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吸血少女と最悪な環境
オアシスタウンの南砂漠
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夕飯とお風呂を済ませて、再びログインした。師範のところで、一度稽古を受けてから、砂漠に移動する。
「東と西は、大体探索したから、今日からは南かな」
ようやく大きく広がる南側の砂漠に向かう。ここからが、砂漠エリアの本番と言ってもいいかもしれない。
スキルの装備も整える。
────────────────────────
ハク:【短剣Lv50】【双剣Lv36】【格闘Lv60】【拳Lv42】【蹴りLv55】【投げLv37】【吸血鬼Lv61】【血装術Lv37】【血武器Lv29】【執行者Lv50】【剛力Lv20】【豪腕Lv43】【豪脚Lv1】【駿足Lv1】【感知Lv20】
控え:【剣Lv60】【魔法才能Lv43】【支援魔法才能Lv43】【HP強化Lv48】【物理攻撃強化Lv50】【物理防御強化Lv20】【魔法防御強化Lv18】【神脚Lv23】【器用さ強化Lv10】【運強化Lv40】【視覚強化Lv1】【聴覚強化Lv1】【毒耐性Lv18】【麻痺耐性Lv6】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv1】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv5】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv1】【気絶耐性Lv1】【消化促進Lv38】【竜血Lv18】【夜霧Lv16】【登山Lv6】【言語学Lv10】
SP:150
────────────────────────
【剣】と【夜霧】は、ここで外しておく事にした。【夜霧】を外すのは、少し心許なくなるけど、レベル上げも考えるとこれが一番の装備だと思う。
取り敢えず、これまでの経験から景色も変わらないと思うので、走って進む事にした。【駿足】の恩恵で、ちょっと走る速度が速くなっていた。これが高速移動に関わってきたら、また高速移動の難易度が高くなりそう。
【視覚強化】の効果が発揮されているみたいで、いつもよりも遠くがよく認識出来る。遠視になったって訳じゃないので、近くもちゃんと見える。
【聴覚強化】の方は、まだ恩恵が分からない。確かに、前よりもよく聞こえる気がするけど、これが便利になるのかが気になる。
そんな私の耳、微かに音が聞こえた。その方向は、モンスターの気配がある。目でも、その方向を見る。すると、デザートアルマジロが身体を丸めて、私に向かって転がってきた。聞こえていた音は、デザートアルマジロが丸まる音だったって感じかな。
私は、その場で、軽く跳ぶ。
「【蹴脚】」
回し蹴りでデザートアルマジロを空高く蹴り上げる。技も使ったから、デザートアルマジロは、その身体が半分くらいになるまで、空に上がっていった。
「落下ダメージって、どんな感じなんだろう?」
そこまで空高く蹴り上げた事はないので、どのくらいのダメージになるのかが予想も付かない。遠くで、デザートアルマジロが着地した音が聞こえた。同時に、ポリゴンになって砕ける音も微かに聞こえた。
「倒せるんだ……あんなに高く蹴り上げられたら、サッカーも楽しいのかなぁ。いや、そもそも高く上げる種目じゃないか」
取り敢えず、デザートアルマジロの対処は、双剣や短剣を使わなくても大丈夫そうなので、デザートアルマジロには素手で対処する事にする。素手での受けも、フレ姉とゲルダさんのおかげで、上手くなってはいると思うし。ついでに、【豪脚】の効果もデザートアルマジロで確認した。最初は、思いっきり蹴飛ばしてしまって、HPゲージが見えなかったからね。
改めて検証してみたら、いつもよりもかなり威力が高くなっていた。ほぼほぼ二倍だ。装備枠を埋めてしまうけど、【豪脚】を取って良かった。
デザートスコーピオンに関しては、双剣と短剣で倒していった。下に潜ったり、ひっくり返したりしたら、結構簡単に倒す事が出来た。まぁ、夜だからだけど。
デザートスコーピオンの群れは、最大で四体だったから、昼も同じだと考えて良いかな。
「こっちなら、新しいモンスターが出て来る可能性もあると思ったけど、本当に二種類なのかな」
そう思っていると、蠍でもアルマジロでもない形の気配がした。警戒しながら、気配を放つモンスターを見る。そこにいたのは、ラクダだった。コブが二つの普通のラクダだ。名前は、デザートキャメルという。
「最初はモーションを見た方が良いかな」
相手の動きを出来るだけ引き出して、対策も取りたいからね。血刃の双剣も血染めの短剣も抜かずに、突っ込む。ラクダの特徴なんて知らないから、タックルとかをしてくるくらいかな。
そう思っていると、私も予想外の攻撃が飛んできた。口から水鉄砲が吐き出されてきたのだ。
「うわっ!?」
反射的に避けられたけど、かなりの勢いがあった。あの勢いは、平気で石を穿つと思う。
「どこから……コブ?」
あのコブに水分を貯蔵しているのかもしれないけど、砂漠で水を簡単に吐き出すって、体内の水分量は大丈夫なのかな。まぁ、ゲーム内だから、そんな事気にしても仕方ないけど。
デザートキャメルは、どんどんと水鉄砲を飛ばしてくるけど、夜だから、普通に避けられた。
私は、高速移動でデザートキャメルの背後に回る。ちょっと滑ったけど、ギリギリ背後で止まる事が出来た。大分、砂漠に慣れたのもあって、転ぶ事は、かなり減ってきた。それでも成功率は、三割くらいだけど。初速が速くなっていたから、【駿足】の恩恵も、少し確認出来た。
背後に回った私は、デザートキャメルを回し蹴りする。デザートキャメルの身体が吹っ飛んでいき、砂の上で何度も弾んでいった。デザートキャメルのHPも三割削れた。【豪脚】も含めても、あまりHPが減っていない。思ったよりもHPもしくは防御力がありそうだ。デザートキャメルは、すぐに起き上がろうとしてくる。
すぐに駆け寄った私は、【血武器】で、血のナイフを三本作って、デザートキャメルの頭、首、右前脚に投げつける。首に投げたものは、クリティカル判定を受けて、デザートキャメルの動きが一瞬阻害される。
「【震転脚】」
踵落としを、デザートキャメルの首に命中させる。直後に、HPがなくなり、ポリゴンになった。
「はぁ……足癖が悪くなりそう」
思ったよりも脚の使い勝手が良さ過ぎて、短剣や双剣よりも重宝するものになってしまった。まぁ、いつでも使える武器って考えたら、普通に誰でも重宝するかもだけど。
「この感じだと、水鉄砲が主な攻撃手段ってところかな。首を押えれば吸血は出来そう」
ようやく砂漠で吸血出来るモンスターが出て来たかもしれない。そう思い、すぐに検証する。デザートアルマジロ二体とデザートスコーピオン六体を倒して、ようやくもう一体のデザートキャメルを見つけた。全力疾走で詰めて、攻撃の隙を与えずに首を掴む。首を動かせないようにして、首に噛み付いて、吸血をする。
獣臭い。でも、ホワイトラビットと同じ種類の匂いと味なので、特に嫌という風には思わなかった。慣れって怖い。
デザートキャメルは、かなり抵抗するけど、無理矢理手で押さえ込んでいるので動けずにいた。そのまま【吸血鬼】だけで倒す。
『【吸血鬼】により、デザートキャメルから【水魔法才能】のスキルを獲得』
運良くデザートキャメルからスキルを手に入れた。
「いらなっ!!」
アク姉が聞いたら悲しむであろう言葉がすんなりと出た。魔法は、支援魔法しか使う気がないから、本当に宝の持ち腐れだ。
「初めて、本当に使い道のないものが獲れたかも」
【魔法才能】に関しては、使い道が見つかったけど、【水魔法才能】に関しては、本当に何に使えば良いか分からない。
「遊びで適当に使うくらいかな。てか、あの水鉄砲って、魔法だったんだ。まぁ、さすがに貯蔵している水を吐き出すなんてないよね」
変なところで一安心しつつ、砂漠を駆け出す。
「夜だし、【吸血鬼】主体で、スキル集めしようかな」
デザートアルマジロは、上から踵落としで砂に埋めて吸血し、デザートスコーピオンは、鋏と尻尾を斬り落として、攻撃手段を奪ってから吸血した。HPが多いから、部位破壊をしても倒れないので、結構有り難い。
結局、【水魔法才能】しか獲得する事は出来なかった。まぁ、元々このくらいの確率だったし、あまり気にしてはないけど。
夜の探索も終えて、私はログアウトした。明日からは、普通に学校があるので、夜しかログイン出来ない。昼間の確認は、また次の土曜日になる。それまでにある程度探索を進められると良いな。
「東と西は、大体探索したから、今日からは南かな」
ようやく大きく広がる南側の砂漠に向かう。ここからが、砂漠エリアの本番と言ってもいいかもしれない。
スキルの装備も整える。
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ハク:【短剣Lv50】【双剣Lv36】【格闘Lv60】【拳Lv42】【蹴りLv55】【投げLv37】【吸血鬼Lv61】【血装術Lv37】【血武器Lv29】【執行者Lv50】【剛力Lv20】【豪腕Lv43】【豪脚Lv1】【駿足Lv1】【感知Lv20】
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SP:150
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【剣】と【夜霧】は、ここで外しておく事にした。【夜霧】を外すのは、少し心許なくなるけど、レベル上げも考えるとこれが一番の装備だと思う。
取り敢えず、これまでの経験から景色も変わらないと思うので、走って進む事にした。【駿足】の恩恵で、ちょっと走る速度が速くなっていた。これが高速移動に関わってきたら、また高速移動の難易度が高くなりそう。
【視覚強化】の効果が発揮されているみたいで、いつもよりも遠くがよく認識出来る。遠視になったって訳じゃないので、近くもちゃんと見える。
【聴覚強化】の方は、まだ恩恵が分からない。確かに、前よりもよく聞こえる気がするけど、これが便利になるのかが気になる。
そんな私の耳、微かに音が聞こえた。その方向は、モンスターの気配がある。目でも、その方向を見る。すると、デザートアルマジロが身体を丸めて、私に向かって転がってきた。聞こえていた音は、デザートアルマジロが丸まる音だったって感じかな。
私は、その場で、軽く跳ぶ。
「【蹴脚】」
回し蹴りでデザートアルマジロを空高く蹴り上げる。技も使ったから、デザートアルマジロは、その身体が半分くらいになるまで、空に上がっていった。
「落下ダメージって、どんな感じなんだろう?」
そこまで空高く蹴り上げた事はないので、どのくらいのダメージになるのかが予想も付かない。遠くで、デザートアルマジロが着地した音が聞こえた。同時に、ポリゴンになって砕ける音も微かに聞こえた。
「倒せるんだ……あんなに高く蹴り上げられたら、サッカーも楽しいのかなぁ。いや、そもそも高く上げる種目じゃないか」
取り敢えず、デザートアルマジロの対処は、双剣や短剣を使わなくても大丈夫そうなので、デザートアルマジロには素手で対処する事にする。素手での受けも、フレ姉とゲルダさんのおかげで、上手くなってはいると思うし。ついでに、【豪脚】の効果もデザートアルマジロで確認した。最初は、思いっきり蹴飛ばしてしまって、HPゲージが見えなかったからね。
改めて検証してみたら、いつもよりもかなり威力が高くなっていた。ほぼほぼ二倍だ。装備枠を埋めてしまうけど、【豪脚】を取って良かった。
デザートスコーピオンに関しては、双剣と短剣で倒していった。下に潜ったり、ひっくり返したりしたら、結構簡単に倒す事が出来た。まぁ、夜だからだけど。
デザートスコーピオンの群れは、最大で四体だったから、昼も同じだと考えて良いかな。
「こっちなら、新しいモンスターが出て来る可能性もあると思ったけど、本当に二種類なのかな」
そう思っていると、蠍でもアルマジロでもない形の気配がした。警戒しながら、気配を放つモンスターを見る。そこにいたのは、ラクダだった。コブが二つの普通のラクダだ。名前は、デザートキャメルという。
「最初はモーションを見た方が良いかな」
相手の動きを出来るだけ引き出して、対策も取りたいからね。血刃の双剣も血染めの短剣も抜かずに、突っ込む。ラクダの特徴なんて知らないから、タックルとかをしてくるくらいかな。
そう思っていると、私も予想外の攻撃が飛んできた。口から水鉄砲が吐き出されてきたのだ。
「うわっ!?」
反射的に避けられたけど、かなりの勢いがあった。あの勢いは、平気で石を穿つと思う。
「どこから……コブ?」
あのコブに水分を貯蔵しているのかもしれないけど、砂漠で水を簡単に吐き出すって、体内の水分量は大丈夫なのかな。まぁ、ゲーム内だから、そんな事気にしても仕方ないけど。
デザートキャメルは、どんどんと水鉄砲を飛ばしてくるけど、夜だから、普通に避けられた。
私は、高速移動でデザートキャメルの背後に回る。ちょっと滑ったけど、ギリギリ背後で止まる事が出来た。大分、砂漠に慣れたのもあって、転ぶ事は、かなり減ってきた。それでも成功率は、三割くらいだけど。初速が速くなっていたから、【駿足】の恩恵も、少し確認出来た。
背後に回った私は、デザートキャメルを回し蹴りする。デザートキャメルの身体が吹っ飛んでいき、砂の上で何度も弾んでいった。デザートキャメルのHPも三割削れた。【豪脚】も含めても、あまりHPが減っていない。思ったよりもHPもしくは防御力がありそうだ。デザートキャメルは、すぐに起き上がろうとしてくる。
すぐに駆け寄った私は、【血武器】で、血のナイフを三本作って、デザートキャメルの頭、首、右前脚に投げつける。首に投げたものは、クリティカル判定を受けて、デザートキャメルの動きが一瞬阻害される。
「【震転脚】」
踵落としを、デザートキャメルの首に命中させる。直後に、HPがなくなり、ポリゴンになった。
「はぁ……足癖が悪くなりそう」
思ったよりも脚の使い勝手が良さ過ぎて、短剣や双剣よりも重宝するものになってしまった。まぁ、いつでも使える武器って考えたら、普通に誰でも重宝するかもだけど。
「この感じだと、水鉄砲が主な攻撃手段ってところかな。首を押えれば吸血は出来そう」
ようやく砂漠で吸血出来るモンスターが出て来たかもしれない。そう思い、すぐに検証する。デザートアルマジロ二体とデザートスコーピオン六体を倒して、ようやくもう一体のデザートキャメルを見つけた。全力疾走で詰めて、攻撃の隙を与えずに首を掴む。首を動かせないようにして、首に噛み付いて、吸血をする。
獣臭い。でも、ホワイトラビットと同じ種類の匂いと味なので、特に嫌という風には思わなかった。慣れって怖い。
デザートキャメルは、かなり抵抗するけど、無理矢理手で押さえ込んでいるので動けずにいた。そのまま【吸血鬼】だけで倒す。
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「いらなっ!!」
アク姉が聞いたら悲しむであろう言葉がすんなりと出た。魔法は、支援魔法しか使う気がないから、本当に宝の持ち腐れだ。
「初めて、本当に使い道のないものが獲れたかも」
【魔法才能】に関しては、使い道が見つかったけど、【水魔法才能】に関しては、本当に何に使えば良いか分からない。
「遊びで適当に使うくらいかな。てか、あの水鉄砲って、魔法だったんだ。まぁ、さすがに貯蔵している水を吐き出すなんてないよね」
変なところで一安心しつつ、砂漠を駆け出す。
「夜だし、【吸血鬼】主体で、スキル集めしようかな」
デザートアルマジロは、上から踵落としで砂に埋めて吸血し、デザートスコーピオンは、鋏と尻尾を斬り落として、攻撃手段を奪ってから吸血した。HPが多いから、部位破壊をしても倒れないので、結構有り難い。
結局、【水魔法才能】しか獲得する事は出来なかった。まぁ、元々このくらいの確率だったし、あまり気にしてはないけど。
夜の探索も終えて、私はログアウトした。明日からは、普通に学校があるので、夜しかログイン出来ない。昼間の確認は、また次の土曜日になる。それまでにある程度探索を進められると良いな。
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