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高く光へ昇り深く闇へ沈む吸血少女
山脈エリアと空
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山脈エリアに転移した私は、急な突風に驚いた。
「うわっ……風強っ……」
『風はどうにも出来ないかも』
「まぁ、そりゃあね。取り敢えず、レインは休んで」
『うん』
「【送還・レイン】」
レインをギルドエリアに帰す。今回は、私一人で探索を進める。スノウなら喚び出しても良いと思うけど、最近は皆に頑張って貰っていたから、ちょっと休ませてあげようと思ったからだ。
「さてと……ここでは、どんなモンスターが出て来るのかな」
目の前にある山を見る。山脈という名前から、ある程度予想出来るけど、恐らく山は連なっているはず。目の前の山ですら結構高いのに、これがいくつもあると考えると、他の場所よりも探索が面倒くさい。
「山に穴があるから、イベントの霊峰と同じように洞窟がある感じかな。基本的には、洞窟探索になるのかな。霊峰……名前にはなっていないけど、一応、称号をイベントで貰ったやつにしておこう」
霊峰ではないかもしれないけど、念のため、称号を【霊峰の恩恵を賜りし者】に入れ替える。
────────────────────
【霊峰の恩恵を賜りし者】:霊峰内にて、全ステータスが一・二倍になる
────────────────────
イベントの時は一・五倍だった気がするけど、いつの間にか一・二倍になっていた。あの時は、イベントでの特典として機能していたけど、一般エリア内だったら、こっちの方が丁度良いって事で調整したのかな。
「洞窟内よりも、まずは頂上を目指してみようかな」
洞窟内がどこまで入り組んでいるか分からないから、まずは目指しやすい頂上に向かう事にした。【雷足】を発動して、山を登っていく。最初は、緩やかな坂だったから、そこまで苦労しなかったのだけど、途中から急に崖になっていた。
「本当に霊峰みたい……まぁ、あの時と違うのは、私が飛べるようになったってところかな。態々崖登りしなくて済むし」
イベントの時は、崖登りで苦労したから、空を飛べるようになった事で無視する事が出来るのは有り難い。私は【悪魔翼】を使って、空を飛ぶ。空を飛び始めて、少しすると【索敵】にモンスターの反応がした。形的にゲームでよくいるワイバーンかな。
まだ崖上まで到着していないので、空中戦をする事になる。
「このゲーム初めての空中戦か……あまりやった事ないんだよね……」
モンスターは、崖の上から飛び込んできた。【索敵】で分かっていた通り、モンスターはワイバーンだった。名前は、レッサーワイバーン。前脚と羽が一体化した竜みたいなモンスターだ。
「本当によりにもよって上からって……」
【血液収納】で双血剣を取り出す。勢いをつけて飛び、【影装術】を使い双血剣に影を纏わせる。レッサーワイバーンは、私に噛み付こうと口を大きく開ける。噛み付きをギリギリで避け、すれ違いざまに身体を斬りつける。一気に一割削る事が出来た。それに、黒百合の効果で出血状態にする事が出来た。すぐに【血液武装】で双血剣を強化する。
レッサーワイバーンは、すぐに反転して、私を追ってきた。まぁ、すれ違う事が出来た時点で、私の目的は果たしている。そのまままっすぐ飛んでいって、崖上に着地する。
同時に、【血液武装】で双血剣を大斧に変える。そして、【索敵】を頼りにレッサーワイバーンの首目掛けて振う。クリティカルダメージになって、残り一割までHPを削った。
そこで体勢が崩れた隙を突いて、【影装術】と【血液武装】でレッサーワイバーンの身体を縛り、地面に縛り付ける。トドメは吸血で倒す。
『【始祖の吸血鬼】により、レッサーワイバーンから【飛翔】を獲得』
────────────────────
【飛翔】:飛ぶ際に羽を使う場合、消費MPが無くなる。更に、MPを消費して一時的な加速が可能となる。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
空を飛ぶ事の出来る私にとって、かなり重要なスキルを手に入れる事が出来た。恐らく、空を飛ぶモンスターのほとんどが持っているであろうスキルだ。多分、最初の方のエリアのモンスターは持っていないだろうけど。図書館の本には書いてなかったし。
最近は、図書館で調べものをしていないから、追加されていたら、話が変わるけど。
「無限に空を飛べるのは、本当に嬉しいなぁ。スノウに負担を掛けすぎないで済むし。多分、スノウの方が速いだろうから、頼る事はあるだろうけどね。偶には乗ってあげないと拗ねる可能性もなくはないし」
私は、蝙蝠を三匹喚び出し、マッピング範囲を広げる。正直レッサーワイバーンがいるから、蝙蝠達も危ないだろうけど、倒されたら倒されたで仕方ないと割り切る。大蝙蝠も喚び出しておく。
「さてと、ちょうど良いから楽しようかな」
【悪魔翼】と【飛翔】を使って、私は空を飛ぶ。【索敵】で感知出来るのは、レッサーワイバーンばかり。そして、そのレッサーワイバーン達は、一気に私に向かってきた。向こうの探知範囲もかなり広いみたいだ。因みに、蝙蝠と大蝙蝠は全員倒された。さすがに、レッサーワイバーンに勝てる程の強さはなかった。
数もどんどん増えている。まるで、雪兎のような感じだ。空の方が良いかと思ったけど、これはこれで辛い。
「空を飛ぶのも楽じゃないなぁ……【召喚・スノウ】!」
襲い掛かってくるレッサーワイバーンを避けて、スノウを召喚する。
『ガァ!』
「スノウ! 数を減らして!」
『ガァ!!』
元気よく返事をしたスノウは、群がってくるレッサーワイバーン達を蹴散らしていく。それでも、スノウの撃ち漏らしはいるので、レッサーワイバーンに襲われる。でも、確実に数は減っている。
こっちに突っ込んでくるレッサーワイバーンを避けて、影を操り、レッサーワイバーンを縛る。エレクにやったみたいな感じで、手綱のようにしながら、その首に噛み付く。レッサーワイバーンの血を飲み尽くして倒しながら、ひたすら上へと向かっていった。
この中で、【竜息吹】【竜爪】【飛竜翼】のスキルを手に入れた。
────────────────────
【竜息吹】:口から高温の炎を吐き出せる。
【竜爪】:魔力で竜のような鉤爪を作り出す事が出来る。
【飛竜翼】:魔力によって出来た飛竜の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
使い勝手に困るスキルと使う機会がないスキル、それと必要ないのではと思うスキルだった。でも、この考えの内、必要ないと思ったものだけは撤回する事になった。
【飛竜翼】を使ってみると、【悪魔翼】と並行して使う事が出来た。これにより、飛ぶ速度が上がった。ただ、二種類の羽が生えている異様な状態だったけど。
「最早、吸血鬼じゃなくてキメラなんだよなぁ」
スキルは前からキメラ的だったけど、もう見た目もキメラになってしまった。まぁ、気にしても仕方ないので、置いておく。
群がってくるレッサーワイバーンを倒しきって、ようやく落ち着く事が出来るようになった。
『ガァ!』
「お疲れ様、スノウ。悪いんだけど、私を乗せて飛んでくれる?」
『ガァ!!』
応じてくれたので、スノウの上に乗る。スノウに乗った理由は、ただ一つ。私が登ろうとしていた山の奥に、更に大きな山が聳え立っていたからだ。頂上は雲の中に入っていて見えない。ある程度高さを予測出来るけど、本当に高い。
それを見てしまったので、もうスノウに乗って、一気に飛んで貰おうと思った。
「元々あった場所に近いところ……あの山頂は空に近い。何かあると良いんだけど……」
ちょっとした期待を胸に、スノウと一緒に一番高い山の頂上へと飛ぶ。
「うわっ……風強っ……」
『風はどうにも出来ないかも』
「まぁ、そりゃあね。取り敢えず、レインは休んで」
『うん』
「【送還・レイン】」
レインをギルドエリアに帰す。今回は、私一人で探索を進める。スノウなら喚び出しても良いと思うけど、最近は皆に頑張って貰っていたから、ちょっと休ませてあげようと思ったからだ。
「さてと……ここでは、どんなモンスターが出て来るのかな」
目の前にある山を見る。山脈という名前から、ある程度予想出来るけど、恐らく山は連なっているはず。目の前の山ですら結構高いのに、これがいくつもあると考えると、他の場所よりも探索が面倒くさい。
「山に穴があるから、イベントの霊峰と同じように洞窟がある感じかな。基本的には、洞窟探索になるのかな。霊峰……名前にはなっていないけど、一応、称号をイベントで貰ったやつにしておこう」
霊峰ではないかもしれないけど、念のため、称号を【霊峰の恩恵を賜りし者】に入れ替える。
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【霊峰の恩恵を賜りし者】:霊峰内にて、全ステータスが一・二倍になる
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イベントの時は一・五倍だった気がするけど、いつの間にか一・二倍になっていた。あの時は、イベントでの特典として機能していたけど、一般エリア内だったら、こっちの方が丁度良いって事で調整したのかな。
「洞窟内よりも、まずは頂上を目指してみようかな」
洞窟内がどこまで入り組んでいるか分からないから、まずは目指しやすい頂上に向かう事にした。【雷足】を発動して、山を登っていく。最初は、緩やかな坂だったから、そこまで苦労しなかったのだけど、途中から急に崖になっていた。
「本当に霊峰みたい……まぁ、あの時と違うのは、私が飛べるようになったってところかな。態々崖登りしなくて済むし」
イベントの時は、崖登りで苦労したから、空を飛べるようになった事で無視する事が出来るのは有り難い。私は【悪魔翼】を使って、空を飛ぶ。空を飛び始めて、少しすると【索敵】にモンスターの反応がした。形的にゲームでよくいるワイバーンかな。
まだ崖上まで到着していないので、空中戦をする事になる。
「このゲーム初めての空中戦か……あまりやった事ないんだよね……」
モンスターは、崖の上から飛び込んできた。【索敵】で分かっていた通り、モンスターはワイバーンだった。名前は、レッサーワイバーン。前脚と羽が一体化した竜みたいなモンスターだ。
「本当によりにもよって上からって……」
【血液収納】で双血剣を取り出す。勢いをつけて飛び、【影装術】を使い双血剣に影を纏わせる。レッサーワイバーンは、私に噛み付こうと口を大きく開ける。噛み付きをギリギリで避け、すれ違いざまに身体を斬りつける。一気に一割削る事が出来た。それに、黒百合の効果で出血状態にする事が出来た。すぐに【血液武装】で双血剣を強化する。
レッサーワイバーンは、すぐに反転して、私を追ってきた。まぁ、すれ違う事が出来た時点で、私の目的は果たしている。そのまままっすぐ飛んでいって、崖上に着地する。
同時に、【血液武装】で双血剣を大斧に変える。そして、【索敵】を頼りにレッサーワイバーンの首目掛けて振う。クリティカルダメージになって、残り一割までHPを削った。
そこで体勢が崩れた隙を突いて、【影装術】と【血液武装】でレッサーワイバーンの身体を縛り、地面に縛り付ける。トドメは吸血で倒す。
『【始祖の吸血鬼】により、レッサーワイバーンから【飛翔】を獲得』
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【飛翔】:飛ぶ際に羽を使う場合、消費MPが無くなる。更に、MPを消費して一時的な加速が可能となる。控えでも効果を発揮する。
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空を飛ぶ事の出来る私にとって、かなり重要なスキルを手に入れる事が出来た。恐らく、空を飛ぶモンスターのほとんどが持っているであろうスキルだ。多分、最初の方のエリアのモンスターは持っていないだろうけど。図書館の本には書いてなかったし。
最近は、図書館で調べものをしていないから、追加されていたら、話が変わるけど。
「無限に空を飛べるのは、本当に嬉しいなぁ。スノウに負担を掛けすぎないで済むし。多分、スノウの方が速いだろうから、頼る事はあるだろうけどね。偶には乗ってあげないと拗ねる可能性もなくはないし」
私は、蝙蝠を三匹喚び出し、マッピング範囲を広げる。正直レッサーワイバーンがいるから、蝙蝠達も危ないだろうけど、倒されたら倒されたで仕方ないと割り切る。大蝙蝠も喚び出しておく。
「さてと、ちょうど良いから楽しようかな」
【悪魔翼】と【飛翔】を使って、私は空を飛ぶ。【索敵】で感知出来るのは、レッサーワイバーンばかり。そして、そのレッサーワイバーン達は、一気に私に向かってきた。向こうの探知範囲もかなり広いみたいだ。因みに、蝙蝠と大蝙蝠は全員倒された。さすがに、レッサーワイバーンに勝てる程の強さはなかった。
数もどんどん増えている。まるで、雪兎のような感じだ。空の方が良いかと思ったけど、これはこれで辛い。
「空を飛ぶのも楽じゃないなぁ……【召喚・スノウ】!」
襲い掛かってくるレッサーワイバーンを避けて、スノウを召喚する。
『ガァ!』
「スノウ! 数を減らして!」
『ガァ!!』
元気よく返事をしたスノウは、群がってくるレッサーワイバーン達を蹴散らしていく。それでも、スノウの撃ち漏らしはいるので、レッサーワイバーンに襲われる。でも、確実に数は減っている。
こっちに突っ込んでくるレッサーワイバーンを避けて、影を操り、レッサーワイバーンを縛る。エレクにやったみたいな感じで、手綱のようにしながら、その首に噛み付く。レッサーワイバーンの血を飲み尽くして倒しながら、ひたすら上へと向かっていった。
この中で、【竜息吹】【竜爪】【飛竜翼】のスキルを手に入れた。
────────────────────
【竜息吹】:口から高温の炎を吐き出せる。
【竜爪】:魔力で竜のような鉤爪を作り出す事が出来る。
【飛竜翼】:魔力によって出来た飛竜の羽を生やす事が出来る。羽の展開時のみMPを消費して飛ぶ事が出来る。控えでも効果を発揮する。
────────────────────
使い勝手に困るスキルと使う機会がないスキル、それと必要ないのではと思うスキルだった。でも、この考えの内、必要ないと思ったものだけは撤回する事になった。
【飛竜翼】を使ってみると、【悪魔翼】と並行して使う事が出来た。これにより、飛ぶ速度が上がった。ただ、二種類の羽が生えている異様な状態だったけど。
「最早、吸血鬼じゃなくてキメラなんだよなぁ」
スキルは前からキメラ的だったけど、もう見た目もキメラになってしまった。まぁ、気にしても仕方ないので、置いておく。
群がってくるレッサーワイバーンを倒しきって、ようやく落ち着く事が出来るようになった。
『ガァ!』
「お疲れ様、スノウ。悪いんだけど、私を乗せて飛んでくれる?」
『ガァ!!』
応じてくれたので、スノウの上に乗る。スノウに乗った理由は、ただ一つ。私が登ろうとしていた山の奥に、更に大きな山が聳え立っていたからだ。頂上は雲の中に入っていて見えない。ある程度高さを予測出来るけど、本当に高い。
それを見てしまったので、もうスノウに乗って、一気に飛んで貰おうと思った。
「元々あった場所に近いところ……あの山頂は空に近い。何かあると良いんだけど……」
ちょっとした期待を胸に、スノウと一緒に一番高い山の頂上へと飛ぶ。
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