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高く光へ昇り深く闇へ沈む吸血少女
ボスラッシュ
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八波からは、モンスターが一新する事はなく、追加される形になった。ただでさえ、数が多いのに、オルトロス、オルトロスリーダー、パーガトリーオルトロス、マッドゴーレム、マッドポンド、ポイズンスパイダー、シルキースパイダー、土蜘蛛と環境的に出てこられないモンスターを除いて、ダンジョンに現れたモンスターが追加された。さらに、レッサーワイバーンとラストナイトも追加された。
ラストナイトは、スキル的に直接攻撃出来ない。いつでも耐久値を回復させに街に帰る事が出来るわけじゃないから、なるべく魔法などの遠距離で倒す方が良い。
「アク姉、あの虚無のやつでラストナイトを倒せない?」
「一撃とはいかないかな。でも、別の魔法なら一気に殲滅出来るよ。ただ、一箇所に固まっていないと駄目だけど」
「エアリー」
『はい』
エアリーの名前を呼んだだけで、こっちの意図を理解してくれた。アク姉との会話で、私が頼もうとした事が分かったらしい。
エアリーは、モンスター達の中央に真空を生み出した。エアリーの持つ【絶対真空】のスキルの効果だ。そして、アク姉が前に言っていた絶対真空と同じ現象のはずだから、この真空を満たそうとして、周囲から空気が移動する。それは周囲にいるモンスター達も一緒に巻き込む事になる。そうして、半数以上のモンスターが一箇所に集まった。
「【デストラクション】」
モンスター達の中央で空間が割れた。その割れに巻き込まれる形で、モンスター達も割れた。そして、そのモンスター達が全員ポリゴンに変わる。ほぼ一撃必殺のような魔法だ。
残りのモンスターは、レイン達が片付けた。
「ふぅ……MP消費が激しいなぁ」
「えっ、そうなの? ごめん」
MP消費を抑える作戦だったのに、アク姉にかなり消費させてしまったらしい。普通にレイン達に任せれば良かったかな。でも、レイン達の消耗も考えると、敵の数が多いという事もあってアク姉にも任せた方が良いはず。
「大丈夫。これくらいは想定していたから、アカリちゃんに魔力回復薬を作って貰ったからね」
そう言って、アク姉は魔力回復薬を飲んでいた。ここで消耗させて良かったか。いや、それくらいのカバーは、私がやらないと。
その確認をしている間に、九波が始まる。そこで、ようやく皆の出番が出来た。というのも、出て来たモンスター達が大きく変わったからだ。コーラルタートル、ヴェノムアナコンダ、ジャイアントサンドマン、サンドワーム、雨男、雪原の氷炎竜、雪嶺の氷雷竜が現れた。それも複数体ずつだ。さらに、一部箇所で雨が降り始める。つまり、雨男の戦場が出来上がっていた。
「レイン、雨を止めて! ライとエレクで、雨男をお願い!」
『うん!』
『……』こくり
『ブルルッ!』
レイン、ライ、エレクで雨男を担当して貰う。雨を止められるレインと攻撃速度が速いライとエレクなら、雨男に翻弄される事なく倒せるはずだからだ。
「ソイル! ジャイアントサンドマンの核を破壊しつつ、サンドワームを地面から追い出して!」
『うん……』
ソイルなら、ジャイアントサンドマンは相手にならないし、サンドワームを地面の中から出す事も出来るはず。地面の中にいるサンドワームが、一番厄介かもしれないから、ここはしっかりとやって貰わないといけない。
「エアリー! ヴェノムアナコンダを倒してから、コーラルタートルを倒す援護を!」
『はい』
エアリーの力なら、ヴェノムアナコンダは簡単に倒せる。なので、そっちを済ませて貰って、コーラルタートルを倒す援護を頼む。相手の中で、一番硬い相手はコーラルタートルだ。しかも、大きさが異常なので、夜霧の執行者のようには出来ない可能性が高い。
皆の戦闘が終わり次第、コーラルタートルの討伐に加わって貰うという形式の方が、効率が良いと判断した。
「スノウ! ドラゴンの相手をお願い!」
『ガァ!』
空を飛べるという点から、スノウに担当して貰うのが良い。ついでに、ここに私も加わる。スノウと同じ種族だから、あまり氷炎竜とは戦いたくないけど、そんな事を言っていられる状況ではない。
「アク姉達は、コーラルタートルをお願いね! アカリも無理はしないで!」
「任せて」
「うん。ハクちゃんも気を付けてね」
「うん」
アカリが心配だけど、まずは自分の役割を果たさないと。スノウと一緒に空を飛んで、ドラゴンの群れに突っ込む。それと同時に、皆も動き出す。草原のあちこちで戦闘が始まる。
【飛翔】で加速しながら、【蒼天】のチャージを行いつつ、血液の中から双血剣を取り出す。そして、血液で強化しつつ大斧に変える。加速しつつ身体を回転させて、【回転】の効果を最大限に受けながら大斧の一撃を氷雷竜に叩き込む。これによって、氷雷竜の一体が、隣にいた氷炎竜にぶつかり二体が蹌踉めく。そこに、スノウが飛んで来て、氷炎竜と氷雷竜の身体を爪で引っ掻き、ブレスを吐きかける。
二体の身体が固まっていくけど、そこに他のドラゴン達が群がってくる。私は、加速で移動しながら、双剣に戻した双血剣で、次々に一撃ずつ攻撃を加えていく。攻撃を受けたドラゴン達のヘイトを私が受ける事で、スノウの負担を減らす。さらに、逃げていく私を追い掛けてくるから、ドラゴン達は一列に並んで追ってきた。この状況が、私が狙っていた事だった。
追ってくるドラゴン達の方を振り返って、最大まで溜めた【蒼天】を放つ。私の余波でHPもガリガリと削れていくけど、ドラゴン達のHPもかなりの勢いで削れていった。最大まで溜めたおかげか、ぴったり後ろに貼り付いていても、漏れなく同じくらいのダメージを受けていた。
【蒼天】を受けたドラゴン達は、軒並みHPが一割以下になっていた。私もHPがかなり削れているので、【空歩】と【電光石火】のコンボで、一気に近づき、どんどんと吸血で倒していく。HP回復には、これが一番だ。ついでに、MPの回復も出来るしね。
これのおかげで、【氷炎息吹】を手に入れた。スノウと同じスキルだ。【炎息吹】と【氷息吹】の統合みたいだけど、既に進化しているから、特に関係はない。こういう本来共存出来ないスキルを共存させられるのも、【吸血】のメリットだ。さすがに、統合元とか進化元になると共存出来ないけど。
ある程度HP補給を済ませると、残り三体ほどに減っていた。スノウが奮闘してくれていたらしい。後で蟹肉あげないとと思いつつ、残り三体もスノウと一緒に倒していった。
その最中に、他の戦闘も確認しておいた。雨男とレイン、ライ、エレクの戦いは、レイン達の圧勝だった。雨という最大の利点をレインによって奪われた雨男は、ライとエレクの雷撃で一気にHPを削られていった。反撃もされていたけど、エレクの【電光石火】を捉えられるわけもなく、簡単に避けられていた。
ソイルの方は、ジャイアントサンドマンを瞬殺したらしく、サンドワームと戦っていた。幸い数は三体ほどだったので、ソイルでも問題なく戦えている。ただ、こちらは瞬殺とはいかなかったらしい。相手の身体を圧縮する事で、核を破壊出来るジャイアントサンドマンと違って、サンドワームは肉体を攻撃しないといけないからだ。
エアリーの方は、すでにコーラルタートルとの戦いに加勢している。ヴェノムアナコンダもジャイアントサンドマン同様瞬殺されたらしい。ただ、コーラルタートルの硬さには、苦戦を強いられている。恐らく周りを巻き込む恐れのある大きな攻撃なら、もう少しダメージを与えられるのかもしれないけど、それはエアリーの大きな消耗に繋がるだろう。実際、コーラルタートルと戦った際のレインは、かなり消耗していた。
これらを見て、ドラゴンを一掃した私は、ソイルの援護に向かった。こっちを片付けて、コーラルタートルの援護に、ソイルと一緒に行くのが一番だと考えたからだ。
ラストナイトは、スキル的に直接攻撃出来ない。いつでも耐久値を回復させに街に帰る事が出来るわけじゃないから、なるべく魔法などの遠距離で倒す方が良い。
「アク姉、あの虚無のやつでラストナイトを倒せない?」
「一撃とはいかないかな。でも、別の魔法なら一気に殲滅出来るよ。ただ、一箇所に固まっていないと駄目だけど」
「エアリー」
『はい』
エアリーの名前を呼んだだけで、こっちの意図を理解してくれた。アク姉との会話で、私が頼もうとした事が分かったらしい。
エアリーは、モンスター達の中央に真空を生み出した。エアリーの持つ【絶対真空】のスキルの効果だ。そして、アク姉が前に言っていた絶対真空と同じ現象のはずだから、この真空を満たそうとして、周囲から空気が移動する。それは周囲にいるモンスター達も一緒に巻き込む事になる。そうして、半数以上のモンスターが一箇所に集まった。
「【デストラクション】」
モンスター達の中央で空間が割れた。その割れに巻き込まれる形で、モンスター達も割れた。そして、そのモンスター達が全員ポリゴンに変わる。ほぼ一撃必殺のような魔法だ。
残りのモンスターは、レイン達が片付けた。
「ふぅ……MP消費が激しいなぁ」
「えっ、そうなの? ごめん」
MP消費を抑える作戦だったのに、アク姉にかなり消費させてしまったらしい。普通にレイン達に任せれば良かったかな。でも、レイン達の消耗も考えると、敵の数が多いという事もあってアク姉にも任せた方が良いはず。
「大丈夫。これくらいは想定していたから、アカリちゃんに魔力回復薬を作って貰ったからね」
そう言って、アク姉は魔力回復薬を飲んでいた。ここで消耗させて良かったか。いや、それくらいのカバーは、私がやらないと。
その確認をしている間に、九波が始まる。そこで、ようやく皆の出番が出来た。というのも、出て来たモンスター達が大きく変わったからだ。コーラルタートル、ヴェノムアナコンダ、ジャイアントサンドマン、サンドワーム、雨男、雪原の氷炎竜、雪嶺の氷雷竜が現れた。それも複数体ずつだ。さらに、一部箇所で雨が降り始める。つまり、雨男の戦場が出来上がっていた。
「レイン、雨を止めて! ライとエレクで、雨男をお願い!」
『うん!』
『……』こくり
『ブルルッ!』
レイン、ライ、エレクで雨男を担当して貰う。雨を止められるレインと攻撃速度が速いライとエレクなら、雨男に翻弄される事なく倒せるはずだからだ。
「ソイル! ジャイアントサンドマンの核を破壊しつつ、サンドワームを地面から追い出して!」
『うん……』
ソイルなら、ジャイアントサンドマンは相手にならないし、サンドワームを地面の中から出す事も出来るはず。地面の中にいるサンドワームが、一番厄介かもしれないから、ここはしっかりとやって貰わないといけない。
「エアリー! ヴェノムアナコンダを倒してから、コーラルタートルを倒す援護を!」
『はい』
エアリーの力なら、ヴェノムアナコンダは簡単に倒せる。なので、そっちを済ませて貰って、コーラルタートルを倒す援護を頼む。相手の中で、一番硬い相手はコーラルタートルだ。しかも、大きさが異常なので、夜霧の執行者のようには出来ない可能性が高い。
皆の戦闘が終わり次第、コーラルタートルの討伐に加わって貰うという形式の方が、効率が良いと判断した。
「スノウ! ドラゴンの相手をお願い!」
『ガァ!』
空を飛べるという点から、スノウに担当して貰うのが良い。ついでに、ここに私も加わる。スノウと同じ種族だから、あまり氷炎竜とは戦いたくないけど、そんな事を言っていられる状況ではない。
「アク姉達は、コーラルタートルをお願いね! アカリも無理はしないで!」
「任せて」
「うん。ハクちゃんも気を付けてね」
「うん」
アカリが心配だけど、まずは自分の役割を果たさないと。スノウと一緒に空を飛んで、ドラゴンの群れに突っ込む。それと同時に、皆も動き出す。草原のあちこちで戦闘が始まる。
【飛翔】で加速しながら、【蒼天】のチャージを行いつつ、血液の中から双血剣を取り出す。そして、血液で強化しつつ大斧に変える。加速しつつ身体を回転させて、【回転】の効果を最大限に受けながら大斧の一撃を氷雷竜に叩き込む。これによって、氷雷竜の一体が、隣にいた氷炎竜にぶつかり二体が蹌踉めく。そこに、スノウが飛んで来て、氷炎竜と氷雷竜の身体を爪で引っ掻き、ブレスを吐きかける。
二体の身体が固まっていくけど、そこに他のドラゴン達が群がってくる。私は、加速で移動しながら、双剣に戻した双血剣で、次々に一撃ずつ攻撃を加えていく。攻撃を受けたドラゴン達のヘイトを私が受ける事で、スノウの負担を減らす。さらに、逃げていく私を追い掛けてくるから、ドラゴン達は一列に並んで追ってきた。この状況が、私が狙っていた事だった。
追ってくるドラゴン達の方を振り返って、最大まで溜めた【蒼天】を放つ。私の余波でHPもガリガリと削れていくけど、ドラゴン達のHPもかなりの勢いで削れていった。最大まで溜めたおかげか、ぴったり後ろに貼り付いていても、漏れなく同じくらいのダメージを受けていた。
【蒼天】を受けたドラゴン達は、軒並みHPが一割以下になっていた。私もHPがかなり削れているので、【空歩】と【電光石火】のコンボで、一気に近づき、どんどんと吸血で倒していく。HP回復には、これが一番だ。ついでに、MPの回復も出来るしね。
これのおかげで、【氷炎息吹】を手に入れた。スノウと同じスキルだ。【炎息吹】と【氷息吹】の統合みたいだけど、既に進化しているから、特に関係はない。こういう本来共存出来ないスキルを共存させられるのも、【吸血】のメリットだ。さすがに、統合元とか進化元になると共存出来ないけど。
ある程度HP補給を済ませると、残り三体ほどに減っていた。スノウが奮闘してくれていたらしい。後で蟹肉あげないとと思いつつ、残り三体もスノウと一緒に倒していった。
その最中に、他の戦闘も確認しておいた。雨男とレイン、ライ、エレクの戦いは、レイン達の圧勝だった。雨という最大の利点をレインによって奪われた雨男は、ライとエレクの雷撃で一気にHPを削られていった。反撃もされていたけど、エレクの【電光石火】を捉えられるわけもなく、簡単に避けられていた。
ソイルの方は、ジャイアントサンドマンを瞬殺したらしく、サンドワームと戦っていた。幸い数は三体ほどだったので、ソイルでも問題なく戦えている。ただ、こちらは瞬殺とはいかなかったらしい。相手の身体を圧縮する事で、核を破壊出来るジャイアントサンドマンと違って、サンドワームは肉体を攻撃しないといけないからだ。
エアリーの方は、すでにコーラルタートルとの戦いに加勢している。ヴェノムアナコンダもジャイアントサンドマン同様瞬殺されたらしい。ただ、コーラルタートルの硬さには、苦戦を強いられている。恐らく周りを巻き込む恐れのある大きな攻撃なら、もう少しダメージを与えられるのかもしれないけど、それはエアリーの大きな消耗に繋がるだろう。実際、コーラルタートルと戦った際のレインは、かなり消耗していた。
これらを見て、ドラゴンを一掃した私は、ソイルの援護に向かった。こっちを片付けて、コーラルタートルの援護に、ソイルと一緒に行くのが一番だと考えたからだ。
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