもひかりん可愛いんだからどんな格好でもっぽく見えると思うぞ?」
「え、あ、その・・・。」
光は顔を真っ赤にして更にもじもじしていた。
「どした?」
光の様子がおかしいと思ったのか、唯志は心配そうに光に聞いた。
「いや、その・・・。フリでも一応デートだし・・・」
光は小声でボソッと言った。
唯志には聞こえないくらいの声量で。
「?」
唯志はよくわからず、はてなを浮かべていた。
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佐藤の探偵事務所の一室。
「--と言ったところだけど、何か質問は?」
ひと通りの説明を終えた佐藤が光と唯志に向けて質疑応答を行っているところだった。
「カメラ、コンデジなんですね。」
(コンデジ?)
光はコンデジがよくわかっておらず、ポカーンとしていた。
「場所も場所だし、徒歩となると一眼レフは目立つからね。そのデジカメと仕込んだビデオカメラだけで十分証拠は撮れると思うよ。」
と佐藤が答えた。
確かに探偵と言えば、どこぞの窓からとか車から一眼レフを構えてる絵が思い浮かぶ。
多分ドラマとかの影響だろう。
「ターゲットは待ち合わせからすぐにラブホ街に移動するんですか?途中で百貨店やら商店街に寄られたりすると尾行は素人ですよ、僕ら。」
確かに、唯志一人ならまだしも光もいるとなるとボロが出そうだ。
「一応情報だとラブホ街直行らしい。いつものパターンみたいだ。」
と佐藤が答える。
「押さえるのは入ったところと出たところですよね?ホテルに滞在してる時間の予想は?」
「詳しい時間はわからない。が、普段不倫時の出かける時間と帰ってくる時間から推測すると二、三時間だろうね。」
「まぁ普通ってところですか。それだけの時間、表で張るのは難しいでしょうし、最中小一時間程度は移動しても?」
「ああ、構わないよ。むしろそうしないと怪しすぎるからね。」
「了解です、ひかりんは聞きたいことは?」
唯志は一通り聞きたいことを聞いた様で、光に話を振った。
「んーっと。ずっと気になってたんですけど・・・皆さんが言ってるラブホって何ですか?」
光は真顔できょとんとして訊ねていた。
カップルのフリの部分には露骨に照れていた光がラブホ街には特に反応を示さなかったのは、知らなかったからのようだ。
「えっと・・・そっか。未来じゃラブホって言わないのか・・・。」
恵が予想外と言った感じで答えに困っていた。
「なるほど・・・だからそこには反応が薄かったのか・・・。」
佐藤も何か腑に落ちたと言った感じで困っていた。
「あー、えっとな・・・。ラブホテルって言ってもわからない?」
唯志が言葉を選びながらなんとか答えようとしている。
「ラブホテル・・・?ホテルってこと?」
「うん、ホテルはホテルなんだが・・・。まぁあれだ。大人の男女用のホテルってことだ。」
唯志が珍しく言葉を濁して答えた。
流石の唯志でもこれははっきりとは言いづらかった様だ。
「大人の・・・?・・・・ッッ!!」
光が目も口も大きく開いて、顔は真っ赤になっていた。
「まぁその、ターゲットの顔写真とかの資料は二人のスマホに送っておいたから!じゃあ、よろしく頼むよ!」
佐藤はそう言って、そそくさと部屋を出て行った。
(あ、一人で逃げた。)
恵は佐藤が逃げてしまい、逃げるタイミングを逸してしまった。
「えっと、じゃあ今日今から行くラブホ街って・・・?」
光はあわあわしながら唯志に質問を続けていた。
「まぁそう言うホテルが立ち並ぶ場所・・・。当然そういう目的のカップルが集まってる場所・・・かな。」
何の反応も示さなかったので平気なんだろうと思っていた唯志だったが、この反応は予想外だったようだ。
「~~ッッッ!!」
光は一人声になってない叫びを発していた。
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