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第二十八闘:勝つために
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程なくして陽菜は直ぐに目を覚ました。
外からは大勢の怒声が響いている。
状況が全く分からない。何故私はここに倒れているの?
“とにかく早く動かなくては”そう思い立ち上がろうとする陽菜であったが・・・。
「え・・・?なにこれ、体が全然動かない・・・!!」
それは紛れもなく椿と戦った時のダメージと極大な疲労だった。
「悪いな、少し椿と本気で戦っちまった。」
はい?陽菜には全然理解が出来ない。
「あなた本当に椿さんと戦ったの!?意味が分からない!!」
「まぁとりあえずそんなことを問答してる場合じゃねえ・・・。
俺らが戦ってる間に例の“全面戦争”が始まっちまった!
今は二番隊とかいう奴らと椿がどっかで交戦中だ・・・。」
次から次へと説明されて陽菜は混乱する。
「待ってよ・・・嘘でしょ・・・!?まさかあなた・・・
椿さんに怪我させてないでしょうね!?」
「・・・・・。」
ー外非常階段3階付近ー
「間もなくこの上にドアがある!そこから一気に幹部室まで行くぞ!!」
『おおおおおお!!』
鬼塚達はそのまま何の障害もなく中への侵入に成功する。
「よし、入った・・・この先だ。」
「何がこの先なのかな?」
聞こえるはずもない後ろからのその声に鬼塚はゾッとした。
何かを感じ取ってバッと振り返る。
「まさか正面の彼らが陽動だったとはね・・・。」
「佐川椿・・・!!」
そこには精鋭15名が既に倒れ返り血を浴びた椿の姿があった。
「くっ・・・やはり簡単にここが陥落とはいかないか・・・。」
「・・・・・いいから来なよ、全員血祭だ。」
ギロリと睨みつける椿に鬼塚は高笑いを始める。
「ハハハハハ!ここまでやるとはさすがだよ!!
だが、15名を倒し手負いのお前にこの先耐えられるかな?」
「(この先・・・・増援か!?)」
「お願いします、こいつを叩き潰してください!!」
そこに非常階段から現れたのは5名の男、しかし明らかに中学生ではなかった。
「芽衣ちゃん、こいつを仕留めればいいんだな?」
「何だこのもやしっ子。」
「所詮は中学レベルだろ・・・。」
「しっかし俺らまで雇うんだからこの中学も更にヤバイねえ。」
「けっ・・・。」
偉そうに話す鬼塚。
「どうだ佐川椿!これが美鬼の力!彼らは近くの数ある高校から
梨香さんが雇ったかなり強いとされる不良の方々だ!!」
この時、椿の全身にはかなりの痛みが走っていた。
「では皆さん遊んであげてください・・・!」
椿の横を通り抜け陽菜のいる階に上がろうとする
鬼塚を椿は肩を掴み何とか食い止めようとするも・・・。
「待て・・・ここから先は・・・!!」
「お前の相手はこっちだろうがクソガキ・・・!」
バキィッと激しく顔面を殴られ吹き飛ばされる椿。
「(まずい・・・陽菜ちゃん!!)」
ー外、二番隊ー
同刻この時、神山は中の状況には全く気付いていなかった。
しかし、すでにその目に敵(美鬼)のボス金沢梨香を視界に捉えていた。
「この乱戦も程なくして終わる、うちの隊は強いだろう。
負けを認めろ美鬼。こんな小さな隊では紫炎の中には届かん。
椿さんはお前では絶対に破れない。
どう足掻いても紫炎の勝ちは見えてるだろ、降伏しろ。」
神山は梨香に降伏を求める。
「そうだな“私達だけ”では届かないな・・・。
だから他校の中学から精鋭を集め更に高校生までも味方につけた・・・。」
その言葉で神山の疑問は解けた。
「なるほど、見覚えのない男たちの姿はそれか・・・。
貴様、やっていることはあまりに幼稚だぞ。勝てればそれでいいのか。」
「そうだ!勝てさえすれば何だっていい!!何だってする!!
今頃紫炎の中も私が送った伏兵たちのおかげで
想像を絶する光景が広がっているだろうなあ!!」
「な・・・貴様!!椿さん!!!」
急いで乱戦を抜け紫炎の中に戻ろうとする神山。
しかしその前に立ちはだかったのはまたしても巨躯な高校生たちだった。
「どこへ行く・・・?」
「くっ・・・くそお!!」
「ははははは!散れ紫炎!!我々美鬼の勝ちだ!!!」
両腕を天高く広げた梨香は笑った。
各地で大ピンチに追い込まれた紫炎!!
陽菜に迫る鬼塚!
炎との戦いのダメージが残り苦戦する椿!
乱戦を抜けられず高校生と対峙した神山!
外からは大勢の怒声が響いている。
状況が全く分からない。何故私はここに倒れているの?
“とにかく早く動かなくては”そう思い立ち上がろうとする陽菜であったが・・・。
「え・・・?なにこれ、体が全然動かない・・・!!」
それは紛れもなく椿と戦った時のダメージと極大な疲労だった。
「悪いな、少し椿と本気で戦っちまった。」
はい?陽菜には全然理解が出来ない。
「あなた本当に椿さんと戦ったの!?意味が分からない!!」
「まぁとりあえずそんなことを問答してる場合じゃねえ・・・。
俺らが戦ってる間に例の“全面戦争”が始まっちまった!
今は二番隊とかいう奴らと椿がどっかで交戦中だ・・・。」
次から次へと説明されて陽菜は混乱する。
「待ってよ・・・嘘でしょ・・・!?まさかあなた・・・
椿さんに怪我させてないでしょうね!?」
「・・・・・。」
ー外非常階段3階付近ー
「間もなくこの上にドアがある!そこから一気に幹部室まで行くぞ!!」
『おおおおおお!!』
鬼塚達はそのまま何の障害もなく中への侵入に成功する。
「よし、入った・・・この先だ。」
「何がこの先なのかな?」
聞こえるはずもない後ろからのその声に鬼塚はゾッとした。
何かを感じ取ってバッと振り返る。
「まさか正面の彼らが陽動だったとはね・・・。」
「佐川椿・・・!!」
そこには精鋭15名が既に倒れ返り血を浴びた椿の姿があった。
「くっ・・・やはり簡単にここが陥落とはいかないか・・・。」
「・・・・・いいから来なよ、全員血祭だ。」
ギロリと睨みつける椿に鬼塚は高笑いを始める。
「ハハハハハ!ここまでやるとはさすがだよ!!
だが、15名を倒し手負いのお前にこの先耐えられるかな?」
「(この先・・・・増援か!?)」
「お願いします、こいつを叩き潰してください!!」
そこに非常階段から現れたのは5名の男、しかし明らかに中学生ではなかった。
「芽衣ちゃん、こいつを仕留めればいいんだな?」
「何だこのもやしっ子。」
「所詮は中学レベルだろ・・・。」
「しっかし俺らまで雇うんだからこの中学も更にヤバイねえ。」
「けっ・・・。」
偉そうに話す鬼塚。
「どうだ佐川椿!これが美鬼の力!彼らは近くの数ある高校から
梨香さんが雇ったかなり強いとされる不良の方々だ!!」
この時、椿の全身にはかなりの痛みが走っていた。
「では皆さん遊んであげてください・・・!」
椿の横を通り抜け陽菜のいる階に上がろうとする
鬼塚を椿は肩を掴み何とか食い止めようとするも・・・。
「待て・・・ここから先は・・・!!」
「お前の相手はこっちだろうがクソガキ・・・!」
バキィッと激しく顔面を殴られ吹き飛ばされる椿。
「(まずい・・・陽菜ちゃん!!)」
ー外、二番隊ー
同刻この時、神山は中の状況には全く気付いていなかった。
しかし、すでにその目に敵(美鬼)のボス金沢梨香を視界に捉えていた。
「この乱戦も程なくして終わる、うちの隊は強いだろう。
負けを認めろ美鬼。こんな小さな隊では紫炎の中には届かん。
椿さんはお前では絶対に破れない。
どう足掻いても紫炎の勝ちは見えてるだろ、降伏しろ。」
神山は梨香に降伏を求める。
「そうだな“私達だけ”では届かないな・・・。
だから他校の中学から精鋭を集め更に高校生までも味方につけた・・・。」
その言葉で神山の疑問は解けた。
「なるほど、見覚えのない男たちの姿はそれか・・・。
貴様、やっていることはあまりに幼稚だぞ。勝てればそれでいいのか。」
「そうだ!勝てさえすれば何だっていい!!何だってする!!
今頃紫炎の中も私が送った伏兵たちのおかげで
想像を絶する光景が広がっているだろうなあ!!」
「な・・・貴様!!椿さん!!!」
急いで乱戦を抜け紫炎の中に戻ろうとする神山。
しかしその前に立ちはだかったのはまたしても巨躯な高校生たちだった。
「どこへ行く・・・?」
「くっ・・・くそお!!」
「ははははは!散れ紫炎!!我々美鬼の勝ちだ!!!」
両腕を天高く広げた梨香は笑った。
各地で大ピンチに追い込まれた紫炎!!
陽菜に迫る鬼塚!
炎との戦いのダメージが残り苦戦する椿!
乱戦を抜けられず高校生と対峙した神山!
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