19 / 66
第十九闘:計画
しおりを挟む
再びあの状態になった陽菜は暴走を始める。
一瞬で数人吹き飛ばされた配下に一瞬動揺を見せた鬼塚であったが、
ここまでは鬼塚の想定内であった。
「入ったな?」
それを確認した瞬間、鬼塚は右腕を振り上げた。
「全員出ろ!!」
鬼塚の号令と共に陰から10・・・いや20はいるだろうか。
一斉に鬼塚の配下たちが飛び出した。
「叩き潰せェエエエ!!」
数十人が一斉に鬼塚の腕が振り下ろされると同時に陽菜に襲い掛かる!!
「・・・・・ブチ・・・コロス!!」
陽菜は次々に敵をなぎ倒していく。
しかしそれも限界があることを鬼塚は知っている。
梨香さんによって止められ、敗北となったあの日。
確かに去り際に見た!お前が倒れる姿を!!
確かにこの力は恐ろしいが長続きなどしない!!
今ここで私の配下を全員投入してでもお前を完全に叩き潰す!!
しかし、鬼塚の思惑通りには行かなかった。
投入された約20人のメンバーは陽菜の手で一瞬して倒されてしまったからである。
「くっ・・・ちっ、足りないか。おい、立てる奴は今すぐ立て。」
鬼塚の指示で数人が立ち上がりまた陽菜に向かっていく。
そっと鬼塚に耳打ちする配下。
「芽衣さん、このままでは・・・!」
「分かってる、仕方ない。全員入れろ。」
その指示で、更に鬼塚側のメンバーは投入された。
「・・・・グゥ・・・!」
数分後、倒しているはずなのに減らない敵についに陽菜も疲れが見え始める。
腕を組みひたすら戦況を見つめる鬼塚。
「悪くない状況だ、うちの戦力は何人失ってもいい・・・。」
鬼塚の配下も半数ほどまで減った頃だろうか、陽菜にも限界が・・・。
突如ストン、と両膝から崩れ落ちたのだ。
鬼塚はそれを、その瞬間を見逃さなかった。
「今だ!叩けェエエエエエ!」
数人は吹き飛ばされたものの、それが最後だった。
陽菜は完全に敗北を喫した。
「全員下がれ。」
その指示で配下たちは全員下がった、その場に残ったのは倒れる陽菜一人。
傍に行き鬼塚は陽菜の体を起こす。
「意識はあるか?」
「・・・キサマラ・・・ゼンイン・・・!」
「よし、意識はあるな?上々だ。」
陽菜の身体を壁に寄り掛からせる。
「ここから先は私の質問に答えろ、いいな?
お前の所属するグループはどこだ・・・?」
「・・・・・。」
「質問を変える、お前の名は?」
「・・ナイ・・・。」
「お前は、宮澤陽菜ではないのか?」
「・・・・アァ。」
これで鬼塚は確信した。
こいつは宮澤陽菜ではないが同じ体に宿る別人格であると。
「芽衣さん、ここから先は・・・・?」
「作戦は終了した、お前らは全員引き上げろ。
負傷者は治療班で治療を受けるように!!」
こうして鬼塚は自らを除く全員を引き上げさせた。
「キサマ・・・ダケデモ・・・コロ・・・。」
震える身体で立ち上がろうとする陽菜を止める鬼塚。
「こっちは無傷、お前は瀕死。いくらお前でも分かるだろう?」
その言葉で陽菜は止まって座り込む。
「(・・・状況を理解はできるらしいな・・・。)」
「お前・・・うちに来ないか?」
突然のスカウトだった。
「梨香さんはお前の力を欲している、《美鬼》はお前を歓迎するぞ。
私はお前に負けた。あれ以来梨香さんはお前の話しかしない。
私はお前を憎んだが・・・その確かな力の前では何も言えない。
復讐のつもりでここに来たけど・・・もういい。どうだ、来ないか。」
「・・・・・オレニソンナケッテイケンハナイ。ホンタイニキケ。」
そういうと陽菜は倒れた。
そして鬼塚はその体を抱き上げる。
「うちのメンバーが半数以下に減ってしまったか・・・しばらくは動けないな。」
その後、鬼塚は学校に戻り陽菜を倒れていた等と嘘をつき保健室に運んだ。
一瞬で数人吹き飛ばされた配下に一瞬動揺を見せた鬼塚であったが、
ここまでは鬼塚の想定内であった。
「入ったな?」
それを確認した瞬間、鬼塚は右腕を振り上げた。
「全員出ろ!!」
鬼塚の号令と共に陰から10・・・いや20はいるだろうか。
一斉に鬼塚の配下たちが飛び出した。
「叩き潰せェエエエ!!」
数十人が一斉に鬼塚の腕が振り下ろされると同時に陽菜に襲い掛かる!!
「・・・・・ブチ・・・コロス!!」
陽菜は次々に敵をなぎ倒していく。
しかしそれも限界があることを鬼塚は知っている。
梨香さんによって止められ、敗北となったあの日。
確かに去り際に見た!お前が倒れる姿を!!
確かにこの力は恐ろしいが長続きなどしない!!
今ここで私の配下を全員投入してでもお前を完全に叩き潰す!!
しかし、鬼塚の思惑通りには行かなかった。
投入された約20人のメンバーは陽菜の手で一瞬して倒されてしまったからである。
「くっ・・・ちっ、足りないか。おい、立てる奴は今すぐ立て。」
鬼塚の指示で数人が立ち上がりまた陽菜に向かっていく。
そっと鬼塚に耳打ちする配下。
「芽衣さん、このままでは・・・!」
「分かってる、仕方ない。全員入れろ。」
その指示で、更に鬼塚側のメンバーは投入された。
「・・・・グゥ・・・!」
数分後、倒しているはずなのに減らない敵についに陽菜も疲れが見え始める。
腕を組みひたすら戦況を見つめる鬼塚。
「悪くない状況だ、うちの戦力は何人失ってもいい・・・。」
鬼塚の配下も半数ほどまで減った頃だろうか、陽菜にも限界が・・・。
突如ストン、と両膝から崩れ落ちたのだ。
鬼塚はそれを、その瞬間を見逃さなかった。
「今だ!叩けェエエエエエ!」
数人は吹き飛ばされたものの、それが最後だった。
陽菜は完全に敗北を喫した。
「全員下がれ。」
その指示で配下たちは全員下がった、その場に残ったのは倒れる陽菜一人。
傍に行き鬼塚は陽菜の体を起こす。
「意識はあるか?」
「・・・キサマラ・・・ゼンイン・・・!」
「よし、意識はあるな?上々だ。」
陽菜の身体を壁に寄り掛からせる。
「ここから先は私の質問に答えろ、いいな?
お前の所属するグループはどこだ・・・?」
「・・・・・。」
「質問を変える、お前の名は?」
「・・ナイ・・・。」
「お前は、宮澤陽菜ではないのか?」
「・・・・アァ。」
これで鬼塚は確信した。
こいつは宮澤陽菜ではないが同じ体に宿る別人格であると。
「芽衣さん、ここから先は・・・・?」
「作戦は終了した、お前らは全員引き上げろ。
負傷者は治療班で治療を受けるように!!」
こうして鬼塚は自らを除く全員を引き上げさせた。
「キサマ・・・ダケデモ・・・コロ・・・。」
震える身体で立ち上がろうとする陽菜を止める鬼塚。
「こっちは無傷、お前は瀕死。いくらお前でも分かるだろう?」
その言葉で陽菜は止まって座り込む。
「(・・・状況を理解はできるらしいな・・・。)」
「お前・・・うちに来ないか?」
突然のスカウトだった。
「梨香さんはお前の力を欲している、《美鬼》はお前を歓迎するぞ。
私はお前に負けた。あれ以来梨香さんはお前の話しかしない。
私はお前を憎んだが・・・その確かな力の前では何も言えない。
復讐のつもりでここに来たけど・・・もういい。どうだ、来ないか。」
「・・・・・オレニソンナケッテイケンハナイ。ホンタイニキケ。」
そういうと陽菜は倒れた。
そして鬼塚はその体を抱き上げる。
「うちのメンバーが半数以下に減ってしまったか・・・しばらくは動けないな。」
その後、鬼塚は学校に戻り陽菜を倒れていた等と嘘をつき保健室に運んだ。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私の隣は、心が見えない男の子
舟渡あさひ
青春
人の心を五感で感じ取れる少女、人見一透。
隣の席の男子は九十九くん。一透は彼の心が上手く読み取れない。
二人はこの春から、同じクラスの高校生。
一透は九十九くんの心の様子が気になって、彼の観察を始めることにしました。
きっと彼が、私の求める答えを持っている。そう信じて。
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる