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高く光へ昇り深く闇へ沈む吸血少女
土蜘蛛の巣
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翌日。今日は、洞窟の探索を進めていく。その前に、ラングさんから隠密双刀の強化が終わったという連絡が届いたので、隠密双刀を取りに行く。
受付のNPCにラングさんを呼んでもらう。すると、すぐに隠密双刀を持って、ラングさんが出て来た。
────────────────────
隠密双刀『月影』:【攻撃力超上昇】【耐久力超上昇】【投擲速度上昇++】【靱性超上昇】【切れ味上昇++】【修復】【月光】【共鳴】
隠密双刀『日影』:【攻撃力超上昇】【耐久力超上昇】【投擲速度上昇++】【靱性超上昇】【切れ味上昇++】【修復】【陽光】【共鳴】
────────────────────
「切れ味を上昇させておいた。血の刃にどこまで効果があるか分からないが、普通に隠密双刀を使う時なら、確実に効果を発揮してくれるだろう」
「なるほど。ありがとうございます」
多分、【刀】として使う事を考えてくれたのだと思う。血の刃にも【切れ味上昇】が適用されるのであれば、かなり嬉しい事だ。刀と言えば、切れ味みたいなイメージもあるし。
「それじゃあ、私は失礼しますね」
「おう。気を付けてな」
ラングさんの店を後にして、バレータウンに移動し、洞窟探索に向かう。お供は、レイン、エアリー、ソイルだ。せっかくだから、レインも喚んでおいた。基本は、エアリーとソイルがモンスターを倒してくれる。そして、二人が感知出来ないフィアーレイスをレインと一緒に倒していった。
幽霊に特効になった白百合が、かなり効果を発揮してくれた。一気に半分近く削る事が出来た。レインの水も同じくらいのダメージを与えられるので、本当に簡単に倒せる。
「どこかに、隠し部屋とかない?」
『うん……何も……感じないよ……』
『ソイルが言うのであれば、その通りかと』
『地下に水の気配はあるけど、地下水が溜まってるだけって感じ。染みこんでるだけかな』
洞窟だから、どこかに隠し部屋とかがある可能性があると思ったけど、そんな事はなかったみたい。レイン達が感じないのであれば、そう信じるだけの根拠になる。
皆が一緒だから、洞窟探索はかなり早く終わった。取り敢えず、洞窟内のマッピングは完全に終わった。そして、一箇所ダンジョンに繋がる場所を見つける事が出来た。
ダンジョンの名前は、『土蜘蛛の巣』。名前からして、ボスは土蜘蛛だと思う。
「このまま挑戦しちゃうか」
土蜘蛛の巣の転移場所に向かって転移する。土蜘蛛の巣は、山脈エリアの洞窟と同じような感じだったけど、壁や天井などに蜘蛛の巣が沢山張られていた。幸い、床にはないので、歩きにくいという事はない。
『小さい……モンスター……いっぱい……』
『そうですね。これまでの蜘蛛よりも風の当たる面積が小さいです』
「それじゃあ、小さい蜘蛛か……どのくらいの大きさ?」
さすがに、現実にいるような小さい蜘蛛だと吸血出来るのか微妙なところだから、化物くらいの大きさはしていて欲しいところだ。
『このくらいでしょうか』
エアリーは、百科事典くらいの大きさを手で作りだした。
「まぁ、そのくらいなら大丈夫かな。最初は、拘束メインでお願い」
『うん……』
『はい』
『うん!』
皆が良い返事をしてくれる。そのまま攻略を始めると、【索敵】に何体か反応する。今までのケイブスパイダーと比べると小さい蜘蛛だけど、現実にいたら発狂レベルの大きさの蜘蛛達が反応する。
出て来たのは、ポイズンスパイダーという蜘蛛。全身が紫色といういかにも毒々しい蜘蛛だ。正直、血を吸いたいとは思えないでも、ここで吸わない選択肢はない。
ポイズンスパイダーは、群れを成して行動するモンスターらしく、四匹まとめて出て来ていた。でも、その全てがエアリーによって捕まえられていた。
「ありがとう」
エアリーにお礼を言いながら、ポイズンスパイダーを吸血していく。すると、毒の状態異常になった。ポイズンスパイダーの血は、毒血になっているらしい。そこまで強い毒じゃないみたいで、HPの減りは遅いどころか、減る度にすぐ回復する。私の回復能力の方が上みたいだ。本当ならアイテムとなっている毒血を飲んで状態異常を回復するところだけど、放置しておいても良いかな。【毒耐性】のレベル上げにもなるし。
【暴飲暴食】のおかげで、毒血は解毒薬に変わる。ただし、これはアイテムとなっている時のみで、こうして直接飲む時は、毒状態になってしまう。これに関しては、新鮮な血は毒が強いからとかかなと私は考えている。
そのまま【始祖の吸血鬼】で倒すと、【毒血】というスキルを手に入れた。
────────────────────
【毒血】:身体を流れる血に毒が混じる。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
これで吸血されたら、相手を毒状態に出来る。まぁ、吸血してくれる相手はいないに等しいから、割と意味のないスキルかもしれない。
そこから攻略を進めながら吸血を続けていく。ここにいるモンスターは、さっき倒したポイズンスパイダーとシルキースパイダーという綺麗で滑らかな糸を出すモンスターの二種類だった。どちらも群れを成して行動してくるので、スキル集めは捗る。
【猛毒牙】【絹糸】【機織り】【糸紡ぎ】が新しく手に入ったスキルだ。
────────────────────
【猛毒牙】:牙による攻撃に猛毒属性を付与する。
【絹糸】:滑らかな糸を生み出す事が出来る。
────────────────────
【猛毒牙】は、【毒牙Lv50】の進化スキルだった。【絹糸】に関しては、多分アカリが喜ぶスキルだなという感想しかない。それに、【裁縫】を持ってもいないのに、糸と布を作れるようになってしまった。アカリには申し訳ないけど、本当に要らないスキルだった。
他のスキルは、全て持っているスキルだったので、全て経験値になる。
新しく獲得出来るスキルがなくなれば、モンスター達に用はない。レイン達の無双が始まる事になった。
その間に、私は宝箱などを開けてお宝を集めていく。手に入ったのは、布や糸などの裁縫系の素材ばかりだった。唯一出て来た違うものは、シックルという小さな鎌だった。収穫作業用に使えるかな。
アイテムの偏りから、もしかしたらダンジョン毎に宝箱の中身が偏るようになっているのかもしれないと考えた。深き森の双頭犬では、種とかの【農作】に関連するものが多かったし。
深き森の双頭犬は、場所が森だったから自然系が多くなり、プレイヤーに還元出来る【農作】関連が多くて、土蜘蛛の巣では、シルキースパイダーのスキルや蜘蛛が出す糸という点から【裁縫】関連が多くなったのかもしれない。若干こじつけな気もするけど、ゲームなんて大体がそんなものなので、そこを気にしても仕方ない。
「アカリは喜びそうだなぁ」
『もっと倒しますか?』
「ううん。今くらいで良いよ」
もっと素材を集めるかというエアリーの確認に首を横に振って答えた。手に入れた素材が、毒蜘蛛の毒糸、毒蜘蛛の毒牙、毒蜘蛛の毒血、絹蜘蛛の糸、絹蜘蛛の毒牙、絹蜘蛛の血というものなので、沢山集める必要がありそうなものはない。もっと直接的に【裁縫】などに関係していれば頷いていたかもしれない。
そんな風に進んでいくと、ボスエリアに転移する場所を見つけた。
「偶には、初見から一人で攻略してみるかな。皆、お疲れ様。ゆっくり休んで」
『うん。気を付けて』
『怪我……しないで……』
『ご武運を』
皆をギルドエリアに帰した後、私はボスエリアへと転移した。
受付のNPCにラングさんを呼んでもらう。すると、すぐに隠密双刀を持って、ラングさんが出て来た。
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隠密双刀『月影』:【攻撃力超上昇】【耐久力超上昇】【投擲速度上昇++】【靱性超上昇】【切れ味上昇++】【修復】【月光】【共鳴】
隠密双刀『日影』:【攻撃力超上昇】【耐久力超上昇】【投擲速度上昇++】【靱性超上昇】【切れ味上昇++】【修復】【陽光】【共鳴】
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「切れ味を上昇させておいた。血の刃にどこまで効果があるか分からないが、普通に隠密双刀を使う時なら、確実に効果を発揮してくれるだろう」
「なるほど。ありがとうございます」
多分、【刀】として使う事を考えてくれたのだと思う。血の刃にも【切れ味上昇】が適用されるのであれば、かなり嬉しい事だ。刀と言えば、切れ味みたいなイメージもあるし。
「それじゃあ、私は失礼しますね」
「おう。気を付けてな」
ラングさんの店を後にして、バレータウンに移動し、洞窟探索に向かう。お供は、レイン、エアリー、ソイルだ。せっかくだから、レインも喚んでおいた。基本は、エアリーとソイルがモンスターを倒してくれる。そして、二人が感知出来ないフィアーレイスをレインと一緒に倒していった。
幽霊に特効になった白百合が、かなり効果を発揮してくれた。一気に半分近く削る事が出来た。レインの水も同じくらいのダメージを与えられるので、本当に簡単に倒せる。
「どこかに、隠し部屋とかない?」
『うん……何も……感じないよ……』
『ソイルが言うのであれば、その通りかと』
『地下に水の気配はあるけど、地下水が溜まってるだけって感じ。染みこんでるだけかな』
洞窟だから、どこかに隠し部屋とかがある可能性があると思ったけど、そんな事はなかったみたい。レイン達が感じないのであれば、そう信じるだけの根拠になる。
皆が一緒だから、洞窟探索はかなり早く終わった。取り敢えず、洞窟内のマッピングは完全に終わった。そして、一箇所ダンジョンに繋がる場所を見つける事が出来た。
ダンジョンの名前は、『土蜘蛛の巣』。名前からして、ボスは土蜘蛛だと思う。
「このまま挑戦しちゃうか」
土蜘蛛の巣の転移場所に向かって転移する。土蜘蛛の巣は、山脈エリアの洞窟と同じような感じだったけど、壁や天井などに蜘蛛の巣が沢山張られていた。幸い、床にはないので、歩きにくいという事はない。
『小さい……モンスター……いっぱい……』
『そうですね。これまでの蜘蛛よりも風の当たる面積が小さいです』
「それじゃあ、小さい蜘蛛か……どのくらいの大きさ?」
さすがに、現実にいるような小さい蜘蛛だと吸血出来るのか微妙なところだから、化物くらいの大きさはしていて欲しいところだ。
『このくらいでしょうか』
エアリーは、百科事典くらいの大きさを手で作りだした。
「まぁ、そのくらいなら大丈夫かな。最初は、拘束メインでお願い」
『うん……』
『はい』
『うん!』
皆が良い返事をしてくれる。そのまま攻略を始めると、【索敵】に何体か反応する。今までのケイブスパイダーと比べると小さい蜘蛛だけど、現実にいたら発狂レベルの大きさの蜘蛛達が反応する。
出て来たのは、ポイズンスパイダーという蜘蛛。全身が紫色といういかにも毒々しい蜘蛛だ。正直、血を吸いたいとは思えないでも、ここで吸わない選択肢はない。
ポイズンスパイダーは、群れを成して行動するモンスターらしく、四匹まとめて出て来ていた。でも、その全てがエアリーによって捕まえられていた。
「ありがとう」
エアリーにお礼を言いながら、ポイズンスパイダーを吸血していく。すると、毒の状態異常になった。ポイズンスパイダーの血は、毒血になっているらしい。そこまで強い毒じゃないみたいで、HPの減りは遅いどころか、減る度にすぐ回復する。私の回復能力の方が上みたいだ。本当ならアイテムとなっている毒血を飲んで状態異常を回復するところだけど、放置しておいても良いかな。【毒耐性】のレベル上げにもなるし。
【暴飲暴食】のおかげで、毒血は解毒薬に変わる。ただし、これはアイテムとなっている時のみで、こうして直接飲む時は、毒状態になってしまう。これに関しては、新鮮な血は毒が強いからとかかなと私は考えている。
そのまま【始祖の吸血鬼】で倒すと、【毒血】というスキルを手に入れた。
────────────────────
【毒血】:身体を流れる血に毒が混じる。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
これで吸血されたら、相手を毒状態に出来る。まぁ、吸血してくれる相手はいないに等しいから、割と意味のないスキルかもしれない。
そこから攻略を進めながら吸血を続けていく。ここにいるモンスターは、さっき倒したポイズンスパイダーとシルキースパイダーという綺麗で滑らかな糸を出すモンスターの二種類だった。どちらも群れを成して行動してくるので、スキル集めは捗る。
【猛毒牙】【絹糸】【機織り】【糸紡ぎ】が新しく手に入ったスキルだ。
────────────────────
【猛毒牙】:牙による攻撃に猛毒属性を付与する。
【絹糸】:滑らかな糸を生み出す事が出来る。
────────────────────
【猛毒牙】は、【毒牙Lv50】の進化スキルだった。【絹糸】に関しては、多分アカリが喜ぶスキルだなという感想しかない。それに、【裁縫】を持ってもいないのに、糸と布を作れるようになってしまった。アカリには申し訳ないけど、本当に要らないスキルだった。
他のスキルは、全て持っているスキルだったので、全て経験値になる。
新しく獲得出来るスキルがなくなれば、モンスター達に用はない。レイン達の無双が始まる事になった。
その間に、私は宝箱などを開けてお宝を集めていく。手に入ったのは、布や糸などの裁縫系の素材ばかりだった。唯一出て来た違うものは、シックルという小さな鎌だった。収穫作業用に使えるかな。
アイテムの偏りから、もしかしたらダンジョン毎に宝箱の中身が偏るようになっているのかもしれないと考えた。深き森の双頭犬では、種とかの【農作】に関連するものが多かったし。
深き森の双頭犬は、場所が森だったから自然系が多くなり、プレイヤーに還元出来る【農作】関連が多くて、土蜘蛛の巣では、シルキースパイダーのスキルや蜘蛛が出す糸という点から【裁縫】関連が多くなったのかもしれない。若干こじつけな気もするけど、ゲームなんて大体がそんなものなので、そこを気にしても仕方ない。
「アカリは喜びそうだなぁ」
『もっと倒しますか?』
「ううん。今くらいで良いよ」
もっと素材を集めるかというエアリーの確認に首を横に振って答えた。手に入れた素材が、毒蜘蛛の毒糸、毒蜘蛛の毒牙、毒蜘蛛の毒血、絹蜘蛛の糸、絹蜘蛛の毒牙、絹蜘蛛の血というものなので、沢山集める必要がありそうなものはない。もっと直接的に【裁縫】などに関係していれば頷いていたかもしれない。
そんな風に進んでいくと、ボスエリアに転移する場所を見つけた。
「偶には、初見から一人で攻略してみるかな。皆、お疲れ様。ゆっくり休んで」
『うん。気を付けて』
『怪我……しないで……』
『ご武運を』
皆をギルドエリアに帰した後、私はボスエリアへと転移した。
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