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第二章 王都の人々と国の事情

魔物の換金と追跡者、そしてケモ耳少女との約束

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 王都近くの森に転移して城門まで歩き、また王都に入った。ギルドへ行き、指名依頼をしてきたローラというハーフエルフ職員に依頼完了の報告をする。

「さっきの指名依頼だが、終わったので完了の報告に来た」

「え? 終わったって⋯⋯もう討伐されたのですか?」

「ああ、ガイズベアーの亜種の死体もある。ついでに剥ぎ取り場で査定して欲しい」

「あ、え? あの⋯失礼ですが、セドム村のガイズベアーの亜種ですよね? でないと依頼完了にはなりませんよ?」

 早すぎるんだろうな。他の場所で討伐したガイズベアーの亜種を持って来たと思われてるのか。

「もちろんセドム村を荒らしていたガイズベアーの亜種だ。セドム村の住人に確認してもらってもいい。他にも山ほど魔物が襲って来たから討伐したんだが、全部買い取って貰える約束でしたよね?」

「は、はい。では剥ぎ取り場の方へ⋯⋯」

 引きつった顔のハーフエルフ職員と剥ぎ取り場へ行き、とりあえずガイズベアーの亜種の死体を収納から出した。

「とりあえず依頼の討伐対象だ。あと普通のガイズベアーが20匹ほどと、他の魔物が50匹ほど襲って来たから討伐して収納してあるんだが、ここで出しても大丈夫だろうか?」

「50匹!? 全部討伐されたのですか?」

「ええ、一応SSランクの冒険者なのでね」

「流石に全部はこの剥ぎ取り場に収まらないと思いますので、出せる分だけでお願いできますか?」

「そうですね。じゃあ残りは明日また買い取って貰えますか?」

「⋯⋯はい」

 ガイズベアー20匹と他の魔物を20匹ほど出した時に、剥ぎ取り場の半分くらいになり、職員が涙目で止めてきた。

「すみませんが、残りの買い取りは3日ほど待って貰えませんか? これだけの魔物を処理するのに時間がかかるので⋯⋯」

「まあ構いませんよ。全部買い取って貰えるなら待ちます」

「あ、ありがとうございます。では査定をお待ちください」

 木札を貰ってギルドの中に戻った。
 査定に時間がかかるだろうから暇潰しに資料室へ行くと、王都の資料室だけあって大量の資料が置いてあった。魔物図鑑もたくさん有り、知らない魔物がいくつか載っていた。

 王都に関する資料を探しているとミーシャから念話が入った。

『あの⋯タカシさん、聞こえますか? ミーシャです』

『ミーシャ、聞こえるよ。何かあった?』

『あ、いえ、何というか⋯⋯タカシさん、いつこちらへ戻って来られるのかなって思って⋯。すみません、こんな事で連絡してしまって⋯』

『いいよ。俺とミーシャは、もうそんな遠慮する仲じゃないだろ? 明日1度帰るよ。週に1回は帰るってユナと約束してるから』

『わぁぁ♡ そうなんですね。明日⋯会えますか?』

『もちろん。俺もミーシャに会いたいし。ユナから連絡入れるように言っておくから、明日の昼から予定を空けておいて』

『はい♡ 楽しみに待ってますね』
『タカシさ~ん、あたしも会いたいです』

『アイリ?』

『ちょっとアイリ! 私が話してるのに~』
『あたしもタカシさんと話したかったんだもん』

 2人一緒に居るようだな。元気そうで何よりだ。

『ははは⋯2人とも困った事は無い?』

『『はい、大丈夫です』』
『タカシさんに稼がせてもらったから、ギルドの危険な依頼を受けなくて済んでます』

 やはり金を稼がせておいて正解だったな。

『良かった。安心して王都に居られるよ。でも困ったら遠慮せずに連絡してね』

『『はい』』

『じゃあまた明日』

 俺はミーシャ達との念話を切った後、すぐにユナに念話をした。

『ユナ、今大丈夫?』

『あっ、タカシさん。はい大丈夫ですよ。明日はいつ頃帰って来れそうですか?』

『明日の朝には帰るようにするよ。それで⋯1つお願いを聞いて貰っていいかな?』

『はい。何でもおっしゃってください』

『その⋯⋯ユナ、かなりエッチしたい?』

『はい♡ 明日はダメですか? 私もう⋯切なくって⋯⋯』

『いや、俺もユナとエッチしたいよ。でも同じくらいユナの料理も食べたくって⋯』

『はぁぁ♡ 私、頑張ってお料理用意しておきます』

『うん、ありがとう。実はさっきミーシャ達から連絡があって、明日帰るって言ったら、会いたいって言われたんだ』

『そうなんですね。あの2人、毎日うちに来てくれるんですよ』

『それは良かった。それで明日の朝に帰るから、どうせならお昼をみんなで食べないかと思ってさ。ユナには悪いんだけど、2人の分も昼食用意できるかな?』

『はい。明日は腕に縒りを掛けて料理します』

『ありがとう。明日の朝、帰る前にまた連絡するけど、料理を作って収納しておいて欲しいんだ。たぶんその方がいいと思う』

『そうなんですか? タカシさんがそうおっしゃるなら、作って収納しておきますけど⋯。あ、今から仕込みして作っちゃいますね』

 ユナは自分でわかってないようだけど、俺に会った瞬間欲情してエッチが我慢できなくなる気がするから、朝帰っても料理してる暇がない可能性を考えておかないと⋯。
 そういう俺も、ユナに会った瞬間我慢できる自信がないほど、ユナとエッチしたくて仕方ない。

『うん。ごめんな。何か変なお願い聞いてもらって』

『そんな⋯タカシさんにお願いされるの、とっても嬉しいです。それにこの間ユナの料理が食べたいって言ってくれて、嬉しくて泣いちゃったんですよ』

『ユナの料理は本当に美味しい。なのに俺は⋯⋯あ、いや、これは明日直接話すよ。2人には昼から来るように連絡しといてくれる?』

『わかりました』

 ちょうどユナとの念話が終わったタイミングで、木札の番号が呼ばれたのでカウンターへ行った。

「依頼達成報酬と魔物の買い取り金額で、合計白金貨4枚と金貨240枚になります。ご確認ください」

 かなり引きつった顔で金を出された。予想外だったようだな。金を目で数えて収納財布に入れた。

「確かに。残りは3日後にまた持ってくる」

「あの⋯少しお話があるので、また応接室の方へ来て頂けませんか?」

「⋯⋯わかりました」

 さて、どう出てくるか⋯⋯。
 応接室に入り、ローラという職員と向かい合ってソファーに座った。

「まずは指名依頼を達成して頂き、ありがとうございました」

「ああ、こちらも儲けさせてもらいましたよ」

「それで⋯魔物の買い取りなのですが、数が多過ぎてギルドの資金的に少し厳しいので、全ての買い取りは待ってもらえませんか?」

「う~ん⋯依頼先で出た魔物は全て買い取ってくれる約束だったはずでは?」

「それは⋯⋯そうなんですが⋯。これほど多く、しかも全て討伐されるとは⋯⋯」

 失言だな。自分が言ってる事わかってるのか?

「おかしな事をおっしゃいますね。そもそもガイズベアーの亜種1匹の討伐依頼だったはずが、亜種以外のガイズベアーが20匹以上、その他にも凶暴な魔物が50匹以上居る依頼先へ冒険者を送り出すとは、ギルドの調査不足じゃないですか? しかも今のあなたの発言からして、魔物が他にもたくさん居る事を知っていましたよね? これはどういう事ですか?」

「はっ⋯⋯!」

 今頃自分の失言に気付いても遅いわ。

「これがギルドのやり方なんですね。今後同じような事や、他にも何かあった場合、指名依頼は2度と受けません。後、こそこそ俺の後をつけたりするのもバレているので止めてもらいたい。いいですね、ローラさん」

「なぜ、私の名前を⋯⋯」

「さあ、なぜでしょうね? 俺は絶対軍隊には入らない」

 俺は脅す意味で、殺気を放ってそう言った。

「ひっ⋯⋯は、はい。申し訳ありませんでした」

「では3日後にまた」

 そう言って応接室を出て、ギルドを後にした。ギルドから離れて「探索魔法」で調べると、ハーフエルフが1人つけてきていた。俺は小走りに近くの路地に入り、「透明」と念じ姿を消した。すると深緑のローブを頭から被ったヤツが慌てて路地に入って来て、キョロキョロと俺を探していた。俺はそいつの背後に回り、魔法を解き、姿を現した。

「ギルドからつけてきたみたいだが、俺に何の用だ?」

「⋯⋯⋯っ!?」

 すぐに「鑑定」を発動すると、
『エリス ハーフエルフ ♀ 23歳 魔法種風魔法 乳癌 』と出た。

 乳癌だと! 病人がなんでこんな事を⋯⋯。思考しているとエリスというハーフエルフが、懐から何か取り出して地面に投げようと振りかぶったので、慌てて「遅延」と念じ、手から離れた瞬間に投げようとしていた何かをキャッチした。
 見ると黒いピンポン玉のような物だった。たぶん煙玉か何かだろう。「遅延」を解くと、何が起こったのかわからず、あたふたしている。俺は手で摘まんだ黒い玉を見せつけた。

「これは煙幕か何かだな。君はギルドの⋯いや、軍隊の諜報部の者だろう?」

「⋯⋯っ!!?」

 間違いない。どうしてやろうか⋯⋯。

「くっ⋯殺せ! 私には後が無い! 任務に失敗したら殺される。そうで無くてもどうせ死ぬ! なら人間の男性に殺された方がマシだ!」

 諜報部だから任務失敗の代償は死か。それと自分の病気の事を言っているんだな。自棄になっているのか?
 人間の男性に⋯ってのは、ハーフエルフの女性だからだろうか?

 俺が彼女の胸の辺りに手を翳すと、覚悟をしたように目をギュッと閉じた。俺は癌には効かない可能性も考え、新たに覚えた治癒魔法「難病の治癒」と念じ「エリス」を対象指定した。
 手の光がエリスの胸の辺りに吸い込まれる。再び「鑑定」すると病名は消えていた。エリスが目を開けて俺を睨んでくる。

「早く殺せ! 情けをかけるな! 人間の男性に情けをかけられたら⋯⋯死ぬのが辛くなる⋯ううっ⋯」

 エリスが泣き出して地面に膝をついた。

「病気で自棄になっているんだったら、たった今治しておいたよ」

「え⋯⋯? そんな⋯そんな嘘、誰が!」

「エリスさん。君は乳癌という病気だったようだな。胸はまだ痛むか?」

 そう言うと、ローブの中に手を入れ、恐る恐る自分の胸を揉み出したので、ちょっと興奮してしまった。しばらく胸を揉んで、痛みやシコリが無くなってる事に気付き、俺を見て困惑している。

「治ってるだろう? もう大丈夫だ!」

「あ、え? なんで? それに私の名前⋯⋯」

「とりあえずギルドには言わないから、もう俺の後をつけて来るな。気付かれて逃げられたとでも言っておけ。ギルドにはさっき釘を刺しておいたし、SSランクの俺に気付かれたくらいで処分は無いだろう」

「あ、あ、あの⋯ありがとう⋯ございます。それと⋯⋯」

「エリスさん、これ以上俺と一緒に居るのは危ないだろうから俺は帰る。君も折角助かった命を無駄にしないようにな」

 俺はそう言って「遅延」と念じ、街の方まで走った。狙った訳では無いが、恩を売った感じになってしまったな。念じただけだから、別に特別な魔法を使えるとはバレてないだろう。だからヘタに密告されても大丈夫だ。せいぜい病気を治す光魔法が使えるという情報だけだ。あまり「転移」や「透明」が使える事は軍隊にバレない方がいい。



 金が貯まってきた。ユナ達を連れて来たいし、王都で別荘代わりに家でも買うか⋯と思ったが、王都では宿屋に泊まっていた方が居場所を探られにくい。それによく考えたら「転移」があるから家はどこでもいい。
「透明」の魔法を覚えた時から考えていたが、明日はユナの家に帰らないといけないし、ガーランドの屋敷に「透明」の魔法で忍び込んでみるのは、また王都に帰って来てからにしよう。

 もう夕方だが、東区の獣人達の家でも見に行ってみるか。俺は街の路地に入り、東区の人のいない所に「転移」した。ジョーイさんの家に行くと、すでに8割くらい綺麗に改装されていた。まだ1日しか経ってないのに仕事が早いな。冒険者じゃなくても、軍隊に給料を吸い上げられなかったら、建築屋で十分食っていけるだろう。

「こんにちは。綺麗になってますね」

「あ、タカシさん。これもタカシさんのおかげです」

 マイアさんが嬉しそうにお礼を言ってきた。娘のミリアちゃんも隣で嬉しそうにしている。頬が少し赤いのが気になるが、悪い気はしない。

「タカシさん。いらしてたんですね」

 ジョーイさんが頭にタオルを巻いて入ってきた。建築屋のオヤジって感じだな。

「お邪魔してます。たった1日で綺麗になってますね。ビックリしましたよ」

「道具と材料さえあれば、このくらいは。それに自分の家だからやる気が違いますよ」

 そう言って凄く嬉しそうに笑っていた。いつもやってる建築の仕事は、いくら働いても給料吸い上げられるからやる気出ないよな。ジョーイさんは建築の仕事が好きなんだろう。

「明日1度自分の街に帰るので、その前に様子を見に来たんですよ。だから他の家も見てきますね」

「まだ半分くらいですが、是非見てってください」

 俺が他の家を見に行こうとすると、ミリアちゃんが付いてきた。

「あ、あの⋯タカシさん。手を繋いでもいいですか?」

 小さなケモ耳少女にうるうるした目で言われたら断れない。俺は一応マイアさんに断って、ミリアちゃんの手を握り、他の家を一緒に見に行く事にした。他の家も半分くらい綺麗に改装が進んでいた。凄いな。ジョーイさんの仲間であろう建築ができる獣人の男達が、木を削ったり運んだり忙しそうにしていたが、顔はみんな笑っていた。みんなが笑顔になってくれて、俺も凄く嬉しくなった。そんな俺を見てミリアちゃんが、

「タカシさん、ありがとうございました。みんなが笑顔なって、ミリア凄く嬉しいです」

「お礼なんていらないよ。これがあたり前の事なんだから」

 そう言ってミリアちゃんの熊耳と頭を撫でると、ミリアちゃんがうっとりしてしまった。ケモ耳を撫でるのはマズかったかな。頬を赤くして俺の手を強く握って離さないミリアちゃんと、居住区の家をみんなにお礼を言われながら見て回り、またジョーイさんの家に帰ろうとすると、ミリアちゃんが俺の手を引っ張り、居住区の端の方へ連れて来られ、腰に抱き付かれた。

「ミリアちゃん、どうかした?」

「タカシさん、明日帰っちゃうの?」

「1度帰るだけだから、またすぐ王都に来るよ。3日後くらい」

「そんなんだ⋯⋯良かったぁ」

「うん。また東区の方にも来るからね」

「はい。あのね⋯⋯ミリア獣人だから、15歳くらいになると発情期になっちゃうらしいの」

 ミリアちゃんは今12歳だから3年後くらいか⋯。

「うん、そうだね⋯⋯」

「それでね、発情期になっちゃうと、獣人の男の人と⋯交尾をするらしいの」

「獣人の人はみんなそうやって子供を作ってるからね」

「でもね、ママが言うには、好きな獣人の男の人が居ないと、好きでもない獣人の男の人と交尾を1回して、発情期を終わらせるって。1回じゃ子供もできないからあまり意味が無いけど、獣人ならみんなが経験してるからって⋯⋯」

 そうか⋯好きな獣人同士でもなければ、何度も交尾する事が無いから子供もできない。確かに意味が無いな。将来好きな獣人男性と交尾をして、子供を作る為の経験を積むって文化なのかな⋯。人間の俺からしたら微妙だな。好きでも無い人と、交尾とはいえ初めてを経験するんだもんな。
 でもユナにこの話を聞いた時、俺は不思議と嫉妬しなかった。獣人にとって交尾は、夫婦でも無い限りただの発情期による抑えられない衝動だから、交尾であってセックスでは無いというのが、なんとなく人間の俺にも理解できた気がした。だからユナは俺が俺で良かったと言ったんだろう。

「でもミリア、好きでもない人と交尾するのは嫌なの。それでロンダお姉ちゃんに相談したら、人間の男性と⋯交尾じゃなくて、せっくすっていうのをしても発情期が終わるって⋯⋯」

 え? いやいやロンダ、12歳の子に何教えてんの? ミリアちゃん、まさか俺に? いくら恩人でもジョーイさんとマイアさんに怒られるよ。

「ロンダお姉ちゃんが初めての交尾の時は痛いけど、発情してるから大丈夫って言うんだけど、人間の男の人とのせっくすなら痛くても気持ちいいって聞いたの。だからね、ミリアが発情期になったら⋯⋯タカシさんにミリアとせっくすして欲しいの。お願い♡」

「いや、それは⋯⋯俺がお父さんとお母さんに怒られちゃうよ。」

 それに交尾は獣人同士で⋯⋯いや、そうでもないか。ユナもまた発情期が来ても、俺とセックスしたら大丈夫だと言っていたし、そもそもいろんな獣人女性とセックスしてるしな。好きでもない獣人男性と交尾するくらいなら、発情しなくても普段から欲情してしまう人間の男性とセックスする方が本人にとってもいいのか。

「ママに聞いたら、タカシさんにお願いしてごらんなさいって。タカシさんが相手なら、ママもパパも反対しないって。だからお願い。それとも⋯⋯ミリアとせっくすは嫌? ミリアがまだおっぱい小さいから?」

 ミリアちゃんが泣きそうになっている。それにおっぱい小さいって⋯⋯ロンダが何か余計な事を言ったんじゃないだろうか。獣人女性は欲情するとポンコツになる人多いからなぁ。
 でも両親がいいって言うなら、ミリアちゃんの為にもその方がいいのか。それにまだ3年もあるし、発情期までに好きな獣人男性ができるかも知れない。

「わ、わかった。ミリアちゃんが発情期になったら、ロンダお姉ちゃんに俺に知らせてくれるように頼んで。俺がセックスして発情期を終わらせてあげるから。それにミリアちゃん可愛いし、おっぱいも発情期までにはもっと大きくなるよ」

「わぁぁ♡ やったー! タカシさん、約束だからね♡ ミリア、おっぱい大きくなるように頑張るから」

「その⋯⋯おっぱいの話はロンダお姉ちゃんに聞いたの?」

「うん。タカシさんはおっぱいが好きだって言ってた」

 まったくロンダは⋯⋯。アイリと同じくらいポンコツだな。昨日して、もう言ってしまうとは。口止めしとくべきだったな。普通女性が言わないだろうと思っていたが、獣人女性にとって人間の男性とエッチしたなんて、自慢したくなるネタなのかも知れない。
 何かヤバイ気がする。居住区の獣人女性が、全員お礼の代わりにセックスを⋯なんて言ってきたら大変だ。

「俺は小さいおっぱいも好きだから、大きくならなくても大丈夫だよ」

「本当? なら今のミリアのおっぱいでも触ってくれる?」

「きょ、今日はもう帰らないといけないから、それはまた今度、ね?」

「それも約束だよ♡」

「う、うん」

 12歳の子のおっぱい⋯⋯犯罪な気がする。でも獣人だからなのか、ミリアちゃんも12歳とは思えないほど膨らんでいる。
 そんないけない考えをしながら、ミリアちゃんを家に送るために歩いていると、ミリアちゃんが俺の腕を抱き締めてきて、膨らんだおっぱいを押し当ててきた。ちゃんと柔らかい。背徳感で勃起しそうだ。

「タカシさんエッチな顔してる♡ ミリア嬉しい♡」

 小声でそんな事を言われてしまった。ませてるなぁと思ったが、女の子は12歳くらいが一番エッチに興味があると聞いた事があるから、獣人でも普通なのかも知れない。

「ミリアちゃんみたいな可愛い子にそんな事されたら、俺も嬉しくなっちゃうよ」

 12歳の子に何言ってんだ俺は⋯⋯。ちょっと自己嫌悪になりつつも、腕に当たる柔らかい感触には逆らえなかった。
 聞きにくいが、明日帰ったらユナ達に一応聞いてみよう。流石にマイアさんに娘さんとセックスしてもいいんですか?とは聞けない。

 嬉しそうなミリアちゃんを送り届けると、マイアさんが何かを察したようだった。怒られるどころか凄く嬉しそうにしている。しかし何か気まずい。俺は用事があると言って、足早に南区に転移して帰った。

 宿屋に戻り夕食を食べ、風呂に入った。宿屋の風呂は湯船が大きいが、他種族の男がたくさん居るから何か落ち着かない。ユナの家の風呂も大きくて足を伸ばせるから、あっちの方がゆっくりできるし、ユナと一緒に入るから最高だ。
 ヤバイ、起ってきた。さっきのミリアちゃんのおっぱいの感触も蘇ってくる。15歳で交尾すると言っても12歳は犯罪だろう。そうでもないのかな? 誰にも聞けない。でも獣人だからなのか、ミリアちゃんは12歳なのに大人びてて可愛い。いやいやダメだ。それだけは人としてダメだ。
 そんな事を考えていたせいで、湯船から出れなくなってのぼせてしまった。マダラモンキーの顔を思い浮かべていると、何とか小さくなったので、水を浴びてから風呂から上がった。

 部屋に戻ってもしばらくムラムラしていた。明日ユナ達といっぱいしようなと、息子を説得して眠りについた。
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