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吸血少女の歩む道
アカリに報告
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前と同じように裏に通されると、すぐにアカリが迎えてくれた。その後ろにフレ姉もいる。少しアカリエにいるって話だったけど、多分アカリがログアウトするまで見守ってくれるつもりだったと思う。
私が入ったら、すぐにアカリが抱きしめてくれた。
「ハクちゃん、大丈夫?」
「さっきも言ったけど、大丈夫だよ」
「本当に良かった……」
私を抱きしめるアカリの力が強まる。こうしたトラブルは、結構珍しいので、アカリも大丈夫と言われていても心配で仕方なかったのかも。そう考えると、すぐにアカリエに着てあげた方が良かったかな。
ちょっとでも安心して貰うために、私もアカリを抱きしめて背中を撫でておく。
「フレ姉もありがとうね」
「おう。アクアが何とかしてくれたみてぇだな。手の空いている奴に情報収集を頼んだが、現状問題は無さそうだ。アカリエにも迷惑客は来てねぇ」
「良かった。この感じなら、BANになった人達は来なさそうだね」
「そうだな。後は、現実の方の掲示板も見てみる必要はあるかもな。そっちは、私達でやるから、ハク達はもう気にしねぇで良いぞ。二人は、気ままにゲームを楽しめ。そんじゃあ、夕食までにはログアウトしろよ」
「うん」
「はい。来てくれてありがとうございました」
フレ姉は、笑いながら私達の頭を少し乱暴に撫でると、アカリエを出て行った。
「さてと、そういえばアカリに訊きたい事があったんだよね」
「何?」
私達は、対面に置かれている椅子に座った。いつまでも立ったまま話すのも脚が辛いからね。
「ドロップで泥とかあるけどさ。あれって、結局何に使ってるの?」
「今のところだけど、特に使い道はないよ。魂とかは、インゴットに打ち込む事が出来るみたい。死霊のインゴットってアイテムになるよ。まぁ、使うと呪いって状態異常を常に纏うから使い物にならないけどね」
「呪いって、どんな感じ?」
「常にMPを消費し続ける状態異常だよ。魔法使いには、かなりの痛手かな。【回復魔法才能】で解呪の魔法を覚えるし、聖なる十字架ってアイテムでも解呪出来るよ」
アカリの話を聞いて、状態異常に対するものを全く持っていない事に気が付いた。湿地帯には、マッドフロッグの毒攻撃もあるので、持っておいた方が良いかもしれない。
「アイテムって、どこで買える?」
「そりゃ、道具屋……って、そうか。ハクちゃんは、血で回復出来るから、回復薬を買う必要がないのか。良いなぁ。モンスター倒せば、ほぼ必ず手に入る回復薬じゃん」
「毎回みず姉特製料理を飲むのとどっちが良い?」
「薬の味が良いかな……」
アカリは、申し訳なさそうにそう言った。みず姉が作った料理の凄まじさ知っているので、さすがに耐えきれないと思ったみたい。てか、普通の回復薬が薬の味がするって事を初めて知った気がする。使った事があったか覚えていないくらい血で回復していた気がする。
「後で、毒消しとか買おうかな」
「血の種類とかで、効果が違うとかないの?」
「もしそうだったら、どんだけ血に拘ったゲームなのさ……」
「でも、あり得そうでしょ?」
「まぁね」
血の種類で、回復出来る種類が変わるのであれば、色々な種類の血を持っておいた方が良くなる。血のコレクターみたいになりそう。
「自分から状態異常になって、確かめないといけないのは面倒くさいなぁ」
「だね。でも、どのモンスターか忘れたけど、毒血っていうのがあったよ」
「……毒血か。蛇系かな? 飲んで毒になるとかは嫌だなぁ」
「逆に毒消しになるかもよ」
「それは面白いかも。私の身体がおかしいって感じだけど」
「吸血鬼になったんだし、私達とは違うよね」
何となくむかついたので、アカリの頬を摘まむ。無言の訴えのつもりだったけど、アカリは嬉しそうにしている。そして、お返しとばかりに、こっちの頬を摘まんでくる。
「ハクちゃんって、呆れる事ばかりするけど可愛いよね」
「急にどうしたの? 馬鹿にするのか褒めるのかどっちかにしてくれる?」
「じゃあ、呆れる」
「褒めろ!」
アカリの頬を両手で包んで潰す。唇を突き出してタコみたいになっているので、面白い顔になっている。
「アカリも普通なら可愛いのにね」
「私は、普通に可愛い幼馴染みだからね」
「私だって、可愛い幼馴染みだし」
「うんうん。じゃあ、今日家に来る? 良い衣装が出来たから、着て欲しいなぁ。前の衣装も改良したし」
「話が九十度変わってるけど……まぁ、お母さんから許可が出たらね。明日学校だし」
「私の家から行く?」
「……それも含めてお母さんと相談してみるよ。お泊まりって事でしょ?」
「うん! お泊まりなら沢山着られるからね!」
もう既にアカリの中ではお泊まり確定のようだ。まぁ、お母さんの事だから、許可してくれると思うけど。そのくらいには、互いの家の仲は良い。
「それじゃあ、ログアウトしてお母さんに確認してくるね!」
「分かった。私も広場でログアウトしてくるから、連絡して」
「了解!」
アカリはにっこにこの笑顔で頷くと、すぐにログアウトした。私もお母さんに確認しないといけないので、アカリエを出て、広場からログアウトした。
────────────────────────
自分の部屋からリビングに移動する。
「お母さん、光の家に泊まりに行って良い?」
「向こうのお家は?」
「えっと……許可出たって」
「じゃあ、良いけど、向こうから学校に行くの?」
「うん。明日は、説明とかで終わるみたいだし。買う教科書も明日分かるみたい。プリント渡したよね?」
「そういえばそうだったわね。それじゃあ、制服忘れないようにしなさい」
「は~い」
光の家に行く準備をしていると、かー姉から電話が掛かってきた。
「もしもし」
『おっ、こっちにいたか。運営からの知らせは見たか?』
「ううん。どこで見るの?」
『ホームページでも、ログインした後にお知らせ欄でも見られるぞ。こっちなら、ホームページだな』
私は、ノートパソコンを開いて、ホームページを見る。
『本日。迷惑行為を繰り返していたプレイヤーのアカウントを永久凍結しました。今後も度を超した迷惑行為をするプレイヤーに対しては、同様の措置を執ります。ゲームのルールとモラルに則ったプレイをお願いします』
ちゃんと運営からもBANの報告が来ていた。黙ってBANしておくよりも、印象は良いかもしれない。
「見たよ。BANの報告だった」
『そこら辺は、しっかりと対応と報告をする運営みたいだ。もし、また同じような奴が来たら、同じように通報しておけ。お前達の身の安全が第一だからな』
「うん。分かった。今日、光の家に泊まるから、光にも伝えておく」
『ああ。後は、掲示板の方だが、BANの報告があって少し慌ただしくなっている感じがあるな。しばらくは、PKも減りそうだ。そこら辺は気にするな。後、アカリエの方だが、念のためしばらくは気にしておく。白は、あまり気にしないでも大丈夫だ。自由に遊んでろ』
「本当に?」
『ああ。こういうところは、大人に任せておけ。水波もさりげなく見に行くだろうからな。光には黙っておいてくれ。あいつは、そういう事を気にするからな』
「オッケー」
『そんじゃあな』
「うん。またね」
かー姉と通話を切って、準備を終わらせる。
「お母さん! いってきま~す!」
「は~い。いってらっしゃい」
お母さんに見送られて、家を出た私は光の家に向かった。光の家は、結構近所なので十分も掛からずに着く。インターホンを押す直前に玄関が開く。
「いらっしゃい!」
出て来たのは茶髪をツインテールにした光だった。ゲームだと金髪のエルフなので、印象ががらりと変わる。可愛いのは変わらないけど。
「また二階から覗いてたの?」
「うん。早く会いたかったから」
「早く服を着せたかったの間違いでしょ……」
「それもある! お母さん! 白ちゃん来たよ!」
「はいはい。白ちゃん、いらっしゃい。ごめんね。この子の我が儘で」
「いえ、お世話になります」
光のお母さんに挨拶をした後、すぐに光の部屋に行く事になった。そして、光の作った様々な服を着せられた。無難な服はなく、ゴスロリなどどこか尖ったような服が多い。それ用の化粧まで考えているのだから、光のセンスは良いのだと思う。全部私専用っていうのがあれだけど。
夕飯とお風呂を済ませた後も着せ替えは続いた。お風呂入った後という事もあって、お化粧はなかったけど、沢山着替えたから疲れる。ゲームもやっているのに、どこにそんな時間があるのか疑問過ぎる。日付が変わる前に終わり、用意された布団で寝た。
明日からは学校があるので、早くからログインは出来ないけど、夜に少しだけログインして、ボス巡りと湿地帯や平原でのスキルレベル上げくらいは出来るかな。
私が入ったら、すぐにアカリが抱きしめてくれた。
「ハクちゃん、大丈夫?」
「さっきも言ったけど、大丈夫だよ」
「本当に良かった……」
私を抱きしめるアカリの力が強まる。こうしたトラブルは、結構珍しいので、アカリも大丈夫と言われていても心配で仕方なかったのかも。そう考えると、すぐにアカリエに着てあげた方が良かったかな。
ちょっとでも安心して貰うために、私もアカリを抱きしめて背中を撫でておく。
「フレ姉もありがとうね」
「おう。アクアが何とかしてくれたみてぇだな。手の空いている奴に情報収集を頼んだが、現状問題は無さそうだ。アカリエにも迷惑客は来てねぇ」
「良かった。この感じなら、BANになった人達は来なさそうだね」
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「うん」
「はい。来てくれてありがとうございました」
フレ姉は、笑いながら私達の頭を少し乱暴に撫でると、アカリエを出て行った。
「さてと、そういえばアカリに訊きたい事があったんだよね」
「何?」
私達は、対面に置かれている椅子に座った。いつまでも立ったまま話すのも脚が辛いからね。
「ドロップで泥とかあるけどさ。あれって、結局何に使ってるの?」
「今のところだけど、特に使い道はないよ。魂とかは、インゴットに打ち込む事が出来るみたい。死霊のインゴットってアイテムになるよ。まぁ、使うと呪いって状態異常を常に纏うから使い物にならないけどね」
「呪いって、どんな感じ?」
「常にMPを消費し続ける状態異常だよ。魔法使いには、かなりの痛手かな。【回復魔法才能】で解呪の魔法を覚えるし、聖なる十字架ってアイテムでも解呪出来るよ」
アカリの話を聞いて、状態異常に対するものを全く持っていない事に気が付いた。湿地帯には、マッドフロッグの毒攻撃もあるので、持っておいた方が良いかもしれない。
「アイテムって、どこで買える?」
「そりゃ、道具屋……って、そうか。ハクちゃんは、血で回復出来るから、回復薬を買う必要がないのか。良いなぁ。モンスター倒せば、ほぼ必ず手に入る回復薬じゃん」
「毎回みず姉特製料理を飲むのとどっちが良い?」
「薬の味が良いかな……」
アカリは、申し訳なさそうにそう言った。みず姉が作った料理の凄まじさ知っているので、さすがに耐えきれないと思ったみたい。てか、普通の回復薬が薬の味がするって事を初めて知った気がする。使った事があったか覚えていないくらい血で回復していた気がする。
「後で、毒消しとか買おうかな」
「血の種類とかで、効果が違うとかないの?」
「もしそうだったら、どんだけ血に拘ったゲームなのさ……」
「でも、あり得そうでしょ?」
「まぁね」
血の種類で、回復出来る種類が変わるのであれば、色々な種類の血を持っておいた方が良くなる。血のコレクターみたいになりそう。
「自分から状態異常になって、確かめないといけないのは面倒くさいなぁ」
「だね。でも、どのモンスターか忘れたけど、毒血っていうのがあったよ」
「……毒血か。蛇系かな? 飲んで毒になるとかは嫌だなぁ」
「逆に毒消しになるかもよ」
「それは面白いかも。私の身体がおかしいって感じだけど」
「吸血鬼になったんだし、私達とは違うよね」
何となくむかついたので、アカリの頬を摘まむ。無言の訴えのつもりだったけど、アカリは嬉しそうにしている。そして、お返しとばかりに、こっちの頬を摘まんでくる。
「ハクちゃんって、呆れる事ばかりするけど可愛いよね」
「急にどうしたの? 馬鹿にするのか褒めるのかどっちかにしてくれる?」
「じゃあ、呆れる」
「褒めろ!」
アカリの頬を両手で包んで潰す。唇を突き出してタコみたいになっているので、面白い顔になっている。
「アカリも普通なら可愛いのにね」
「私は、普通に可愛い幼馴染みだからね」
「私だって、可愛い幼馴染みだし」
「うんうん。じゃあ、今日家に来る? 良い衣装が出来たから、着て欲しいなぁ。前の衣装も改良したし」
「話が九十度変わってるけど……まぁ、お母さんから許可が出たらね。明日学校だし」
「私の家から行く?」
「……それも含めてお母さんと相談してみるよ。お泊まりって事でしょ?」
「うん! お泊まりなら沢山着られるからね!」
もう既にアカリの中ではお泊まり確定のようだ。まぁ、お母さんの事だから、許可してくれると思うけど。そのくらいには、互いの家の仲は良い。
「それじゃあ、ログアウトしてお母さんに確認してくるね!」
「分かった。私も広場でログアウトしてくるから、連絡して」
「了解!」
アカリはにっこにこの笑顔で頷くと、すぐにログアウトした。私もお母さんに確認しないといけないので、アカリエを出て、広場からログアウトした。
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自分の部屋からリビングに移動する。
「お母さん、光の家に泊まりに行って良い?」
「向こうのお家は?」
「えっと……許可出たって」
「じゃあ、良いけど、向こうから学校に行くの?」
「うん。明日は、説明とかで終わるみたいだし。買う教科書も明日分かるみたい。プリント渡したよね?」
「そういえばそうだったわね。それじゃあ、制服忘れないようにしなさい」
「は~い」
光の家に行く準備をしていると、かー姉から電話が掛かってきた。
「もしもし」
『おっ、こっちにいたか。運営からの知らせは見たか?』
「ううん。どこで見るの?」
『ホームページでも、ログインした後にお知らせ欄でも見られるぞ。こっちなら、ホームページだな』
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『本日。迷惑行為を繰り返していたプレイヤーのアカウントを永久凍結しました。今後も度を超した迷惑行為をするプレイヤーに対しては、同様の措置を執ります。ゲームのルールとモラルに則ったプレイをお願いします』
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「見たよ。BANの報告だった」
『そこら辺は、しっかりと対応と報告をする運営みたいだ。もし、また同じような奴が来たら、同じように通報しておけ。お前達の身の安全が第一だからな』
「うん。分かった。今日、光の家に泊まるから、光にも伝えておく」
『ああ。後は、掲示板の方だが、BANの報告があって少し慌ただしくなっている感じがあるな。しばらくは、PKも減りそうだ。そこら辺は気にするな。後、アカリエの方だが、念のためしばらくは気にしておく。白は、あまり気にしないでも大丈夫だ。自由に遊んでろ』
「本当に?」
『ああ。こういうところは、大人に任せておけ。水波もさりげなく見に行くだろうからな。光には黙っておいてくれ。あいつは、そういう事を気にするからな』
「オッケー」
『そんじゃあな』
「うん。またね」
かー姉と通話を切って、準備を終わらせる。
「お母さん! いってきま~す!」
「は~い。いってらっしゃい」
お母さんに見送られて、家を出た私は光の家に向かった。光の家は、結構近所なので十分も掛からずに着く。インターホンを押す直前に玄関が開く。
「いらっしゃい!」
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「早く服を着せたかったの間違いでしょ……」
「それもある! お母さん! 白ちゃん来たよ!」
「はいはい。白ちゃん、いらっしゃい。ごめんね。この子の我が儘で」
「いえ、お世話になります」
光のお母さんに挨拶をした後、すぐに光の部屋に行く事になった。そして、光の作った様々な服を着せられた。無難な服はなく、ゴスロリなどどこか尖ったような服が多い。それ用の化粧まで考えているのだから、光のセンスは良いのだと思う。全部私専用っていうのがあれだけど。
夕飯とお風呂を済ませた後も着せ替えは続いた。お風呂入った後という事もあって、お化粧はなかったけど、沢山着替えたから疲れる。ゲームもやっているのに、どこにそんな時間があるのか疑問過ぎる。日付が変わる前に終わり、用意された布団で寝た。
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