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第二十六闘:椿VS炎
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紫炎のアジトに入ると、以前とは違う雰囲気になっていた。
以前来たときは急襲にあった後だったからか、荒れ果てていたが
今はとても綺麗になってイメージも全く違った。
二人は静かに進み、階段を上がり椿の部屋の前へ。
ここに来るのも些か久しぶりな気がする。
陽菜は様々な気持ちを抱えながら大きな扉を潜り椿の部屋へと入った。
「どうぞ。座って?」
陽菜は促されるまま座る。やはりこの部屋は緊張する。
「さて・・・その炎君の話は陽菜ちゃんが代弁してくれるのかな?」
「あ、いえ私は何も聞いていなくてただ話がしたいってだけだったのでー・・・。」
この瞬間、陽菜は意識が遠のいた。
「俺が直接話す。」
さすがの椿も驚いた。
それは突如、目つきや声、話し方、仕草、その全てが一気に変わったからだ。
「どうも、炎と申します。椿さんですね?どうぞよろしく。」
そういうと、炎は立ち上がり椿に手を差し出した。
椿もその手を取り、二人は握手を交わす。
「あなたが・・・佐川椿です。」
この時、互いが感じていた。
目の前の相手から溢れ出る果てしなき闘志を。
「で・・・話とは一体・・・?」
二人は再び座り、椿が切り出した。
「ああ・・・話って言うのは特にないんですわ、あれは嘘です。」
「ほう・・・というと・・・?」
パァアアアン!!
突如炎は椿に殴りかかった。
「あんたの力がどんなもんか気になってね・・・。」
「ま、陽菜ちゃんも言ってたし“来る”とは思っていたけど随分厄介な子だ・・・。
(しかし陽菜ちゃんのか細い身体でなんて力だ・・・しかしこの力・・・
やはり陽菜ちゃんの身体では使い続けるには耐えられないな・・・。
骨や筋肉に多大な影響を及ぼす可能性がある・・・。)」
手のひらで受け止めた椿の手はビリビリと痺れた。
「さぁ・・・・戦ろうぜ椿!!!」
闘志をむき出しに椿を睨みつける炎。
「全く・・・仕方ないね。」
椿は立ち上がりファインティングポーズを取った。
「おおおおおおおらあああああああああ!!!」
力任せにガンガンパンチや蹴りを打ち込む炎。
しかし椿はその全てをガードする。
「なんて猛攻・・・!力だけで言うならうちの大和を超えてる!!」
「まだまだアアアア!!」
その時、受けきれなかった炎の激しい蹴りが椿の腹部に入った。
吹き飛ばされた椿は部屋の戸棚にガシャアアン!と激しく突っ込んだ。
立ち上がろうとする椿に炎はトドメを刺そうと迫り来る!
口から流れる血を拭い椿は立て直す。
「ゴホッ・・・やれやれ・・・とんでもないね・・・。
でも、この程度で勝てると思ってもらっちゃナメられたものだよ・・・。
君の弱点はただ一つ、策もなく猪突猛進に突っ込んでいくこと。
それほど分かりやすく倒しやすい敵はいない・・・。
力は認めよう、確かにその力はうちでも最上級と言える。
だが・・・それだけでは“ここ”では通じない!!」
ドンッ!!!
一発の椿のパンチで激しい轟音と共に炎は床に倒れた・・・。
「やっぱあんた強いなあ・・・でも本番はこっからだろうがァアアア!」
再び立ち上がる炎。
「ま、まだやるのか!?」
「血が騒ぐ・・・血が騒ぐんだよォォォォ!!」
炎は再び椿に襲い掛かる!
しかしそんな中・・・外では予想外の事態が・・・。
紫炎のアジトに一歩ずつ近づく数十の敵。
「行くぞ・・・《美鬼》の力を持って今こそ紫炎を潰すぞ!!」
『はいっ!!』
それは金沢梨香を先頭に迫る《美鬼》の姿であった。
「待っていろ宮澤陽菜・・・今度こそ貴様を殺してやる・・・!」
復讐を誓う鬼塚芽衣も当然同行していた。
迫りくる影!未だ戦闘中の椿と陽菜!いったいどうなる!?
以前来たときは急襲にあった後だったからか、荒れ果てていたが
今はとても綺麗になってイメージも全く違った。
二人は静かに進み、階段を上がり椿の部屋の前へ。
ここに来るのも些か久しぶりな気がする。
陽菜は様々な気持ちを抱えながら大きな扉を潜り椿の部屋へと入った。
「どうぞ。座って?」
陽菜は促されるまま座る。やはりこの部屋は緊張する。
「さて・・・その炎君の話は陽菜ちゃんが代弁してくれるのかな?」
「あ、いえ私は何も聞いていなくてただ話がしたいってだけだったのでー・・・。」
この瞬間、陽菜は意識が遠のいた。
「俺が直接話す。」
さすがの椿も驚いた。
それは突如、目つきや声、話し方、仕草、その全てが一気に変わったからだ。
「どうも、炎と申します。椿さんですね?どうぞよろしく。」
そういうと、炎は立ち上がり椿に手を差し出した。
椿もその手を取り、二人は握手を交わす。
「あなたが・・・佐川椿です。」
この時、互いが感じていた。
目の前の相手から溢れ出る果てしなき闘志を。
「で・・・話とは一体・・・?」
二人は再び座り、椿が切り出した。
「ああ・・・話って言うのは特にないんですわ、あれは嘘です。」
「ほう・・・というと・・・?」
パァアアアン!!
突如炎は椿に殴りかかった。
「あんたの力がどんなもんか気になってね・・・。」
「ま、陽菜ちゃんも言ってたし“来る”とは思っていたけど随分厄介な子だ・・・。
(しかし陽菜ちゃんのか細い身体でなんて力だ・・・しかしこの力・・・
やはり陽菜ちゃんの身体では使い続けるには耐えられないな・・・。
骨や筋肉に多大な影響を及ぼす可能性がある・・・。)」
手のひらで受け止めた椿の手はビリビリと痺れた。
「さぁ・・・・戦ろうぜ椿!!!」
闘志をむき出しに椿を睨みつける炎。
「全く・・・仕方ないね。」
椿は立ち上がりファインティングポーズを取った。
「おおおおおおおらあああああああああ!!!」
力任せにガンガンパンチや蹴りを打ち込む炎。
しかし椿はその全てをガードする。
「なんて猛攻・・・!力だけで言うならうちの大和を超えてる!!」
「まだまだアアアア!!」
その時、受けきれなかった炎の激しい蹴りが椿の腹部に入った。
吹き飛ばされた椿は部屋の戸棚にガシャアアン!と激しく突っ込んだ。
立ち上がろうとする椿に炎はトドメを刺そうと迫り来る!
口から流れる血を拭い椿は立て直す。
「ゴホッ・・・やれやれ・・・とんでもないね・・・。
でも、この程度で勝てると思ってもらっちゃナメられたものだよ・・・。
君の弱点はただ一つ、策もなく猪突猛進に突っ込んでいくこと。
それほど分かりやすく倒しやすい敵はいない・・・。
力は認めよう、確かにその力はうちでも最上級と言える。
だが・・・それだけでは“ここ”では通じない!!」
ドンッ!!!
一発の椿のパンチで激しい轟音と共に炎は床に倒れた・・・。
「やっぱあんた強いなあ・・・でも本番はこっからだろうがァアアア!」
再び立ち上がる炎。
「ま、まだやるのか!?」
「血が騒ぐ・・・血が騒ぐんだよォォォォ!!」
炎は再び椿に襲い掛かる!
しかしそんな中・・・外では予想外の事態が・・・。
紫炎のアジトに一歩ずつ近づく数十の敵。
「行くぞ・・・《美鬼》の力を持って今こそ紫炎を潰すぞ!!」
『はいっ!!』
それは金沢梨香を先頭に迫る《美鬼》の姿であった。
「待っていろ宮澤陽菜・・・今度こそ貴様を殺してやる・・・!」
復讐を誓う鬼塚芽衣も当然同行していた。
迫りくる影!未だ戦闘中の椿と陽菜!いったいどうなる!?
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