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達成感と苦しみ
各々の対応
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ドラゴンの包囲網を命からがら抜けていったマリー達は、森の中に向かって行った。
「ドラゴンは!?」
「まだ追ってきているわね」
「いくら何でも、しつこいと思わない?」
「ええ、人間を狙う何か明確な理由があるんだと思うけど……」
包囲を抜けた後も、ドラゴン達はしつこくマリー達を追い続けていた。カレナとネルロが、魔法を放って牽制することで、何とか持ち堪えてはいるのだが、追いつかれるのも時間の問題だろう。
「先生、ここからどこに行けばいいんですか?」
「このまま真っ直ぐ行けば、街があります。そこに救援依頼をしましたので、今、軍が動き始めているはずです。そこまで行けば、私達は無事に避難出来るでしょう」
「えっ……でも、それって、ドラゴンを街まで連れて行くことになるんじゃ……」
カレナの言葉の真意に、マリーが、気が付いた。
「それは駄目だよ! 先生! 何か方法はないの!?」
セレナは、真剣な顔でカレナを見る。
「……追ってくるドラゴンを撃退するしかないですね」
マリー達を追ってくるドラゴンの数は、ざっと数えても十頭以上もいる。そして、その後ろの空から、こっちに向かって降りてきているドラゴンもいる。森の中に入ると、木々が邪魔するのだが、ドラゴン達は木々を薙ぎ倒しながら、まっすぐに進んで来る。
「私が……」
「駄目だ」
マリーが何かを言おうとしたのを、アルが先制して否定する。
「まだ、何も……」
「お前のあの魔法でドラゴンを倒すと言いたいんだろ?」
「それが分かってるなら!」
「お前の魔力は回復していない。そんな状態で、あれを放ってみろ。魔力枯渇で死ぬぞ」
アルの言うことは正しかった。マリーの魔力は、まだ四分の一も回復していない。そんな状態で交響曲を使えば、魔力が底を尽き、マリーの生命力まで削ってしまうだろう。最悪の場合は、そのまま死だ。
「でも!」
マリーは、それでも食い下がろうとする。そこに、ドラゴンを魔法で牽制したカレナが声を掛けた。
「アルゲート君の言うとおりです。マリーさんは、回復に専念してください。今の状態で戦えば、マリーさんは死んでしまいます。私達を信じてください」
カレナは、マリーに向けて微笑むと、すぐに後ろを振り返り魔法を放つ。
「分かったな。マリーの力がなくても、俺達がどうにかする。お前の魔法は、魔力が回復したときに使って貰う事になるがな。それまでは、ソフィから降りるな」
アルはそう言うと、後ろに向かう。ドラゴンの牽制をしているカレナ達を手伝いに行ったのだ。
「そういうことですわ。マリーさんは、少し休んでいた方がいいと思いますの」
マリーの傍を走っていたリリーがそう言う。因みに、その手には手綱が握られていて、馬が一頭併走している。
「そうだよ。マリーちゃんは、いつも先頭で戦いに行くけど、たまには、守られる側でもいいと思う」
前を走っていたアイリも同じ事を言う。
今のマリーは、まともに戦える状態じゃない。魔力の残量もそうだが、何よりも精神的なものだ。辛うじて、交響曲を撃つ判断などは出来ているが、それでもドラゴンと直面した時に、身体が震えていた事からも明らかだった。
「先生! 取り敢えず、街から離れる方向に行きます!」
先頭をひた走るセレナが、カレナにそう言う。
「分かりました! そのまま、斜め右に移動していってください!」
カレナの指示に従い、セレナを先頭にしたマリー達は、右斜めに進路を変更する。その分、少しだけドラゴンとの距離が近づいてしまうが、そこは、カレナ、ネルロ、アル、リンが足止めをしてどうにかした。
因みに、マリー達の移動している順番は、セレナ、コハク、馬を連れたアイリ、同じく馬を連れたリリー、マリー、リン、ネルロ、アル、カレナの順番だ。
先頭にいるセレナとそのすぐ後ろについているコハクが、正面からくる魔物を倒して、道を作るために、この布陣にしているのだが、今のところ、正面から魔物が来る気配はない。魔物達もドラゴンから逃げ出している可能性が高かった。
「今の内に何頭か倒してしまいましょう」
「気楽に言ってくれるわね。こっちは、奥の手も無くなったのよ?」
ネルロの血液によって、ドラゴンを倒してきたが、それも少し前に時間が来て消えている。その状態で、カレナは、ドラゴンを減らそうと言っていた。
「ドラゴンは、弱点を正確に突けば、学生の魔法でも時間を掛けて倒せます」
「その弱点とは?」
アルがカレナに質問する。
「口の中です。逆鱗と言っている人もいるにはいますが、大ダメージを与えて、ドラゴンを激高させるので、あまり得策とは言えません。それに対して、口の中は、体表よりも柔らかく、攻撃が通りやすいだけです。特に、ブレスを吐こうとしている時に、攻撃すれば、ブレスの暴発も誘発出来て、尚且つダメージも与えられるので、お得です」
カレナは、状況が状況なので早口で説明した。
「では、ピンポイントで口の中を狙えば良いということですね?」
「そういうことです。アルゲート君は、一極集中の攻撃は得意ですか?」
「魔剣術は、大群に対して大技を繰り出すのが、目的で作られているので、少し苦手ですね」
「では、大技での、牽制をお願いします。なるべくならブレスを誘えると良いですが、あまり意識しないで大丈夫です」
「分かりました」
短い話し合いの結果、アルとネルロで牽制し、カレナとリンで狙い撃つことが決まった。
「目的は撃退。必ずしも倒さなければならないわけではありません。あまり気負わないようにしましょう」
「はい」
────────────────────────
「はああああああああああああああ!!」
グラスフリートの一撃が、ドラゴンの足を一本落とす。
ギャアアアアアアアアアア!!!!
そのドラゴンに、今度は大量の氷の矢が突き刺さっていく。それも、丁寧に傷口は避けてだ。氷付けにされて、血を大量に流しているドラゴンの首をグラスフリートが両断した。
「キリが無いな」
「そうだな。だが、どうにか持ち堪えてはいる」
「それは、俺達だけだ。ここの住人は、ほとんどが犠牲になった……俺達の力不足のせいでな」
グラスフリートは、歯を食いしばる。マリー達が、住人の皆を守れなかったように、グラスフリート達も多くの住人を守れなかった。
「そのことを悔やむのは、後にするんだ。今は、俺達が生き残る事を優先しよう」
ライネルは、矢を番えてドラゴンの柔らかい部分に放っていく。
「そうだな……俺達がここで力尽きれば、次に狙われるのは、近くの街だ。それだけは、防がねばならん!!」
グラスフリートの眼には、闘志が宿っていた。そのグラスフリートの様子は、付近の兵の士気を上げている。
グラスフリートとライネル、騎士団の奮闘で地上のドラゴンの数は、かなり減ってきている。それでも、空からの補充が無くならないことには、終わりはやってこない。
────────────────────────
「全く、面倒くさい奴らだね!」
青白く輝く劫火を生成したカーリーは、次々と周りにいるドラゴン達を焼き殺していく。
「ったく! キリが無いね! それにしても、ドラゴンが、ここまで群れて動くとは、向こうで何が起きたのやら……」
カーリーは、ドラゴンを殺しながら、火山の向こうを見ていた。そこから、ドラゴンの大群がこちらに押し寄せてくるのが分かる。
「そんな事よりも、現状をどうにかしないといけないさね。マリー達は……」
カーリーは、地上を見るが、かなりの高度にいるため、人を判別する事が難しい。
「避難を終えてくれているといいんだけどね!」
今度は、ドラゴン達を氷付けにして、絶命させる。
(私がここで戦っている間は、地上に大量の群れが行く事はない。だが、ドラゴンは一頭だけでも、厄介な魔物さね。マリー達の手には負えない)
今、カーリーの周りには、何百頭ものドラゴンがカーリーを中心として渦を巻いている。その中から、何十頭ものドラゴンが地上に向かっていたのだ。新たに加わった群れは、真っ先にカーリーの方に来るので、結局のところ、この戦いではカーリーに負担が集中する。
「こいつらをまとめて倒す事は出来なくはないけど、地上を巻き込むからねぇ……全く、面倒くさいったらありゃしないよ!」
カーリーが指を鳴らすと稲妻が走り、ドラゴン達が感電死する。
「せめて、カレナがいてくれたらねぇ」
カーリーは、そのカレナがマリー達と一緒にいるとはつゆ知らず、ぼやくのであった。
「ドラゴンは!?」
「まだ追ってきているわね」
「いくら何でも、しつこいと思わない?」
「ええ、人間を狙う何か明確な理由があるんだと思うけど……」
包囲を抜けた後も、ドラゴン達はしつこくマリー達を追い続けていた。カレナとネルロが、魔法を放って牽制することで、何とか持ち堪えてはいるのだが、追いつかれるのも時間の問題だろう。
「先生、ここからどこに行けばいいんですか?」
「このまま真っ直ぐ行けば、街があります。そこに救援依頼をしましたので、今、軍が動き始めているはずです。そこまで行けば、私達は無事に避難出来るでしょう」
「えっ……でも、それって、ドラゴンを街まで連れて行くことになるんじゃ……」
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「それは駄目だよ! 先生! 何か方法はないの!?」
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「……追ってくるドラゴンを撃退するしかないですね」
マリー達を追ってくるドラゴンの数は、ざっと数えても十頭以上もいる。そして、その後ろの空から、こっちに向かって降りてきているドラゴンもいる。森の中に入ると、木々が邪魔するのだが、ドラゴン達は木々を薙ぎ倒しながら、まっすぐに進んで来る。
「私が……」
「駄目だ」
マリーが何かを言おうとしたのを、アルが先制して否定する。
「まだ、何も……」
「お前のあの魔法でドラゴンを倒すと言いたいんだろ?」
「それが分かってるなら!」
「お前の魔力は回復していない。そんな状態で、あれを放ってみろ。魔力枯渇で死ぬぞ」
アルの言うことは正しかった。マリーの魔力は、まだ四分の一も回復していない。そんな状態で交響曲を使えば、魔力が底を尽き、マリーの生命力まで削ってしまうだろう。最悪の場合は、そのまま死だ。
「でも!」
マリーは、それでも食い下がろうとする。そこに、ドラゴンを魔法で牽制したカレナが声を掛けた。
「アルゲート君の言うとおりです。マリーさんは、回復に専念してください。今の状態で戦えば、マリーさんは死んでしまいます。私達を信じてください」
カレナは、マリーに向けて微笑むと、すぐに後ろを振り返り魔法を放つ。
「分かったな。マリーの力がなくても、俺達がどうにかする。お前の魔法は、魔力が回復したときに使って貰う事になるがな。それまでは、ソフィから降りるな」
アルはそう言うと、後ろに向かう。ドラゴンの牽制をしているカレナ達を手伝いに行ったのだ。
「そういうことですわ。マリーさんは、少し休んでいた方がいいと思いますの」
マリーの傍を走っていたリリーがそう言う。因みに、その手には手綱が握られていて、馬が一頭併走している。
「そうだよ。マリーちゃんは、いつも先頭で戦いに行くけど、たまには、守られる側でもいいと思う」
前を走っていたアイリも同じ事を言う。
今のマリーは、まともに戦える状態じゃない。魔力の残量もそうだが、何よりも精神的なものだ。辛うじて、交響曲を撃つ判断などは出来ているが、それでもドラゴンと直面した時に、身体が震えていた事からも明らかだった。
「先生! 取り敢えず、街から離れる方向に行きます!」
先頭をひた走るセレナが、カレナにそう言う。
「分かりました! そのまま、斜め右に移動していってください!」
カレナの指示に従い、セレナを先頭にしたマリー達は、右斜めに進路を変更する。その分、少しだけドラゴンとの距離が近づいてしまうが、そこは、カレナ、ネルロ、アル、リンが足止めをしてどうにかした。
因みに、マリー達の移動している順番は、セレナ、コハク、馬を連れたアイリ、同じく馬を連れたリリー、マリー、リン、ネルロ、アル、カレナの順番だ。
先頭にいるセレナとそのすぐ後ろについているコハクが、正面からくる魔物を倒して、道を作るために、この布陣にしているのだが、今のところ、正面から魔物が来る気配はない。魔物達もドラゴンから逃げ出している可能性が高かった。
「今の内に何頭か倒してしまいましょう」
「気楽に言ってくれるわね。こっちは、奥の手も無くなったのよ?」
ネルロの血液によって、ドラゴンを倒してきたが、それも少し前に時間が来て消えている。その状態で、カレナは、ドラゴンを減らそうと言っていた。
「ドラゴンは、弱点を正確に突けば、学生の魔法でも時間を掛けて倒せます」
「その弱点とは?」
アルがカレナに質問する。
「口の中です。逆鱗と言っている人もいるにはいますが、大ダメージを与えて、ドラゴンを激高させるので、あまり得策とは言えません。それに対して、口の中は、体表よりも柔らかく、攻撃が通りやすいだけです。特に、ブレスを吐こうとしている時に、攻撃すれば、ブレスの暴発も誘発出来て、尚且つダメージも与えられるので、お得です」
カレナは、状況が状況なので早口で説明した。
「では、ピンポイントで口の中を狙えば良いということですね?」
「そういうことです。アルゲート君は、一極集中の攻撃は得意ですか?」
「魔剣術は、大群に対して大技を繰り出すのが、目的で作られているので、少し苦手ですね」
「では、大技での、牽制をお願いします。なるべくならブレスを誘えると良いですが、あまり意識しないで大丈夫です」
「分かりました」
短い話し合いの結果、アルとネルロで牽制し、カレナとリンで狙い撃つことが決まった。
「目的は撃退。必ずしも倒さなければならないわけではありません。あまり気負わないようにしましょう」
「はい」
────────────────────────
「はああああああああああああああ!!」
グラスフリートの一撃が、ドラゴンの足を一本落とす。
ギャアアアアアアアアアア!!!!
そのドラゴンに、今度は大量の氷の矢が突き刺さっていく。それも、丁寧に傷口は避けてだ。氷付けにされて、血を大量に流しているドラゴンの首をグラスフリートが両断した。
「キリが無いな」
「そうだな。だが、どうにか持ち堪えてはいる」
「それは、俺達だけだ。ここの住人は、ほとんどが犠牲になった……俺達の力不足のせいでな」
グラスフリートは、歯を食いしばる。マリー達が、住人の皆を守れなかったように、グラスフリート達も多くの住人を守れなかった。
「そのことを悔やむのは、後にするんだ。今は、俺達が生き残る事を優先しよう」
ライネルは、矢を番えてドラゴンの柔らかい部分に放っていく。
「そうだな……俺達がここで力尽きれば、次に狙われるのは、近くの街だ。それだけは、防がねばならん!!」
グラスフリートの眼には、闘志が宿っていた。そのグラスフリートの様子は、付近の兵の士気を上げている。
グラスフリートとライネル、騎士団の奮闘で地上のドラゴンの数は、かなり減ってきている。それでも、空からの補充が無くならないことには、終わりはやってこない。
────────────────────────
「全く、面倒くさい奴らだね!」
青白く輝く劫火を生成したカーリーは、次々と周りにいるドラゴン達を焼き殺していく。
「ったく! キリが無いね! それにしても、ドラゴンが、ここまで群れて動くとは、向こうで何が起きたのやら……」
カーリーは、ドラゴンを殺しながら、火山の向こうを見ていた。そこから、ドラゴンの大群がこちらに押し寄せてくるのが分かる。
「そんな事よりも、現状をどうにかしないといけないさね。マリー達は……」
カーリーは、地上を見るが、かなりの高度にいるため、人を判別する事が難しい。
「避難を終えてくれているといいんだけどね!」
今度は、ドラゴン達を氷付けにして、絶命させる。
(私がここで戦っている間は、地上に大量の群れが行く事はない。だが、ドラゴンは一頭だけでも、厄介な魔物さね。マリー達の手には負えない)
今、カーリーの周りには、何百頭ものドラゴンがカーリーを中心として渦を巻いている。その中から、何十頭ものドラゴンが地上に向かっていたのだ。新たに加わった群れは、真っ先にカーリーの方に来るので、結局のところ、この戦いではカーリーに負担が集中する。
「こいつらをまとめて倒す事は出来なくはないけど、地上を巻き込むからねぇ……全く、面倒くさいったらありゃしないよ!」
カーリーが指を鳴らすと稲妻が走り、ドラゴン達が感電死する。
「せめて、カレナがいてくれたらねぇ」
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