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楽しく賑わう吸血少女

軽い近況報告

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 ボス戦と荒れ地でのレベル上げをした翌日。ギルドエリアで家畜の世話をしながら、自分のスキルを確認していた。

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ハク:【武芸千般Lv90】【双刀Lv95】【双剣Lv100】【二刀流Lv35】【武闘術Lv100】【始祖の吸血鬼Lv90】【影武装Lv52】【火炎武装Lv42】【大地武装Lv51】【水氷武装Lv31】【暴風武装Lv42】【雷電武装Lv61】【索敵Lv97】【竜王息吹Lv40】【蒼天Lv28】

控え:【鋏Lv8】【三叉槍Lv17】【氷爪Lv32】【竜爪Lv18】【岩竜爪Lv1】【剛爪Lv10】【棘拳Lv18】【武闘気Lv80】【爆熱闘気Lv28】【敏捷闘気Lv19】【吸血牙Lv70】【銃Lv1】【散弾銃Lv3】
【重力操作Lv1】【影渡りLv1】【眷属創造Lv30】
【魔道Lv18】【天候魔法才能Lv1】【大地魔法才能Lv3】【雷魔法才能Lv23】【付加呪加才能Lv1】【状態異常才能Lv1】【死霊術Lv13】
【支配(血)Lv78】【無限血液Lv81】
【操糸Lv31】
【HPMP超強化Lv60】【物理超強化Lv52】【魔法防御強化Lv71】【器用さ強化Lv100】【運強化Lv100】【神体Lv70】【身体能力強化Lv100】【五感強化Lv58】【感覚強化Lv1】【頑強顎門Lv18】【弾性強化Lv41】
【毒耐性Lv73】【麻痺耐性Lv43】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv40】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv8】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv60】【気絶耐性Lv9】
【夜霧の執行者Lv36】【堅牢堅固Lv1】【茨鎧Lv14】【腐食鎧Lv13】【隠蔽色Lv1】【雨隠れLv18】【暗視Lv58】【明所視Lv35】【暗所視Lv46】【回転Lv51】【遠心力Lv1】【飛翔Lv94】【暴飲暴食Lv79】【貯蔵Lv71】【恐慌Lv21】【腐食Lv51】【心眼開放Lv13】【熱感知Lv18】
【氷炎息吹Lv31】【氷雷息吹Lv32】【岩風息吹Lv19】【蒼炎息吹Lv29】【炎牙Lv32】【水鉄砲Lv50】【吸水タンクLv31】【泡Lv21】【氷分身Lv18】【魔氷結Lv31】【放電Lv39】【電光石火Lv90】【疾風迅雷Lv95】【雷脚Lv58】【猛毒牙Lv45】【猛毒鎧Lv19】【猛毒生成Lv23】【猛毒血Lv18】【麻痺牙Lv40】【沈黙牙Lv38】【呪牙Lv36】【失明牙Lv40】【血狂いLv18】【狂化Lv15】【加重闘法Lv21】【猪突猛進Lv1】【強靭糸Lv21】【捕縛糸Lv32】【絹糸Lv15】【威圧Lv12】【ドラミングLv6】【超圧縮Lv36】【念動Lv21】【射出Lv67】【超音波Lv53】【白翼Lv13】【浮遊Lv21】【珊瑚砲Lv20】【黒蝕Lv30】【粘体Lv15】【模倣Lv12】
【鬼Lv18】【鬼気Lv16】【黒鬼気Lv16】【竜王血Lv100】【竜鎧Lv15】【岩竜鎧Lv1】【竜翼Lv28】【精霊体Lv38】【魔王Lv42】【大悪魔Lv56】【大悪魔翼Lv63】【聖王Lv56】【大天使Lv52】【大天使翼Lv58】【魔聖融合Lv30】
【機織りLv1】【糸紡ぎLv3】
【掘削Lv6】【竜騎Lv40】【農家Lv61】【果樹Lv10】【稲作Lv1】【畑作Lv13】【花卉Lv15】【茸栽培Lv1】【畜産Lv80】【酪農Lv31】【羊飼いLv31】【養鶏Lv31】【養豚Lv31】【養蜂Lv1】【木こりLv18】【調教師Lv76】【精霊使いLv64】【統率者Lv45】【言語学Lv87】【古代言語学Lv42】【現代言語学Lv51】【プリセット】
SP:1524

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【岩竜爪】:岩で出来た竜の爪を生み出せる。

【岩竜鎧】:MPを消費して、岩石の鱗を纏う。

【影渡り】:MPを消費して、影から影に移動出来る。移動範囲は入った影から十メートル以内の影。控えでも効果を発揮する。(【影武装】派生)

【遠心力】:遠心力を伴う攻撃の威力が強化される。控えでも効果を発揮する。(【回転】派生)

【堅牢堅固】:防御力が大きく増加され、ノックバック率が大きく減少される。控えでも効果を発揮する。(【堅牢】進化)

【隠蔽色】:街とギルドエリアを除くエリア内で、一定時間停止すると、周囲の景色に溶け込む。控えでも効果を発揮する。(【潜伏】進化)

【猪突猛進】:HPを消費する代わりに、一定速度以上の体当たりの威力が上昇する。直線の移動速度が、僅かに上昇する。控えでも効果を発揮する。(【特攻】進化)

【重力操作】:MPを消費して、地面以外の方向に重力を発生させる。この重力は、スキル使用者のみに適用される。控えでも効果を発揮する。(【走壁】進化)

【感覚強化】:鋭敏な五感を得る。控えでも効果を発揮する。(【千里眼】【順風耳】【犬嗅覚】【神の舌】【至高の手】統合)

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 軽く魔法のレベル上げもしてみたので、進化している魔法もある。ただ、進化した魔法はレベルが上がりにくいみたいなので、積極的にレベル上げする事はもうないと思う。
 他にも面白そうなスキルがいくつか増えたので、世話をしながら、少し遊んでいた。【重力操作】で、自分の真上に重力を発生させてみる。すると、結構な勢いで厩舎の天井に頭をぶつける事になった。

「うごっ……」
「大丈夫!?」

 頭を押えながら、天井にぶら下がっているとメイティさんの声がした。メイティさんは、入口から私の事を見ていた。

「新しいスキルを使ってみたら、天井に頭ぶつけました……」
「新しいスキル? 【浮遊】の事?」

 私が天井いるのを見て、【浮遊】を使っていると思ったらしい。確かに、【浮遊】と似ているから、勘違いしてしまうのは分かる。

「いえ、【重力操作】ってスキルです。蜘蛛系モンスターから獲れる【走壁】から進化したスキルなんですけど、MPを消費して任意の方向に重力を発生させる事が出来るんです。私にしか影響しないものなので、直接攻撃は出来ないですけど」

 そう言いながら、重力を元に戻して、メイティさんの傍に落ちる。

「こんな場所まで、どうしたんですか?」
「アクア達が来るまで時間があるから、ハクちゃんの様子を見に来たの。エアリーちゃんが、牧場にいるって言っていたからね」
「なるほど」

 そこから、メイティさんと一緒に家畜の世話をしながら話をする。

「それじゃあ、鉱山エリアまで行けたんだね」
「はい。まだ、攻略は始めてないですけど」
「鉱山エリアは、金属が沢山採れるって事で、生産職からは天国的な場所になってるらしいよ。ハクちゃんは、ソイルちゃんがいるから、色々と新しいものが見つかるかもね」
「そういえば、アークサンクチュアリの大きな建物には行った?」
「あ、はい。行きました」
「それじゃあ、鬼と戦った? 心試しだっけ?」

 メイティさんから心試しの言葉が出て来て、少し驚いた。でも、心試しの内容的に、誰でも受けられるものではあるので、メイティさんが知っていてもおかしくはなかった。

「戦いました。一応、倒しましたよ」
「おっ、凄いね。何色?」
「黒です」
「おぉ……確か、一番難易度が高いんじゃ無かったっけ? 特徴は、武器を使った攻撃無効だったかな。あっ、なるほど。吸血だね?」

 メイティさんは、すぐに私が倒した方法を見抜いた。まぁ、私と言えばという感じだから、すぐに気付くとは思う。

「はい。血は飲めたので倒せました。メイティさんは戦ったんですか?」
「うん。私は、黄色だったんだけど、ボロ負けだったよ」
「えっ、そうなんですか?」

 黄色は一番弱いし、アク姉のパーティーなら普通に勝てそうなものだけど、負けてしまったらしい。

「うん。あれって、パーティー単位で受けられないんだ。だから、私一人で戦うしかなくってさ。サポートが主体だから、攻撃力が不足してるし、光と神聖属性を無効化するから勝てるわけないんだよね」
「あぁ~……それはキツいですね。というか、鬼の無効化する内容って、鬼によって異なるんですか?」
「うん。そうだよ。黒鬼の武器無効が一番えげつないって話だね。格闘系を上げていても、ダメージが通りにくいって言われてる。これは、ハクちゃんの方が知ってるか」

 これに関しては、直接戦った私が一番理解している。攻撃を見切れなかったら、致命傷を負うというのは、かなりヒリついた戦いだった。

「そうですね。全然ダメージ通りませんでした。それに、握力が凄い強いんです。私の手足も握り潰されて、そのまま引き千切られちゃいました」
「えぇっ!?」

 これにはメイティさんも驚いていた。さすがに、そこまでエグい事をされている人は、そこまでいないみたい。それか、掲示板に書かれていないってだけかな。

「このゲームって、意外とエグいところあるよね……」
「そうですね。でも、断面とかはリアルじゃないので優しいですよ」
「そこまでリアルだったら、十八禁になってるから。まぁ、血を扱ってるハクちゃんも、人によってはエグいと思うかもだけど」
「そう……ですね。最近、感覚が麻痺してたかもです」

 ずっと血を使っていて、そこまでエグいと思わなくなっていた。確かに、血が苦手な人から見たら、エグい人に見えているかもしれない。

「そういえば、アク姉達は、何色の鬼だったんですか?」
「えっと、サツキとトモエは赤鬼だったかな。カティとアメスは青鬼で、アクアは白鬼だったと思う。赤鬼は、物理防御力が高くて、物理魔法の両方の攻撃手段を持ってる。重い一撃を主体に戦ってるサツキでも、硬いって言ってたよ。しかも、攻撃の種類が多くて、全てに反応するのが難しいらしいね。青鬼は、魔法防御力が高くて、魔法攻撃が主体の鬼だったみたい。カティも魔力の矢だと魔法攻撃扱いにされて、全然削れないって言ってた。それに、向こうの弾幕がエグ過ぎるんだって。白鬼は、魔法無効で、物理攻撃特化。魔法が一切効かないから、召喚獣を使って物理攻撃で削ろうとしたみたいだけど、召喚獣達は瞬殺されたみたい」

 聞いているだけで、胃が痛くなりそうな内容だった。鬼との戦闘は圧倒的不利から始まる戦闘みたい。

「本当に裏道を探して倒すしかないから、厳しい戦いなんだよね。それを考えると、ハクちゃんの吸血攻撃は、その裏道に入るんだよね」
「取ります?」
「ううん。やめとく。魅力的ではあるんだけどね。アクアの料理の方がマシなくらいの味は、ちょっと……アクアの創作料理でも無理なのに……」
「大丈夫ですよ。その内慣れます!」
「それは、ハクちゃんだけだね。私達は、全力でアクアを台所に立たせないようにしてるよ」
「それが正解だと思います」

 【吸血】の利点は理解しているけど、それを踏まえても不味いものは飲みたくないみたい。まぁ、そもそも不味いを我慢出来たら、次はどんなモンスターでも噛み付くという度胸が必要になるのだけどね。
 そんな感じで、近況報告をしている間に全てのお世話が終わった。

「それじゃあ、アクアも来たみたいだから、私は、行くね。またね」
「はい。また今度」

 メイティさんと別れて、今度は畑の様子を見に向かう。
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