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楽しく賑わう吸血少女

告白の返事

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 熱も下がった翌日。私は、学校で光にギルドエリアに来て欲しいと伝えた。学校で返事をするのでも良いと思ったけど、周囲の目とかもあるので、一応ワンオンの中で返事をする事にした。光もそっちで告白したから、問題はないはず。
 花火を観たバルコニーでアカリを待つ。しばらくして、アカリがやってきた。

「お待たせ」
「ううん。こっちこそ、待たせてごめんね。私なりに答えを出してきたよ。ちょっと考えすぎて、熱が出たけど……」
「真剣に考えてくれたのは嬉しいかな。熱が出るまでは心配になっちゃうけど」
「あれには、私も驚いた」

 多分、普段考えない事を真剣に考えたから、ストレスで発熱したのだと思う。

「えっと……あまり言葉にするのが得意じゃないから、直接的に言うね。私も光の事が好き……っていうより、光が誰かのものになるのが嫌だ。光には、ずっと私を見ていて欲しい。だから、ずっと傍にいさせて」

 ちょっと言っていて顔が赤くなりそうだけど、何とか言えた。何だか、告白の返事というよりは、私から告白しているみたいになったけど。

「うん。私も傍にいて欲しいな」

 アカリはそう言うと、私を抱きしめた。私からも抱きしめる。ちょっと嗚咽がしているから、アカリは泣いているみたい。私の返事があるまで、ずっと不安だっただろうし、ちゃんと受け入れて貰えた事が嬉しいのだと思う。
 こうして、私と光は恋人同士になった。恋人になったからって、すぐに何かが変わる事はなかった。何か恋人らしい事をした方が良いのかな。

「キスしてみる?」
「えっ!? いきなり大胆になりすぎだよ!? それに……は、初めては、現実が良いなぁ」
「それもそっか。それじゃあ、これからよろしくね」
「うん。こちらこそ、よろしくね」

 そこから二人でデートに行くという事はなく、それぞれのやる事を始めていく。ここら辺は、私達らしいかもしれない。翼さんが言っていた通り、恋人になっても大きく関係が変わる事はなかった。なったばかりで変わらないだけって感じかもしれないけど。
 その日は、牧場で家畜の世話をしてからログアウトした。翌日からも、そこまで大きな変化はない。登校中に、光と手を繋いだりするようになったくらいだ。キスとかはしていない。因みに、お母さんに光と付き合う事になった事を報告すると、光と一緒に豪華な食事でお祝いしてくれた。光の家でも同じようなお祝いがあった。加えて、みず姉達やかー姉がワンオン内でお祝いしてくれたから、計四回もお祝いを受けた。
 皆、盛大にお祝いしてくれたので、ちゃんと受け入れてくれている事が分かった。お母さんなんて、「ようやく自分の気持ちに気付けたのね」なんて言っていた。なんで、自分の事なのに、皆の方が私の気持ちを知っているのか疑問で仕方ない。まぁ、案外自分の事の方が分からないものなのかな。
 そうして、次の土曜日になり、私は、古城エリアに来ていた。それまでの間は、基本的に【操光】と【操闇】のレベル上げに費やした。

────────────────────

ハク:【武芸千般Lv93】【双刀Lv100】【双剣Lv100】【二刀流Lv70】【武闘術Lv100】【始祖の吸血鬼Lv100】【影武装Lv66】【火炎武装Lv51】【大地武装Lv58】【水氷武装Lv35】【暴風武装Lv56】【雷電武装Lv71】【索敵Lv100】【竜王息吹Lv52】【蒼天Lv40】

控え:【聖剣Lv1】【鋏Lv8】【三叉槍Lv17】【氷爪Lv32】【竜爪Lv18】【岩竜爪Lv1】【剛爪Lv10】【棘拳Lv18】【武闘気Lv80】【爆熱闘気Lv28】【敏捷闘気Lv19】【吸血牙Lv70】【銃Lv1】【散弾銃Lv3】
【魔道Lv21】【天候魔法才能Lv1】【大地魔法才能Lv3】【雷魔法才能Lv23】【闇魔法才能Lv1】【付加呪加才能Lv1】【状態異常才能Lv1】【死霊術Lv13】
【支配(血)Lv100】【無限血液Lv100】【重力操作Lv38】【影渡りLv8】【眷属創造Lv40】
【光装術Lv1】【闇装術Lv1】【操糸Lv50】
【HPMP超強化Lv85】【物理超強化Lv75】【魔法防御強化Lv86】【器用さ強化Lv100】【運強化Lv100】【神体Lv88】【身体能力強化Lv100】【五感強化Lv86】【感覚強化Lv33】【頑強顎門Lv25】【弾性強化Lv53】
【毒耐性Lv78】【麻痺耐性Lv43】【呪い耐性Lv13】【沈黙耐性Lv48】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv8】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv60】【魅了耐性Lv10】【出血耐性Lv1】【気絶耐性Lv9】
【夜霧の執行者Lv45】【堅牢堅固Lv18】【茨鎧Lv18】【腐食鎧Lv15】【隠蔽色Lv22】【雨隠れLv22】【明暗順応Lv21】【回転Lv66】【遠心力Lv18】【飛翔Lv100】【暴飲暴食Lv90】【悪食Lv6】【貯蔵Lv90】【恐慌Lv21】【腐食Lv51】【心眼開放Lv45】【熱感知Lv18】
【氷炎息吹Lv38】【氷雷息吹Lv35】【岩風息吹Lv21】【蒼炎息吹Lv31】【炎牙Lv32】【水鉄砲Lv50】【吸水タンクLv38】【泡Lv21】【氷分身Lv18】【魔氷結Lv31】【放電Lv39】【電光石火Lv100】【疾風迅雷Lv100】【雷脚Lv77】【猛毒牙Lv51】【猛毒鎧Lv19】【猛毒生成Lv23】【猛毒血Lv18】【麻痺牙Lv40】【沈黙牙Lv38】【呪牙Lv36】【失明牙Lv40】【血狂いLv18】【狂化Lv15】【加重闘法Lv21】【猪突猛進Lv11】【強靭絹糸Lv21】【捕縛糸Lv32】【威圧Lv12】【ドラミングLv6】【超圧縮Lv50】【念動Lv35】【射出Lv74】【超音波Lv53】【白翼Lv50】【浮遊Lv50】【珊瑚砲Lv20】【黒蝕Lv30】【粘体Lv15】【模倣Lv12】【感染Lv6】【超反応Lv13】【魅了の魔眼Lv10】【呪いの魔眼Lv4】
【鬼Lv40】【鬼気Lv38】【黒鬼気Lv38】【竜王血Lv100】【竜鎧Lv25】【岩竜鎧Lv5】【竜翼Lv39】【精霊体Lv70】【魔王Lv76】【大悪魔Lv88】【大悪魔翼Lv78】【聖王Lv80】【大天使Lv78】【大天使翼Lv70】【魔聖融合Lv80】
【機織りLv13】【糸紡ぎLv18】
【掘削Lv6】【竜騎Lv40】【農家Lv90】【果樹Lv45】【稲作Lv28】【畑作Lv50】【花卉Lv50】【茸栽培Lv1】【畜産Lv100】【酪農Lv60】【羊飼いLv60】【養鶏Lv60】【養豚Lv60】【養蜂Lv1】【木こりLv23】【調教師Lv100】【精霊使いLv90】【統率者Lv60】【言語学Lv100】【古代言語学Lv56】【現代言語学Lv60】【プリセット】
SP:1843

────────────────────

【光装術】:光を武器に纏わせる事が出来る。

【闇装術】:闇を武器に纏わせる事が出来る。

────────────────────

 一応進化させるところまでは出来た。武器に纏わせる事が出来るようになるから、さらにレベル上げがやりやすくなる。そこは有り難い。
 古城まで来た私は、まっすぐに闇霧の始祖の元に向かった。勿論レベル上げをしつつだ。早く武装系スキルに進化させたいからね。

『それで、天聖竜で試したか?』
「そんな時間はない! だから、砂漠で試したけど、ヤバかった。爆発の半径とかは分からないけど、百メートル以上はあった。それに、爆発の本体に巻き込まれたら、身体が崩壊する」
『崩壊現象か。なるほどな。強大な光と闇を掛け合わせると、無を生み出すのではなく、全てを無にする空間を作るという事か』

 闇霧の始祖は、納得したように紙に血を走らせていた。

「そういえば、あの資料の中に空間魔法ってあったけど、他には特殊な魔法ってないの?」
『空間魔法? ああ、あれか。そういえば、あれの研究も中途半端に終わっていたな。良い機会だ。これと一緒に研究するか』

 どうやら空間魔法に関しては、貰った資料だけで終わっていなかったみたい。闇霧の始祖が、研究を終わらせる前に、アク姉がレベルを上げて先を見る事になるかな。

「私が頼んだ方は?」
『ああ、まだ完全とは言い難いが、これが成果だ』

 そう言って、闇霧の始祖は紙束を二つ投げて渡してきた。表紙には、『邪聖教報告書』『雪狼会報告書』と書かれている。ここで読むと時間が掛かりそうなので、ギルドエリアで読む事にする。

「ありがとう。まだ完全じゃないっていうのは?」
『読めば分かるが、まだ不明瞭な部分がある。調査は続ける予定だが、正直完全な情報を得られるかは分からん』
「分かった。何か分かったら教えて」
『ああ。何か良い事あったか?』
「え? 何で?」
『最初にここに来た時よりも、余裕があるように見える。そういう時は、大体良い事があった時だろう。人間は、感情が表に出やすいからな。元々人間だったお前も同じだろう』

 闇霧の始祖の洞察力を褒めるべきか、私のわかりやすさを恥じるべきか。実際、良い事があったのは間違いないので、頷いておく。

『まぁ、そんな事はどうでもいいな。光と闇は、まだ食べているか?』
「ううん。もう操れるようになったし」
『食べておけ』
「え~……」

 今更食べる事自体は抵抗がないけど、進んで食べたいかと訊かれると首を横に振る。絶対に振る。正直、食べたいものじゃないし。

『もっと言えば、属性に関係あるものは何でも食べておけ』
「何か検証したいから?」
『その通りだ。お前に損があるとは限らんぞ』
「何も保証がないって事じゃん」
『面白い事にはなりそうだな。上手くすれば、お前の悪魔としての一面に変化を及ぼせるかもしれん』
「どういう事?」

 私が食いついたからか、闇霧の始祖はニヤリと笑った。完全に手のひらの上で転がされている感じがするけど、気になる事だというのは違いないので返答を待つ。

『あれから悪魔についても調べていたが、面白い事に上位の悪魔には、俺達のような二つ名が付くらしい』
「闇霧とか黄昏みたいな?」
『ああ。その存在の特徴を表すものだ。俺は、闇の霧に身体を変え続けていたから、闇霧の始祖と呼ばれるようになった。黄昏の爺は、黄昏時に無敵を誇る強さを得る事から黄昏だ』
「それの悪魔バージョンって事は、暴食とかの事?」
『ああ、何だ。知っていたのか。つまらん』

 実際には知らなかった事だ。ただ、予想しようと思えば出来るものではある。だって、有名な七つの大罪の一つだし。後は、クリフォトとかにもあったかな。そっちは詳しく覚えていないけど。

『お前は口を使って体内に取り入れる事を得意としているだろう。まぁ、俺達吸血鬼がそういう存在だからという事もあると思うが、お前のような何でも食べられる化物はそうそういない。その点から、素質はあるだろうな』
「えぇ~……まぁ、確かに私に得はありそうだけど。それって、天使の方にもあるの?」

 それを訊くと、闇霧の始祖は難しそうな顔をした。

『天使の階級については知っているか?』
「多分知ってる。光の因子の本に書いてあった」
『その階級の他に二つ名があるという形にはなる。だが、悪魔程情報が出ていない。実在するのかは怪しいところだな』
「そうなんだ。暴食の天使とかになるのかな?」
『天使に関しては、上の階級を目指すのが良いと思うぞ。どの程度上がれるか分からんがな』
「階級が因子に関係しているなら、私って結構上だと思うんだけど」
『どうだろうな。まぁ、上がれるチャンスがあれば逃すな』
「そのつもり」

 中々に実り多い話が出来た。最初は闇霧の始祖を警戒していたけど、その事が馬鹿馬鹿しくなるくらいには打ち解けている。闇霧の始祖と交友関係を結べたというのは、私にとってかなり大きな実りと言えるのかな。交友と言うよりも、私で実験、検証をしているだけなのだけど。まぁ、ギブアンドテイクでやっているから、あまり問題はないと言えばない。

「それじゃあ、私はもう行くね」
『ああ、さっき言った事を忘れるなよ』
「分かってるよ」

 古城エリアを後にした私は、一度ギルドエリアへと戻る。

「思えば、ギルドエリアも大賑わいになってきたなぁ」

 戻ってきたギルドエリアを見回して、ふとそう思った。
 最初は、スノウを隠すための場所として結成して手に入れた場所だったけど、今ではアク姉達も加わって、精霊達も増えた結果二十人近くがいる場所となった。てか、プレイヤーよりもテイムした子達の方が多いというのはどうなのだろうか。九人いる内の八人が私の子達だっていうのも異常なのかな。
 まぁ、おかげで楽しい場所になったとは思う。ここからプレイヤーが増える予定はないから、もっと比率が偏りそうだけど。
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