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一周年の吸血少女
大雪原エリアのボス
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翌日。バイトはないので、早めにログインして、大雪原エリアのボスエリアへと来ていた。今日もフェンリルが一緒に来てくれている。ボスエリアまで急いで向かうので、皆には留守番をして貰い、フェンリルの最高速度で動いて貰った。そうしたら、【雷化】で移動したのとほぼ変わらない速度でボスエリアに着いた。速すぎて、身体が千切れるかと思ったくらいだ。
「フェンリルって速いんだね」
『この姿で鈍足の方が珍しいだろう』
「う~ん……まぁ、確かに」
そんな話をしながら、ボスエリアに転移しようとすると、テイムモンスター禁止のメッセージが流れる。どうやら、ここのボスエリアもテイムモンスターと一緒に攻略する事が出来ないらしい。私がレイン達で楽をし過ぎたせいなのか、こういうエリアが増えた気がする。ちゃんと自分でも戦えるようになれという運営の意志かな。
まぁ、テイムモンスターが禁止されただけで、パーティー扱いのフェンリルや玉藻ちゃん達は禁止されていないから、結局楽に攻略出来る可能性は残っているのだけどね。
ボスエリアに転移すると、天候が吹雪になった。視界は悪いけど、ボスモンスターは見える。白と青を基調にした竜。名前を大雪原の氷竜王。名前からして、氷を使う竜だ。
私の考え通り、隣にはフェンリルがいる。フェンリルの扱いは、パーティーメンバーで間違いない。
『あれの血も飲むのか?』
「うん。首の後ろに張り付けば楽だから、そこまで繋げる感じかな。倒さないように気を付けてね」
『ああ。分かっている』
フェンリルは空を駆けて、氷竜王に向かっていく。私も【悪魔王翼】を広げて、氷竜王に向かって飛んでいこうとしたら、空を飛んでいた氷竜王が地面に叩き付けられた。なので、【雷化】でその真上に移動して首の後ろに乗る。そして、身体から血と影を出して、氷竜王を縛り上げた。大分力が強くて、拘束を解かれそうになるけど、その前に吸血を開始して、身体を固定する。私の拘束を解いて、氷竜王が飛び立とうとすると、巨大化したフェンリルが上から押さえつけた。
その間にどんどんと血を飲んでいき、氷竜王を倒す。氷竜王からは、【氷竜王息吹】のスキルを手に入れた。
────────────────────
【氷竜王息吹】:全てを凍てつかせる氷竜王の息吹を放てる。
────────────────────
フェンリルのおかげで、レイン達と攻略する時と同じくらい楽に吸血する事が出来た。なので、フェンリルを撫で回す。
「ありがとう、フェンリル」
『ああ……だが、貴様一人でも十分倒せただろう』
「まぁ、今回は武器も使ってないしね。取り敢えず、今日はもう少し大雪原エリアの探索をしてから帰ろうか」
『ああ』
一応一通り調べてはあるけど、もう一度一周くらいして見落としがないかを確認する事にした。フェンリルに乗れば、かなり速く移動出来るしね。ついでに、フェンリルのリハビリも進められる。今のところ、大きな変化はないけど、フェンリルの動きが少しずつよくなり始めているのは分かった。
大雪原エリアには、他にダンジョンくらいしかない事が分かったので、一旦ギルドエリアに戻る事にした。ギルドエリアに戻ってきたところで、ちょうどアカリと鉢合わせた。
「アカリ」
「ハクちゃん。おかえり。今日は探索終わり?」
「だね。取り敢えず、これで全部のエリアの探索は終わったよ」
「うわぁ……じゃあ、後はダンジョンを攻略していく感じ?」
「加えて、スキルのレベル上げだね。今のところ、氷城エリアが一番レベル上げをしやすいかな。モンスターの数もかなり多いから」
氷点下エリアも良いレベル上げ場所になっていたけど、氷城エリアの方がモンスターの強さと量が上なので、氷城エリアでレベル上げをするのが一番良い。
「へぇ~、結構危険じゃない?」
「でも、そうじゃないと防御系のスキルのレベル上げが効率良く出来ないから」
『ふむ。では、しばらくは、我はいない方が良いな』
「う~ん……そうだね。ダンジョンの攻略とかだったら喚び出すかも。それでも良い?」
『ああ。しばらくは身体を休めるとしよう』
フェンリルはそう言うと、精霊の集会場の方に向かって行った。多分、集会場で丸くなるのだと思う。
「フェンリルもあそこが気に入ったみたいだね」
「うん。皆が気に入る場所になって良かったね。でも、フェンリルは大丈夫そう? 主神にも警告されたんでしょ?」
「大丈夫。良い子だよ。取り敢えず、私はもふって来るね」
「あ、うん。程々にしてあげなよ。向こうと違って、ただの強い狼ってわけじゃないんだから」
「分かってるって。それじゃあ、またね」
アカリの頬にキスをしてから、フェンリルの元に向かい、その身体に埋もれる。そこに精霊達やスノウ達も集まってくるので、皆で団欒して過ごした。最近は探索ばかりだったので、良い息抜きになった。
翌日は、氷城で【硬化闘気】のレベル上げをしつつ、他のスキルのレベル上げをして過ごした。どんどんモンスターから攻撃を受けていたからか、レベルはどんどんと上がっていった。そうして、レベルを100まで上げたところでログアウトした。
その翌日。私は神闘の隠れ里に来ていた。スキルの一覧には、これ以上に闘気系統のスキルがないので、【硬化闘気】を100まで上げたら、闘気を極めた事になるだろうと思ったので、新しいスキルを得るためにきたのだ。
「こんにちは」
「よく来たな。なるほど。闘気も極める事が出来たようだな」
「はい」
老師は一目で闘気を極めたという事を見抜いた。また新しい闘気を収得しないといけないとかじゃなくて良かった。
「よし。主に【神闘術】の収得を認める。主なら、我が武術を極められるかもしれんな」
【神闘術】が収得可能になったので、【神闘術】を収得する。
────────────────────
【神闘術】:身体の扱いに補正が入る。手脚による攻撃が大きく強化される。常時闘気を漲らせている状態になる。闘気を偏らせる事で、【爆熱闘気】【硬化闘気】【敏捷闘気】を使用出来る。
────────────────────
【武闘術】【武闘気】【爆熱闘気】【硬化闘気】【敏捷闘気】を統合したスキルになったわけだけど、それ以上に身体が軽く感じる。闘気を常に使用しているからという風にも考えられるだけど、それよりも基礎的な部分が成長している感じがする。
「ふむ。少し手解きをしよう」
「はい。お願いします」
今回は【雷化】も使わずに、ただ【神闘術】だけを使って稽古を付けて貰う。これまでよりも殴りと蹴りの速度が上がっている。それでも老師にまともな一撃を入れる事は出来なかった。でも、【神闘術】での身体の動かし方などは、ちゃんと学ぶ事が出来た。これからは、もっと体術も使えるかな。
「フェンリルって速いんだね」
『この姿で鈍足の方が珍しいだろう』
「う~ん……まぁ、確かに」
そんな話をしながら、ボスエリアに転移しようとすると、テイムモンスター禁止のメッセージが流れる。どうやら、ここのボスエリアもテイムモンスターと一緒に攻略する事が出来ないらしい。私がレイン達で楽をし過ぎたせいなのか、こういうエリアが増えた気がする。ちゃんと自分でも戦えるようになれという運営の意志かな。
まぁ、テイムモンスターが禁止されただけで、パーティー扱いのフェンリルや玉藻ちゃん達は禁止されていないから、結局楽に攻略出来る可能性は残っているのだけどね。
ボスエリアに転移すると、天候が吹雪になった。視界は悪いけど、ボスモンスターは見える。白と青を基調にした竜。名前を大雪原の氷竜王。名前からして、氷を使う竜だ。
私の考え通り、隣にはフェンリルがいる。フェンリルの扱いは、パーティーメンバーで間違いない。
『あれの血も飲むのか?』
「うん。首の後ろに張り付けば楽だから、そこまで繋げる感じかな。倒さないように気を付けてね」
『ああ。分かっている』
フェンリルは空を駆けて、氷竜王に向かっていく。私も【悪魔王翼】を広げて、氷竜王に向かって飛んでいこうとしたら、空を飛んでいた氷竜王が地面に叩き付けられた。なので、【雷化】でその真上に移動して首の後ろに乗る。そして、身体から血と影を出して、氷竜王を縛り上げた。大分力が強くて、拘束を解かれそうになるけど、その前に吸血を開始して、身体を固定する。私の拘束を解いて、氷竜王が飛び立とうとすると、巨大化したフェンリルが上から押さえつけた。
その間にどんどんと血を飲んでいき、氷竜王を倒す。氷竜王からは、【氷竜王息吹】のスキルを手に入れた。
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【氷竜王息吹】:全てを凍てつかせる氷竜王の息吹を放てる。
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フェンリルのおかげで、レイン達と攻略する時と同じくらい楽に吸血する事が出来た。なので、フェンリルを撫で回す。
「ありがとう、フェンリル」
『ああ……だが、貴様一人でも十分倒せただろう』
「まぁ、今回は武器も使ってないしね。取り敢えず、今日はもう少し大雪原エリアの探索をしてから帰ろうか」
『ああ』
一応一通り調べてはあるけど、もう一度一周くらいして見落としがないかを確認する事にした。フェンリルに乗れば、かなり速く移動出来るしね。ついでに、フェンリルのリハビリも進められる。今のところ、大きな変化はないけど、フェンリルの動きが少しずつよくなり始めているのは分かった。
大雪原エリアには、他にダンジョンくらいしかない事が分かったので、一旦ギルドエリアに戻る事にした。ギルドエリアに戻ってきたところで、ちょうどアカリと鉢合わせた。
「アカリ」
「ハクちゃん。おかえり。今日は探索終わり?」
「だね。取り敢えず、これで全部のエリアの探索は終わったよ」
「うわぁ……じゃあ、後はダンジョンを攻略していく感じ?」
「加えて、スキルのレベル上げだね。今のところ、氷城エリアが一番レベル上げをしやすいかな。モンスターの数もかなり多いから」
氷点下エリアも良いレベル上げ場所になっていたけど、氷城エリアの方がモンスターの強さと量が上なので、氷城エリアでレベル上げをするのが一番良い。
「へぇ~、結構危険じゃない?」
「でも、そうじゃないと防御系のスキルのレベル上げが効率良く出来ないから」
『ふむ。では、しばらくは、我はいない方が良いな』
「う~ん……そうだね。ダンジョンの攻略とかだったら喚び出すかも。それでも良い?」
『ああ。しばらくは身体を休めるとしよう』
フェンリルはそう言うと、精霊の集会場の方に向かって行った。多分、集会場で丸くなるのだと思う。
「フェンリルもあそこが気に入ったみたいだね」
「うん。皆が気に入る場所になって良かったね。でも、フェンリルは大丈夫そう? 主神にも警告されたんでしょ?」
「大丈夫。良い子だよ。取り敢えず、私はもふって来るね」
「あ、うん。程々にしてあげなよ。向こうと違って、ただの強い狼ってわけじゃないんだから」
「分かってるって。それじゃあ、またね」
アカリの頬にキスをしてから、フェンリルの元に向かい、その身体に埋もれる。そこに精霊達やスノウ達も集まってくるので、皆で団欒して過ごした。最近は探索ばかりだったので、良い息抜きになった。
翌日は、氷城で【硬化闘気】のレベル上げをしつつ、他のスキルのレベル上げをして過ごした。どんどんモンスターから攻撃を受けていたからか、レベルはどんどんと上がっていった。そうして、レベルを100まで上げたところでログアウトした。
その翌日。私は神闘の隠れ里に来ていた。スキルの一覧には、これ以上に闘気系統のスキルがないので、【硬化闘気】を100まで上げたら、闘気を極めた事になるだろうと思ったので、新しいスキルを得るためにきたのだ。
「こんにちは」
「よく来たな。なるほど。闘気も極める事が出来たようだな」
「はい」
老師は一目で闘気を極めたという事を見抜いた。また新しい闘気を収得しないといけないとかじゃなくて良かった。
「よし。主に【神闘術】の収得を認める。主なら、我が武術を極められるかもしれんな」
【神闘術】が収得可能になったので、【神闘術】を収得する。
────────────────────
【神闘術】:身体の扱いに補正が入る。手脚による攻撃が大きく強化される。常時闘気を漲らせている状態になる。闘気を偏らせる事で、【爆熱闘気】【硬化闘気】【敏捷闘気】を使用出来る。
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【武闘術】【武闘気】【爆熱闘気】【硬化闘気】【敏捷闘気】を統合したスキルになったわけだけど、それ以上に身体が軽く感じる。闘気を常に使用しているからという風にも考えられるだけど、それよりも基礎的な部分が成長している感じがする。
「ふむ。少し手解きをしよう」
「はい。お願いします」
今回は【雷化】も使わずに、ただ【神闘術】だけを使って稽古を付けて貰う。これまでよりも殴りと蹴りの速度が上がっている。それでも老師にまともな一撃を入れる事は出来なかった。でも、【神闘術】での身体の動かし方などは、ちゃんと学ぶ事が出来た。これからは、もっと体術も使えるかな。
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