97 / 417
吸血少女と最悪な環境
神聖魔法の検証
しおりを挟む
オアシスタウンに戻ってきた私は、即座にファーストタウンに戻った。デスペナルティが抜けるまで、砂漠の探索なんて出来ない。だから、日差しが強いオアシスタウンよりもファーストタウンにいた方が、気分的に楽だ。
「アカリエに……は、さすがに入り浸り過ぎか」
毎回暇になったり、息抜きをするためにアカリエに行ってしまっている。アカリには、アカリの作業とかもあるので、毎回入り浸るのはやめた方が良い。まぁ、今更って感じがしなくもないけど。
「ん~……平原でいつものしながら、スキルでも確認しよ」
アカリエ以外に行く場所も、特にないので、平原でスキルレベル上げをする事にした。普段だったら、【吸血鬼】を上げるところだけど、現状は、【血武器】のレベル上げを優先したいので、血のナイフを作って投げるという事を繰り返す事にした。まぁ、相手はホワイトラビットとスライムだから、経験値も少しずつしか稼げないけど。
────────────────────────
ハク:【剣Lv55】【短剣Lv48】【双剣Lv31】【格闘Lv43】【拳Lv25】【蹴りLv40】【投げLv16】【魔法才能Lv40】【支援魔法才能Lv40】【吸血鬼Lv60】【血装術Lv35】【血武器Lv18】【執行者Lv47】【豪腕Lv30】【感知Lv15】
控え:【HP強化Lv44】【物理攻撃強化Lv42】【神脚Lv15】【運強化Lv37】【毒耐性Lv18】【麻痺耐性Lv6】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv1】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv5】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv1】【消化促進Lv35】【竜血Lv12】【夜霧Lv15】【登山Lv6】【言語学Lv10】
SP:133
────────────────────────
スキルを見てみたら、【毒耐性】が、かなり上がっていた。その理由は、ヴェノムアナコンダとデザートスコーピオンだ。あの二体の毒を食らったせい、あるいはおかげで、かなり育った感じかな。最後のデザートスコーピオンの攻撃は、猛毒にまで発展していたし。
「【竜血】で、毒が効かなくなっていれば良かったのに」
こればかりは言っても仕方ない。毒対策は、私自身で出来るものは、もうやっているので、後はアクセサリーとかで耐性系の追加効果を探すくらいしかない。でも、アクセサリーに関しては、そういった耐性系のものは付ける気はない。【温暖耐性】と【寒冷耐性】に関しては、スキルとしてないから付けているけど、状態異常耐性系は、スキルで取っているので、アクセサリーには、追加効果でしか得られないものを付けておきたいからだ。
「【拳】の成長が遅い……これも成長させないと、【武闘術】に統合出来ないはずだから、こっちも育てないと」
「こんなところで、レベル上げ?」
「!?」
いきなり背後から声を掛けられたので、跳び上がってしまった。サッと背後に振り向くと、そこにはメイティさんが立っていた。
「メイティさん?」
「うん。見ての通り、メイティだよ」
メイティさんは、優しく微笑みながら、頭を撫でてきた。私は、大人しく受け入れる。
「ここでレベル上げしても、そこまで効率は良くないと思うけど……」
「あっ、デスペナ中なので」
「あ~、なるほどね。でも、誰に負けちゃったの?」
「デザートスコーピオンです」
私が答えると、メイティさんは納得したように、何度も頷いた。
「分かるよ……って言っても、砂漠で死に戻りはした事ないけどね。時々複数湧きしてくると厄介な事この上ないモンスターになるから、気を付けてね」
「ちょうど、その複数湧きに遭遇しました。しかも、初見で……」
「あっ……」
メイティさんが言葉を失う程運が悪かったという事だろう。複数湧きは珍しい方と考えて良いかもしれない。
「もしあれだったら、一緒に行く? 私がいたら、かなり楽になると思うけど……って、そうだった。ハクちゃんは、神聖魔法がダメージになっちゃうんだったね」
メイティさんが同行を提案してくれたけど、すぐにイベントでの出来事を思い出したみたい。私に対して、神聖魔法はダメージに変換されてしまう。だから、回復とかで援護しに来てくれても、逆に追い詰める要素にしかならない。
「そうですね。神聖魔法に、完全な耐性を得れば大丈夫そうですけど、さすがに、そこまでは無理だと思います。あっ、そうだ。メイティさんって、今から時間ありますか?」
神聖魔法と聞いて、一つやりたいことを思い付いた。ただ、ここにメイティさんが来た理由が分からないので、いきなり頼む事は出来ない。なので、予定から訊いた。
「ん? うん。大丈夫だよ」
「本当ですか? 何か予定があって、ここに来た訳では?」
「ううん。ここにハクちゃんがよくいるって、アクアやアカリちゃんから聞いたから、ちょっと見に来たって感じ」
「私に用事って事ですか?」
「ううん。暇だったから」
メイティさんは、暇つぶしに私捜しをしていたみたい。それの何が楽しいのか、全く分からないけど、まぁ、見つかった良かったかな。
「それじゃあ、お願いがあるんですけど、私に神聖魔法を使って欲しいんです」
「嫌だけど……?」
唐突なお願いに、メイティさんは困惑しながら拒否した。そりゃ、私の事を傷つけるという事だから、メイティさんからしたら嫌なのかもしれない。アカリと同じ感じかな。
「あっ、えっと、検証がしたくて……」
「……どういう検証かによるかな」
検証の言葉を出したら、そういう返事をくれた。メイティさんも伊達にゲームをやっているわけではない。スキル検証と言われれば、それがある程度重要度の高い事だと認識してくれている。
「今から、私が毒血を飲むので、神聖魔法で解毒してくれませんか?」
「解毒の魔法で、ハクちゃんにダメージが入るかって事?」
「はい。神聖魔法の効果を反転しているのか、神聖魔法に付属するであろう聖属性に身体が反応しているのか、ただ単純にHP回復を反転しているだけなのかって感じです」
私は、自分で考えられる三つの仮設を、メイティさんに聞かせる。先に知りたい事を言っておけば、メイティさんも検証の許可をくれる可能性が高くなるはずと考えたからだ。
「う~ん……確かに、これから先の事で必要になるかもしれないし、そこの確認はしておいた方が良いかもね。良いよ」
メイティさんから許可も頂いたところで、パーティーを組み、毒血を飲む。毒の状態異常マークが出る。それを確認したメイティさんが、杖を握る。
「【アンチポイズン】」
私の身体を緑色の光に包まれる。毒の状態異常が消えた事で、しっかりと効果を発揮している事が分かる。
「痛っ……」
HPは減っていないけど、身体の内側をチクチクとした感覚が襲ってきた。HPが減っていない理由に関しては、あの時と違って、パーティーを組んでいるからと予想出来る。つまり、パーティーを組んでいなければ、ダメージを受けていたと考えられる。
「大丈夫!?」
メイティさんが駆け寄って、抱きしめてくる。少しでも、気が紛れるようにしてくれているみたい。アク姉程じゃないけど、柔らかい感触がする。それのおかげで気が紛れるという事はないけど、寄り掛かって良いのは、ちょっと楽になるので有り難い。
「大丈夫です。回復とは違った痛みですね。でも、これで分かりました」
「ハクちゃんの身体は、現状聖属性が付加されているものに対してダメージを受けるようになっているって事だね。でも、それだと疑問が残るね」
「疑問ですか?」
私は、メイティさんが抱いた疑問が分からなかった。私が、見逃しているところがありそうだ。
「【アンチポイズン】の効果の解毒は効いている。だから、毒状態も解除された。ここまでは、今の検証で分かった事」
「はい」
「でも、イベントの時に【ヒール】を使った時を思い出してくれる?」
「……あっ!」
メイティさんに言われて、私も思い至った。あの時、【ヒール】を受けても、私のHPは回復せずダメージを受けただけだった。聖属性にだけ反応して、通常の効果は受け付けるのであれば、回復してからダメージを受けているはず。でも、実際にはそうなっていない。
状態異常回復魔法は、私自身というより、私の中にある異物の排除をしているから、効果があるって感じかな。
HPの減少を、身体の損傷と考えると、私の身体そのものを元に戻そうとしていると考えられるから、そこで状態異常回復とHP回復は区別されているのかもしれない。
病気を治すか怪我を治すかって考えれば、もっと分かりやすいかな。
「このことから、聖属性と回復魔法は、別々って考えた方が良いと思うよ」
「つまり、私は、回復魔法を受け付けないって事ですか?」
「多分ね。こればかりは、検証のしようがないから、確証はないけど」
もうメイティさんのスキルは【神聖魔法才能】に進化している。だから、ただの回復魔法を使う事が出来ない。ここら辺の不便さは、本当にゲームらしい不便さだ。これに関しては特に文句はない。
「でも、有意義な事が分かって良かったです。これからも、神聖魔法は受けないように気を付けます」
「うん。私も、ハクちゃんに神聖魔法は使わないようにしないとね。そう考えると、ハクちゃんと冒険するメリットが、格段に減っちゃうね」
メイティさんは、少し寂しそうにそう言った。確かに、回復魔法が効かなくて、聖属性でダメージを受けるということは、回復職であるメイティさんとパーティーを組む利点が、ほぼなくなってしまう。
「別に、メリットがなくても、メイティさんなら一緒に遊びますよ。私が嫌なのは、知らない人とかに詰め寄られる事とかなので」
正直、メリットを重視するなら、誰かと固定パーティーを組んでいる。その方が、冒険もしやすいから。それでも、ソロをするのは、私の好みの問題だ。
そして、友人と一緒に冒険に行くのに、メリットだけを考えるような事はしない。楽しければ、それで良い。
「ハクちゃんは、やっぱり良い子だね」
メイティさんに、また頭を撫でられる。アク姉やフレ姉とは違う撫で方なので、やっぱり新鮮に感じる。
「アカリエに……は、さすがに入り浸り過ぎか」
毎回暇になったり、息抜きをするためにアカリエに行ってしまっている。アカリには、アカリの作業とかもあるので、毎回入り浸るのはやめた方が良い。まぁ、今更って感じがしなくもないけど。
「ん~……平原でいつものしながら、スキルでも確認しよ」
アカリエ以外に行く場所も、特にないので、平原でスキルレベル上げをする事にした。普段だったら、【吸血鬼】を上げるところだけど、現状は、【血武器】のレベル上げを優先したいので、血のナイフを作って投げるという事を繰り返す事にした。まぁ、相手はホワイトラビットとスライムだから、経験値も少しずつしか稼げないけど。
────────────────────────
ハク:【剣Lv55】【短剣Lv48】【双剣Lv31】【格闘Lv43】【拳Lv25】【蹴りLv40】【投げLv16】【魔法才能Lv40】【支援魔法才能Lv40】【吸血鬼Lv60】【血装術Lv35】【血武器Lv18】【執行者Lv47】【豪腕Lv30】【感知Lv15】
控え:【HP強化Lv44】【物理攻撃強化Lv42】【神脚Lv15】【運強化Lv37】【毒耐性Lv18】【麻痺耐性Lv6】【呪い耐性Lv1】【沈黙耐性Lv1】【暗闇耐性Lv1】【怒り耐性Lv5】【眠り耐性Lv1】【混乱耐性Lv1】【消化促進Lv35】【竜血Lv12】【夜霧Lv15】【登山Lv6】【言語学Lv10】
SP:133
────────────────────────
スキルを見てみたら、【毒耐性】が、かなり上がっていた。その理由は、ヴェノムアナコンダとデザートスコーピオンだ。あの二体の毒を食らったせい、あるいはおかげで、かなり育った感じかな。最後のデザートスコーピオンの攻撃は、猛毒にまで発展していたし。
「【竜血】で、毒が効かなくなっていれば良かったのに」
こればかりは言っても仕方ない。毒対策は、私自身で出来るものは、もうやっているので、後はアクセサリーとかで耐性系の追加効果を探すくらいしかない。でも、アクセサリーに関しては、そういった耐性系のものは付ける気はない。【温暖耐性】と【寒冷耐性】に関しては、スキルとしてないから付けているけど、状態異常耐性系は、スキルで取っているので、アクセサリーには、追加効果でしか得られないものを付けておきたいからだ。
「【拳】の成長が遅い……これも成長させないと、【武闘術】に統合出来ないはずだから、こっちも育てないと」
「こんなところで、レベル上げ?」
「!?」
いきなり背後から声を掛けられたので、跳び上がってしまった。サッと背後に振り向くと、そこにはメイティさんが立っていた。
「メイティさん?」
「うん。見ての通り、メイティだよ」
メイティさんは、優しく微笑みながら、頭を撫でてきた。私は、大人しく受け入れる。
「ここでレベル上げしても、そこまで効率は良くないと思うけど……」
「あっ、デスペナ中なので」
「あ~、なるほどね。でも、誰に負けちゃったの?」
「デザートスコーピオンです」
私が答えると、メイティさんは納得したように、何度も頷いた。
「分かるよ……って言っても、砂漠で死に戻りはした事ないけどね。時々複数湧きしてくると厄介な事この上ないモンスターになるから、気を付けてね」
「ちょうど、その複数湧きに遭遇しました。しかも、初見で……」
「あっ……」
メイティさんが言葉を失う程運が悪かったという事だろう。複数湧きは珍しい方と考えて良いかもしれない。
「もしあれだったら、一緒に行く? 私がいたら、かなり楽になると思うけど……って、そうだった。ハクちゃんは、神聖魔法がダメージになっちゃうんだったね」
メイティさんが同行を提案してくれたけど、すぐにイベントでの出来事を思い出したみたい。私に対して、神聖魔法はダメージに変換されてしまう。だから、回復とかで援護しに来てくれても、逆に追い詰める要素にしかならない。
「そうですね。神聖魔法に、完全な耐性を得れば大丈夫そうですけど、さすがに、そこまでは無理だと思います。あっ、そうだ。メイティさんって、今から時間ありますか?」
神聖魔法と聞いて、一つやりたいことを思い付いた。ただ、ここにメイティさんが来た理由が分からないので、いきなり頼む事は出来ない。なので、予定から訊いた。
「ん? うん。大丈夫だよ」
「本当ですか? 何か予定があって、ここに来た訳では?」
「ううん。ここにハクちゃんがよくいるって、アクアやアカリちゃんから聞いたから、ちょっと見に来たって感じ」
「私に用事って事ですか?」
「ううん。暇だったから」
メイティさんは、暇つぶしに私捜しをしていたみたい。それの何が楽しいのか、全く分からないけど、まぁ、見つかった良かったかな。
「それじゃあ、お願いがあるんですけど、私に神聖魔法を使って欲しいんです」
「嫌だけど……?」
唐突なお願いに、メイティさんは困惑しながら拒否した。そりゃ、私の事を傷つけるという事だから、メイティさんからしたら嫌なのかもしれない。アカリと同じ感じかな。
「あっ、えっと、検証がしたくて……」
「……どういう検証かによるかな」
検証の言葉を出したら、そういう返事をくれた。メイティさんも伊達にゲームをやっているわけではない。スキル検証と言われれば、それがある程度重要度の高い事だと認識してくれている。
「今から、私が毒血を飲むので、神聖魔法で解毒してくれませんか?」
「解毒の魔法で、ハクちゃんにダメージが入るかって事?」
「はい。神聖魔法の効果を反転しているのか、神聖魔法に付属するであろう聖属性に身体が反応しているのか、ただ単純にHP回復を反転しているだけなのかって感じです」
私は、自分で考えられる三つの仮設を、メイティさんに聞かせる。先に知りたい事を言っておけば、メイティさんも検証の許可をくれる可能性が高くなるはずと考えたからだ。
「う~ん……確かに、これから先の事で必要になるかもしれないし、そこの確認はしておいた方が良いかもね。良いよ」
メイティさんから許可も頂いたところで、パーティーを組み、毒血を飲む。毒の状態異常マークが出る。それを確認したメイティさんが、杖を握る。
「【アンチポイズン】」
私の身体を緑色の光に包まれる。毒の状態異常が消えた事で、しっかりと効果を発揮している事が分かる。
「痛っ……」
HPは減っていないけど、身体の内側をチクチクとした感覚が襲ってきた。HPが減っていない理由に関しては、あの時と違って、パーティーを組んでいるからと予想出来る。つまり、パーティーを組んでいなければ、ダメージを受けていたと考えられる。
「大丈夫!?」
メイティさんが駆け寄って、抱きしめてくる。少しでも、気が紛れるようにしてくれているみたい。アク姉程じゃないけど、柔らかい感触がする。それのおかげで気が紛れるという事はないけど、寄り掛かって良いのは、ちょっと楽になるので有り難い。
「大丈夫です。回復とは違った痛みですね。でも、これで分かりました」
「ハクちゃんの身体は、現状聖属性が付加されているものに対してダメージを受けるようになっているって事だね。でも、それだと疑問が残るね」
「疑問ですか?」
私は、メイティさんが抱いた疑問が分からなかった。私が、見逃しているところがありそうだ。
「【アンチポイズン】の効果の解毒は効いている。だから、毒状態も解除された。ここまでは、今の検証で分かった事」
「はい」
「でも、イベントの時に【ヒール】を使った時を思い出してくれる?」
「……あっ!」
メイティさんに言われて、私も思い至った。あの時、【ヒール】を受けても、私のHPは回復せずダメージを受けただけだった。聖属性にだけ反応して、通常の効果は受け付けるのであれば、回復してからダメージを受けているはず。でも、実際にはそうなっていない。
状態異常回復魔法は、私自身というより、私の中にある異物の排除をしているから、効果があるって感じかな。
HPの減少を、身体の損傷と考えると、私の身体そのものを元に戻そうとしていると考えられるから、そこで状態異常回復とHP回復は区別されているのかもしれない。
病気を治すか怪我を治すかって考えれば、もっと分かりやすいかな。
「このことから、聖属性と回復魔法は、別々って考えた方が良いと思うよ」
「つまり、私は、回復魔法を受け付けないって事ですか?」
「多分ね。こればかりは、検証のしようがないから、確証はないけど」
もうメイティさんのスキルは【神聖魔法才能】に進化している。だから、ただの回復魔法を使う事が出来ない。ここら辺の不便さは、本当にゲームらしい不便さだ。これに関しては特に文句はない。
「でも、有意義な事が分かって良かったです。これからも、神聖魔法は受けないように気を付けます」
「うん。私も、ハクちゃんに神聖魔法は使わないようにしないとね。そう考えると、ハクちゃんと冒険するメリットが、格段に減っちゃうね」
メイティさんは、少し寂しそうにそう言った。確かに、回復魔法が効かなくて、聖属性でダメージを受けるということは、回復職であるメイティさんとパーティーを組む利点が、ほぼなくなってしまう。
「別に、メリットがなくても、メイティさんなら一緒に遊びますよ。私が嫌なのは、知らない人とかに詰め寄られる事とかなので」
正直、メリットを重視するなら、誰かと固定パーティーを組んでいる。その方が、冒険もしやすいから。それでも、ソロをするのは、私の好みの問題だ。
そして、友人と一緒に冒険に行くのに、メリットだけを考えるような事はしない。楽しければ、それで良い。
「ハクちゃんは、やっぱり良い子だね」
メイティさんに、また頭を撫でられる。アク姉やフレ姉とは違う撫で方なので、やっぱり新鮮に感じる。
12
お気に入りに追加
164
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
Alliance Possibility On-line~ロマンプレイのプレーヤーが多すぎる中で、普通にプレイしてたら最強になっていた~
百々 五十六
ファンタジー
極振りしてみたり、弱いとされている職やスキルを使ったり、あえてわき道にそれるプレイをするなど、一見、非効率的なプレイをして、ゲーム内で最強になるような作品が流行りすぎてしまったため、ゲームでみんな変なプレイ、ロマンプレイをするようになってしまった。
この世界初のフルダイブVRMMORPGである『Alliance Possibility On-line』でも皆ロマンを追いたがる。
憧れの、個性あふれるプレイ、一見非効率なプレイ、変なプレイを皆がしだした。
そんな中、実直に地道に普通なプレイをする少年のプレイヤーがいた。
名前は、早乙女 久。
プレイヤー名は オクツ。
運営が想定しているような、正しい順路で少しずつ強くなる彼は、非効率的なプレイをしていくプレイヤーたちを置き去っていく。
何か特別な力も、特別な出会いもないまま進む彼は、回り道なんかよりもよっぽど効率良く先頭をひた走る。
初討伐特典や、先行特典という、優位性を崩さず実直にプレイする彼は、ちゃんと強くなるし、ちゃんと話題になっていく。
ロマンばかり追い求めたプレイヤーの中で”普通”な彼が、目立っていく、新感覚VRMMO物語。
アルゲートオンライン~侍が参る異世界道中~
桐野 紡
SF
高校生の稜威高志(いづ・たかし)は、気づくとプレイしていたVRMMO、アルゲートオンラインに似た世界に飛ばされていた。彼が遊んでいたジョブ、侍の格好をして。異世界で生きることに決めた主人公が家族になったエルフ、ペットの狼、女剣士と冒険したり、現代知識による発明をしながら、異世界を放浪するお話です。
Bless for Travel ~病弱ゲーマーはVRMMOで無双する~
NotWay
SF
20xx年、世に数多くのゲームが排出され数多くの名作が見つかる。しかしどれほどの名作が出ても未だに名作VRMMOは発表されていなかった。
「父さんな、ゲーム作ってみたんだ」
完全没入型VRMMOの発表に世界中は訝、それよりも大きく期待を寄せた。専用ハードの少数販売、そして抽選式のβテストの両方が叶った幸運なプレイヤーはゲームに入り……いずれもが夜明けまでプレイをやめることはなかった。
「第二の現実だ」とまで言わしめた世界。
Bless for Travel
そんな世界に降り立った開発者の息子は……病弱だった。
後輩と一緒にVRMMO!~弓使いとして精一杯楽しむわ~
夜桜てる
SF
世界初の五感完全没入型VRゲームハードであるFUTURO発売から早二年。
多くの人々の希望を受け、遂に発売された世界初のVRMMO『Never Dream Online』
一人の男子高校生である朝倉奈月は、後輩でありβ版参加勢である梨原実夜と共にNDOを始める。
主人公が後輩女子とイチャイチャしつつも、とにかくVRゲームを楽しみ尽くす!!
小説家になろうからの転載です。
【野生の暴君が現れた!】忍者令嬢はファンタジーVRMMOで無双する【慈悲はない】《殺戮のパイルバンカー》
オモチモチモチモチモチオモチ
SF
昔は政府の諜報機関を司っていた名家に生まれ、お嬢様として育った風間奏音(かざまかのん)はしかし、充実感の無い日常に苛立ちを覚えていた。
そんなある日、高校で再会した幼馴染に気分転換にとVRMMOゲームを勧められる。この誘いが、後に世界一有名で、世界一恐れられる"最恐"プレイヤーを世に生み出す事となった。
奏音はゲームを通して抑圧されていた自分の本音に気がつき、その心と向き合い始める。
彼女の行動はやがて周囲へ知れ渡り「1人だけ無双ゲームやってる人」「妖怪頭潰し」「PKの権化」「勝利への執念が反則」と言われて有名になっていく。
恐怖の料理で周囲を戦慄させたり、裏でPKクランを運営して悪逆の限りを尽くしたり、レイドイベントで全体指揮をとったり、楽しく爽快にゲームをプレイ!
《Inequality And Fair》公平で不平等と銘打たれた電脳の世界で、風間奏音改め、アニー・キャノンの活躍が始まる!
VRMMOでスナイパーやってます
nanaさん
SF
ーーーーーーーーーーーーーーーー
私の名は キリュー
Brave Soul online というVRMMOにてスナイパーをやっている
スナイパーという事で勿論ぼっちだ
だが私は別にそれを気にしてはいない!
何故なら私は一人で好きな事を好きにやるのが趣味だからだ!
その趣味というのがこれ 狙撃である
スキルで隠れ敵を察知し技術で当てる
狙うは頭か核のどちらか
私はこのゲームを始めてから数ヶ月でこのプレイスタイルになった
狙撃中はターゲットが来るまで暇なので本とかを読んでは居るが最近は配信とやらも始めた
だがやはりこんな狙撃待ちの配信を見る人は居ないだろう
そう思っていたが...
これは周りのレベルと自分のレベルの差を理解してない主人公と配信に出現する奇妙な視聴者達 掲示板の民 現実での繋がり等がこのゲームの世界に混沌をもたらす話であり 現実世界で過去と向き合い新たな人生(堕落した生活)を過ごしていく物語である
尚 偶に明らかにスナイパーがするような行為でない事を頻繁にしているが彼女は本当にスナイパーなのだろうか...
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる