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クリスマスの吸血少女
火山エリアを隅々まで
しおりを挟む 来月のクリスマスにかー姉と翼さんと光と私の四人で旅行に行く事が決まったイベントの日の翌日。今日は祝日なので、学校はない。なので、お昼からワンオンにログインしてギルドエリアに来ていた。
「さてと、今日は何しようかな。火山エリアを隈無く調べる日にしようかな」
いつも通りの日課を済ませて、皆の様子を確認する。その中でキャンプファイアーの中に入っているフラムの姿があった。火の中に溶け込んでいるような様子なので、寛いでいるって事なのかな。
「フラム、大丈夫?」
『まぁ、快適ではあるな。こっちで温度の調節も出来るしな』
「そうなんだ。フラムが丁度良いならいいや。何かあったら、言ってね」
『ああ』
土の中に入り込むソイルや雷が降り注ぐ場所に住んでいるライもそうだけど、精霊達が住む環境は、私達では考えられない場所なので、本当に快適なのか心配になる。
フラムは大丈夫そうなので、今度はヒョウカのところにも行く。ヒョウカとかライは、外を歩いていても出会う事がないので、自分から会いに行く必要がある。特にヒョウカは新人なので、なるべく会いに行くようにしている。
「ヒョウカ、元気?」
『ハク様。はい。元気です。レイン様もいらっしゃってくださいますので、退屈というものもありません』
ヒョウカは、私の方に近づいてきてカーテシーをして挨拶した。そういった所作から、ヒョウカがお姫様なのだなと思わされる。モンスターとしての名前も氷姫だし。それにしても、レインは、ここによく通ってくれているみたい。本当にヒョウカの事が気に入ったみたいだ。
「そっか。レインと仲良く出来ているなら良かった。何かあったら、言ってね」
『はい』
ヒョウカも問題ない。ヒョウカの小屋から出ると、肩にニクスが留まる。いつも通りのニクスなので、全く問題はなさそう。ニクスは頭を下げてから、また世界樹の方に飛んでいった。せっかくなので、ニクスを追って世界樹の方に向かう。すると、アンブロシアの花畑が見え始める。
「ラウネ」
『ハク姉』
ラウネは、私の方に駆け寄ってきて飛びついた。そんなラウネの頭を撫でてあげながら、世界樹を見上げる。完全に育ちきった世界樹は、本当にでかい。その大きな枝にニクスが巣を作っていた。ソイルとラウネから許可は貰っているので、問題はない。
「畑の方は順調そうだね」
『うんなの。最近は、アンブロシアも変化しているの』
「そうなの?」
『うんなの。色々な力が秘められたアンブロシアが出来てるの。楽しいの』
「それは良かった」
皆の様子を確認し終えた。私は、火山エリアのヴォルケイノタウンに転移して、ニクスとフラムを喚び出す。
「あの火山を全部調べるから、協力頼める?」
『ああ』
『キュイ』
三人で一緒に火山エリアの探索を始める。【熾天使翼】を広げて、まっすぐ火山まで移動した。
「さてと、マグマの回収からしていこうかな」
『マグマなんて回収して、どうするんだ?』
「機械人形の修理で、ちょっと使ってみたいらしいよ。絶対に必要ってわけじゃないから、出来たらで良いらしいけど」
『まぁ、マグマに入っても大丈夫な姉御に任せるのが一番だしな』
「ね。フラムも手伝ってね」
『ああ』
火口に来た私達は、そのまま中に入っていく。全員火には耐性があるので、どこまでも降りていく事が出来る。ニクスに至っては、最初に出会った時、マグマの中に入っていたしね。
アカリから渡されている耐熱容器に、【支配(火)】を使って、マグマを入れていく。フラムにも手伝って貰って、どんどんと回収していく。その間に、ニクスは周りを飛び回って警戒してくれている。
「取り敢えず、このくらいで良いかな。フラムは、ここら辺で何か感じない?」
『マグマの中の事を言っているなら、何もないぞ。ここから行ける場所も全部マグマで埋まっているから、不用意に飛び込まない方が良いだろうな』
「そうなんだ。じゃあ、次の火山に行こうか」
『ああ』
『キュイ』
それから火口の中を次々に探索していったけど、特に何かがあるわけではなかった。その代わり、表面の方には、洞窟を発見した。
「全部で七つある火山の内、四つに洞窟か……」
『大分奥まで続いていたな。それに、中は熱気で一杯だ。他の奴等は喚べないな』
「だね。頼りにしてるよ。二人とも」
『ああ』
『キュイ』
二人と一緒に洞窟の一つに入っていく。洞窟の中は、フラムの言う通り熱気が満ちている。普通のプレイヤーならダメージを受けそうだけど、私は【熾天使】を持っているので問題ない。本当に普通のプレイヤーが火山エリアを攻略するのは一苦労だと思う。
『モンスターがいるが、拘束するか?』
「私が見た事のないモンスターかな?」
『いや、外にもいたモンスターだ』
「じゃあ、倒して良いよ」
そう言ったら、フラムがどんどんとモンスターを倒していった。私の【万能探知】でも確認出来る。ただ【万能探知】の内、熱感知に関しては使い物にならなくなっていた。周囲の温度が高すぎるのと、モンスターの体温も高いからだ。まぁ、普通に感知の方で分かるから、使えなくても問題はないのだけど。
ニクスも洞窟内を飛んでいって、モンスターを倒してくれていた。スノウよりも小さくなれるから、こういった洞窟でも自由に動き回れる。【矮小化】を解いたら、同じくらい大きくはあるけど。
そのまま洞窟の中を進んでいくと、一番奥に採掘ポイントがあった。ここまでの道は一本道だったので、ここが目的の場所となるみたいだ。
「……ソイルがいればなぁ。【掘削】で掘るか」
軽く掘ってみると、鉱山エリアで手に入るような素材が落ちてきた。さすがに、すぐにレアな素材が出て来るという事はなかった。三十分くらい掘っていると、真っ赤に赤熱した石が出て来た。溶岩鉱石という名前のもので、鉱山エリアにはなかったものだ。私からも出ていないから、ここのレア鉱石かな。見つけた事で、私から出て来るようになっていると良いけど。
「さてと、次の洞窟に行こうか」
そこから四つの洞窟を調べて回ったけど、その全てに採掘ポイントがあるだけだった。でも、私としては、ちょっと納得している部分がある。その理由は、ヴォルケイノタウンにある。あそこには、鍛冶を得意とするドワーフが住んでいる。そんなドワーフ達がここら辺で採掘していると思えば、採掘ポイントだけというのも納得出来る。
「火山エリアには、これ以上は何もないかな。後は、ボスを倒して帰ろう」
『ああ』
『キュイ』
火山エリアのボスエリアに移動する。
「さてと、今日は何しようかな。火山エリアを隈無く調べる日にしようかな」
いつも通りの日課を済ませて、皆の様子を確認する。その中でキャンプファイアーの中に入っているフラムの姿があった。火の中に溶け込んでいるような様子なので、寛いでいるって事なのかな。
「フラム、大丈夫?」
『まぁ、快適ではあるな。こっちで温度の調節も出来るしな』
「そうなんだ。フラムが丁度良いならいいや。何かあったら、言ってね」
『ああ』
土の中に入り込むソイルや雷が降り注ぐ場所に住んでいるライもそうだけど、精霊達が住む環境は、私達では考えられない場所なので、本当に快適なのか心配になる。
フラムは大丈夫そうなので、今度はヒョウカのところにも行く。ヒョウカとかライは、外を歩いていても出会う事がないので、自分から会いに行く必要がある。特にヒョウカは新人なので、なるべく会いに行くようにしている。
「ヒョウカ、元気?」
『ハク様。はい。元気です。レイン様もいらっしゃってくださいますので、退屈というものもありません』
ヒョウカは、私の方に近づいてきてカーテシーをして挨拶した。そういった所作から、ヒョウカがお姫様なのだなと思わされる。モンスターとしての名前も氷姫だし。それにしても、レインは、ここによく通ってくれているみたい。本当にヒョウカの事が気に入ったみたいだ。
「そっか。レインと仲良く出来ているなら良かった。何かあったら、言ってね」
『はい』
ヒョウカも問題ない。ヒョウカの小屋から出ると、肩にニクスが留まる。いつも通りのニクスなので、全く問題はなさそう。ニクスは頭を下げてから、また世界樹の方に飛んでいった。せっかくなので、ニクスを追って世界樹の方に向かう。すると、アンブロシアの花畑が見え始める。
「ラウネ」
『ハク姉』
ラウネは、私の方に駆け寄ってきて飛びついた。そんなラウネの頭を撫でてあげながら、世界樹を見上げる。完全に育ちきった世界樹は、本当にでかい。その大きな枝にニクスが巣を作っていた。ソイルとラウネから許可は貰っているので、問題はない。
「畑の方は順調そうだね」
『うんなの。最近は、アンブロシアも変化しているの』
「そうなの?」
『うんなの。色々な力が秘められたアンブロシアが出来てるの。楽しいの』
「それは良かった」
皆の様子を確認し終えた。私は、火山エリアのヴォルケイノタウンに転移して、ニクスとフラムを喚び出す。
「あの火山を全部調べるから、協力頼める?」
『ああ』
『キュイ』
三人で一緒に火山エリアの探索を始める。【熾天使翼】を広げて、まっすぐ火山まで移動した。
「さてと、マグマの回収からしていこうかな」
『マグマなんて回収して、どうするんだ?』
「機械人形の修理で、ちょっと使ってみたいらしいよ。絶対に必要ってわけじゃないから、出来たらで良いらしいけど」
『まぁ、マグマに入っても大丈夫な姉御に任せるのが一番だしな』
「ね。フラムも手伝ってね」
『ああ』
火口に来た私達は、そのまま中に入っていく。全員火には耐性があるので、どこまでも降りていく事が出来る。ニクスに至っては、最初に出会った時、マグマの中に入っていたしね。
アカリから渡されている耐熱容器に、【支配(火)】を使って、マグマを入れていく。フラムにも手伝って貰って、どんどんと回収していく。その間に、ニクスは周りを飛び回って警戒してくれている。
「取り敢えず、このくらいで良いかな。フラムは、ここら辺で何か感じない?」
『マグマの中の事を言っているなら、何もないぞ。ここから行ける場所も全部マグマで埋まっているから、不用意に飛び込まない方が良いだろうな』
「そうなんだ。じゃあ、次の火山に行こうか」
『ああ』
『キュイ』
それから火口の中を次々に探索していったけど、特に何かがあるわけではなかった。その代わり、表面の方には、洞窟を発見した。
「全部で七つある火山の内、四つに洞窟か……」
『大分奥まで続いていたな。それに、中は熱気で一杯だ。他の奴等は喚べないな』
「だね。頼りにしてるよ。二人とも」
『ああ』
『キュイ』
二人と一緒に洞窟の一つに入っていく。洞窟の中は、フラムの言う通り熱気が満ちている。普通のプレイヤーならダメージを受けそうだけど、私は【熾天使】を持っているので問題ない。本当に普通のプレイヤーが火山エリアを攻略するのは一苦労だと思う。
『モンスターがいるが、拘束するか?』
「私が見た事のないモンスターかな?」
『いや、外にもいたモンスターだ』
「じゃあ、倒して良いよ」
そう言ったら、フラムがどんどんとモンスターを倒していった。私の【万能探知】でも確認出来る。ただ【万能探知】の内、熱感知に関しては使い物にならなくなっていた。周囲の温度が高すぎるのと、モンスターの体温も高いからだ。まぁ、普通に感知の方で分かるから、使えなくても問題はないのだけど。
ニクスも洞窟内を飛んでいって、モンスターを倒してくれていた。スノウよりも小さくなれるから、こういった洞窟でも自由に動き回れる。【矮小化】を解いたら、同じくらい大きくはあるけど。
そのまま洞窟の中を進んでいくと、一番奥に採掘ポイントがあった。ここまでの道は一本道だったので、ここが目的の場所となるみたいだ。
「……ソイルがいればなぁ。【掘削】で掘るか」
軽く掘ってみると、鉱山エリアで手に入るような素材が落ちてきた。さすがに、すぐにレアな素材が出て来るという事はなかった。三十分くらい掘っていると、真っ赤に赤熱した石が出て来た。溶岩鉱石という名前のもので、鉱山エリアにはなかったものだ。私からも出ていないから、ここのレア鉱石かな。見つけた事で、私から出て来るようになっていると良いけど。
「さてと、次の洞窟に行こうか」
そこから四つの洞窟を調べて回ったけど、その全てに採掘ポイントがあるだけだった。でも、私としては、ちょっと納得している部分がある。その理由は、ヴォルケイノタウンにある。あそこには、鍛冶を得意とするドワーフが住んでいる。そんなドワーフ達がここら辺で採掘していると思えば、採掘ポイントだけというのも納得出来る。
「火山エリアには、これ以上は何もないかな。後は、ボスを倒して帰ろう」
『ああ』
『キュイ』
火山エリアのボスエリアに移動する。
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