吸血少女 設定資料集(おまけ付き)

月輪林檎

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運営のアップデート内容確認

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 ハク達が夏休みに入った頃。運営では、アップデートに関しての最終確認が行われていた。

「ふぅ……色々と調整したけど、本当にこれで良かったのか?」
「まぁ、そういう指示ですから。一部プレイヤーからは、苦情が来るかもしれませんけど」
「って言っても、今回の調整で大きな影響を受けるのは、【吸血】持ちくらいだろ?」
「確かに、不人気スキルですけど、ここの調整は必要ですから」
「まぁ、少しややこしい状態にはなっていたし、ちょうど良いんじゃないかな。そのための補填も考えたわけだし」
「ある意味の優遇ではあるだろうから、納得はしてくれるだろう。元々SPは溜まりやすくなっている訳だしな」
「そういえば、スキル自動生成プログラムの方は順調なのか?」
「順調だな。まぁ、その後の確認作業の方が疲れる」

 スキル自動生成プログラムは、プレイヤー達の行動から、新しいスキルを作るというプログラムだ。ただ、このプログラムは、勝手にワンオンのスキルを追加していくというものではなく、あくまで作るまでのプログラムであり、スキルの内容などは人力で確認してから、追加するかを決定するという事になっている。壊れスキルなどを追加されすぎるとゲームとして破綻してしまうかもしれないからだ。

「ランク5のスキルも増えてきたから、随時追加出来るだろうな」
「ランク5関しては、少しずつの追加で決定しているから焦る必要はない。後は、初心者でも参加しやすいイベントだが、これは、前回の会議でまとまった案で決まった。進めておいてくれ」
「まぁ、妥当と言えば妥当だろうけど、既存プレイヤーの方が楽しめそうな内容じゃないか?」
「あくまで参加出来るというのがミソだ。PvPイベントでは、初心者は参加しにくいからな。特に前回みたいな事になれば……」
『あぁ~……』

 その場にいた社員全員が同じ反応をする。前回イベントであったハクとソル、アクアとフレイの戦闘で多くのプレイヤーが巻き込まれた事を思い出したのだ。あれに遭遇すれば、初心者達は、イベントに積極的に参加しようとは思わないだろう。
 そのための措置として考えられたのが、初心者でも参加しやすいイベントという訳だ。

「まぁ、そういう事だ。取り敢えず、確認はこれくらいで大丈夫そうだな」

 ここでアップデートの最終確認が済み、一部社員を残して、作業に戻っていった。
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