108 / 516
吸血少女と最悪な環境
少し不機嫌
しおりを挟む「ほう。なかなか様になるな。おまえの可愛いところに、風流なものがぶら下がって。ほら、」
「ああっ」
紐部分とおなじく古代紫の糸房の先を、男はおもしろがって指差す。
「うう……」
竹弥は屈辱に呻いた。
だが優美な糸先が、竹弥自身からからまり落ちている様は、滑稽でいて、なんともいえない雅やかさがあり、たしかに男が笑いながら言うように、〝絵になっている〟のだ。
「いいな。色っぽいぞ」
感心したように言うと、思い出したようにさらに男は告げた。
「せっかくだから、これも写真に撮っておくか」
竹弥は悲鳴をあげていた。
「や、やめろ! た、たのむ、止めろ!」
すでに恥ずかしい姿を写真に撮られているが、あらためてこんな生き恥さらしている姿を後に残されるのかと思うと、いっそ今ここで死にたい。
「やめろったら!」
杉屋は聞く耳もなく、写真を撮る準備にかかっている。その後ろ姿に竹弥は毒づいた。
「畜生! やめろったら!」
竹弥は無我夢中で首を横にふり、必死に懇願し、やぶれかぶれになって言いはなった。
「よ、よせ! 後生だから、頼むから! くそぉ、舌噛んで死んでやるからな!」
「それは困るな」
杉屋はすこしも困っていない様子で、辺りを見回すと、室の片隅にまとめて置いていたらしい衣服に目をむけた。竹弥の着ていたものだ。
「ふうむ」
一瞬、考えこむような顔を見せてから、背をかがめた。
息も絶え絶えになっていた竹弥は、ふたたび近づいてきた杉屋が手にしているものを見て目を剝いた。
「舌を噛まれたら困るからな。これでも咥えていろ」
「あうっ!」
男が口のなかに強引に突っ込んできたものが、自分の下着だとわかると、壮絶な憎悪と悔しさに竹弥は全身を火のごとく燃やした。
だが、戒められた身体ではそれ以上抵抗もできず、男のまえにその後も生き恥を晒しつづけるしかない。
「ああっ」
紐部分とおなじく古代紫の糸房の先を、男はおもしろがって指差す。
「うう……」
竹弥は屈辱に呻いた。
だが優美な糸先が、竹弥自身からからまり落ちている様は、滑稽でいて、なんともいえない雅やかさがあり、たしかに男が笑いながら言うように、〝絵になっている〟のだ。
「いいな。色っぽいぞ」
感心したように言うと、思い出したようにさらに男は告げた。
「せっかくだから、これも写真に撮っておくか」
竹弥は悲鳴をあげていた。
「や、やめろ! た、たのむ、止めろ!」
すでに恥ずかしい姿を写真に撮られているが、あらためてこんな生き恥さらしている姿を後に残されるのかと思うと、いっそ今ここで死にたい。
「やめろったら!」
杉屋は聞く耳もなく、写真を撮る準備にかかっている。その後ろ姿に竹弥は毒づいた。
「畜生! やめろったら!」
竹弥は無我夢中で首を横にふり、必死に懇願し、やぶれかぶれになって言いはなった。
「よ、よせ! 後生だから、頼むから! くそぉ、舌噛んで死んでやるからな!」
「それは困るな」
杉屋はすこしも困っていない様子で、辺りを見回すと、室の片隅にまとめて置いていたらしい衣服に目をむけた。竹弥の着ていたものだ。
「ふうむ」
一瞬、考えこむような顔を見せてから、背をかがめた。
息も絶え絶えになっていた竹弥は、ふたたび近づいてきた杉屋が手にしているものを見て目を剝いた。
「舌を噛まれたら困るからな。これでも咥えていろ」
「あうっ!」
男が口のなかに強引に突っ込んできたものが、自分の下着だとわかると、壮絶な憎悪と悔しさに竹弥は全身を火のごとく燃やした。
だが、戒められた身体ではそれ以上抵抗もできず、男のまえにその後も生き恥を晒しつづけるしかない。
11
お気に入りに追加
180
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

吸血少女 設定資料集(おまけ付き)
月輪林檎
SF
『吸血少女ののんびり気ままなゲームライフ』のスキルやその技、武具の追加効果などを章ごとに分けて簡潔に説明します。その章で新しく出て来たものを書いていくので、過去の章に出て来ているものは、過去の章から確認してください。
さらに、ハク以外の視点で、ちょっとした話も書くかもしれません。所謂番外編です。
基本的に不定期更新です。
VRゲームでも身体は動かしたくない。
姫野 佑
SF
多種多様な武器やスキル、様々な【称号】が存在するが職業という概念が存在しない<Imperial Of Egg>。
古き良きPCゲームとして稼働していた<Imperial Of Egg>もいよいよ完全没入型VRMMO化されることになった。
身体をなるべく動かしたくないと考えている岡田智恵理は<Imperial Of Egg>がVRゲームになるという発表を聞いて気落ちしていた。
しかしゲーム内の親友との会話で落ち着きを取り戻し、<Imperial Of Egg>にログインする。
当作品は小説家になろう様で連載しております。
章が完結次第、一日一話投稿致します。

Free Emblem On-line
ユキさん
ファンタジー
今の世の中、ゲームと言えばVRゲームが主流であり人々は数多のVRゲームに魅了されていく。そんなVRゲームの中で待望されていたタイトルがβテストを経て、ついに発売されたのだった。
VRMMO『Free Emblem Online』
通称『F.E.O』
自由過ぎることが売りのこのゲームを、「あんちゃんも気に入ると思うよ~。だから…ね? 一緒にやろうぜぃ♪」とのことで、βテスターの妹より一式を渡される。妹より渡された『F.E.O』、仕事もあるが…、「折角だし、やってみるとしようか。」圧倒的な世界に驚きながらも、MMO初心者である男が自由気ままに『F.E.O』を楽しむ。
ソロでユニークモンスターを討伐、武器防具やアイテムも他の追随を許さない、それでいてPCよりもNPCと仲が良い変わり者。
そんな強面悪党顔の初心者が冒険や生産においてその名を轟かし、本人の知らぬ間に世界を引っ張る存在となっていく。
なろうにも投稿してあります。だいぶ前の未完ですがね。


日本VS異世界国家! ー政府が、自衛隊が、奮闘する。
スライム小説家
SF
令和5年3月6日、日本国は唐突に異世界へ転移してしまった。
地球の常識がなにもかも通用しない魔法と戦争だらけの異世界で日本国は生き延びていけるのか!?
異世界国家サバイバル、ここに爆誕!
運極さんが通る
スウ
ファンタジー
『VRMMO』の技術が詰まったゲームの1次作、『Potential of the story』が発売されて約1年と2ヶ月がたった。
そして、今日、新作『Live Online』が発売された。
主人公は『Live Online』の世界で掲示板を騒がせながら、運に極振りをして、仲間と共に未知なる領域を探索していく。……そして彼女は後に、「災運」と呼ばれる。

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる