15 / 66
第十五闘:対話
しおりを挟む
翌朝、陽菜は怪我もある程度回復したため椿の言葉を胸に
一人公園のブランコに座っていた。
「限界を知る・・・意識を保つ・・・経験を積む・・・。」
自分で書いたメモを見ながら陽菜は
“最短で、尚且つ最善で今何をすべきか”を考える。
「私は・・・鬼塚芽衣を圧倒したというあの力が欲しい・・・!!」
グッと拳を握り立ち上がる。
何かが分かった訳ではない、しかし考えるだけでは何も進まないと分かっている。
がむしゃらにやるということしか今のところの答えは見いだせなかった。
「あれ?陽菜っちじゃん!怪我はもういいのかな?」
「あっ、美咲さん!おはようございます!はい!もうある程度回復したので!」
「熱心だねえ~、そういえばもうすぐ期末試験あるけど大丈夫かい?」
予想外だった、紫炎のNo.2から学校の試験の話などが出るとは思わなかった。
「美咲さんは、成績ってどうなんですか?」
「私は毎回二位なんだ、あっ!下からじゃなくてね。」
その発言に、陽菜はあまりに驚いた。
「頭もいいんですね・・・喧嘩も強いのに・・・すごい!!」
「いやいや、この不良という外れた道を歩く上でのコツとしてね、
自分の好きなことをやりたいなら、周囲を黙らせたいなら、
やっぱりまだ中学生の私達には結局学力が一番ものを言うのさ。
学力は裏切らないからね、確かな未来を保証してくれる。
何もかもをとは言わないが・・・私は椿と肩を並べられるなら
どんな嫌いなことでも極めて見せる。」
陽菜は、このところ家でも勉強することはなかった。
両親も全てを諦めたような顔をしていたのを思い出す。
このままじゃいけないと分かっていても喧嘩のことばかりが頭に浮かんでいた。
それ以外はどうでもいいと、“みんなそうなんだ”と自分に言い訳していた。
考えを改めなければ、陽菜はそう気づくことが出来た。
しかし、陽菜にとってあの教室に戻ることは不安でしかない。
「でも私、教室に戻るのが怖いんですよ。」
不意に本音が口から出てしまった。
それを聞いた美咲は一瞬目を丸くした後笑った。
「あはは!陽菜っちランキング100位圏内に入ってそれは笑っちゃうよ!
陽菜っちにはもう確かな力と誰にも負けない心があるじゃんか!
雑魚の集まりのクラスの一つぐらい、統率してみなよ。」
「クラスの・・・統率・・・?」
「全員黙らせて味方にしちゃえば怖くないでしょ?」
考えたこともなかった、クラスの統率など・・・。
「陽菜っちの名は学校中に色んな尾ひれがついてるけど轟いてるよ。
だったら今が・・・そのチャンスなんじゃない?」
これが達成されれば、学校にも再び通うことが出来る。
行きたかった、けどずっと逃げていた。
今がそれをどうにかできるチャンス・・・?
だったらもう・・・・・やるしかない!!!
陽菜は、椿に提示された必須項目のことや喧嘩のことを一旦忘れることにした。
「私・・・やります!!」
次回2-B動乱編突入!
一人公園のブランコに座っていた。
「限界を知る・・・意識を保つ・・・経験を積む・・・。」
自分で書いたメモを見ながら陽菜は
“最短で、尚且つ最善で今何をすべきか”を考える。
「私は・・・鬼塚芽衣を圧倒したというあの力が欲しい・・・!!」
グッと拳を握り立ち上がる。
何かが分かった訳ではない、しかし考えるだけでは何も進まないと分かっている。
がむしゃらにやるということしか今のところの答えは見いだせなかった。
「あれ?陽菜っちじゃん!怪我はもういいのかな?」
「あっ、美咲さん!おはようございます!はい!もうある程度回復したので!」
「熱心だねえ~、そういえばもうすぐ期末試験あるけど大丈夫かい?」
予想外だった、紫炎のNo.2から学校の試験の話などが出るとは思わなかった。
「美咲さんは、成績ってどうなんですか?」
「私は毎回二位なんだ、あっ!下からじゃなくてね。」
その発言に、陽菜はあまりに驚いた。
「頭もいいんですね・・・喧嘩も強いのに・・・すごい!!」
「いやいや、この不良という外れた道を歩く上でのコツとしてね、
自分の好きなことをやりたいなら、周囲を黙らせたいなら、
やっぱりまだ中学生の私達には結局学力が一番ものを言うのさ。
学力は裏切らないからね、確かな未来を保証してくれる。
何もかもをとは言わないが・・・私は椿と肩を並べられるなら
どんな嫌いなことでも極めて見せる。」
陽菜は、このところ家でも勉強することはなかった。
両親も全てを諦めたような顔をしていたのを思い出す。
このままじゃいけないと分かっていても喧嘩のことばかりが頭に浮かんでいた。
それ以外はどうでもいいと、“みんなそうなんだ”と自分に言い訳していた。
考えを改めなければ、陽菜はそう気づくことが出来た。
しかし、陽菜にとってあの教室に戻ることは不安でしかない。
「でも私、教室に戻るのが怖いんですよ。」
不意に本音が口から出てしまった。
それを聞いた美咲は一瞬目を丸くした後笑った。
「あはは!陽菜っちランキング100位圏内に入ってそれは笑っちゃうよ!
陽菜っちにはもう確かな力と誰にも負けない心があるじゃんか!
雑魚の集まりのクラスの一つぐらい、統率してみなよ。」
「クラスの・・・統率・・・?」
「全員黙らせて味方にしちゃえば怖くないでしょ?」
考えたこともなかった、クラスの統率など・・・。
「陽菜っちの名は学校中に色んな尾ひれがついてるけど轟いてるよ。
だったら今が・・・そのチャンスなんじゃない?」
これが達成されれば、学校にも再び通うことが出来る。
行きたかった、けどずっと逃げていた。
今がそれをどうにかできるチャンス・・・?
だったらもう・・・・・やるしかない!!!
陽菜は、椿に提示された必須項目のことや喧嘩のことを一旦忘れることにした。
「私・・・やります!!」
次回2-B動乱編突入!
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

僕は 彼女の彼氏のはずなんだ
すんのはじめ
青春
昔、つぶれていった父のレストランを復活させるために その娘は
僕等4人の仲好しグループは同じ小学校を出て、中学校も同じで、地域では有名な進学高校を目指していた。中でも、中道美鈴には特別な想いがあったが、中学を卒業する時、彼女の消息が突然消えてしまった。僕は、彼女のことを忘れることが出来なくて、大学3年になって、ようやく探し出せた。それからの彼女は、高校進学を犠牲にしてまでも、昔、つぶされた様な形になった父のレストランを復活させるため、その思いを秘め、色々と奮闘してゆく
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
乙男女じぇねれーしょん
ムラハチ
青春
見知らぬ街でセーラー服を着るはめになったほぼニートのおじさんが、『乙男女《おつとめ》じぇねれーしょん』というアイドルグループに加入し、神戸を舞台に事件に巻き込まれながらトップアイドルを目指す青春群像劇! 怪しいおじさん達の周りで巻き起こる少女誘拐事件、そして消えた3億円の行方は……。
小説家になろうは現在休止中。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる