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第五十三闘:瞬殺
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室内には瀬川を始めとして何とか打ち破った多くの人間が未だ転がっている。
同じようにそこで動けずにいる4人もまた、バイクの排気音で全てを察し絶望した。
死を待つばかり・・・各々が何とか動いて“この人達を守らなくては”と
そう考えるも誰一人として動けるような者はおらず全員がもはや屍と化していた。
誰も言葉を発することさえ出来ず椿の部屋は時間が止まったかのような静寂に包まれている。
いつ荒木が来るかも分からないという恐怖だけが4人の心を抉っていた。
しかしそんな中、極闘会2代目ボス荒木もまた
紫炎アジト内で予想だにしないとんでもない出会いを果たしていた。
それは荒木が1階の階段を倒れている人間を蹴り飛ばしながら
鼻歌交じりに歩いていた時のことだ・・・。
「もう終わった後だな?なかなかいい感じにやってるじゃねえか・・・。
ガキ共にしては上出来なもんだ・・・さーて3階だったか?後2階上がれば・・・。」
荒木は階段を登りながらふと確認で上のフロアを見つめた。
その時だった、荒木が上の2階のフロアから
ジッと自分を見つめている人間がいることを認識したのは。
「ちょ、おいおいおい・・・なんであんたがここにいるんだ・・・?」
「・・・・・・。」
「返事もなしですか?」
タタタと二段飛びで急いで階段を駆け上がる荒木。
程なくして2階に辿り着いた荒木はその人物と対峙した。
「どうやら見間違いとかじゃなさそうっスね。何でこんな所に?」
「・・・お前がまた良からぬことを吹き込んで遊んでいると聞いてな・・・。」
「勘弁してくださいよ、俺は極闘会の№2としてここに来てるんですよ?」
「その肩書でやっていることがあまりに稚拙だからここにきているのだ・・・。」
「一家の名に泥を塗ったバカの後始末じゃないですか!負けは許されないんでしょう!?」
「そうだな・・・過去にはそんなことも言ったな・・・。」
「でしたらこのままお引き取りください・・・ここの始末は俺が!!」
「いや、俺が始末しに来たのはここ(紫炎)じゃない・・・お前だよ荒木。」
刹那、男のパンチで荒木は腹部を押さえてその場で膝をついた。
「ぐあっ・・・これは一体何の真似ですか・・・!?」
苦悶に満ちた表情でその男を睨む荒木。
「今回のお前の行動は裏で探っていたがあまりに目に余る・・・。
負けが許されないということを俺が明言したことは確かだが、
負けた後にこんな真似をしてまで負けた過去をなかったことにしろとなど
一度たりとも言った覚えがないんだよ荒木・・・お前は間違えた・・・。」
「ですがあいつ(巽雄吾)がこの誇り高き極闘一家の名を汚したのは事実でしょう!?」
「いいや・・・時代は流れる、一家もそろそろ敗北する頃だとは思っていた・・・。」
「な、何をバカな!?《一家は極闘内で常に誰よりも強くあらねばならぬ》
そう明言したのはあなたでしょう!?初代総長!柊康仁さん!!」
そう・・・そこにいたのは極闘一家、初代ボスの柊康仁であった・・・。
「そういう考えは今はもう古いということだ、今すぐ撤廃しよう。
たまたまそれを教えてくれたのが彼(巽雄吾)だったというだけだよ荒木・・・。」
「俺はあんたの教えをしっかり守ってきたのにあんたは突然そんなこと言うのかよ!?
あんたは俺が唯一尊敬して背中追っかけてた人だったのに見損なったぜ!!」
「お前にも多くの重圧をかけてしまったな・・・今更ながら申し訳なく思う。
だが、一家が最強でなくてはならないという時代は今回の件でもう終わったんだ。
彼を許してやってくれ・・・彼もまた、極闘一家というプライドに憑りつかれてしまった被害者の一人と言えるだろうな・・・今日からまた新たな一歩を踏み出そう・・・。」
「ふざけんなよ・・・。」
荒木は小さくつぶやいた。
そして・・・
一瞬で立ち上がり柊に殴りかかる荒木!
「だったら今日までの一家への俺の想いはどこに行くんだよ初代!!!」
ドサァ・・・・。
次に荒木が見ていたものは殴った柊の血が流れる顔ではなかった。
視界の先は天井だった。
「な、なんで俺は・・・天井なんて見上げてんだ・・・・?」
「今すぐここを出ろ荒木、そして頭を冷やせ・・・。」
荒木は立ち上がり、悔しそうにすぐにその場を立ち去った・・・。
そして、紫炎の外に出てバイクで走り去ったのを確認した後、柊は3階へ向かった。
「ここにいるのか・・・・?」
柊が椿の扉を潜ると、そこには多くの倒れた人間たちの姿が・・・。
「こりゃあ派手にやったもんだな・・・。」
その瞬間、部屋で唯一立ち上がるものがいた。
「あ、あなたが2代目ボスという荒木さんですか!?」
しかし、その姿はあまりにボロボロ・・・。
「いいからいいから・・・とりあえず座りなさい。もう終わったんだ。」
巽はこの時とても驚いていた、荒木が来るはずだったのに何故か柊が来たのだから。
「椿君、この人は荒木さんじゃない・・・初代総長、柊康仁さんだ・・・。」
『初代総長!?』
一同は大変驚いた・・・。
そして・・・語られる事の顛末・・・。
同じようにそこで動けずにいる4人もまた、バイクの排気音で全てを察し絶望した。
死を待つばかり・・・各々が何とか動いて“この人達を守らなくては”と
そう考えるも誰一人として動けるような者はおらず全員がもはや屍と化していた。
誰も言葉を発することさえ出来ず椿の部屋は時間が止まったかのような静寂に包まれている。
いつ荒木が来るかも分からないという恐怖だけが4人の心を抉っていた。
しかしそんな中、極闘会2代目ボス荒木もまた
紫炎アジト内で予想だにしないとんでもない出会いを果たしていた。
それは荒木が1階の階段を倒れている人間を蹴り飛ばしながら
鼻歌交じりに歩いていた時のことだ・・・。
「もう終わった後だな?なかなかいい感じにやってるじゃねえか・・・。
ガキ共にしては上出来なもんだ・・・さーて3階だったか?後2階上がれば・・・。」
荒木は階段を登りながらふと確認で上のフロアを見つめた。
その時だった、荒木が上の2階のフロアから
ジッと自分を見つめている人間がいることを認識したのは。
「ちょ、おいおいおい・・・なんであんたがここにいるんだ・・・?」
「・・・・・・。」
「返事もなしですか?」
タタタと二段飛びで急いで階段を駆け上がる荒木。
程なくして2階に辿り着いた荒木はその人物と対峙した。
「どうやら見間違いとかじゃなさそうっスね。何でこんな所に?」
「・・・お前がまた良からぬことを吹き込んで遊んでいると聞いてな・・・。」
「勘弁してくださいよ、俺は極闘会の№2としてここに来てるんですよ?」
「その肩書でやっていることがあまりに稚拙だからここにきているのだ・・・。」
「一家の名に泥を塗ったバカの後始末じゃないですか!負けは許されないんでしょう!?」
「そうだな・・・過去にはそんなことも言ったな・・・。」
「でしたらこのままお引き取りください・・・ここの始末は俺が!!」
「いや、俺が始末しに来たのはここ(紫炎)じゃない・・・お前だよ荒木。」
刹那、男のパンチで荒木は腹部を押さえてその場で膝をついた。
「ぐあっ・・・これは一体何の真似ですか・・・!?」
苦悶に満ちた表情でその男を睨む荒木。
「今回のお前の行動は裏で探っていたがあまりに目に余る・・・。
負けが許されないということを俺が明言したことは確かだが、
負けた後にこんな真似をしてまで負けた過去をなかったことにしろとなど
一度たりとも言った覚えがないんだよ荒木・・・お前は間違えた・・・。」
「ですがあいつ(巽雄吾)がこの誇り高き極闘一家の名を汚したのは事実でしょう!?」
「いいや・・・時代は流れる、一家もそろそろ敗北する頃だとは思っていた・・・。」
「な、何をバカな!?《一家は極闘内で常に誰よりも強くあらねばならぬ》
そう明言したのはあなたでしょう!?初代総長!柊康仁さん!!」
そう・・・そこにいたのは極闘一家、初代ボスの柊康仁であった・・・。
「そういう考えは今はもう古いということだ、今すぐ撤廃しよう。
たまたまそれを教えてくれたのが彼(巽雄吾)だったというだけだよ荒木・・・。」
「俺はあんたの教えをしっかり守ってきたのにあんたは突然そんなこと言うのかよ!?
あんたは俺が唯一尊敬して背中追っかけてた人だったのに見損なったぜ!!」
「お前にも多くの重圧をかけてしまったな・・・今更ながら申し訳なく思う。
だが、一家が最強でなくてはならないという時代は今回の件でもう終わったんだ。
彼を許してやってくれ・・・彼もまた、極闘一家というプライドに憑りつかれてしまった被害者の一人と言えるだろうな・・・今日からまた新たな一歩を踏み出そう・・・。」
「ふざけんなよ・・・。」
荒木は小さくつぶやいた。
そして・・・
一瞬で立ち上がり柊に殴りかかる荒木!
「だったら今日までの一家への俺の想いはどこに行くんだよ初代!!!」
ドサァ・・・・。
次に荒木が見ていたものは殴った柊の血が流れる顔ではなかった。
視界の先は天井だった。
「な、なんで俺は・・・天井なんて見上げてんだ・・・・?」
「今すぐここを出ろ荒木、そして頭を冷やせ・・・。」
荒木は立ち上がり、悔しそうにすぐにその場を立ち去った・・・。
そして、紫炎の外に出てバイクで走り去ったのを確認した後、柊は3階へ向かった。
「ここにいるのか・・・・?」
柊が椿の扉を潜ると、そこには多くの倒れた人間たちの姿が・・・。
「こりゃあ派手にやったもんだな・・・。」
その瞬間、部屋で唯一立ち上がるものがいた。
「あ、あなたが2代目ボスという荒木さんですか!?」
しかし、その姿はあまりにボロボロ・・・。
「いいからいいから・・・とりあえず座りなさい。もう終わったんだ。」
巽はこの時とても驚いていた、荒木が来るはずだったのに何故か柊が来たのだから。
「椿君、この人は荒木さんじゃない・・・初代総長、柊康仁さんだ・・・。」
『初代総長!?』
一同は大変驚いた・・・。
そして・・・語られる事の顛末・・・。
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