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真冬と真夏の吸血少女
銀世界に残された恨み
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相手が幽霊で、現在が夜間である事から、一応称号を【夜霧を斬る者】に変えておく。【霊気】と【退魔】があるけど、何らかの要因により隠密双刀で戦わないといけなくなった場合を想定しての事だ。
氷雪怨霊が、大鎌を振ってくる。白百合で弾き、黒百合で氷雪怨霊を斬る。身体を斬られた事で、氷雪怨霊が金切り声を上げる。狂乱桜の叫びに似ているような音だけど、向こうよりも更に甲高い。それは、もはや声とは思えないくらいだった。
「うるさい!!」
思わず、いつもの癖で回し蹴りをしてしまう。相手に実体はない。私の蹴りは、氷雪怨霊の身体をすり抜ける。【霊気】も【退魔】も武器にしか効果がなく、【夜霧を斬る者】も剣にしか効果がない。つまり、【武闘術】を始めとする肉体系スキルの効果が、氷雪怨霊には効果がない。
だけど、それ以外のものは効果があったらしい。氷雪怨霊にダメージが入る。
「【聖気】?」
身体に聖なる力を纏っているので、それがダメージになったというのが、一番あり得る事だ。ただ、蹴った手応えがないと、ちょっと気持ち悪い。氷雪怨霊の身体を抜けて、背後に着地する。攻撃手段の模索として、【操影】と【操氷】も試す。【操影】は、氷雪怨霊を縛る事が出来たけど、【操氷】での雪攻撃は無意味だった。【操影】はどちらかと言うと魔法系統に属するけど、【操氷】は実体の雪を操る物体操作系だからって考えると、この結果にも納得がいく。
影による拘束を解いた氷雪怨霊は、大鎌を振ってくる。【双天眼】で攻撃が見えていたので、軽く受け流せる。大体攻撃は、ソルさんの攻撃よりも軽い。この感じなら、そのうちパリィも出来るようになると思う。まぁ、【未来視】で軌道を読んでやる事になるだろうけど。
大鎌を受け流した後、【操影】を使って氷雪怨霊を拘束する。次に試すのは、【真祖】だ。相手は、霊体。牙を突き立てるべき体表などはあるとは言えない。そもそも吸うべき血液が、霊体の何に該当するのか分からない。ジャイアントサンドマンやマッドパペットは、泥と砂が、血液と同等の扱いになっていたから吸えた。スライム達もそうだ。霊体にも、それに該当する何かがあれば、吸う事が出来るはずだ。
氷雪怨霊の身体に、牙を立てる。まぁ、普通に噛む事は出来なかったけど、何か清涼感のあるものが口の中に入ってくる。飲み込むと、背筋がぞわっとする。冷たいものを飲んでいるって感じではなく、体温が下がるような感じだ。
氷雪怨霊は、さっきと同じ金切り声を上げる。すると、氷雪怨霊を捕まえていた影が凍り付いて砕けた。そして、すぐに私から離れる。このままだと危ないと判断したみたい。
「吸えるは吸えるけど、実体がないから、【真祖】で倒すのは難しそう。でも、それをするだけの余裕はある」
氷雪怨霊は、怒りの形相でこっちを睨んでくる。HPはまだ七割以上も残っているのに、もう怒るって、気が短すぎると思うのだけど。
「短気は損気だよ」
煽りが通じたのか、氷雪怨霊が突っ込んでくる。周囲の雪が私に向かってきて、氷雪怨霊の姿を隠してくる。向こうも【操氷】を持っているみたいだけど、私も持っている時点で通用はしない。私を覆ってくる雪は、【操氷】でどかす。
そうして姿を現した氷雪怨霊が大鎌を振ってくる。その動きを予測していた私は、【未来視】で軌道を先読みして、パリィする。タイミングが完全に合って、氷雪怨霊の身体が固まる。その間に、【操影】で身体を縛り付けて、【真祖】を使う。今度は、半分までHPを減らしたところで、拘束を解かれた。定期的に叫ぶ声に、氷属性の何かが含まれているらしい。
「影を凍らされるのは、厄介かな。私に効果がない事だけは、マシだと思えるけど」
氷雪怨霊は、また距離を取って、私に突っ込んでくる。そして、また雪を巻き上げて、視界を封じてくる。
「ワンパターン?」
全く同じ行動なので、【操氷】を使う事で雪をどかして、【未来視】を発動する。頭痛と共に、私の視界に未来が見える。それは、私の胸から生える氷雪怨霊の大鎌だった。これは正面ではなく、背後からの一撃を表している。
私は、すぐに前に倒れつつ後ろを振り返る。下方向から振られてきた大鎌が、私の胸の前を通り過ぎる。体勢が悪すぎるので、【操氷】で足元に壁を作り、それを蹴って、距離を取る。
「あっぶな……さすがに、毎回馬鹿正直に正面から来るなんてことはないか」
レアモンスターの嫌らしさが現れていると思う。ブラックレオパルドも最初は、速度に翻弄されてしまうくらいだったし。
「距離を取るのは、不意打ちの危険性が増すから、基本はインファイトが良いのかな」
高速移動で氷雪怨霊に突っ込む。双血剣で斬りつつ、背後に抜ける。そこに振われる大鎌は、【未来視】で確認して、パリィする。そして、動きが止まったところで、また【操影】を使い、【真祖】で吸う。段々と、氷雪怨霊の姿が薄くなっているのが分かる。
この事から、私が【真祖】で吸っているのは、氷雪怨霊の存在そのものと考える事が出来る。本当に、スライム達と似たような感じだった。身体を構成しているものが、氷雪怨霊にとっての血液と同義のものみたいだ。
氷雪怨霊が、また影を凍らせる事で拘束から逃げ出すけど、今度は距離を開けさせない。私も一緒に氷雪怨霊に付いていく。氷雪怨霊は、鬱陶しそうに大鎌を振り回す。【未来視】で、動きを完全に先読みし、双血剣で捌きつつ、パリィをしやすい一撃を探す。
「ここ!!」
大鎌による攻撃をパリィして、動きが止まったところで、最後の【操影】【真祖】のコンボを使う。これで、氷雪怨霊のHPがなくなり、姿が完全に消えた。いつものポリゴンになるのではなく、そのまますぅーっと消えていった。私が、全部吸い取ったって感じかな。
『【真祖】により、氷雪怨霊から【怨念】のスキルを獲得』
氷雪怨霊から何か変なスキルを手に入れた。そして、ドロップアイテムには、怨霊の魂と霊魂の白装束を手に入れた。ここら辺は、アカリに相談するとして、問題はスキルの方だ。
「何か、また不穏な名前のスキルだなぁ」
すぐに、【怨念】の説明を見る。
────────────────────────
【怨念】:攻撃に恨みを乗せる。確率で、攻撃を与えた相手に呪いの状態異常を与える。
────────────────────────
攻撃に、出血以外の状態異常を乗せる事が出来るようになった。ただし、これは控えでは発動しないから、装備しないといけない。
名前からして、また私の不利益になりそうなスキルかもって思ったけど、そんな事はなかった。効果だけみれば、良いスキルと言えなくもない。
「効果は良いけど、装備の空きはないからなぁ。それに、まだ全然育てられていないスキルが一杯あるんだよね。う~ん……今度、平原でこういうスキルのレベル上げをしようかな」
ちょっとスキルが多くなってきたので、普段使いしないスキルのレベルを上げて、統合とかで減らせるようにしてみる機会を作ってみようと思う。やるとしても、多分平日になるかな。休日は、時間がいっぱい取れるから、探索とかの方に費やしたいし。
「さてと、【未来視】で頭を酷使した事だし、今日は、これくらいにして、寝よっと」
氷雪怨霊を倒したところで、一区切りを付けて、今日はログアウトした。
氷雪怨霊が、大鎌を振ってくる。白百合で弾き、黒百合で氷雪怨霊を斬る。身体を斬られた事で、氷雪怨霊が金切り声を上げる。狂乱桜の叫びに似ているような音だけど、向こうよりも更に甲高い。それは、もはや声とは思えないくらいだった。
「うるさい!!」
思わず、いつもの癖で回し蹴りをしてしまう。相手に実体はない。私の蹴りは、氷雪怨霊の身体をすり抜ける。【霊気】も【退魔】も武器にしか効果がなく、【夜霧を斬る者】も剣にしか効果がない。つまり、【武闘術】を始めとする肉体系スキルの効果が、氷雪怨霊には効果がない。
だけど、それ以外のものは効果があったらしい。氷雪怨霊にダメージが入る。
「【聖気】?」
身体に聖なる力を纏っているので、それがダメージになったというのが、一番あり得る事だ。ただ、蹴った手応えがないと、ちょっと気持ち悪い。氷雪怨霊の身体を抜けて、背後に着地する。攻撃手段の模索として、【操影】と【操氷】も試す。【操影】は、氷雪怨霊を縛る事が出来たけど、【操氷】での雪攻撃は無意味だった。【操影】はどちらかと言うと魔法系統に属するけど、【操氷】は実体の雪を操る物体操作系だからって考えると、この結果にも納得がいく。
影による拘束を解いた氷雪怨霊は、大鎌を振ってくる。【双天眼】で攻撃が見えていたので、軽く受け流せる。大体攻撃は、ソルさんの攻撃よりも軽い。この感じなら、そのうちパリィも出来るようになると思う。まぁ、【未来視】で軌道を読んでやる事になるだろうけど。
大鎌を受け流した後、【操影】を使って氷雪怨霊を拘束する。次に試すのは、【真祖】だ。相手は、霊体。牙を突き立てるべき体表などはあるとは言えない。そもそも吸うべき血液が、霊体の何に該当するのか分からない。ジャイアントサンドマンやマッドパペットは、泥と砂が、血液と同等の扱いになっていたから吸えた。スライム達もそうだ。霊体にも、それに該当する何かがあれば、吸う事が出来るはずだ。
氷雪怨霊の身体に、牙を立てる。まぁ、普通に噛む事は出来なかったけど、何か清涼感のあるものが口の中に入ってくる。飲み込むと、背筋がぞわっとする。冷たいものを飲んでいるって感じではなく、体温が下がるような感じだ。
氷雪怨霊は、さっきと同じ金切り声を上げる。すると、氷雪怨霊を捕まえていた影が凍り付いて砕けた。そして、すぐに私から離れる。このままだと危ないと判断したみたい。
「吸えるは吸えるけど、実体がないから、【真祖】で倒すのは難しそう。でも、それをするだけの余裕はある」
氷雪怨霊は、怒りの形相でこっちを睨んでくる。HPはまだ七割以上も残っているのに、もう怒るって、気が短すぎると思うのだけど。
「短気は損気だよ」
煽りが通じたのか、氷雪怨霊が突っ込んでくる。周囲の雪が私に向かってきて、氷雪怨霊の姿を隠してくる。向こうも【操氷】を持っているみたいだけど、私も持っている時点で通用はしない。私を覆ってくる雪は、【操氷】でどかす。
そうして姿を現した氷雪怨霊が大鎌を振ってくる。その動きを予測していた私は、【未来視】で軌道を先読みして、パリィする。タイミングが完全に合って、氷雪怨霊の身体が固まる。その間に、【操影】で身体を縛り付けて、【真祖】を使う。今度は、半分までHPを減らしたところで、拘束を解かれた。定期的に叫ぶ声に、氷属性の何かが含まれているらしい。
「影を凍らされるのは、厄介かな。私に効果がない事だけは、マシだと思えるけど」
氷雪怨霊は、また距離を取って、私に突っ込んでくる。そして、また雪を巻き上げて、視界を封じてくる。
「ワンパターン?」
全く同じ行動なので、【操氷】を使う事で雪をどかして、【未来視】を発動する。頭痛と共に、私の視界に未来が見える。それは、私の胸から生える氷雪怨霊の大鎌だった。これは正面ではなく、背後からの一撃を表している。
私は、すぐに前に倒れつつ後ろを振り返る。下方向から振られてきた大鎌が、私の胸の前を通り過ぎる。体勢が悪すぎるので、【操氷】で足元に壁を作り、それを蹴って、距離を取る。
「あっぶな……さすがに、毎回馬鹿正直に正面から来るなんてことはないか」
レアモンスターの嫌らしさが現れていると思う。ブラックレオパルドも最初は、速度に翻弄されてしまうくらいだったし。
「距離を取るのは、不意打ちの危険性が増すから、基本はインファイトが良いのかな」
高速移動で氷雪怨霊に突っ込む。双血剣で斬りつつ、背後に抜ける。そこに振われる大鎌は、【未来視】で確認して、パリィする。そして、動きが止まったところで、また【操影】を使い、【真祖】で吸う。段々と、氷雪怨霊の姿が薄くなっているのが分かる。
この事から、私が【真祖】で吸っているのは、氷雪怨霊の存在そのものと考える事が出来る。本当に、スライム達と似たような感じだった。身体を構成しているものが、氷雪怨霊にとっての血液と同義のものみたいだ。
氷雪怨霊が、また影を凍らせる事で拘束から逃げ出すけど、今度は距離を開けさせない。私も一緒に氷雪怨霊に付いていく。氷雪怨霊は、鬱陶しそうに大鎌を振り回す。【未来視】で、動きを完全に先読みし、双血剣で捌きつつ、パリィをしやすい一撃を探す。
「ここ!!」
大鎌による攻撃をパリィして、動きが止まったところで、最後の【操影】【真祖】のコンボを使う。これで、氷雪怨霊のHPがなくなり、姿が完全に消えた。いつものポリゴンになるのではなく、そのまますぅーっと消えていった。私が、全部吸い取ったって感じかな。
『【真祖】により、氷雪怨霊から【怨念】のスキルを獲得』
氷雪怨霊から何か変なスキルを手に入れた。そして、ドロップアイテムには、怨霊の魂と霊魂の白装束を手に入れた。ここら辺は、アカリに相談するとして、問題はスキルの方だ。
「何か、また不穏な名前のスキルだなぁ」
すぐに、【怨念】の説明を見る。
────────────────────────
【怨念】:攻撃に恨みを乗せる。確率で、攻撃を与えた相手に呪いの状態異常を与える。
────────────────────────
攻撃に、出血以外の状態異常を乗せる事が出来るようになった。ただし、これは控えでは発動しないから、装備しないといけない。
名前からして、また私の不利益になりそうなスキルかもって思ったけど、そんな事はなかった。効果だけみれば、良いスキルと言えなくもない。
「効果は良いけど、装備の空きはないからなぁ。それに、まだ全然育てられていないスキルが一杯あるんだよね。う~ん……今度、平原でこういうスキルのレベル上げをしようかな」
ちょっとスキルが多くなってきたので、普段使いしないスキルのレベルを上げて、統合とかで減らせるようにしてみる機会を作ってみようと思う。やるとしても、多分平日になるかな。休日は、時間がいっぱい取れるから、探索とかの方に費やしたいし。
「さてと、【未来視】で頭を酷使した事だし、今日は、これくらいにして、寝よっと」
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