376 / 429
クリスマスの吸血少女
可哀想な死神
しおりを挟む
早速部屋の中を調べて行く。机の上には、沢山の紙が置かれている。それらを軽く読んでみる。内容的には、日記みたいだった。
「墓守の日記か」
日記を簡単にするとこんな感じで書いてあった。
『墓に眠っているのは、かつての貴族が多いため、中にお宝が入っている事が多い。だから、墓荒らしが多くなる。その墓荒らしに対抗するために、墓守達も対応に追われて、憔悴する人が続出した。だから、我々無しでも墓を守れるように侵入者を追い払う装置を作ることにした』
『失敗した。我々が作り出した撃退用魔力波装置は、この墓地に狂気を満ちさせた。そのせいで墓守は墓地に入る者を全て襲うバーサ-カーとなった。私ももう正気を保っていられない。これを読んでいる者がいるのなら、早くここから離れろ。弱い者は飲み込まれるぞ』
墓守が問答無用で襲い掛かってきたのは、この装置のせいらしい。装置がどこにあるか分からないから停止する事は無理そうかな。まぁ、このエリアの設定が分かった。こういうフレーバー要素も割と面白い。
「他には何かあるかな?」
『ここにある石が私の感じていた光みたい』
マシロのところに行くと、仄かに光る石があった。名前は聖晶石というものらしい。
「どこかに採掘出来る場所はあるかな?」
『ここじゃない?』
メアが指さすところを見ると、本当に採掘ポイントがあった。エアリーと交代でソイルを喚び、一気に採掘して貰う。進化したソイルの採掘速度は非常に早く、大量の聖晶石と他にも沢山の新しい鉱石や宝石などが出て来た。
「ありがとう、ソイル」
『うん……』
十分な量の採掘が出来たので、ソイルを労ってあげてから、再びエアリーと交代する。
「それじゃあ、探索に戻ろうか」
結局、ここにはフレーバーと採掘ポイント以上のものはないらしいので、墓地エリアの探索に戻る。モンスターから新しく得られるスキルはないので、皆に倒して貰いながら何かないか探していく。基本的に何もないので、本当に墓荒らしをするのが正解なのかもしれない。私にその気は無いけど。
そんな探索の中で、一件の家を見つけた。小さな小屋だから、墓守の待機場所とかなのかな。その中に入ってみると、かなり荒らされていた。
『ボロボロ♪』
「だね。エアリー、地下室とかはない?」
『ないですね。ただの小屋のようです』
「そっか。マシロ、全体を照らしてくれる?」
『ええ』
マシロが小屋全体を照らしてくれるので、小屋の中を隈無く調べる事が出来る。本系のものはなく、何かしらの情報に繋がりそうなものはない。ただ、小屋の壁に大槌が掛けられているので、墓守の家という事は分かる。
何もないので、このまま探索を続けていき、ボスエリアを発見する事が出来た。マッピングも順調で半分くらい出来ているから、先にボスエリアを突破して、次のエリアへの転移を開けておくのもありかもしれない。
ボスエリアへと転移すると、周囲を円形状にお墓が囲んでいる場所に来た。その中央にも一基のお墓が置いてあり、その上に大きな鎌を持った死神が浮いていた。名前は魂狩りの死神。魂狩りの死神の鎌には、黒い靄みたいなものが纏わり付いていた。
『えい♪』
可愛らしいメアの声と共に魂狩りの死神が崩れ落ちた。
『身体の大部分が闇で出来てるから、簡単に拘束出来るね♪』
『相手の攻撃は、私が無効化しているから、姉様は食べちゃって良いわよ』
「ありがとう。エアリー、二人をお願いね」
『はい』
エアリーに二人をお願いして、魂狩りの死神に吸血する。メアの言う通り身体の大部分が闇のようで、どんどんと体積が減っていき鎌を残して全てを吸い取った。
魂狩りの死神からは【死神鎌】を手に入れた。
────────────────────
【死神鎌】:大鎌使用時MPを大きく消費して、一撃の威力を大きく上昇させる事が出来る。攻撃した対象の残りHPが残り二割の時、対象を即死させる。
────────────────────
かなり強力なスキルだった。吸血で得られるスキルが無くなったら、基本的に倒すだけなので、そういう時に役に立つかな。まぁ、基本は一緒に動いている皆が倒しちゃうのだけどね。
これで現状行けるエリアの全てのボスを倒す事が出来た。後はダンジョンの攻略とかが残っているかな。ただ、その前にSP問題を解消しないといけないので、レベル上げが先になる。まぁ、さらにその前に墓地エリアを隅々まで探索するのが先だけどね。
「それじゃあ、墓地エリアに戻って探索するよ」
『うん♪』
『ええ』
『はい』
皆で墓地エリアを探索していったけど、結局皆の進化に繋がる力や街、宝物などは発見出来なかった。氷点下エリアもそうだけど、毎回私に都合良く何かが見つかるとは限らないし、次のエリアが追加されるって分かっているから、そこまで焦る必要はない。
ちょっとだけ時間が余ったので、ギルドエリアでアカリのための素材を生み出していく事にする。アカリがいたら、アカリの作業部屋でやろうと思って作業部屋を覗くとアカリとメアリーが作業しているところだった。
「そっちの作業が終わったら、布の量産をお願いね」
『かしこまりました』
メアリーが素材の量産をして、アカリが装備を作るって形になっているみたい。
『ハクお嬢様。おかえりなさいませ』
扉の隙間から見ていたら、作業が一区切りついたメアリーが、こっちを向いて挨拶した。もしかしたら、ここに来た時点でバレていたのかもしれない。バレてしまったのなら仕方ないので、中に入る。
「ただいま」
「おかえり、ハクちゃん。そろそろログアウトする時間じゃない?」
「うん。ちょっと時間があるから、素材でも出そうかなって」
「そうなんだ。ありがとう」
笑顔でそう言ってくれるアカリが可愛くて、思わず抱きしめたくなったけど、今は作業中なので我慢する。アカリの作業部屋でアカリのための素材を出し続けた。
それから一週間と少しが過ぎていった。基本的にやる事は氷点下エリアでのレベル上げのみ。様々なスキルのレベル上げをひたすらにやっていった。まぁ、学校のテストがあったから、若干時間は削られたけど、テスト自体は問題なく終わったから良しとする。
そして、学校も終わり冬休みが始まる。つまり、かー姉達との旅行がやって来る。
「墓守の日記か」
日記を簡単にするとこんな感じで書いてあった。
『墓に眠っているのは、かつての貴族が多いため、中にお宝が入っている事が多い。だから、墓荒らしが多くなる。その墓荒らしに対抗するために、墓守達も対応に追われて、憔悴する人が続出した。だから、我々無しでも墓を守れるように侵入者を追い払う装置を作ることにした』
『失敗した。我々が作り出した撃退用魔力波装置は、この墓地に狂気を満ちさせた。そのせいで墓守は墓地に入る者を全て襲うバーサ-カーとなった。私ももう正気を保っていられない。これを読んでいる者がいるのなら、早くここから離れろ。弱い者は飲み込まれるぞ』
墓守が問答無用で襲い掛かってきたのは、この装置のせいらしい。装置がどこにあるか分からないから停止する事は無理そうかな。まぁ、このエリアの設定が分かった。こういうフレーバー要素も割と面白い。
「他には何かあるかな?」
『ここにある石が私の感じていた光みたい』
マシロのところに行くと、仄かに光る石があった。名前は聖晶石というものらしい。
「どこかに採掘出来る場所はあるかな?」
『ここじゃない?』
メアが指さすところを見ると、本当に採掘ポイントがあった。エアリーと交代でソイルを喚び、一気に採掘して貰う。進化したソイルの採掘速度は非常に早く、大量の聖晶石と他にも沢山の新しい鉱石や宝石などが出て来た。
「ありがとう、ソイル」
『うん……』
十分な量の採掘が出来たので、ソイルを労ってあげてから、再びエアリーと交代する。
「それじゃあ、探索に戻ろうか」
結局、ここにはフレーバーと採掘ポイント以上のものはないらしいので、墓地エリアの探索に戻る。モンスターから新しく得られるスキルはないので、皆に倒して貰いながら何かないか探していく。基本的に何もないので、本当に墓荒らしをするのが正解なのかもしれない。私にその気は無いけど。
そんな探索の中で、一件の家を見つけた。小さな小屋だから、墓守の待機場所とかなのかな。その中に入ってみると、かなり荒らされていた。
『ボロボロ♪』
「だね。エアリー、地下室とかはない?」
『ないですね。ただの小屋のようです』
「そっか。マシロ、全体を照らしてくれる?」
『ええ』
マシロが小屋全体を照らしてくれるので、小屋の中を隈無く調べる事が出来る。本系のものはなく、何かしらの情報に繋がりそうなものはない。ただ、小屋の壁に大槌が掛けられているので、墓守の家という事は分かる。
何もないので、このまま探索を続けていき、ボスエリアを発見する事が出来た。マッピングも順調で半分くらい出来ているから、先にボスエリアを突破して、次のエリアへの転移を開けておくのもありかもしれない。
ボスエリアへと転移すると、周囲を円形状にお墓が囲んでいる場所に来た。その中央にも一基のお墓が置いてあり、その上に大きな鎌を持った死神が浮いていた。名前は魂狩りの死神。魂狩りの死神の鎌には、黒い靄みたいなものが纏わり付いていた。
『えい♪』
可愛らしいメアの声と共に魂狩りの死神が崩れ落ちた。
『身体の大部分が闇で出来てるから、簡単に拘束出来るね♪』
『相手の攻撃は、私が無効化しているから、姉様は食べちゃって良いわよ』
「ありがとう。エアリー、二人をお願いね」
『はい』
エアリーに二人をお願いして、魂狩りの死神に吸血する。メアの言う通り身体の大部分が闇のようで、どんどんと体積が減っていき鎌を残して全てを吸い取った。
魂狩りの死神からは【死神鎌】を手に入れた。
────────────────────
【死神鎌】:大鎌使用時MPを大きく消費して、一撃の威力を大きく上昇させる事が出来る。攻撃した対象の残りHPが残り二割の時、対象を即死させる。
────────────────────
かなり強力なスキルだった。吸血で得られるスキルが無くなったら、基本的に倒すだけなので、そういう時に役に立つかな。まぁ、基本は一緒に動いている皆が倒しちゃうのだけどね。
これで現状行けるエリアの全てのボスを倒す事が出来た。後はダンジョンの攻略とかが残っているかな。ただ、その前にSP問題を解消しないといけないので、レベル上げが先になる。まぁ、さらにその前に墓地エリアを隅々まで探索するのが先だけどね。
「それじゃあ、墓地エリアに戻って探索するよ」
『うん♪』
『ええ』
『はい』
皆で墓地エリアを探索していったけど、結局皆の進化に繋がる力や街、宝物などは発見出来なかった。氷点下エリアもそうだけど、毎回私に都合良く何かが見つかるとは限らないし、次のエリアが追加されるって分かっているから、そこまで焦る必要はない。
ちょっとだけ時間が余ったので、ギルドエリアでアカリのための素材を生み出していく事にする。アカリがいたら、アカリの作業部屋でやろうと思って作業部屋を覗くとアカリとメアリーが作業しているところだった。
「そっちの作業が終わったら、布の量産をお願いね」
『かしこまりました』
メアリーが素材の量産をして、アカリが装備を作るって形になっているみたい。
『ハクお嬢様。おかえりなさいませ』
扉の隙間から見ていたら、作業が一区切りついたメアリーが、こっちを向いて挨拶した。もしかしたら、ここに来た時点でバレていたのかもしれない。バレてしまったのなら仕方ないので、中に入る。
「ただいま」
「おかえり、ハクちゃん。そろそろログアウトする時間じゃない?」
「うん。ちょっと時間があるから、素材でも出そうかなって」
「そうなんだ。ありがとう」
笑顔でそう言ってくれるアカリが可愛くて、思わず抱きしめたくなったけど、今は作業中なので我慢する。アカリの作業部屋でアカリのための素材を出し続けた。
それから一週間と少しが過ぎていった。基本的にやる事は氷点下エリアでのレベル上げのみ。様々なスキルのレベル上げをひたすらにやっていった。まぁ、学校のテストがあったから、若干時間は削られたけど、テスト自体は問題なく終わったから良しとする。
そして、学校も終わり冬休みが始まる。つまり、かー姉達との旅行がやって来る。
30
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
ビースト・オンライン 〜追憶の道しるべ。操作ミスで兎になった俺は、仲間の記憶を辿り世界を紐解く〜
八ッ坂千鶴
SF
普通の高校生の少年は高熱と酷い風邪に悩まされていた。くしゃみが止まらず学校にも行けないまま1週間。そんな彼を心配して、母親はとあるゲームを差し出す。
そして、そのゲームはやがて彼を大事件に巻き込んでいく……!
Select Life Online~最後にゲームをはじめた出遅れ組
瑞多美音
SF
福引の景品が発売分最後のパッケージであると運営が認め話題になっているVRMMOゲームをたまたま手に入れた少女は……
「はあ、農業って結構重労働なんだ……筋力が足りないからなかなか進まないよー」※ STRにポイントを振れば解決することを思いつきません、根性で頑張ります。
「なんか、はじまりの街なのに外のモンスター強すぎだよね?めっちゃ、死に戻るんだけど……わたし弱すぎ?」※ここははじまりの街ではありません。
「裁縫かぁ。布……あ、畑で綿を育てて布を作ろう!」※布を売っていることを知りません。布から用意するものと思い込んでいます。
リアルラックが高いのに自分はついてないと思っている高山由莉奈(たかやまゆりな)。ついていないなーと言いつつ、ゲームのことを知らないままのんびり楽しくマイペースに過ごしていきます。
そのうち、STRにポイントを振れば解決することや布のこと、自身がどの街にいるか知り大変驚きますが、それでもマイペースは変わらず……どこかで話題になるかも?しれないそんな少女の物語です。
出遅れ組と言っていますが主人公はまったく気にしていません。
○*○*○*○*○*○*○*○*○*○*○
※VRMMO物ですが、作者はゲーム物執筆初心者です。つたない文章ではありますが広いお心で読んで頂けたら幸いです。
※1話約2000〜3000字程度です。時々長かったり短い話もあるかもしれません。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
Recreation World ~とある男が〇〇になるまでの軌跡〜
虚妄公
SF
新月流当主の息子である龍谷真一は新月流の当主になるため日々の修練に励んでいた。
新月流の当主になれるのは当代最強の者のみ。
新月流は超実戦派の武術集団である。
その中で、齢16歳の真一は同年代の門下生の中では他の追随を許さぬほどの強さを誇っていたが現在在籍している師範8人のうち1人を除いて誰にも勝つことができず新月流内の順位は8位であった。
新月流では18歳で成人の儀があり、そこで初めて実戦経験を経て一人前になるのである。
そこで真一は師範に勝てないのは実戦経験が乏しいからだと考え、命を削るような戦いを求めていた。
そんなときに同じ門下生の凛にVRMMORPG『Recreation World』通称リクルドを勧められその世界に入っていくのである。
だがそのゲームはただのゲームではなく3人の天才によるある思惑が絡んでいた。
そして真一は気付かぬままに戻ることができぬ歯車に巻き込まれていくのである・・・
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも先行投稿しております。
戦国時代の武士、VRゲームで食堂を開く
オイシイオコメ
SF
奇跡の保存状態で頭部だけが発見された戦国時代の武士、虎一郎は最新の技術でデータで復元され、VRゲームの世界に甦った。
しかし甦った虎一郎は何をして良いのか分からず、ゲーム会社の会長から「畑でも耕してみたら」と、おすすめされ畑を耕すことに。
農業、食堂、バトルのVRMMOコメディ!
※この小説はサラッと読めるように名前にルビを多めに振ってあります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる