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第五章 姫様と宰相

それぞれの夜と姫様の世話係

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ユナ「あっ、おかえり♪」

「お、おかえり、エマちゃん。うっ! はぅっ⋯はぁ⋯」

 ユナが普通におかえりを言うので、釣られて俺もおかえりを言ったが、射精したばかりのチンポがまだおっぱいに挟まれている。

エマ「ただいま⋯です。タカシさまぁ、エマも⋯エマのおっぱいでも⋯♡」

「う、うん。ちょっと待ってね」

 一部始終を見て自分もしたくなったようだ。
 そのまま腰を突き上げて残りを出しきる。
 服を着たままの谷間で余韻を堪能するのはエロくて最高だな。

 ユナがチンポをお掃除フェラすると、エマちゃんが自分の番だという感じで俺の股の間に座ったので、とりあえずお帰りのキスをした。
 期待に満ちた表情だが、エマちゃんは普通のTシャツを着ているから、ノーハンドパイズリは無理だろう。

「おっぱいを寄せられる、この間ケイトさんのお店で買ったチューブトップを着てくれる?」

エマ「はい♪」

 嬉しそうに返事をして、エマちゃんが自分の部屋へ着替えに行った。

ユナ「エマも動画を観て、凄くしてみたいって言っていたんです」

 妹が喜ぶ姿が見たいのか、ユナが嬉しそうに言ってきた。
 気持ちは解るが、ノーハンドパイズリをしたい妹の願いを叶えたいとは、姉として有りなのか?

 ふと思い出したが、エマちゃんに女子学生服を着せたい。
 確実に理性が飛ぶだろうが、激しくエッチしてもエマちゃんは喜んでくれる。
 女子学生服姿の美少女とエッチするのは俺の夢だ!

 ユナ達にも着せたいが、やはり15歳のエマちゃんに1番初めに着てもらうべきだろう。
 しかし俺も心配なくらい興奮しそうで不安だな。


 ユナが顔や服に飛び散った精子を舐めていると、エマちゃんが短パンとチューブトップ姿でリビングへ現れた。
 美少女のエマちゃんが着ると何でも可愛いな。

エマ「エマにもイチャイチャしたパイズリをさせてください♡」

「うん。じゃあ服の下からチンポ挿れるよ?」

 エマちゃんがまた嬉しそうに股の間へ座ってくれたので、チューブトップの下からチンポを挿れた。
 狐耳美少女のノーハンドパイズリは最高だ!

 両手を恋人繋ぎで握って腰を突き上げ、イチャイチャしたノーハンドパイズリで射精すると、エマちゃんの可愛い顔と谷間も精子まみれになった。

エマ「んふっ、いっぱい⋯♡」

「はぁ⋯はぁ⋯うっ! 気持ちいいっ!」

 谷間で射精後の余韻を味わっていると、いつの間にかユーリが隣に居た。
 ノーハンドパイズリに夢中で、俺もエマちゃんも気付かなかったな。

ユーリ「次は私もいいですか?♡」

 いきなり始まったノーハンドパイズリ大会。
 俺は何て幸せ者なんだ。

 ユーリのノーハンドパイズリでも射精して、ユーリの顔と谷間も精子まみれになった。
 ユナ達はパイズリするだけで太ももに垂れるほど濡れてしまうから、このままセックスもした方がいいな。

ユナ「お腹が空いたので、夕食を食べてからお風呂に入りましょうか?」

 俺だけ気持ち良くなって申し訳ないと思ったが、ユナは早くタコ焼きが食べたいみたいだ。
 まあ続きはお風呂ですればいいか。

「そうだな。今日の夕食はタコ焼きという料理を作るから楽しみにしてて。ユーリは、まずは一口食べてから作るところ見てほしいから、リビングで待っててくれる?」

ユーリ「? はい、わかりました」

 一瞬不思議そうにしたが素直に納得してくれた。
 サプライズ的なものと思ったようだ。
 まあサプライズではあるんだが⋯。

 キッチンのテーブルにタコ焼きの鉄板をセットして、生地を流し入れてタコ焼きを作っていく。
 エマちゃんは興味津々だ。

エマ「それは何ですか?」

「これは海の生き物なんだけど、名前はユーリが食べた後に教えてあげるよ」

 家庭用のタコ焼きの鉄板は20個窪みがあるので、とりあえず20個焼いて、ユーリとエマちゃんに10個ずつ食べてもらう。

「中が熱いけど、ハフハフしながら食べる料理だから、口の中を火傷しないように気を付けて食べてね」

エマ、ユーリ「「はい♪ いただきま~す♪」」

 爪楊枝が無いので、エマちゃんとユーリには竹串で食べてもらう。
 流石に爪楊枝は使い捨てにしたいから、寺院の子供達に作ってもらえば、定期的に仕事を頼めるな。
 タコ焼きを入れる笹船みたいな入れ物も頼んでみよう。

エマ「あっ、はふっ、んふっ、はふっ、んっ! 美味しいです♪」

ユーリ「んっ、んふっ、はふっ、あっ、美味しい~♪ 中のコリコリした美味しい具は何ですか?」

 やはり中身が気になったようだ。
 ユーリが飲み込むのを待ってから教えてみる。

「それはオクトパースだよ。ユーリは知っていると思うけど、食べてみると美味しいだろ?」

ユーリ「おっ、オクトパース!?  ビックリしましたけど、オクトパースってこんなに美味しいんですね♪」

 やはり食べてから教えて正解だったみたいだな。

 そのままタコ焼きパーティーをして、途中でユーリが好きそうなニンジンやキャベツの微塵切りを入れたタコ焼きも作ってみると、予想通り絶賛してくれた。
 屋台販売する時は、獣人の種族に合わせた種類も販売しよう。

ユーリ「タカシさんが作ってくれたお弁当も凄く美味しかったです♪ あれは何ていう料理なんですか?」

「オムライスという料理で、炊いたお米にケチャップを絡めて、上に卵を乗せたり、卵で包んだりする料理だよ」

ユナ「卵で包む作り方もあるんですか?」

「うん。薄く焼いた卵の上にケチャップを絡めたお米を乗せて、上手く包んでいく作り方もある。また今度作ってあげるよ」

エマ「その作り方も教えてくださいね」

「明日リカさんのお店でいろんな料理を教えてあげる。炊いたお米を使った料理がまだまだあるんだ」

ユーリ「本屋の休憩室でお弁当を食べていたら、職場のみんなに羨ましがられました♪」

 ケチャップで「ユーリ♡」と書いたから、彼氏に作ってもらったとバレたのかもな。
 気持ちを伝え合った仲だから間違ってないけど、ユーリの同僚が欲情してしまうかも知れない。


 俺もみんなも、タコ焼きを食べながら果実強炭酸ジュースも飲んで食欲が満たされたので、風呂へ入って性欲も満たす。

 みんなに服を脱がせてもらい、俺もみんなの服を順番に脱がせて、お風呂で2回ずつ中出ししてしまった。
 ハーレムセックスって最高だ!

 湯船でもみんなのおっぱいを堪能して風呂を上がり、リビングのテーブルにキャラメルポップコーンと果実強炭酸ジュースを用意して、みんながエッチなベビードール姿で来てくれるのを待つ。

 本当に幸せな夜だな。
 ミーシャとアイリが居ないのは寂しいが、明日には帰ってくるから我慢しよう。

 どんな演劇が追加されているかは観てみないと分からないし、ミーシャ達にも悪い気がするので、今日は1つだけ観てみよう。

 演劇の動画が10話あるけど、タイトルが付いている訳でもない。
 しかし冒頭のサムネイルみたいな画面が表示されていて、何となくどんな話か分かるようになっている。
 ペルセウスの話っぽい恋愛物が2つに、普通の恋愛物っぽい話が2つ、後は喜劇みたいな感じが3つで、他のは観てみないと分からないサムネイルだった。

 画面のサムネイルを観ていると、ユナ達が脱衣所から出てきた。
 みんなエッチなベビードールを着ている。

ユナ「新しい演劇、凄く楽しみです♪」

ユーリ「新しい演劇があるんですか?」

「ああ。でもミーシャ達が可哀想だから、今日は1つだけ観て、寝室でエッチしような」

みんな「「「はい♡」」」
 

 ユナ達にサムネイルを見ながら選んでもらうと、獣人の子供が2人映っている演劇が気になったようだ。
 こんなに幼い子供でも役者なのか?

 俺も気になるので、みんなでその演劇を観ていく。
 この演劇を選んだ理由を聞きたいが、3人とも動画が再生された瞬間から集中しているから、上映中に話し掛けない方がいいな。
 

 キャラメルポップコーンを食べながら観ていると、幼い男の子と女の子が冒険する内容のようだった。
 まだ幼いから恋愛って感じではないが、2人とも冒険の吊り橋効果で恋愛に発展するかもな。

 2人ともライオン族で、男の子はパム、女の子は偶然にもアイリという名前だ。
 女の子の母親が病気で、近所の森へ薬草を採りに行く話だが、子供達にとっては冒険だ。

ユナ「子供達2人で森へ入るなんて危ないよぅ⋯」

 すでに世界観に入り込んでいるな。

エマ「魔物避けの木が生えているのかも知れないよ?」

ユナ「薬草は、魔物避けの木の近くには生えないの」

 そうなのか?
 流石、凄腕調合師だな。 


 2人で薬草を探していると、魔物ではないが熊が出てきた。
 可愛い熊の着ぐるみを着た役者だが、敢えて可愛い感じにしているんだろう。

 熊が襲ってきたので2人は慌てて逃げだし、近くの木に女の子が先に登り、男の子が下から女の子を押し上げながら登った。

パム「熊がどこかに行くまで待つしかないね」

アイリ「うん。でも登って来るかも⋯」

 女の子が泣きそうになっているので、男の子が女の子の手を握った。

パム「大丈夫。アイリは僕が守るから」

 熊が木に登ってきたので、パムくんがポケットからナイフを取り出して、近くに絡まっていた蔓を切ってアイリちゃんを抱き寄せ、ターザンのように違う木に飛び移った。

 そのまま2人で次々と違う木に飛び移って行くと、熊が諦めて去っていったが、今度は木から降りられなくなったので、近くの崖の平らな所へ飛び移った。
 崖沿いの細い道を気を付けながら歩いていくと、何とか崖の上に出た。
 元の場所へ戻る為に道を探すが、熊から逃げることに必死で知らない場所へ来てしまった。

 そこからは雨が降ってきたので、たまたまあった洞窟に入って雨宿りしたり、子供なので興味本位で洞窟の奥へ行ったりして、面白い冒険をしていく。
 ユナ達はハラハラしながら観ていて、凄く楽しんでくれているな。

 危なげながらも楽しい冒険をして、最後は薬草を見付けて家に帰り、アイリちゃんの母親は病気が治ってハッピーエンドな内容だった。


 なかなか面白い演劇だったな。
 主役が子供なのもいいし、子供らしい恋愛が愛らしい。
 明日アイリが観たら、自分と同じ名前の女の子がヒロインだし、凄く感情移入しそうだな。


ユナ「凄くいい演劇でしたね♪」

ユーリ「アイリちゃん可愛いし、パムくんも素敵♪」

エマ「素敵な演劇でした♪」

 みんな満足してくれたようだし、エマちゃんは泣きそうになっている。
 感動して涙目になっている女性は、どうしてこんなに可愛いのか。

 昔、24時間やる番組を男友達5人で観ていて、普段はあまり興味がなかった司会の芸能人女性が感動して泣いている場面が映り、男5人とも声を揃えて「可愛い~♡♡」と言ってしまった経験がある。
 あの泣き顔は誰が見ても可愛い。
 悲しくて泣いている時とは違い、感動して泣いている女性は胸にグッとくるものがある。
 俺は無意識にエマちゃんを抱き寄せていた。
 これは可愛すぎるエマちゃんが悪い。

エマ「あっ⋯♡ んふっ、タカシ様♪」

「泣いちゃうくらい楽しんでくれて、劇団のみんなも喜んでくれるよ」

 劇場へ行ったら感想を伝えておこう。
 狐耳を撫でているとエマちゃんが落ち着いてくれたけど、今度はみんな欲情した感じになった。
 演劇も楽しいが、やはり俺とエッチなことをするのも楽しみなようだ。

 寝室へ行く前に、「明日のお昼はカレーという美味しそうな料理だよ♪」とユナが言った。
 ユナは食べたくて仕方ないみたいだが、ユーリは明日も仕事でお昼は居ないので、残念そうにしてしまった。
 
「ユーリ用に、カレー弁当を作ってあげるよ」

ユーリ「わぁぁぁ、ありがとうございます♪」

 しかしお昼にカレー弁当を出したら、匂いで同僚が我慢できなくなるかも知れないな。

「本屋の従業員は何人居るの?」

ユーリ「社長と店長も入れて6人ですが、もしかしてタカシさん⋯♪」

「カレーは匂いだけでお腹が鳴っちゃう料理だから、同僚の分も作ってあげる。ユーリがいつもお世話になっているしな」

ユーリ「ありがとうございますぅ♪」

 まだ10時過ぎなので、ユーリ用の野菜カレーを4人で作っていく。
 同僚は獣人ばかりで、社長はチーター族の男性だが、他は女性の店員だという。
 さっき作ったカレーと同じ作り方をして、大きめに切ったニンジンとジャガイモを入れ、肉は鶏肉にしてチキンカレーを作った。
 社長の分は最初に作ったカレーにカツを乗せたカツカレーでいいだろう。

 匂いを嗅いだみんなが食べたくて仕方ない表情になっていたが、夕食にタコ焼きをたくさん食べたし、キャラメルポップコーンも食べたので食べ過ぎだろう。
 それにカレーを食べた後にチンポを舐められたら、ヒリヒリしそうな気がする。

 ついでにファプールとハチミツを使った甘めのカレーも作っておく。
 明日みんなに食べてもらって、細かい好みを知っておきたい。

 カレーが3種類完成すると、ユナ達の表情がカレーを食べたそうな顔から欲情した顔に戻った。

「カレーは明日まで我慢してね。じゃあ寝室へ行こうか?」

みんな「「「はい♡♡」」」

 今夜も欲情したみんなと寝室へ向かう、ドスケベなタカシであった。



 タカシ達がタコ焼きを食べていた頃、昨日の夜営地に着いたミーシャ達は、今から夕食にするところだった。
 ミーシャとアイリは、タカシが自分達の為にお弁当を作ってくれたので燥いでいた。

オグリ「ミーシャさん達、何だが嬉しそうですね」

ミーシャ「あ、はい♪ 実はタカシさんがお弁当を作ってくれて、今日の夕食に食べてくれって渡されたので」

アイリ「オグリさん達の分も作ってくれたので、そろそろ夕食にしましょう♪」

オグリ「そ、そうなんですか!? タカシさんが作ったお弁当なんて、凄く楽しみですよ!」

 昨日の夜営でハンバーグドッグを食べて感激したので、オグリは期待でヨダレが溢れていた。
 しかしタカシは大きな仕事を頼んでくれたお客様なので、ハンバーグドッグの感想を話した時、自分達が物欲しそうな顔になっていたのかと心配になってしまった。
 オグリは特別お客に気を使う、少し心配症な性格なのだ。

ミーシャ「タカシさんも料理の感想を聞きたいと思うので、遠慮なさらないでください。あまり遠慮をされると困ってしまう人なんです」

 オグリの性格を知っているミーシャが言い聞かせ、何とか遠慮なくお弁当を食べてもらうことになった。

 ミーシャとアイリは、昨日タカシが夜営地周辺の魔物を討伐して、魔吸木まで引っこ抜き、盗賊のことも解決したと聞いているので、今日は商人のみなさんと火を囲んで夕食にする。
 動物は居るだろうが、魔物も盗賊も居ないだろう。

ミーシャ「これがタカシさんの作ってくれたお弁当です。私達もどんな料理か知らないので、みんなで一緒に開けてみましょう」

 楽しみなミーシャは、みんなのリアクションを見たくなったので提案した。
 普段はここまで気を抜かないミーシャだが、タカシが自分達の為にお弁当を作ってくれて、ちょっとポンコツになっていた。

 収納鞄のことはバレているので、ミーシャが商人達に熱々出来立てのお弁当を配った。

アイリ「じゃあ開けてみましょう♪」

 一緒にと言ったのに、アイリはポンコツになっていて、誰より1番にオムライス弁当を開けた。
 それに釣られるようにみんなも蓋を開け、まずは見た目に感激する。
 
オグリ「卵がトロトロで、ケチャップの美味しそうな匂いが⋯⋯じゅるるっ!」

商人B「こ、これは⋯!?」

商人C「凄く美味しそうだ!」

みんな「「「いただきま~す♪」」」

 スプーンでトロトロの卵を中のケチャップライスと一緒に掬う。
 ケチャップの絡まったお米が美味しそうで、みんなが一口食べてだらしない顔になった。
 
ミーシャ「んっ、んふっ♪ 美味しい~!」

アイリ「鶏肉が入ってるし、お米って美味しいね♪」

オグリ「ん~、これは旨い! お米にケチャップが合うとは知らなかったですよ」

商人B「これは鶏の胸肉ですね。ニンジンもたくさん入ってて美味しい」

 ニンジンがたくさん入っていると聞いたミーシャとアイリは、商人さん達用に別で作ってくれたんだと察して、タカシに惚れ直していた。
 それを商人達に伝えると、商人達も感激してタカシに感謝した。

 知らない内に、商人達にまで神様扱いされるタカシであった。



 その頃、セドム村のリカの飲食店では⋯⋯。

ベン「お米の料理は美味しいですな」

村長「米を食べるのは久しぶりじゃが、本当に美味しい米料理じゃ」

 オムライスを食べた村長は、なぜか眠気が飛んで元気になっていた。
 ナナとニーナもビックリしている。

 このお米は、タカシが川でユナ達とセックスした時、川に溶け出した精子を含んだ水で育ったので、人を元気にする効果がある。
 タカシの精子は大精霊の力さえ回復する効果があるので、村長が少し元気になって当然なのだ。
 
 明日も仕事があるので建築組のみんなは酒を控え目だが、リムナとレムは酔っ払っていた。
 美味しい米料理をタカシに教えてもらったとリカに聞いたエリダ達は、夕食を食べにリカの店へ来て、エリダとランが料理を手伝っていた。


 オムライスのフワトロ卵は難しいのでリカに任せ、エリダは親子丼とカツ丼、焼飯を作っていて、ランは精肉をしていた。
 牛丼は、牛バラ肉を出来るだけ薄く切らないとダメで、タカシも牛肉を薄く切れなかったと聞いた。
 ランは精肉には自信があるし、良く切れる精肉専用の包丁も揃えてもらっているので、牛肉を薄く切ろうとしたが、いくら頑張っても薄く切るのは難しかったので落ち込んでいた。

 タカシは、牛肉を薄く切るには丸い回転刃の付いた機械が必要だと思い、すでに金属加工会社へ発注していた。
 元の世界の肉屋で売っていたしゃぶしゃぶ用などの薄切り肉は、回転刃が付いているミートスライサーが必要なのは知っているし、包丁で薄く切るには限界がある。
 ただ危ない機械なので、安全性を重視して、バリアの魔法も付与した機械設定をする予定だ。

 しかしランは、精肉には自信があるので何とか薄く切ろうと頑張ってしまい、出来なくて落ち込んでしまった。
 タカシでも無理だったことが出来れば、タカシに誉めてもらえると思ったからだ。

 少し落ち込んだ感じのランを気にしながら、リカとエリダは一生懸命料理を作っていた。
 リカとエリダは料理を作って人に食べさせるのが好きだし、タカシに教えてもらった美味しい料理を作るのが楽しかった。
 ランのことは、帰ってからフォローしようと思っていた。
 本当に仲の良い、家族みたいな関係だ。


 建築組は明日の仕事が気になるので帰り、助け出されたみんなも久しぶりにお酒を堪能して帰ったが、リムナとレムの2人はお酒が好きなので残って飲んでいた。
 
エリダ「タカシさんが新しく追加してくれた演劇を観たいから、そろそろ帰りましょう? お酒とツマミは持って帰っていいから」

リムナ「そうだ! 演劇楽しみ~♪」

レム「お酒を飲みながら演劇って、タカシさんのお陰で幸せ過ぎ♪」

 ガーランドの屋敷に居た時、残ったお酒を1番に飲みたがった2人なので、みんなリムナとレムが酒好きなのは知っていた。
 レムは元々酒好きだが、リムナはガーランドによるストレスで酒にハマったところがある。
 ガーランドにチンポを見せられた日は、酒を飲まないと寝られなかったくらいだ。

 というのも、リムナはガーランドに少し気に入られていて、チンポの匂いを嗅がされたことがある。
 他のみんなはそこまでされたことはない。
 リムナは短小包茎チンポの臭い匂いを嗅がされてトラウマになっているので、タカシのチンポの匂いを嗅いでみたくて仕方なくなっていた。

リムナ「ごめんリカ、エリダさん。久しぶりにお酒飲むし、料理が美味しくて」

レム「リムナ、助け出されてからお酒は要らないって言ってたもんね」

エリダ「また⋯思い出したの?」

リカ「もう忘れた方が⋯⋯って言っても、なかなかキツいわね」

リムナ「⋯⋯タカシさん」

 みんな事情は知っているので、リムナの辛さは痛いほど分かっていた。
 見せられるだけでも吐くほど嫌なのに、匂いを嗅がされたリムナには同情しかない。
 しかしエリダは、タカシのチンポの匂いを嗅いだことがあるので、いつかトラウマを払拭出来るだろうと思っていた。

 エリダがタカシのチンポの匂いを嗅いだ時は、我満汁まみれのまま敢えて「洗浄」も掛けていなかったので、獣人女性が香水にしたいと思うほどフェロモンまみれの匂いがしていた。
 タカシのチンポは、洗っていないと匂いも濃く、我満汁まみれだと女性は全員欲情してしまうのだ。
 それは混血種女性に限らず、この世界の女性全員だということをタカシが知るのは、少しだけ後になる。


 店を閉めてお風呂屋へ行き、今日の疲れを癒して家屋へ帰り、キャラメルポップコーンを食べながらみんなで新しい演劇を観て、みんな順番にオナニー部屋を使って眠りに就いた。
 この世界の獣人女性にとって、めちゃくちゃ幸せな生活だ。



 一方タカシは、今夜もユナ達とセックスしまくって、みんなに抱き付かれながら眠りに就いていた。
 だがまた王城へ忍び込む予定なので、夜中に起きるつもりで浅い眠りに就く。
 明日ラルフさんに頼んで作ってもらうパイズリ専用椅子を使うのが楽しみで、セックスしまくったのにモンモンとしているので、意識しないで浅い眠りに就けた。


 一眠りして時間を確認すると夜中の1時だったので、抱き付いているエマちゃんを起こさないようベッド脇に「転移」すると、エマちゃんがモゾモゾと動いてユーリに抱き付いた。
 なぜかユナはユーリと手を繋いでいる。
 本当にみんな仲がいいな。

 みんなの寝顔を確認してリビングに移動し、軽装鎧を装備してから「透明」の魔法を起動して、王城近くに「転移」した。


「探索魔法」で姫様らしき魔族の女性を確認して、まずは隣の獣人女性達の部屋へ「転移」する。
 聞いた話では、姫様は魔法で操られているようだ。
「呪い」の魔法があるなら「解呪」の魔法で解けるはすだが、人を操る魔法なんて俺の持っている魔法書に載っていない気がする。
 そもそも「呪い」系の魔法は、火・水・土・風・光のどの種類とも違うし、無種魔法でもないと思うんだよな。

 姫様の世話係らしい獣人女性達の部屋へ「転移」すると、夜中なのにまだ起きていて、1人は本を読んでいるし、後2人は何か作業をしていた。
 鎧には「消臭」の魔法が付与されているので、近付いて本を見てみるとエロ本だった。
 獣人女性はみんなエロ本が好きなんだな。

 エロ本の挿絵の感じからしてペルセウスの二次創作のようだし、隣の獣人女性は人間男性の裸の絵を描いているし、その隣の獣人女性は絵に色を塗っている。
 何なんだこの獣人女性達は。

「鑑定」してみると、エロ本を読んでいるのは「ミケ 猫族の獣人 ♀ 26歳 魔法種無し」、エッチな絵を描いているのは「ファム フェネック族の獣人 ♀ 26歳 魔法種光魔法」、絵に色を塗っているのは「ミカン 猿族の獣人 ♀ 27歳 魔法種無し」と出た。

 猫族とフェネック族の獣人女性は見たことのある見た目だが、猿族の獣人女性は尻尾がモフモフで縞模様だ。
 こんな猿族の獣人もいるんだな。
 みんな美人で巨乳だし、毛並みがモフモフなのは、ケモ耳好きな姫様の趣味だろうか。

 ちょっとタイミング的にヤバい気もするが、とりあえず部屋に「防音」を付与してから「念話」で話し掛けてみる。

『突然申し訳ないのですが、怪しい者ではないので驚かないでください』

 いや、王城に忍び込んでいる時点で十分怪しいな。
 不法侵入で警備員を呼ばれるかも知れない。
 また考えが足りなかったのか俺は。

ミケ「だ、誰ですか?」

ファム「頭の中に声が⋯⋯」

ミカン「これは⋯⋯『テレパシー』の魔法ですか?」

 姫様の世話係だからなのか、「念話」の魔法は知っているようだ。

『はい。本当に怪しい者ではないので、少し話を聞いてください』

 そう伝えると、3人が顔を見合わせて少し迷った後に頷いてくれたので、俺は「透明」の魔法を解除した。

「俺は冒険者をやっているタカシといいます。驚かせてしまってすみません」

3人「「「ぺ、ペル様⋯⋯♡」」」

 タカシだと名乗ったのに、またこのパターンか。
 軽装鎧を装備しているから当たり前だが、ペルセウスに間違われているなら都合がいいかもな。

「俺は、この国の問題を解決する為に行動しているSSランクの冒険者なので、どうか安心してください」

 ギルドカードを見せてそう言うと、3人の緊張が少し解けたようだ。
 ギルドカードは身分証みたいな物だから、俺の素性が分かれば大丈夫だろう。

ミカン「も、問題を解決とは、どのような事でしょうか?」

 問題だらけだと思うが⋯。

「姫様や宰相様、それにガーランドの事です。ガーランドの横暴で国民は苦しんでいますし、俺は獣人差別が許せない。ガーランドに拐われた獣人女性達や、騎士団長も助け出しましたが、それだけでは解決になっていません」

ミケ「ガーランドに拐われた獣人女性を⋯⋯! あ、あの⋯本当ですか? その中に、ララという猫族の獣人が居たと思うのですが、ララは⋯⋯妹は元気ですか?」

 ララさんは猫族だが、ミケさんの妹だったのか!

「元気ですよ。今はセドムという村に匿っていますが、不自由なく生活しやすくしていますし、ララさんもセドム村に馴染んで⋯⋯あっ! 『テレパシー』で話してみますか? 夜中なので寝てると思いますが、ララさんには『テレパシー』の魔道具を渡してあるので、頭の中で会話出来ます。何なら明日セドム村へ会いに行ってあげてください」

ミケ「あっ、はぁぁぁ⋯⋯ずっと妹のことが心配だったんです。ガーランドに拐われて、屋敷で使用人として働かされているとは知っていましたが、酷い目に遭っていると聞いていたので⋯」

 俺は収納からフローライトの欠片を3つ取り出し、「念話」を付与して3人それぞれにしか使えないよう「設定」した。

「これは『テレパシー』を付与した魔道具ですから、連絡用に持っていてください」

 3人にフローライトを渡すと、俺の手を握りながら嬉しそうに受け取ってくれた。

 ミケさんが連絡したそうなので、先に俺が「念話」してみると、新しい演劇を観ていたので、みんなまだ起きているらしい。
 リムナさんとレムさんはお酒を飲んだので寝ているらしいが⋯。

 まだ起きているとミケさんに伝えると、すぐに「テレパシー」の魔道具を起動して妹のララさんに連絡した。

ミケ『ララ、聞こえる? ミケよ。お姉ちゃんよ』

ララ『え? お、お姉ちゃん! 本当にお姉ちゃんなの?』

ミケ『そうよ。タカシ様に事情を聞いて、「テレパシー」の魔道具を頂いたから連絡したの』
 
 俺もララさんに「念話」中だったので、2人の会話が聞こえてくる。
 久しぶりに話す2人の会話を邪魔してはいけないので、俺は姫様の事をミカンさんに聞いてみる。

「それで、教えてほしいのですが、姫様のご様子はどんな感じですか?」

ミカン「⋯はっ! あ、はい。姫様は、何年も前に変わられまして、昔とは別人のようになられました。でも私達が話し掛けると、少し覚えていてくださるようなご様子もあります」

ファム「姫様は、宰相様に『呪い』のような魔法をかけられたようなのです」

「呪い」が魔法なのか分からないが、宰相に操られているのは間違いないな。
 だが俺なら「解呪」で治せるかも知れない。

「俺は光魔法が使えますから、もしかしたら姫様の『呪い』を解けるかも知れません。ここへ来た時のように姿を消して、姫様に会ってみても大丈夫ですか?」

 操られているなら、急に襲ってくることも考えられる。

ミカン「あっ、姿を消して⋯。それなら大丈夫だと思います。姫様は、夜は無反応になられるので⋯」

 夜は無反応?
 よく分からないが大丈夫そうだな。

「では少し様子を見てみます」

 2人に断ってから、「透明」の魔法を起動して姫様の部屋へ「転移」した。
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