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第四十六闘:報復
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壮絶な戦いの翌日・・・。
《一家の敗北》という大ニュースは各方面に轟いた。
それほどまでに前例もなくあり得てはならないことだったのだ。
最強でこそ極闘一家、勝ち続けなければならないという歴代からのプライドがあった。
それを知ったOB達は《一家の名に泥を塗った》と激昂し
現、一家の代表である巽雄吾へ猛抗議を行う姿勢で整い各地で動きを見せ、
極闘中学内に存在する一家の傘下である数グループからも不満の声が上がった。
これにより傘下から脱し紫炎に入ったグループも少なからず現れた他、
極闘一家内8隊長の内3名も一家を出るという異常事態に発展。
巽雄吾も自責の念と各方面の責任追及から一家のボスの辞任を発表した。
この事態を受け止めきれない一家のメンバーは巽から《報復だけはするな》という
言葉を受け取っているにも拘らず多数のメンバーが独断で紫炎に報復宣言を行い
今回の戦いで壊滅寸前となっている紫炎は“これ”に耐えうる訳もなく
ただただこの事態を何もできず見つめるばかりとなった。
―紫炎アジト、椿の部屋ー
用意されたベッドに横たわる傷だらけの陽菜と顔中に絆創膏を貼った椿、
腕や足や頭に包帯を巻いた美咲の姿がそこにあった。
「陽菜ちゃんの様子はどうかな?」
陽菜のベッドに近づき寝顔を見つめる椿と美咲。
「毎回こういう戦いの後は寝込んじゃうね、陽菜っち・・・でも今回は当たり前か。」
「まぁね・・・彼を倒すなんて偉業ともいえることをやってくれた訳だから・・・。」
「私のせいで・・・ごめんね・・・陽菜っち・・・!」
「単身で何も考えずに突っ込んだ僕のせいでもあるから・・・
でも正直あの場面で陽菜ちゃんが来てくれなかったらこの結果はなかった・・・。」
「陽菜っちにはもう感謝しかないね・・・。」
「だが、彼女が大変なのはこれからが本番だろうな・・・。」
「どういうこと?」
「この学校のランキング一位を一騎打ちで倒してしまったんだ。
実質今この学校のランニング一位は陽菜ちゃんということになった・・・。
そして、同時に一家のボスを倒してしまった訳だから・・・。」
言葉に詰まる椿。
「一家のボス倒すと何かあるの・・・?」
「一騎打ちで一家のボスに打ち勝った者は・・・」
「はっきり言ってよ!!」
「負けた者は即座に辞任し勝った者は
今後、新たな一家のボスとして認められることになる・・・!!」
「え・・・・?どういうこと?」
「そのままだよ、陽菜ちゃんがそれを選びさえすれば、
一家のボスになる権利さえ与えられたということだ。
そして恐らく・・・・。」
この時、紫炎アジト入り口前には“ある人物たち”が現れていた。
「ど、どうぞ・・・宮澤陽菜は上にいます・・・。
しかし、戦闘のダメージからまだ目を覚ましていないと思いますが・・・。」
「安心しろ、戦闘の意思はない・・・行くぞ。」
『はい。』
そこに現れたのは辞任を発表して間もないボロボロの巽雄吾と
5人の極闘一家の各隊の隊長達だった。
静かに階段を上がった巽たちはすぐに椿の部屋に辿り着いた。
コンコン、とノックをして中に入る巽。
「・・・随分早いね・・・それほど余裕がないということかな?」
「その通りだよ椿君、宮澤陽菜を一家のボスの任命に来た。」
「ま、待ってください・・・陽菜っちは今こんな状況です!!
彼女の意思も関係なしに決められることではないでしょう?!」
「こっちも急ぎでね・・・取り急ぎ彼女をうちのボスに任命したい。」
「拒否はできないんですか!?」
「伝統だからね・・・残念だけど宮澤陽菜は紫炎を抜けることになる。」
陽菜は意識もない状況の中まさかの事態!?
《一家の敗北》という大ニュースは各方面に轟いた。
それほどまでに前例もなくあり得てはならないことだったのだ。
最強でこそ極闘一家、勝ち続けなければならないという歴代からのプライドがあった。
それを知ったOB達は《一家の名に泥を塗った》と激昂し
現、一家の代表である巽雄吾へ猛抗議を行う姿勢で整い各地で動きを見せ、
極闘中学内に存在する一家の傘下である数グループからも不満の声が上がった。
これにより傘下から脱し紫炎に入ったグループも少なからず現れた他、
極闘一家内8隊長の内3名も一家を出るという異常事態に発展。
巽雄吾も自責の念と各方面の責任追及から一家のボスの辞任を発表した。
この事態を受け止めきれない一家のメンバーは巽から《報復だけはするな》という
言葉を受け取っているにも拘らず多数のメンバーが独断で紫炎に報復宣言を行い
今回の戦いで壊滅寸前となっている紫炎は“これ”に耐えうる訳もなく
ただただこの事態を何もできず見つめるばかりとなった。
―紫炎アジト、椿の部屋ー
用意されたベッドに横たわる傷だらけの陽菜と顔中に絆創膏を貼った椿、
腕や足や頭に包帯を巻いた美咲の姿がそこにあった。
「陽菜ちゃんの様子はどうかな?」
陽菜のベッドに近づき寝顔を見つめる椿と美咲。
「毎回こういう戦いの後は寝込んじゃうね、陽菜っち・・・でも今回は当たり前か。」
「まぁね・・・彼を倒すなんて偉業ともいえることをやってくれた訳だから・・・。」
「私のせいで・・・ごめんね・・・陽菜っち・・・!」
「単身で何も考えずに突っ込んだ僕のせいでもあるから・・・
でも正直あの場面で陽菜ちゃんが来てくれなかったらこの結果はなかった・・・。」
「陽菜っちにはもう感謝しかないね・・・。」
「だが、彼女が大変なのはこれからが本番だろうな・・・。」
「どういうこと?」
「この学校のランキング一位を一騎打ちで倒してしまったんだ。
実質今この学校のランニング一位は陽菜ちゃんということになった・・・。
そして、同時に一家のボスを倒してしまった訳だから・・・。」
言葉に詰まる椿。
「一家のボス倒すと何かあるの・・・?」
「一騎打ちで一家のボスに打ち勝った者は・・・」
「はっきり言ってよ!!」
「負けた者は即座に辞任し勝った者は
今後、新たな一家のボスとして認められることになる・・・!!」
「え・・・・?どういうこと?」
「そのままだよ、陽菜ちゃんがそれを選びさえすれば、
一家のボスになる権利さえ与えられたということだ。
そして恐らく・・・・。」
この時、紫炎アジト入り口前には“ある人物たち”が現れていた。
「ど、どうぞ・・・宮澤陽菜は上にいます・・・。
しかし、戦闘のダメージからまだ目を覚ましていないと思いますが・・・。」
「安心しろ、戦闘の意思はない・・・行くぞ。」
『はい。』
そこに現れたのは辞任を発表して間もないボロボロの巽雄吾と
5人の極闘一家の各隊の隊長達だった。
静かに階段を上がった巽たちはすぐに椿の部屋に辿り着いた。
コンコン、とノックをして中に入る巽。
「・・・随分早いね・・・それほど余裕がないということかな?」
「その通りだよ椿君、宮澤陽菜を一家のボスの任命に来た。」
「ま、待ってください・・・陽菜っちは今こんな状況です!!
彼女の意思も関係なしに決められることではないでしょう?!」
「こっちも急ぎでね・・・取り急ぎ彼女をうちのボスに任命したい。」
「拒否はできないんですか!?」
「伝統だからね・・・残念だけど宮澤陽菜は紫炎を抜けることになる。」
陽菜は意識もない状況の中まさかの事態!?
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