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第四十四闘:命を賭して
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「宮澤陽菜・・・実に面白い女だったよ君は・・・。」
倒れた陽菜を見つめる巽。
陽菜はうつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。
《炎!大丈夫!?》
「(大丈夫な訳があるか・・・バケモンかこいつは・・・!)」
《何とかこの人に勝てる方法はないの!?》
「(勝てるという保証はないがこの状況を打開できるかも知れない方法ならある。
だが、あまりに危険・・・お前の身体がぶっ壊れるのが先の可能性も十分にある。)」
《他に方法はないでしょう・・・?だったらもう・・・》
「(そうだな・・・同意見だ。)」
『やるしかない!!!』
一方・・・逃走を続ける椿・・・。
「くっ・・・このままじゃ全滅は免れないね・・・!
僕の隊も間に合わないか・・・!出し惜しみしている場合じゃなかったね。」
一家のアジトは出たものの未だ梨香、鬼塚とは合流が出来ていない椿。
「芽衣!お前だけでも椿さんのところへ行けないか!?」
「敵が多すぎます・・・!食い止めるだけで精いっぱいです・・・!」
鬼塚と梨香もまた、敵の波に呑まれて椿との合流どころではなかった。
更にもう一方陽菜の隊・・・
「美咲さん、大丈夫ですか・・・痛々しい縄の跡が・・・!!」
「大丈夫・・・こんな傷より、今本当に痛いのは陽菜ちゃんとか椿だから・・・!」
「どこに行くんだ東條美咲、まさかお前・・・
一家に入ったばかりのくせにもう裏切るつもりか・・・?」
そこにいたのは極闘一家八隊長の一人、中村勇人であった。
「(まずい・・・この状況下で隊長格の人間と出会うなんて・・・!!)」
各地で絶望が始まる中、陽菜と巽は静かに向かい合っていた。
「おいおい・・・すごいね君は、まだ立てるんだ・・・!!」
「ギブアップはしてねえよ・・・!」
しかし、炎と言えど身体は既にフラフラ、身体中から血が流れている。
「あんまり無理はしない方がいいと思うけどねえ・・・。」
「うるせぇ・・・・絶対に負けられねぇんだよ!!」
「熱い熱い、熱いだけで弱い。それが君でしょ?君は俺には勝てないんだって。」
炎の身体が一瞬ふらつき一瞬のスキを突かれた炎は激しく吹き飛ぶ・・・!
「がはっ・・・・!」
飛びながら意識が遠のく炎・・・。
《もういいよ、ありがとう炎・・・後は私がやるよ。》
その瞬間、外に出ている人格が炎から陽菜に変わった。
《馬鹿野郎!!勝手に変わりやがって!お前に何ができるってんだ!?死ぬぞ!!》
「分かってる・・・でも・・・もう引き下がれないよ・・・!!
さっき言ってたあの方法を試そう・・・。」
《俺が外に出てる前提で計画した案だぞ!?》
「大丈夫、上手くやってみせるよ・・・。
失敗すれば外の人達もみんな倒れる・・・!私がこの人を倒すしかないんだ。
全員を、何もかも全てを助けるためにはこの方法しかない・・・!!」
「それは不可能だと言ったはずだがな・・・。」
「やってみなきゃ、分からない・・・・。」
この瞬間、炎は陽菜の身体に自分の力の全てを送った。
《これ以上はない!そもそもこんなに注ぎ込んで危険じゃないわけがない!
確実に暴走するだろうが何とか制御して見せろ!出来なきゃお前の負けだ!!》
「ガガ・・・・ガ・・・ウガアアアァァ!!」
激しくのけぞり苦しむ陽菜。
「自爆か?愚か者め、勝てないと踏んで自暴自棄になりやがったな?
今すぐ楽にしてやるから安心しろ・・・!」
一気に決着をつけにいく巽は全力でパンチを打ち込む。
「これで終わりだ・・・!!」
まさに拳が陽菜にぶつかろうというその瞬間、
「ん・・・?」
パンッ・・・と静かに陽菜が巽の拳を払いのけた瞬間、
巽は激しく吹き飛ばされ壁に激突した。
「な、なんだこの力・・・!!?」
次回、終結。
倒れた陽菜を見つめる巽。
陽菜はうつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。
《炎!大丈夫!?》
「(大丈夫な訳があるか・・・バケモンかこいつは・・・!)」
《何とかこの人に勝てる方法はないの!?》
「(勝てるという保証はないがこの状況を打開できるかも知れない方法ならある。
だが、あまりに危険・・・お前の身体がぶっ壊れるのが先の可能性も十分にある。)」
《他に方法はないでしょう・・・?だったらもう・・・》
「(そうだな・・・同意見だ。)」
『やるしかない!!!』
一方・・・逃走を続ける椿・・・。
「くっ・・・このままじゃ全滅は免れないね・・・!
僕の隊も間に合わないか・・・!出し惜しみしている場合じゃなかったね。」
一家のアジトは出たものの未だ梨香、鬼塚とは合流が出来ていない椿。
「芽衣!お前だけでも椿さんのところへ行けないか!?」
「敵が多すぎます・・・!食い止めるだけで精いっぱいです・・・!」
鬼塚と梨香もまた、敵の波に呑まれて椿との合流どころではなかった。
更にもう一方陽菜の隊・・・
「美咲さん、大丈夫ですか・・・痛々しい縄の跡が・・・!!」
「大丈夫・・・こんな傷より、今本当に痛いのは陽菜ちゃんとか椿だから・・・!」
「どこに行くんだ東條美咲、まさかお前・・・
一家に入ったばかりのくせにもう裏切るつもりか・・・?」
そこにいたのは極闘一家八隊長の一人、中村勇人であった。
「(まずい・・・この状況下で隊長格の人間と出会うなんて・・・!!)」
各地で絶望が始まる中、陽菜と巽は静かに向かい合っていた。
「おいおい・・・すごいね君は、まだ立てるんだ・・・!!」
「ギブアップはしてねえよ・・・!」
しかし、炎と言えど身体は既にフラフラ、身体中から血が流れている。
「あんまり無理はしない方がいいと思うけどねえ・・・。」
「うるせぇ・・・・絶対に負けられねぇんだよ!!」
「熱い熱い、熱いだけで弱い。それが君でしょ?君は俺には勝てないんだって。」
炎の身体が一瞬ふらつき一瞬のスキを突かれた炎は激しく吹き飛ぶ・・・!
「がはっ・・・・!」
飛びながら意識が遠のく炎・・・。
《もういいよ、ありがとう炎・・・後は私がやるよ。》
その瞬間、外に出ている人格が炎から陽菜に変わった。
《馬鹿野郎!!勝手に変わりやがって!お前に何ができるってんだ!?死ぬぞ!!》
「分かってる・・・でも・・・もう引き下がれないよ・・・!!
さっき言ってたあの方法を試そう・・・。」
《俺が外に出てる前提で計画した案だぞ!?》
「大丈夫、上手くやってみせるよ・・・。
失敗すれば外の人達もみんな倒れる・・・!私がこの人を倒すしかないんだ。
全員を、何もかも全てを助けるためにはこの方法しかない・・・!!」
「それは不可能だと言ったはずだがな・・・。」
「やってみなきゃ、分からない・・・・。」
この瞬間、炎は陽菜の身体に自分の力の全てを送った。
《これ以上はない!そもそもこんなに注ぎ込んで危険じゃないわけがない!
確実に暴走するだろうが何とか制御して見せろ!出来なきゃお前の負けだ!!》
「ガガ・・・・ガ・・・ウガアアアァァ!!」
激しくのけぞり苦しむ陽菜。
「自爆か?愚か者め、勝てないと踏んで自暴自棄になりやがったな?
今すぐ楽にしてやるから安心しろ・・・!」
一気に決着をつけにいく巽は全力でパンチを打ち込む。
「これで終わりだ・・・!!」
まさに拳が陽菜にぶつかろうというその瞬間、
「ん・・・?」
パンッ・・・と静かに陽菜が巽の拳を払いのけた瞬間、
巽は激しく吹き飛ばされ壁に激突した。
「な、なんだこの力・・・!!?」
次回、終結。
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