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吸血少女と進展?

ちょっとした結果発表

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 視界が戻ってくると、いつものファーストタウンの広場に戻ってきていた。すぐに、アカリも転移してくる。パーティー毎に転移をさせられているみたい。その方が、合流出来ないトラブルとかが起きにくくなるからかな。

「ふぅ……ハクちゃん、お疲れ様」

 アカリは、軽く身体を伸ばしながら労ってくれた。だから、こちらも労い返す。

「うん。お疲れ。ここで、待っていれば良いのかな?」
「どうだろう? メッセージで知らせてくれるみたいだし、離れても大丈夫じゃないかな」
「それじゃあ、アカリエに行かない? 多分、ここは人でごった返すだろうし」
「ハクちゃん、人混み嫌いだもんね。行こうか」

 私が移動を提案した理由を、アカリは即行で当てた。ここから、イベントに参加した全プレイヤーが戻ってくると考えたら、ここから離れたいという気持ちになった。
 私とアカリは、アカリエに移動する。一応、アク姉とフレ姉にもアカリエに行くから、広場にいないという旨をメッセージで伝えておく。私達がいないので、広場で探していたら申し訳ないし。二人から了解という返事を貰ったので、一安心だ。
 アカリエに着いて、裏に入ってソファ衣に並んで座ったと同時に、メッセージが飛んできた。

『イベントにご参加頂きありがとうございました。イベント終了に際しまして、今回の結果をお知らせ致します。今回のイベントにおいて設定された二種類の最終地点に到達したパーティーは、五。洞窟の最奥に到達したパーティーは、五。霊峰の頂上に到達したパーティーは、十二となりました。内、最小人数で攻略したのは、一パーティー一名となりました。最後に、ご参加頂いた皆様にアンケートのご協力をお願いします。頂いた回答は、次回イベント時の参考にさせて頂きます。何卒よろしくお願いします』

 このメッセージを受けて、私とアカリはアンケートに答えた。その間の五分は、二人とも無言になる。
 答え終えた私は、ソファに寄り掛かる。アカリの方も答え終えたみたいで、私に寄り掛かった。

「私達とランサスさんの四パーティーと後一パーティーというか一人がいるみたい」
「これって、両方突破したパーティーの中で、最少人数って事なの!?」
「そうじゃないの? 私は、そう思ったけど。アカリ的には、頂上の方がって思ったって事?」
「うん。だって、霊峰の支配竜を、一人で倒すなんて無茶もいいところでしょ?」

 確かに、アカリの言う事は最もだ。レイドボスを単身で倒すなんて、正気の沙汰じゃない。

「でも、どのみち一パーティーでクリアした人達はいるって事じゃん? だから、そこに当てはまるんじゃないかなって、私は思った」
「えぇ~……どうなんだろう? そこが分かりにくいね。アンケートに書けば良かった」
「まぁ、今言っても仕方ない事だよ」

 アンケート出した後に言っても、全く意味がない。改善させたければ、もっと早く気付くべきだった。

「それにしても、ソロで参加するなんて、ハクちゃん並みに無謀だね」
「まぁ、参加してみて、私もソロは無謀だったなって思い知ったよ。というか、二人でも無謀だったけど」

 上級エリアには、最低でも一パーティーがいないと、私達と同じ目に遭っていた可能性が高いはず。フレ姉達っていう強力な仲間がいたから、私達は、甘い蜜を吸えただけだ。

「後は、探索率か」
「私達は、ほぼまっすぐに進んでいったから、結構パーセンテージが低いね」

 メッセージの他に、イベント会場のマップも貰えて、そこには自分達が探索した場所とパーセンテージが書かれている。私達は、9%と書かれていた。森をほぼ直線で抜けて、霊峰を登って、洞窟を探索しただけなので、マップ全てで考えるとそのくらいしか回れていないらしい。

「他のマップは黒いままだし、また同じマップでイベントをやるつもりはありそうかな」
「そうだね。その時は、またパーティー組んでね」
「分かってるよ。一人じゃ無理だろうしね」

 私達は、互いに笑い合う。そこで、ふと思い出した事があった。

「そうだ。竜の素材で何か作れる?」
「う~ん……防具よりも武器の方が適していると思うよ。ラングさんに相談してみた方が良いと思う」
「そうなんだ。じゃあ、そうしようかな。でも、こっちはいるでしょ」

 私はそう言って、トレード画面を出して、ブラックレオパルドの素材を大量に送った。

「うん! これは欲しい! ありがとう!」

 アカリは、しっかりと素材分の料金を払ってくれた。普通は、ポンと出せる額じゃないと思うけど、そこは売れっ子生産職なので、貯金がたんまりあるみたい。

「う~ん……寝る時はしっかりと寝ていたけど、結構疲れたなぁ」
「言ったら、三日間の旅行みたいなものだったもんね」
「こんな旅行疲れは嫌だけど……まぁ、それでも、二時間しか経ってないんだから、技術の進歩は凄いね」
「昔のゲームには無かったもんね。そういえば、ハクちゃんは、これからどうする?」
「今日はログアウトして、ログインはしないかな。連休は、後四日もあるしね」

 まだ連休は前半だ。後半に四日間も残っている事を考えると、態々徹夜する事もない。疲れているのは本当だし、さっさと寝るに限る。

「分かった。それじゃあ、ハクちゃん用の砂漠アクセサリーを作っておくね。そろそろ行くでしょ?」
「そうだね。そろそろ熱帯の探索も進めて、ボスを倒したいし、連休中には行きたいかも」
「頑張ってね」
「うん。それじゃあ、今日はお疲れ様。またね」
「うん。お疲れ様。またね」

 アカリと手を振って別れてから、広場でログアウトする。
 現実に戻って、二時間の間で三日も過ごしたという事を改めて実感しながら過ごした。そんな特別な日も終わり。明日からは、普通のエリアで、いつもの日々が戻ってくる。
 それでも、退屈な日々ではないのは、今からでも分かりきっていた。まだまだこのゲームは、長く楽しめそうだ。
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