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高く光へ昇り深く闇へ沈む吸血少女
雪嶺エリアのボス
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かー姉達が帰った日。私はお昼からワンオンにログインした。一応、家畜の世話などをするために、ログインしていたけど、冒険という点では久しぶりとなる。
「さてと、まずは身体を慣さないと」
雪嶺エリアに向かうため、雪見の里に転移する。この休みの間に、防具はアカリに修理してもらった。蒼天竜との戦いで、結構消耗していたので、私がMPで直すよりも、そっちの方が良いと思ったからだ。なので、心置きなく戦える。
雪見の里に来た私は、少しだけ心配があったけど、それは杞憂に終わった。人が突撃してくる事はなかったし、蒼天竜の話題もそこまで聞こえてこない。雪見の里は、和風建築が目立つけど、広場は洋風な感じがするようになっている。その中のベンチに座って、一応スキルを確認する。蒼天竜との戦いで、一部スキルは大分伸びたと思うからだ。
────────────────────
ハク:【武芸千般Lv56】【双刀Lv52】【双剣Lv100】【刀Lv51】【武闘術Lv82】【始祖の吸血鬼Lv63】【影武装Lv21】【火炎武装Lv18】【大地武装Lv6】【水氷武装Lv7】【暴風武装Lv1】【雷電武装Lv23】【索敵Lv69】【竜王息吹Lv1】【蒼天Lv8】
控え:【鋏Lv4】【三叉槍Lv12】【氷爪Lv25】【竜爪Lv11】【棘拳Lv11】【武闘気Lv45】【吸血牙Lv61】【銃Lv1】【散弾銃Lv3】
【眷属創造Lv1】
【魔道Lv9】【水魔法才能Lv36】【大地魔法才能Lv1】【雷魔法才能Lv1】【支援魔法才能Lv45】
【支配(血)Lv32】【無限血液Lv36】
【操糸Lv17】
【HPMP超強化Lv24】【物理超強化Lv10】【魔法防御強化Lv63】【器用さ強化Lv100】【運強化Lv100】【神体Lv38】【身体能力強化Lv90】【五感強化Lv19】【千里眼Lv10】【順風耳Lv10】【犬嗅覚Lv62】【神の舌Lv8】【至高の手Lv10】【咬合力強化Lv18】【弾性強化Lv15】
【毒耐性Lv62】【麻痺耐性Lv43】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv15】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv8】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv51】【気絶耐性Lv7】
【狼牙Lv21】【夜霧の執行者Lv13】【堅牢Lv35】【茨鎧Lv4】【腐食鎧Lv6】【三次元機動Lv56】【予測Lv63】【潜伏Lv28】【雨隠れLv7】【暗視Lv17】【回転Lv15】【飛翔Lv67】【暴飲暴食Lv44】【貯蔵Lv38】【恐慌Lv12】【腐食Lv42】【第六感Lv88】【熱感知Lv3】【霊峰霊視Lv58】
【蒼炎息吹Lv1】【炎牙Lv1】【水鉄砲Lv30】【吸水Lv43】【泡Lv3】【氷息吹Lv20】【氷分身Lv4】【魔氷結Lv3】【放電Lv5】【電光石火Lv50】【疾風迅雷Lv52】【雷脚Lv16】【猛毒牙Lv11】【毒針Lv2】【毒生成Lv43】【毒糸Lv8】【毒血Lv21】【血狂いLv8】【狂化Lv1】【特攻Lv19】【強靭糸Lv8】【捕縛糸Lv12】【絹糸Lv3】【威圧Lv1】【ドラミングLv1】【圧縮Lv53】【射出Lv31】【超音波Lv41】【鳥翼Lv13】【空歩Lv38】【走壁Lv38】【天眼通Lv42】【珊瑚砲Lv1】
【竜王血Lv88】【竜鎧Lv1】【竜翼Lv1】【精霊体Lv1】【魔王Lv1】【大悪魔Lv28】【大悪魔翼Lv34】【聖王Lv22】【大天使Lv26】【大天使翼Lv30】【魔聖融合Lv8】
【機織りLv1】【糸紡ぎLv3】
【竜騎Lv22】【農家Lv33】【畜産Lv56】【酪農Lv1】【羊飼いLv1】【養鶏Lv1】【養豚Lv1】【養蜂Lv1】【木こりLv12】【調教師Lv58】【精霊使いLv50】【統率者Lv18】【言語学Lv87】【古代言語学Lv42】【現代言語学Lv51】
SP:1024
────────────────────
いくつか新しいスキルに進化、統合が出来た。加えて、派生したスキルもある。
────────────────────
【眷属創造】:素材を使い強化した眷属を創造出来る。素材無しでも、自身に由来のある眷属なら創造が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【竜王息吹】:焼き尽くす炎を吐き出せるようになる。
【暴風武装】:より多くの風を操り、武器を強化する事が出来るようになる。
【竜鎧】:防御力が上昇し、炎と冷気により強い耐性を得る。また魔法への耐性も上がる。控えでも効果を発揮する。
【竜翼】:魔力によって出来た竜の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
【魔王】:魔気と魔血を所持する。暗黒属性と闇属性を強化し耐性を得る。HPとMPの常時吸収効果を得る。控えでも効果を発揮する。
【精霊体】:精霊としての力を身体に宿す。霊に対して物理的な干渉が可能となる。MPと魔法攻撃力が大きく上昇する。控えでも効果を発揮する。
【酪農】:牛の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【羊飼い】:羊の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養鶏】:鶏の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養豚】:豚の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養蜂】:蜂の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
【眷属創造】になったおかげで、控えでも使えるようになったから、【蒼天】と入れ替えた。普段は【竜王息吹】を使って、ここぞという時に【蒼天】を使うような形になるかな。装備スキルが統合とかで空きが出来たら、【蒼炎息吹】か【氷息吹】も装備するかな。
今後のことも考えつつ、街の外に出た私は、【雷脚】を発動して走る。遭遇するモンスターを隠密双刀で倒していく。【竜王息吹】も使ってみたら、【竜息吹】よりも相手の燃焼時間が長かった。本当に焼き尽くすまで燃え続けるのかって思うくらいだ。実際には、そんな事はないのだと思うけど。
そのまま進んでいくと、ボスエリアへの転移場所に辿り着いた。ここまでの道のりは、そこまで苦労しなかった。危ない場面では、【竜王息吹】を使えば倒せるからっていうのもあるかな。でも、大分感覚が戻った。【雷脚】を使って、高速で駆け抜けていったというのもあるかな。
「せっかくだから、ボス戦で戦闘の勘も取り戻すかな」
蒼天竜と戦った時の感覚を取り戻すために、一人でボス戦に挑む事にした。まぁ、蒼天竜は、かなり強いエンカウントボスだったから、ここのボスで勘を取り戻す事が出来るか分からないけど。
スキルの再確認もしてから、ボスエリアへと転移する。転移した先は、風が吹き荒れて、積もった雪が舞うような場所だった。それでも、視界が全て埋まるという事はない。そこだけは、有り難い事だ。
そして、すぐに【索敵】が反応する。反応したモンスターが居る場所は、空だった。すぐに、空を見上げる。すると、身体が帯電したドラゴンが空を飛んでいた。
「またドラゴン……?」
これには、さすがに苦笑いしてしまう。ドラゴンで苦戦した後に、再びドラゴンと戦う事になるなんて思わなかったし。雪嶺エリアのボスの名前は、雪嶺の氷雷竜。スノウのボスモンスターとしての名前が雪原の氷炎竜だったから、スノウの親戚とかになるのかな。
氷雷竜は、私に向かって、口から雷を放ってきた。恐らく、氷雷竜のブレスというところだろう。【第六感】で予知していた私は、【電光石火】で避ける。ブレスが当たった場所から、氷柱が出来上がっていたから、あれに当たると凍結状態になりそうだ。
「さすがに、スノウみたいにはならないか」
スノウが仲間になったのは、あの東洋竜があの場にいたからなのかもしれない。
そんな考察をしつつ【鳥翼】を除いた三対の羽を生やす。相手がドラゴンなら、空を飛んで戦った方が良いからだ。最初から【飛翔】で加速して、氷雷竜に突っ込む。そして、血液で強化した隠密双刀で、すれ違いざまに身体を斬った。さすがに、蒼天竜のような硬さはないらしく、目に見えてHPが減る。
氷雷竜は、後ろに抜けていく私目掛けてブレスを吐く。ギリギリのところで避けた私は、【空歩】で足場を作り、【電光石火】で氷雷竜に突っ込む。そして、血液で強化した脚で、その身体に蹴りを入れる。【電光石火】の勢いもあって、氷雷竜の身体が地面に落ちていく。
それを追っていき、【竜王息吹】で炎を吐く。口の中が焼ける感覚と同時に視界が炎で埋まる。氷雷竜は、その炎の中から飛びだして逃げた。
「さすがに倒せないか。でも、大分HPは削った」
今までの攻防で、氷雷竜のHPは、残り六割になっていた。【電光石火】を使った蹴りと【竜王息吹】が効いたみたいだ。
私から距離を取った氷雷竜は、大きく咆哮すると、さらに雷を纏った。あの感じは、私の【雷電武装】に似ている。氷雷竜というくらいだから、【雷電武装】を持っていてもおかしくは無い。
そして、纏っていた雷を口に集中させていった。
「ヤバっ!」
スキルを持っているからこそ、あの行動のヤバさがよく分かる。【雷電武装】で口を強化して、ブレスの威力を上げようとしているのだ。今から【電光石火】を使っても遅い。【第六感】の感覚だと、私の身体を丸々覆う程の太さがある。
放たれた極太の雷撃ブレスを【飛翔】の加速で、ギリギリ避ける。あと一センチでブレスに巻き込まれて凍結していた。試しに、【雷電武装】で操れるか確認したけど、あのブレスは動かせて一桁ミリ単位だ。【夜霧の執行者】を持つ私にとっては、そこまで脅威となるものではないけど、ここで無駄に消費して、もっとヤバい攻撃が来たら困るので避ける事を選択した。
ここで、もしもの事を考えて、【蒼天】の準備をする。口の中から青い光が漏れ出る。それを視界の端で捉えながら、【空歩】と【電光石火】のコンボで、氷雷竜に突っ込む。振られる氷雷竜の爪を隠密双刀でパリィしつつ、その身体に【武闘気】を使った蹴りを入れる。氷雷竜が錐揉みして落ちる。そこに追いつこうと思った瞬間に、【第六感】が働いたので後退する。すると、私が居た場所に氷雷竜のブレスが吐かれた。
氷雷竜は、私から距離を取るために、わざと蹴りを受けたのかもしれない。
地面に降り立った氷雷竜が【雷電武装】を使ったブレスを再び放とうする。そのタイミングで、私も【蒼天】のチャージが終わったので、ほぼ同時に放った。
二つのブレスがぶつかり合う事になると思ったけど、実際には、そんな事にならなかった。私の【蒼天】が氷雷竜のブレスを飲み込んで、そのまま打ち消した。そして、【蒼天】が氷雷竜の身体に命中する。最低限の【蒼天】だったけど、氷雷竜のHPを五割のところから、残り一割以下になるまで削る事が出来た。
【蒼天】の威力で地面にめり込んだ氷雷竜の元まで降りて、その血を飲む。残りHPが僅かという事もあり、十秒せずに氷雷竜が倒れてポリゴンになった。どうやらテイムには失敗したらしい。
『【始祖の吸血鬼】により、雪嶺の氷雷竜から【氷雷息吹】を獲得。【氷息吹Lv50】【雷息吹Lv50】を統合するため、以上のスキルが収得不可能となります』
氷雷竜のブレスを手に入れた。そして、ドロップアイテムとして氷雷竜の鱗×30、氷雷竜の爪×2、氷雷竜の牙×10、氷雷竜の眼×2、氷雷竜の核を手に入れた。称号は、【雪嶺の氷雷】というものを手に入れた。雪嶺エリアにいる間のみ、氷属性と雷属性の攻撃力が一・二倍になるというものだった。何というか、若干微妙な効果な気がする。
ボスを倒したので、そのまま次のエリアに向かう。次への道は先に開けとくに限るから。
「さてと、まずは身体を慣さないと」
雪嶺エリアに向かうため、雪見の里に転移する。この休みの間に、防具はアカリに修理してもらった。蒼天竜との戦いで、結構消耗していたので、私がMPで直すよりも、そっちの方が良いと思ったからだ。なので、心置きなく戦える。
雪見の里に来た私は、少しだけ心配があったけど、それは杞憂に終わった。人が突撃してくる事はなかったし、蒼天竜の話題もそこまで聞こえてこない。雪見の里は、和風建築が目立つけど、広場は洋風な感じがするようになっている。その中のベンチに座って、一応スキルを確認する。蒼天竜との戦いで、一部スキルは大分伸びたと思うからだ。
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ハク:【武芸千般Lv56】【双刀Lv52】【双剣Lv100】【刀Lv51】【武闘術Lv82】【始祖の吸血鬼Lv63】【影武装Lv21】【火炎武装Lv18】【大地武装Lv6】【水氷武装Lv7】【暴風武装Lv1】【雷電武装Lv23】【索敵Lv69】【竜王息吹Lv1】【蒼天Lv8】
控え:【鋏Lv4】【三叉槍Lv12】【氷爪Lv25】【竜爪Lv11】【棘拳Lv11】【武闘気Lv45】【吸血牙Lv61】【銃Lv1】【散弾銃Lv3】
【眷属創造Lv1】
【魔道Lv9】【水魔法才能Lv36】【大地魔法才能Lv1】【雷魔法才能Lv1】【支援魔法才能Lv45】
【支配(血)Lv32】【無限血液Lv36】
【操糸Lv17】
【HPMP超強化Lv24】【物理超強化Lv10】【魔法防御強化Lv63】【器用さ強化Lv100】【運強化Lv100】【神体Lv38】【身体能力強化Lv90】【五感強化Lv19】【千里眼Lv10】【順風耳Lv10】【犬嗅覚Lv62】【神の舌Lv8】【至高の手Lv10】【咬合力強化Lv18】【弾性強化Lv15】
【毒耐性Lv62】【麻痺耐性Lv43】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv15】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv8】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv51】【気絶耐性Lv7】
【狼牙Lv21】【夜霧の執行者Lv13】【堅牢Lv35】【茨鎧Lv4】【腐食鎧Lv6】【三次元機動Lv56】【予測Lv63】【潜伏Lv28】【雨隠れLv7】【暗視Lv17】【回転Lv15】【飛翔Lv67】【暴飲暴食Lv44】【貯蔵Lv38】【恐慌Lv12】【腐食Lv42】【第六感Lv88】【熱感知Lv3】【霊峰霊視Lv58】
【蒼炎息吹Lv1】【炎牙Lv1】【水鉄砲Lv30】【吸水Lv43】【泡Lv3】【氷息吹Lv20】【氷分身Lv4】【魔氷結Lv3】【放電Lv5】【電光石火Lv50】【疾風迅雷Lv52】【雷脚Lv16】【猛毒牙Lv11】【毒針Lv2】【毒生成Lv43】【毒糸Lv8】【毒血Lv21】【血狂いLv8】【狂化Lv1】【特攻Lv19】【強靭糸Lv8】【捕縛糸Lv12】【絹糸Lv3】【威圧Lv1】【ドラミングLv1】【圧縮Lv53】【射出Lv31】【超音波Lv41】【鳥翼Lv13】【空歩Lv38】【走壁Lv38】【天眼通Lv42】【珊瑚砲Lv1】
【竜王血Lv88】【竜鎧Lv1】【竜翼Lv1】【精霊体Lv1】【魔王Lv1】【大悪魔Lv28】【大悪魔翼Lv34】【聖王Lv22】【大天使Lv26】【大天使翼Lv30】【魔聖融合Lv8】
【機織りLv1】【糸紡ぎLv3】
【竜騎Lv22】【農家Lv33】【畜産Lv56】【酪農Lv1】【羊飼いLv1】【養鶏Lv1】【養豚Lv1】【養蜂Lv1】【木こりLv12】【調教師Lv58】【精霊使いLv50】【統率者Lv18】【言語学Lv87】【古代言語学Lv42】【現代言語学Lv51】
SP:1024
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いくつか新しいスキルに進化、統合が出来た。加えて、派生したスキルもある。
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【眷属創造】:素材を使い強化した眷属を創造出来る。素材無しでも、自身に由来のある眷属なら創造が可能となる。控えでも効果を発揮する。
【竜王息吹】:焼き尽くす炎を吐き出せるようになる。
【暴風武装】:より多くの風を操り、武器を強化する事が出来るようになる。
【竜鎧】:防御力が上昇し、炎と冷気により強い耐性を得る。また魔法への耐性も上がる。控えでも効果を発揮する。
【竜翼】:魔力によって出来た竜の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
【魔王】:魔気と魔血を所持する。暗黒属性と闇属性を強化し耐性を得る。HPとMPの常時吸収効果を得る。控えでも効果を発揮する。
【精霊体】:精霊としての力を身体に宿す。霊に対して物理的な干渉が可能となる。MPと魔法攻撃力が大きく上昇する。控えでも効果を発揮する。
【酪農】:牛の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【羊飼い】:羊の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養鶏】:鶏の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養豚】:豚の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
【養蜂】:蜂の飼育しやすくなる。控えでも効果を発揮する。
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【眷属創造】になったおかげで、控えでも使えるようになったから、【蒼天】と入れ替えた。普段は【竜王息吹】を使って、ここぞという時に【蒼天】を使うような形になるかな。装備スキルが統合とかで空きが出来たら、【蒼炎息吹】か【氷息吹】も装備するかな。
今後のことも考えつつ、街の外に出た私は、【雷脚】を発動して走る。遭遇するモンスターを隠密双刀で倒していく。【竜王息吹】も使ってみたら、【竜息吹】よりも相手の燃焼時間が長かった。本当に焼き尽くすまで燃え続けるのかって思うくらいだ。実際には、そんな事はないのだと思うけど。
そのまま進んでいくと、ボスエリアへの転移場所に辿り着いた。ここまでの道のりは、そこまで苦労しなかった。危ない場面では、【竜王息吹】を使えば倒せるからっていうのもあるかな。でも、大分感覚が戻った。【雷脚】を使って、高速で駆け抜けていったというのもあるかな。
「せっかくだから、ボス戦で戦闘の勘も取り戻すかな」
蒼天竜と戦った時の感覚を取り戻すために、一人でボス戦に挑む事にした。まぁ、蒼天竜は、かなり強いエンカウントボスだったから、ここのボスで勘を取り戻す事が出来るか分からないけど。
スキルの再確認もしてから、ボスエリアへと転移する。転移した先は、風が吹き荒れて、積もった雪が舞うような場所だった。それでも、視界が全て埋まるという事はない。そこだけは、有り難い事だ。
そして、すぐに【索敵】が反応する。反応したモンスターが居る場所は、空だった。すぐに、空を見上げる。すると、身体が帯電したドラゴンが空を飛んでいた。
「またドラゴン……?」
これには、さすがに苦笑いしてしまう。ドラゴンで苦戦した後に、再びドラゴンと戦う事になるなんて思わなかったし。雪嶺エリアのボスの名前は、雪嶺の氷雷竜。スノウのボスモンスターとしての名前が雪原の氷炎竜だったから、スノウの親戚とかになるのかな。
氷雷竜は、私に向かって、口から雷を放ってきた。恐らく、氷雷竜のブレスというところだろう。【第六感】で予知していた私は、【電光石火】で避ける。ブレスが当たった場所から、氷柱が出来上がっていたから、あれに当たると凍結状態になりそうだ。
「さすがに、スノウみたいにはならないか」
スノウが仲間になったのは、あの東洋竜があの場にいたからなのかもしれない。
そんな考察をしつつ【鳥翼】を除いた三対の羽を生やす。相手がドラゴンなら、空を飛んで戦った方が良いからだ。最初から【飛翔】で加速して、氷雷竜に突っ込む。そして、血液で強化した隠密双刀で、すれ違いざまに身体を斬った。さすがに、蒼天竜のような硬さはないらしく、目に見えてHPが減る。
氷雷竜は、後ろに抜けていく私目掛けてブレスを吐く。ギリギリのところで避けた私は、【空歩】で足場を作り、【電光石火】で氷雷竜に突っ込む。そして、血液で強化した脚で、その身体に蹴りを入れる。【電光石火】の勢いもあって、氷雷竜の身体が地面に落ちていく。
それを追っていき、【竜王息吹】で炎を吐く。口の中が焼ける感覚と同時に視界が炎で埋まる。氷雷竜は、その炎の中から飛びだして逃げた。
「さすがに倒せないか。でも、大分HPは削った」
今までの攻防で、氷雷竜のHPは、残り六割になっていた。【電光石火】を使った蹴りと【竜王息吹】が効いたみたいだ。
私から距離を取った氷雷竜は、大きく咆哮すると、さらに雷を纏った。あの感じは、私の【雷電武装】に似ている。氷雷竜というくらいだから、【雷電武装】を持っていてもおかしくは無い。
そして、纏っていた雷を口に集中させていった。
「ヤバっ!」
スキルを持っているからこそ、あの行動のヤバさがよく分かる。【雷電武装】で口を強化して、ブレスの威力を上げようとしているのだ。今から【電光石火】を使っても遅い。【第六感】の感覚だと、私の身体を丸々覆う程の太さがある。
放たれた極太の雷撃ブレスを【飛翔】の加速で、ギリギリ避ける。あと一センチでブレスに巻き込まれて凍結していた。試しに、【雷電武装】で操れるか確認したけど、あのブレスは動かせて一桁ミリ単位だ。【夜霧の執行者】を持つ私にとっては、そこまで脅威となるものではないけど、ここで無駄に消費して、もっとヤバい攻撃が来たら困るので避ける事を選択した。
ここで、もしもの事を考えて、【蒼天】の準備をする。口の中から青い光が漏れ出る。それを視界の端で捉えながら、【空歩】と【電光石火】のコンボで、氷雷竜に突っ込む。振られる氷雷竜の爪を隠密双刀でパリィしつつ、その身体に【武闘気】を使った蹴りを入れる。氷雷竜が錐揉みして落ちる。そこに追いつこうと思った瞬間に、【第六感】が働いたので後退する。すると、私が居た場所に氷雷竜のブレスが吐かれた。
氷雷竜は、私から距離を取るために、わざと蹴りを受けたのかもしれない。
地面に降り立った氷雷竜が【雷電武装】を使ったブレスを再び放とうする。そのタイミングで、私も【蒼天】のチャージが終わったので、ほぼ同時に放った。
二つのブレスがぶつかり合う事になると思ったけど、実際には、そんな事にならなかった。私の【蒼天】が氷雷竜のブレスを飲み込んで、そのまま打ち消した。そして、【蒼天】が氷雷竜の身体に命中する。最低限の【蒼天】だったけど、氷雷竜のHPを五割のところから、残り一割以下になるまで削る事が出来た。
【蒼天】の威力で地面にめり込んだ氷雷竜の元まで降りて、その血を飲む。残りHPが僅かという事もあり、十秒せずに氷雷竜が倒れてポリゴンになった。どうやらテイムには失敗したらしい。
『【始祖の吸血鬼】により、雪嶺の氷雷竜から【氷雷息吹】を獲得。【氷息吹Lv50】【雷息吹Lv50】を統合するため、以上のスキルが収得不可能となります』
氷雷竜のブレスを手に入れた。そして、ドロップアイテムとして氷雷竜の鱗×30、氷雷竜の爪×2、氷雷竜の牙×10、氷雷竜の眼×2、氷雷竜の核を手に入れた。称号は、【雪嶺の氷雷】というものを手に入れた。雪嶺エリアにいる間のみ、氷属性と雷属性の攻撃力が一・二倍になるというものだった。何というか、若干微妙な効果な気がする。
ボスを倒したので、そのまま次のエリアに向かう。次への道は先に開けとくに限るから。
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