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第五章 姫様と宰相

寺院の改装とユーリのスクール水着

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 セドム村の休憩所前に「転移」すると、社員や臨時の作業員が昼食を食べていた。
 俺が作った魔道具のコンロの上に大きな鍋を置き、リカさんがみんなにシチューを配っていて、その横でナディさんがサンマを塩焼きにしている。

「お疲れ様です、みなさん」

みんな「「「お疲れ様です」」」

コリン「タカシさんと一緒だったんですか?」

ジョーイ「ああ、打ち合わせが終わった時に、タカシさんがグーテンベルクに来られたんだ。それよりみんなに大事な仕事を頼みたい」

 俺とジョーイ社長も昼食中のみんなと一緒に座り、寺院の改装の話をする。
 俺からのお願いだから、俺から話そうと思ったが、ジョーイ社長がやる気満々でみんなに改装の話をしていく。

ジョーイ「タカシさんの住んでる街の外れに、孤児を養っている寺院があるらしいんだが、タカシさんがそこの子供達に、サムが屋台販売するハンバーガーの入れ物を作る仕事を依頼された。笹籠だから、子供でも簡単に作れる」

「でも寺院は街外れの森にあって、国の支援もないので少し寂れています。食べ物を入れる物を作ってもらうので、綺麗に改装して欲しいんです」

リカ「孤児を養ってる寺院を綺麗に改装するなんて、凄くいい事だと思います」

ナディ「⋯⋯素敵♡」

 リカさんは笑顔で賛成してくれたし、ナディさんは欲情したように感想を言った。

コリン「それは遣り甲斐のある仕事ですな!」

ベン「やはりタカシさんは神様みたいな人ですよ!」

 また神様に⋯⋯。
 だがみんな孤児の子供達を普段から気にしていたみたいだ。

ジョーイ「俺はグーテンベルクの増築図面を進めるから、手の空いている者で寺院の方へ行って欲しい。増築の打ち合わせは、早くても来週一杯くらいまで掛かると思うから、それまではタカシさんとラルフの指示に従ってくれ」

みんな「「「はい!」」」

 みんなもやる気満々だ。

「今日は週末なので、夕方まで仕事をしてもらったら、明日と明後日は休んでください。やる気があるのは嬉しいですが、休む時は休みましょう。ジョーイ社長に唐揚げと冷えたエールを渡しておきますから、楽しみにしててください」

みんな「「「おおぉぉぉ!」」」

 やはり唐揚げとエールが楽しみだったのか、余計にやる気満々になってしまった。

 そのままみんなと昼食を食べながら、具体的な改装の話を進めた。

 途中でユーリの事が気になったので「念話」をしてみる。

『ユーリ。タカシだけど、待たせてごめんな』

ユーリ『タカシさん♪ いえ、大丈夫ですよ。ユナの家に行こうと思って連絡したら、寺院に居るって言うので、私もアイリと寺院に来てます。孤児の子供達に仕事を頼むなんて、また惚れ直しちゃいました♡ 私にも出来る事があれば言ってくださいね』

『ああ、何かあったらお願いするよ。昼食を食べ終わったら、建築会社の人達と寺院に行くから、もう少し待ってて』

ユーリ『はい♪』

 欲情し過ぎて、俺の声を聞くと我慢出来なくなると聞いていたけど大丈夫そうだな。
 昨日アイリが泊まりに行って、何かあったのかも知れない。
 ユーリにプレゼントする為の抱き締めクッションを用意するのを忘れていたが、一緒にアダルトショップに行って、ユーリの好きな抱き締めクッションを買う方がいいか。

 みんなが昼食を食べ終わり、リカさんが淹れてくれたお茶飲んだ後、ジョーイ社長が声を掛けた。

ジョーイ「じゃあそろそろ、昼からも楽しい仕事を頑張るぞ!」

みんな「「「おう!」」」

 みんなのやる気が半端じゃない。
 何故かリカさん達もワクワクした感じだ。

 作業員全員に肩を組んでもらい、やる気満々のみんなと寺院に「転移」した。


 寺院の前に「転移」してくると、子供達がお風呂で遊んでいた。
 お湯を掛け合ったり、泳いだりして楽しそうにしている。
 おっぱいが膨らんでいる獣人の女の子も居るから、ユナ達の手前、勃起しないようにしなければ⋯。
 女神さんよぅ、ちょっとは加減してくれよ。

ミラン「あ、タカシ様。いろいろありがとうございます。久しぶりのお風呂で、子供達も喜んでいます。ユナさんに詳しく聞いたのですが、本当に良いのですか?」

 ユナが上手く説明してくれたみたいだ。
 たぶん俺が遠慮をされると、逆に困ってしまう事だろう。

「はい。俺は何ヵ月か前に人間族しか居ない国から来たので、孤児の子供達を養ってる寺院がある事を知りませんでした。だから俺にも子供達の為に何かさせてください。それに笹籠の仕事は、本当に頼む業者が無くて困っていたので、寧ろ仕事を受けて頂いて感謝しています」

ミラン「はぁぁぁ♡ ありがとうございます♪」

 ユナがどういう説明をしたのか分からないが、ミランさんは欲情したような視線で俺を見てお礼を言ってきた。
 この人は獣人に厳しいこの世界で、孤児の子供達を養ってきた人だ。
 いろいろ苦労もしてきただろうから、もし俺に欲情してしまったなら、少しでも癒してあげたいな。

「この人達が寺院の改装をしてくださる、ジョーイ建築会社のジョーイ社長と従業員の方達です」

ジョーイ「初めまして。ジョーイ建築会社の社長のジョーイです。タカシさんに聞いて、私達も是非協力したくて来ました」

ミラン「本当に、ありがとうございます」

 簡単な自己紹介が終わると、早速ジョーイ社長達が寺院の改装箇所を見に行った。
 ユナが説明してくれたようで、ミランさんは遠慮していない様子だ。
 俺も寺院に向かおうとすると、サムさんだけ俺の所へ来た。

サム「タカシさん。ハンバーガーの入れ物を寺院の子供達に作ってもらうなんて⋯」

「ああ、言うのが遅れてすみません。ハンバーガーを何に入れて販売するか考えていたんですが、ユナ達に聞いたら笹籠がいいんじゃないかと言うので⋯。でも笹籠は子供でも簡単に作れるから、笹籠を作る事を仕事にしている人は居ないそうで、それなら寺院の子供達に作ってもらって、それを仕事にしてあげたらいいんじゃないかと思ったんです」

サム「そうだったんですね。屋台販売の仕事が楽しみで、入れ物の事まで頭が回ってなかったです。何から何まで、本当にありがとうございます」

 サムさんが感激したように涙目で言ってきた。
 これはまた、神様みたいに思われたな。
 だがユナ達のアイデアだし、俺は大した事はしていない。

「笹籠は、4個で銀貨1枚という値段にしました。最初にめちゃくちゃ売れると思うので、とりあえず500個ほど作ってもらいましょう。サムさんには、ハンバーガーやフライドポテトの作り方を俺とユナが教えます」

サム「はい、頑張ります!」

「収納箱を作るので、毎日たくさん作って出来立てを収納しておけば、お客様を待たせる事なく販売出来るはずです」

サム「えっ? あっ、おおぉ! なるほど! それは凄い販売方法ですね」

「もし売れ残ったとしても、収納箱に入れておけば無駄にならないし、売り切れてしまったら、その日の販売は終了して、次の日の分を作りましょう」

サム「絶対売れますよ! でもタカシさんの言う通り、もし500個も売れたら、次の日までに作るのは難しいですね⋯⋯」

 やる気満々のサムさんだったが、1日に500個もハンバーガーを作る自信は流石にないみたいで、ちょっと不安そうな表情になった。
 だが1人でやろうとしているから無理があるんだ。

「誰かと3人くらいで、仕事を分担してやりましょう。セドム村での畜産の仕事が軌道に乗るまでは、俺が森や山で獲物を狩ってきますが、その獲物を精肉する仕事はランさんに任せる事になっています。リカさんは料理が得意なので、セドム村で料理屋をしたいと言っていましたから、ハンバーガーを作るのを手伝ってもらいましょう」

サム「は、はい! ちょっと勘違いしていました。タカシさんに雇われて屋台販売をするんだから、みんなに協力してもらったらいいんですね!」

 ん? ああ、そうか。
 みんな俺に雇われて仕事をしたいと言っていたから、みんな俺の部下というか、俺の会社の社員みたいな感じになるんだな。
 それなら仕事を分担して当たり前だと、サムさんは思ったみたいだ。

「大変だと思いますが、頑張りましょう。でも明日と明後日は休んでください。週に2日は休んでもらわないと、俺は凄く落ち込みます」

サム「た、タカシさん⋯⋯。なら週に2日は休みますから、土日は屋台販売をさせて頂けませんか? 土日に買ってくださる人が多いと思うので⋯」

 接客業だから休日に働いた方が繁盛するだろうが、仕事のお昼休みに買いに来る人も多い気がする。
 それにちょっと簡単に考えていたが、ハンバーガーを毎日500個も作るのは、3人でも流石に大変だ。

「それでいいと思います。でも今話してて気付いたんですが、やはり毎日500個もハンバーガーを作るのは大変ですし、笹籠も流石に足りなくなる。2日に1度販売するというペースの方がいいかも知れませんね」

 休みの事も考えて、週に3回くらい南区の広場で屋台販売をして、後の日はハンバーガーを作るという仕事のやり方がいいかもな。
 
 サムさんと細かく話をして、金曜、土曜、日曜は、集客が期待できるので屋台販売をする事に決まった。
 後の日で一気にハンバーガーの在庫を作って収納しておけばいい。
 サムさんの話を聞いて、実はアイネさんも屋台販売をやってみたいと言っていたらしいので、休み明けに話をしてみよう。
 もし予想外に売れたら人を増やせばいいし、いくらバカ売れするからといって、ハンバーガーも笹籠も作るのに限界があるし、ブラック企業になり兼ねない。
 それに売り切れという状況も、商品の価値に繋がるだろう。

 話が終わったサムさんが寺院へ走って行くと、今度はニールさんとコリンさんが俺の所へ来た。

ニール「さっき頼まれた物の試作品が出来たので、とりあえず見てもらえますか?」

コリン「断熱する箱も出来てます」

 冷蔵庫はコリンさんが作ってくれたみたいだ。
 ニールさんが収納鞄から壁掛け時計を出して渡してくる。
 
「もう出来てたんですね! いつも本当に早い⋯。それに俺の注文通りで、完璧な出来ですよ!」

 木を丸く切って白く塗り、数字の部分だけ黒く塗ってあり、針は銀色だからアルミかな?
 秒針は赤く塗られているし、全体をガラスで蓋がしてあって、元の世界の壁掛け時計と全く同じだ。

ニール「これって時計ですよね?」

「ええ。これに魔法を付与すると⋯⋯」

 壁掛け時計に「時間」の魔法を付与すると、針が勝手に動いて1時20分の位置になったし、秒針も動いている。
 時間まで自動で合わせてくれるなら、時間が狂う事もないんだな。
 
ニール、コリン「「え? ええぇぇっ!」」

「俺はみなさんのように、太陽の位置で時間が分かったりしないので、魔法で動く時計が欲しかったんですよ」

ニール「な、なるほど。しかしこれは便利ですね。たくさん作りますから、また魔法を付与してもらえますか?」

「もちろん! 実はニールさん達に、腕に着ける時計をプレゼントしたかったんですが、仕事の邪魔になってしまいますかね?」

コリン「そうですねぇ。腕に着けて仕事をしたら傷んでしまうかも知れません」

ニール「ああ、だからもう1つデザインがあったんですね! 現場で仕事をするなら、あっちの方が良さそうです」

 懐中時計の方がいいみたいだな。
 でも俺用に、カッコいい腕時計も作ってもらおう。
 コリンさんが作った冷蔵庫は、ユナの家にあるのと同じで、元の世界の2ドアの冷蔵庫と同じだった。
 これもたくさん作ってもらおう。
 収納箱があるから食材が腐ったりする心配は無いが、エールやジュースを冷やしたり出来ないから、冷蔵庫はあった方がいい。

 懐中時計を全員分と、冷蔵庫を100台、お風呂屋の脱衣場に置く、ガラスの扉が付いた中が見えるタイプの冷蔵庫を6台頼んだ。
 お風呂上がりに冷えた牛乳を飲むのを楽しみにして欲しい。
 あっ、ブラシ付きドライヤーを忘れるところだった。
 ドライヤーも熱くなるだろうから、魔骨で作ってもらおう。

「追加で、今から紙に描く物もお願いしていいですか? 魔骨の中をくり貫いて、先に髪を解くブラシを付けて⋯⋯」

 ブラシ付きドライヤーの絵を描きながら詳しく説明しているのを、いつの間にか後ろに居たアイリとユーリが見ていた。

「これは髪を整えながら乾かす魔道具で、暖かい風がブラシの隙間から出るように作って欲しいんです」

ニール「なるほど! ブラシの隙間から温風が出れば、髪を解かしながら乾かせるんですね。これは髪が長い女性に喜ばれる魔道具になりますよ! 髪が短い男性用に、ブラシが付いていない物も作っていいですか?」

 確かに普通のドライヤーも要るな。
 男性は短髪の人が多いが、獣人には尻尾がある。
 フサフサした尻尾の男性も多いから、L字で温風が強めに出るタイプもお願いしよう。

「なら、こういう形の物をお願いします」

 普通のドライヤーの絵を描いて説明していくと、ニールさんとコリンさんが興奮した感じになった。

コリン「これは尻尾を乾かす時に便利ですね」

ニール「お風呂上がりは、尻尾が乾くまで下着を穿けないから、獣人男性にも喜ばれますよ!」

 そういう不便があるんだな。
 ユナやエマちゃんは尻尾がモフモフだから、乾かすのが大変だろう。
 だからお風呂上がりは、「先にベッドで待っててください♡」と言っていたのかも知れない。

 ニールさんとコリンさんは、寺院の改装より、先に冷蔵庫やドライヤーの製作をするというので、無理して急がなくてもいいと言っておいた。
 作業員がたくさん居るから、寺院の改装も大丈夫だろう。

ジョーイ「タカシさん! あの湯船は大きな岩をくり貫いて作ったんですか? 凄いですよ! あんな湯船は初めて見ました」

 ジョーイ社長が慌てた様子で言ってきた。
 俺の作った湯船を見てみたいと言っていたから、凄く興奮しているようだ。

「石を積み重ねて湯船を作るのは大変だと思っていたので、俺の剣と土魔法で作ってみました。でも俺にはお風呂の建物を作る技術は無いので、後はプロのみなさんにお願いします」

ジョーイ「け、剣と土魔法で⋯。いや、ビックリしました。魔法の事はよく知らないですが、土魔法ってそんな事が出来るんですね!」

 ジョーイ社長が予想以上に驚いている。
 ギルド近くの採石場みたいな所にたくさんあった中で、大理石みたいな大きな岩を仕込み刀で綺麗な長方形に切って、中を土魔法でくり貫いた湯船だ。
 この世界には魔法があるけど、魔力量が多いのはエルフやハイエルフだけみたいだから、土魔法で岩をくり貫いて湯船を作る人なんて居ないのかもな。

ニール「タカシさんが作った湯船!? ちょっ、俺も近くで見たいです!」

 ニールさんやラルフさんの職人心を擽ったみたいで、2人も湯船の方へ走って行った。
 キャロ達の家のお風呂も、湯船は俺が作ってあげよう。
 メグちゃんを含めて4人で同じ家に住んでいるから、大きめの湯船の方がいいだろうな。
 猫耳女性4人がお風呂に入っているのを想像すると、顔がニヤケてしまう。

ニール「凄いですよ、あの湯船! あんなに綺麗にくり貫けるんですね!」

「笹にお湯の魔法を付与してお湯を出しているので、寺院の子供達に聞いて、何か石像を作ってもらえますか?」

ニール「はい! お任せください!」

 子供達だから、流石に俺が壺を担いだ石像を希望したりしないだろう。

 ラルフさんに金貨150枚ほどと、東区とセドム村に「転移」出来るフローライトを渡して後を任せ、ジョーイ社長に冷えたエールがたくさん入った箱と、唐揚げとハチミツの瓶を渡して、ジョーイ社長を家に「転移」させた。

ユーリ「タカシさん♪」

 ユーリの顔に待ってました書いてあるようだ。

「お待たせユーリ。王都の服屋で、アイリとミーシャとユーリの分のオーダーメイド服を作りたいから、とりあえず3人で王都へ行こう。その後は2人っきりでデートしようって考えてたんだけど、いいかな?」

ユーリ「はい♪ タカシさんと2人っきりでデート⋯♡」

アイリ「私達の分もオーダーメイドの服を作ってくれるんですか?」

「ああ。ユナとエマちゃんに作った服を3人にも着て欲しいんだ。あと着て欲しい水着も1着ずつ買いたいんだけど、ユーリのサイズが無いみたいだから、それもオーダーメイドしよう」

ユーリ「サイズって、私の胸に合うサイズが無いって意味ですか?」

 太ってるって意味に思われたかな?
 ユーリは胸だけが大きくて、ウエストは細いし、全体的に小柄だ。
 お尻もユナよりちょっと大きいだけで、寧ろイヤらしい身体をしている。

「海洋人の浜さんが、海に潜って漁をする時に着る水着なんだけど、胸のサイズがFまでしか無いみたいなんだ。たぶん胸が大きいと海に潜りにくいからだと思う」

ユーリ「なるほど⋯。確かに胸が浮いちゃうので、水に潜るのは苦手です」

 やっぱりか。
 まあ泳ぐ訳じゃなく、スクール水着を着た爆乳美女とエッチしたいだけだから、別に構わないな。

アイリ「みんなで海に潜って魚を獲るんですか?」

「いや、単純に俺の趣味だ。その水着を着たみんなにエッチな事がしたい」

アイリ、ユーリ「「はぁぁぁ♡」」

 変態2人が歓喜の声を上げた。
 やはりコスプレエッチに興味があるんだな。

 ユナとエマちゃんは、まだ寺院に居ると言うので、「透明」を付与したフローライトをエマちゃんに渡し、ユーリとアイリとミーシャに抱き付いてもらって「王都」のいつも人が居ない路地に「転移」した。


 オーダーメイドの服は採寸に時間がかかるので、先にスクール水着を買いに行く。
 4人で仲良く歩いていると、南区の人にチラチラ見られたが、あまり気にしないようにして、前に来た「浜さん用品」が売っている店に向かう。
「浜さん用品」を売っているのに、何で南区の裏通りにあるんだろう?
 海洋人居住区からそんなに離れている訳ではないが、南区の裏通りより、海洋人居住区に店を出した方が需要があると思うんだが⋯。

アイリ「王都の裏通りにも、いろんなお店があるんですね」

ミーシャ「珍しい物がたくさん売ってるね」

「俺とユーリがデートしている間、2人は王都で買い物する? 夕方くらいに連絡してくれたら、コレットに送っていってあげるよ」

ミーシャ「わぁぁ、ありがとうございます♪」

 前に来た時は裏通りまで見て回らなかったし、2人も王都を楽しみたいだろう。
 それに俺が思っていたより王都は獣人差別が酷くなさそうだし、寧ろコレットの街の方が獣人差別が酷いような気がする。
 まあ夜は王都の方が治安は悪いけど、夕方までなら大丈夫だろう。

「ただ、いろいろ気を付けてね。何かあったらすぐ連絡して」

ミーシャ、アイリ「「はい♪」」

 4人で裏通りを進むと、「シーライク」と書いてある看板が見えてきた。

ミーシャ「あっ! タカシさんが凄く興奮してくれる、紺色のワンピース水着がたくさんありますね! あのお店ですか?」

アイリ「タカシさんが興奮してくれるの?」

ユーリ「紺色のワンピースが興奮するんですか?」

「あ、いや⋯紺色のワンピースっていうか、あの水着がいいんだ」

ミーシャ「あれを着てお風呂でヌルヌルプレイをしたら⋯⋯あっ、ごめんなさいタカシさん」

 ミーシャが昨日のエッチを思い出して言いそうになったが、アイリとは違って言うのを止めた。
 だがすでに手遅れだ。
 いつもは口が軽いアイリを注意するミーシャだが、昨日の事を思い出してポンコツになっているんだろう。

ユーリ「凄く欲しいですけど、私の胸のサイズが無いんですよね?」

「店頭に積まれている中には無かったよ。でも店の人に聞いた訳じゃないから、一応聞いてみよう。無かったら南区の店でオーダーメイドすればいい」

ユーリ「はい♪ でもいいんですか? 私だけオーダーメイドの水着を⋯⋯」

 獣人特有の考え方だな。
 自分だけ2つもオーダーメイド服を買ってもらうと、少し申し訳ない気持ちになるみたいだ。
 ユーリは俺に、「私やユナ達だけは特別扱いして欲しい」と言っていたが、ユナ達の中で自分だけというのが、少し引っ掛かってしまうんだろう。

「オーダーメイドの服は、実はたくさん注文するつもりなんだ。オーダーメイドの服を作ってくれるのは拐われていた獣人女性で、前にみんなで行った店で働いていた凄く裁縫が上手なミミさんと、エマちゃんのオーダーメイド服を見て、裁縫の仕事がしたくなったロリーさんっていう女性なんだ」

 俺はユーリに、拐われていたみんなを閉店後に店へ連れて行って、みんなの欲しい服を買ってあげた話や、ユナとエマちゃんに他にも着て欲しい服をオーダーメイドしている事を話した。

ユーリ「オーダーメイドだから、まずは採寸しないといけないんですね。それにしても匿ってるみなさんを閉店後に店に連れて行くなんて、流石タカシです」

「俺がみんなに着て欲しいデザインだから、遠慮されるとオーダーメイド出来ない」

ユーリ「タカシさんがオーダーメイドした、タカシさんが興奮しちゃう服でエッチ⋯♡」

 コスプレエッチをしたいと言ったのに、引かれるどころか逆に欲情させてしまったようだ。
 店頭に積まれている中から、ミーシャとアイリが自分のサイズのスクール水着を選んだので、そのまま店の中へ入る。

ルーシェ「いらっしゃい♪ あらお兄さん、また来てくれたのね!」

 人間男性なのに、浜さん女性用潜水着を買って行ったから、俺の事をよく覚えているようだ。

「こんにちは。浜さん用の潜水着が泳ぎやすいって好評で、また買いに来たんですが、この女性に合うサイズはありませんか?」

ルーシェ「凄く立派な胸ね。サイズはいくつ?」

ユーリ「SのJです」

 じぇ、Jカップだったのか。
 改めて聞くと凄いな。
 今日は揉んだり吸ったり挟んだりするつもりだから、めちゃくちゃ興奮してきた。

ルーシェ「大丈夫。ちゃんとあるから、ちょっと待っててね」

 ルーシェさんが店の奥へ入って行った。
 あるのか!

ユーリ「あるみたいですね! タカシさん⋯⋯?」

 俺はユーリの胸に見とれて固まっていた。
 
「あ、ああ、聞いてみて良かった。ごめん。Jだったと聞いて、改めて興奮しちゃって⋯」

ユーリ「はぁぁぁ♡ 今日はいっぱい好きにしてくださいね♪」

アイリ「あたしはEです」

ミーシャ「私もEなんですが、獣人女性はEの人が多いです。タカシさんはやっぱり、大きい方がいいですか?」

 ヤバい。
 2人が落ち込んだ感じになった。

「別にそういう訳じゃないよ。俺は大きさに関わらず、おっぱいが好きなんだ。いろんなおっぱいを触れて凄く幸せだ。ミーシャのおっぱいは弾力があって形がクッキリしてるし、アイリのおっぱいは乳輪が少し大き目でエロい。今まで獣人女性のおっぱいを見てガッカリした事は無いよ」

ミーシャ、アイリ「「はぁぁぁ♡」」

 店の中でおっぱいの話をしていると、ルーシェさんが店の奥から戻ってきた。

ルーシェ「こ、これはSのJだから⋯だ、大丈夫だと思うけど、一応試着して⋯みるかい?」

ユーリ「はい♪」

 ユーリがスクール水着を受け取って試着室に入っていく。
 ルーシェさんの様子が少し変な気がするが、たぶん気のせいだろう。

 実はさっき、タカシがユーリ達とおっぱいの話をしていた時、店の奥からルーシェが聞いていた。
 盗み聞きするつもりは無かったが、SのJサイズの浜さん女性用潜水着を持って戻ってくると、タカシが獣人女性3人とおっぱいの話をしていたので、あまりの驚きに店の中へ戻れなかったのだ。

 ユーリのスク水姿を後の楽しみにしたいので、俺はユーリに「念話」する。

『その水着を着たユーリを見たら勃起しちゃうと思うから、ここでは俺に見せないでくれ』

ユーリ『⋯⋯はい♡』

 俺は一応、試着室から離れて、浜さん男性用潜水着、いやブルマの積まれている所へ行って、SSサイズのブルマを3枚確保した。
 エマちゃんが穿いた感じから、ユーリもSSで大丈夫だろう。
 もしサイズが小さくてパツパツになっても、それはそれでいいと思うしな。

ルーシェ「サイズは大丈夫?」

ユーリ「あ、はい。丁度いいです」

 大丈夫みたいだな。

アイリ「タカシさん。あの店長さん、欲情しちゃってますよ」

 アイリが小声で言ってきた。
 まあ海洋人女性も人間男性に欲情すると聞いているから、獣人女性3人と仲良く水着を買いに来た俺に欲情しても仕方ない。
 好きなだけオカズにしてもらおう。

 ナディさんも必要かも知れないので、「念話」で連絡してサイズを聞いてみる。
 海洋人全員が海に潜って漁をする訳じゃないと聞いたが、ナディさんのスク水姿を見てみたい。

『ナディさん。タカシだけど、ちょっといいかな?』

ナディ『タカシさん♪ は、はい。聞こえますか?』

『大丈夫、聞こえてるよ。ナディさんが浜さん用の潜水着を着るなら、サイズは何になるか教えてもらえる?』

ナディ『え? あ、えっと⋯私ならSのDになりますが、どうしたんですか?』

『今ちょっと、浜さん用品が売ってるお店に来てるから、ナディさんに浜さんの潜水着を買っておこうと思ってね』

ナディ『ありがとうございます♪ 海洋人は、海で泳ぎたくなる種族なので嬉しいです』

 海で泳ぎたくなる種族なのか。
 何となく納得のいく衝動だが、変に理由を聞かれなくて良かった。

 ユーリの試着が終わったので、ルーシェさんに全部会計してもらうと、金貨2枚でいいと言われた。
 ユーリのSのJサイズのスク水は少し高いらしいが、またサービスしてくれたようだ。
 欲情したルーシェさんに見送られながら店を出て、今度はケイトさんの服屋へ向かう。

ユーリ「あの店長さん、タカシさんに欲情していましたね。海洋人女性も人間男性に欲情しますから、素敵な人間男性のタカシさんを見たら仕方ないです」

アイリ「海洋人って初めて見ましたが、凄く綺麗な種族ですね」

ミーシャ「手首の鱗が綺麗で、耳もキラキラしてたね。海の近くだと、街に住んでる海洋人も居るって聞いてるわ」

 海で泳ぎたくなるが、街に住むのが好きな海洋人も居るんだろう。
 エルフも森に住む種族らしいが、ラルロンドやフィリスさんみたいに、街で商売をしている人も居るって言ってたしな。

 ケイトさんの服屋、「ラヴィジュール」に着いたので、4人で中へ入る。

プリム「いらっしゃいませ。あ、タカシさん♪」

「こんにちは。今日はオーダーメイドの採寸をして欲しくて来たんだ」

リーネ「いらっしゃいませ、タカシさん♪ 店長を呼んで来ますね」

 リーネさんがケイトさんを呼びに行ってくれた。
 ついでに女子学生服っぽい服も3人に買おう。
 試着されると襲い掛かってしまいそうだから、頭で女子学生姿を想像して、似合いそうな物を選ぶしかない。
 爆乳のユーリが着れる白のカッターシャツはあるかな?
 まあ胸の所がパツパツで、ボタンの隙間から谷間が見えてても、それはそれでいいだろう。
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