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何も知らない聖女
魔王城に帰ってきた
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クララ達は、また一日掛けて魔王城へと戻ってきた。結局、この移動の間、クララは一睡もしていなかった。ずっと、リリンやサーファと話して過ごしていたので、あまり眠いといった感覚もなかったのだ。
「じゃあ、私はここで失礼するね」
馬車を降りるなり、サーファがそう言って手を振った。宿舎に行くサーファと魔王城に行くクララ達とでは、道が異なるからだ。
「はい。助けに来てくれてありがとうございました」
「ううん。リリンさんが、教えてくれなかったら、私が来る事なんて出来なかったから。お礼を言うなら、リリンさんだよ」
サーファは、クララの頭を撫でながらそう言った。
「すぐに行動に移してくれたのは、サーファです。サーファへの感謝もおかしくはありませんよ」
「だそうです。なので、ありがとうございました」
クララはそう言って、サーファに抱きつく。クララの方から自発的に抱きつくのは、初めての事だった。いつもは、何もしなくてもサーファの方から抱きついてくるからだ。これは、クララなりの感謝の印だった。
「どういたしまして」
サーファは、クララを力一杯抱きしめると、宿舎の方に向かって行った。時折、クララ達の方を振り返ると、大きく手を振っていた。それに対して、クララも大きく手を振って応えていた。
サーファの姿が見えなくなったところで、クララは、リリンの事を見る。
「では、私達も行きましょう」
「はい」
クララは、リリンに手を引かれて、魔王城の中へと入っていく。そして、向かった先は、自室では無く浴場の方だった。
「部屋に戻らないんですか?」
「一応、濡れタオルで拭ってあるとはいえ、治療の際に血などで汚れていますから。服も洗濯しないといけませんしね」
クララは、そう言われて、自分の身体を見下ろす。肌などに付いた血は、ちゃんと拭ってあるものの、服に染みこんだ血は、ちゃんと抜くことは、出来ていなかった。
クララが着ている服を確認していたリリンは、少しだけ眉を寄せる。
「この分だと、完全に抜くことは難しいかもしれないですね」
「え!? そういえば、この服って、確かカタリナさんの娘さんの服だったんじゃ……」
クララは、一気に青い顔になる。
「大丈夫です。事情が事情ですので、カタリナ様も怒リはしないでしょう」
リリンは、安心させるようにクララの頭を撫でる。
「取りあえず、お洋服を用意して参ります。一人でも入る事は出来ますか?」
リリンがクララに訊くと、クララは途端に不安そうな顔付きになる。こっちに来てから、毎日入っているが、常にリリンが一緒に入っていたので、一人で入った事は一度もない。ましてや、自分で身体を洗った事もなかった。頑張れば、自分で身体を洗うことは出来るだろうが、湯船に入ることは厳しいだろう。
「では、少し待っていてください」
リリンは、クララの微笑みかけながらクララの頬を撫でると、脱衣所を出て、服を取りに向かった。その間、クララは、着ている服を脱いで、杖を片手にどうにか血を取り除けないかと試行錯誤していた。
それを傍から見ると、杖を片手にした少女が、半裸の状態で、汚れた服を前に力んでいるという状態だった。
当然、その姿を見たリリンは怪訝な顔になる。
「どうされたのですか?」
リリンがそう訊いて、ようやくリリンが帰ってきた事に気が付いたクララは、ちょっと恥ずかしそうにする。
「えっと……聖女の力で、汚れをどうにか出来ないかと……」
「出来ましたか?」
リリンは、興味本位に訊いていた。汚れすらも浄化出来るとなれば、聖女の力が及ぶ範囲が分かってくるかもしれないからだ。
「見ての通りです」
リリンの視線が、服の方に向く。クララの力が入った服は、汚れはそのままに神聖な雰囲気を漂わせていた。それは、クララの杖と同じ雰囲気だった。
「本気で力を振り絞ったら、聖別しちゃいました」
「な、なるほど……」
これには、リリンも唖然としていた。服を取って帰ってきたら、汚れた服が神聖化されているのだから、当然だ。
「これが、聖女の本気というところですか……どちらかと言うと、別の現場で見たいものですね」
「私も、こんな風になるなんて思っていなかったので、驚きです。私って、こんな事が出来るんですね」
「聖女の力について、もっと調べて見た方が良いかもしれませんね」
リリンはそんな事を言いつつ、クララの他の服を脱がしていった。自分も服を脱いで、ハンドタオルを片手にクララと浴場に入ろうとすると、クララが杖を握りっぱなしな事に気が付く。
「杖も持っていくのですか?」
「へ? あっ!? 忘れてました!」
クララは、杖を壁に立てかけて、リリンの元に戻る。そして、いつも通りに、リリンがクララの身体を洗い、リリン自身が洗い終わるまで、クララは湯船の縁に腰掛けて脚をお風呂に浸けていた。
そして、リリンが身体を洗い終えると、クララを抱きかかえて一緒に湯船に入っていった。野戦病院での活動で疲れていたクララは、お風呂の温かさで、少し癒やされていた。
身を綺麗にしたクララは、ようやく魔王城に用意されている自分の部屋に戻る事が出来た。
戻ってきたクララは、部屋に備え付けられている椅子に座る。その途端、クララの眼から涙が零れてきた。
クララが攫われた時のまま乱れていたベッドを、軽くメイキングしていたリリンは驚いて、クララの元に向かう。
そして、クララの傍に膝を付いて目線を合わせると、クララの涙を拭う。
「どうしたのですか? どこか痛むのですか?」
リリンは、安心させるような優しい口調でクララに訊く。
「何だか、部屋に戻ってきたら、ずっと張り詰めていた心が、一気に緩んだみたいです」
リリンは、クララにそう言われて思い当たる点がいくつかある事に気が付く。それは、馬車の中と浴場で窺えた。まずは、馬車でずっと起きていた事だ。そもそも連れ去られているときも眠れていないのに、さらに治療で疲れていたにも関わらず、帰りの馬車では、ずっと起きていた。これも、戦場にいたという緊張感によるものだと考えれば、少し納得がいく。
そして、浴場で、リリンに指摘されるまで杖を握ったままだった事もこれに起因していると考えられる。心の中の不安から、自分を守るために杖を頼っていたのだ。
「さすがに、ちょっと怖かったので……」
「……!!」
ここで、リリンは自分が少しだけ考え違いを起こしていた事に気が付いた。
(戦場という環境の緊張感もそうだと思いますが、それ以上に、本当の意味で悪意と害意に満ちた環境にいた事で、恐怖を感じていたんですね。聖女という立場にいさせられたとはいえ、まだ子供と大人の狭間の年齢。恐怖を感じないわけがない)
クララが、恐怖を感じつつもああやって動けていたのは、勇者パーティーと教会での諸々があったからだ。あれによって、恐怖などに対する耐性が、少し高かったのだ。それでも、恐怖を感じていないわけでは無い。
クララは、ずっと心を張り詰めさせることで耐えていたのだ。
リリンは、クララを抱き寄せて、少し持ち上げる。クララの座っていた席に自分で座って膝の上にクララを乗せた。その上で、安心させるように優しく抱きしめる。
(ここが、クララさんにとって、安心出来る場所になったのは、嬉しい事ですね)
リリンは、こうしてクララが魔族領にいても安心出来る場所が出来た事を、少し嬉しく思っていた。そもそも人族領にすら、クララが真の意味で安心出来る場所などないのだ。魔王城が、クララの故郷と同じような場所になりつつあった。
リリンの膝の上に乗せられたクララは、さらに安心感を得ていき、段々と瞼が重くなっていった。そして、リリンに寄りかかりながら、静かに寝息を立て始めた。
「眠ってしまいましたか」
リリンは、クララをベッドに連れて行こうと椅子から立ち上がる。すると、ある事に気が付いた。
クララが、リリンの服をがっしりと掴んでいるのだ。本当にしっかりと掴んでいるので、解くことは出来ない。
リリンは困ったように微笑み、クララをベッドへと連れて行った。
(これは……仕方ないですね)
リリンは、クララと一緒にベッドに入った。二人は、一緒のベッドで眠りにつく。リリンは、クララを起こさない程度に、抱きしめていた。
「じゃあ、私はここで失礼するね」
馬車を降りるなり、サーファがそう言って手を振った。宿舎に行くサーファと魔王城に行くクララ達とでは、道が異なるからだ。
「はい。助けに来てくれてありがとうございました」
「ううん。リリンさんが、教えてくれなかったら、私が来る事なんて出来なかったから。お礼を言うなら、リリンさんだよ」
サーファは、クララの頭を撫でながらそう言った。
「すぐに行動に移してくれたのは、サーファです。サーファへの感謝もおかしくはありませんよ」
「だそうです。なので、ありがとうございました」
クララはそう言って、サーファに抱きつく。クララの方から自発的に抱きつくのは、初めての事だった。いつもは、何もしなくてもサーファの方から抱きついてくるからだ。これは、クララなりの感謝の印だった。
「どういたしまして」
サーファは、クララを力一杯抱きしめると、宿舎の方に向かって行った。時折、クララ達の方を振り返ると、大きく手を振っていた。それに対して、クララも大きく手を振って応えていた。
サーファの姿が見えなくなったところで、クララは、リリンの事を見る。
「では、私達も行きましょう」
「はい」
クララは、リリンに手を引かれて、魔王城の中へと入っていく。そして、向かった先は、自室では無く浴場の方だった。
「部屋に戻らないんですか?」
「一応、濡れタオルで拭ってあるとはいえ、治療の際に血などで汚れていますから。服も洗濯しないといけませんしね」
クララは、そう言われて、自分の身体を見下ろす。肌などに付いた血は、ちゃんと拭ってあるものの、服に染みこんだ血は、ちゃんと抜くことは、出来ていなかった。
クララが着ている服を確認していたリリンは、少しだけ眉を寄せる。
「この分だと、完全に抜くことは難しいかもしれないですね」
「え!? そういえば、この服って、確かカタリナさんの娘さんの服だったんじゃ……」
クララは、一気に青い顔になる。
「大丈夫です。事情が事情ですので、カタリナ様も怒リはしないでしょう」
リリンは、安心させるようにクララの頭を撫でる。
「取りあえず、お洋服を用意して参ります。一人でも入る事は出来ますか?」
リリンがクララに訊くと、クララは途端に不安そうな顔付きになる。こっちに来てから、毎日入っているが、常にリリンが一緒に入っていたので、一人で入った事は一度もない。ましてや、自分で身体を洗った事もなかった。頑張れば、自分で身体を洗うことは出来るだろうが、湯船に入ることは厳しいだろう。
「では、少し待っていてください」
リリンは、クララの微笑みかけながらクララの頬を撫でると、脱衣所を出て、服を取りに向かった。その間、クララは、着ている服を脱いで、杖を片手にどうにか血を取り除けないかと試行錯誤していた。
それを傍から見ると、杖を片手にした少女が、半裸の状態で、汚れた服を前に力んでいるという状態だった。
当然、その姿を見たリリンは怪訝な顔になる。
「どうされたのですか?」
リリンがそう訊いて、ようやくリリンが帰ってきた事に気が付いたクララは、ちょっと恥ずかしそうにする。
「えっと……聖女の力で、汚れをどうにか出来ないかと……」
「出来ましたか?」
リリンは、興味本位に訊いていた。汚れすらも浄化出来るとなれば、聖女の力が及ぶ範囲が分かってくるかもしれないからだ。
「見ての通りです」
リリンの視線が、服の方に向く。クララの力が入った服は、汚れはそのままに神聖な雰囲気を漂わせていた。それは、クララの杖と同じ雰囲気だった。
「本気で力を振り絞ったら、聖別しちゃいました」
「な、なるほど……」
これには、リリンも唖然としていた。服を取って帰ってきたら、汚れた服が神聖化されているのだから、当然だ。
「これが、聖女の本気というところですか……どちらかと言うと、別の現場で見たいものですね」
「私も、こんな風になるなんて思っていなかったので、驚きです。私って、こんな事が出来るんですね」
「聖女の力について、もっと調べて見た方が良いかもしれませんね」
リリンはそんな事を言いつつ、クララの他の服を脱がしていった。自分も服を脱いで、ハンドタオルを片手にクララと浴場に入ろうとすると、クララが杖を握りっぱなしな事に気が付く。
「杖も持っていくのですか?」
「へ? あっ!? 忘れてました!」
クララは、杖を壁に立てかけて、リリンの元に戻る。そして、いつも通りに、リリンがクララの身体を洗い、リリン自身が洗い終わるまで、クララは湯船の縁に腰掛けて脚をお風呂に浸けていた。
そして、リリンが身体を洗い終えると、クララを抱きかかえて一緒に湯船に入っていった。野戦病院での活動で疲れていたクララは、お風呂の温かさで、少し癒やされていた。
身を綺麗にしたクララは、ようやく魔王城に用意されている自分の部屋に戻る事が出来た。
戻ってきたクララは、部屋に備え付けられている椅子に座る。その途端、クララの眼から涙が零れてきた。
クララが攫われた時のまま乱れていたベッドを、軽くメイキングしていたリリンは驚いて、クララの元に向かう。
そして、クララの傍に膝を付いて目線を合わせると、クララの涙を拭う。
「どうしたのですか? どこか痛むのですか?」
リリンは、安心させるような優しい口調でクララに訊く。
「何だか、部屋に戻ってきたら、ずっと張り詰めていた心が、一気に緩んだみたいです」
リリンは、クララにそう言われて思い当たる点がいくつかある事に気が付く。それは、馬車の中と浴場で窺えた。まずは、馬車でずっと起きていた事だ。そもそも連れ去られているときも眠れていないのに、さらに治療で疲れていたにも関わらず、帰りの馬車では、ずっと起きていた。これも、戦場にいたという緊張感によるものだと考えれば、少し納得がいく。
そして、浴場で、リリンに指摘されるまで杖を握ったままだった事もこれに起因していると考えられる。心の中の不安から、自分を守るために杖を頼っていたのだ。
「さすがに、ちょっと怖かったので……」
「……!!」
ここで、リリンは自分が少しだけ考え違いを起こしていた事に気が付いた。
(戦場という環境の緊張感もそうだと思いますが、それ以上に、本当の意味で悪意と害意に満ちた環境にいた事で、恐怖を感じていたんですね。聖女という立場にいさせられたとはいえ、まだ子供と大人の狭間の年齢。恐怖を感じないわけがない)
クララが、恐怖を感じつつもああやって動けていたのは、勇者パーティーと教会での諸々があったからだ。あれによって、恐怖などに対する耐性が、少し高かったのだ。それでも、恐怖を感じていないわけでは無い。
クララは、ずっと心を張り詰めさせることで耐えていたのだ。
リリンは、クララを抱き寄せて、少し持ち上げる。クララの座っていた席に自分で座って膝の上にクララを乗せた。その上で、安心させるように優しく抱きしめる。
(ここが、クララさんにとって、安心出来る場所になったのは、嬉しい事ですね)
リリンは、こうしてクララが魔族領にいても安心出来る場所が出来た事を、少し嬉しく思っていた。そもそも人族領にすら、クララが真の意味で安心出来る場所などないのだ。魔王城が、クララの故郷と同じような場所になりつつあった。
リリンの膝の上に乗せられたクララは、さらに安心感を得ていき、段々と瞼が重くなっていった。そして、リリンに寄りかかりながら、静かに寝息を立て始めた。
「眠ってしまいましたか」
リリンは、クララをベッドに連れて行こうと椅子から立ち上がる。すると、ある事に気が付いた。
クララが、リリンの服をがっしりと掴んでいるのだ。本当にしっかりと掴んでいるので、解くことは出来ない。
リリンは困ったように微笑み、クララをベッドへと連れて行った。
(これは……仕方ないですね)
リリンは、クララと一緒にベッドに入った。二人は、一緒のベッドで眠りにつく。リリンは、クララを起こさない程度に、抱きしめていた。
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◆2023/04/15:ノベルアッププラス総合ランキング年間1位獲得。
◆2023/11/23:アルファポリスHOTランキング5位獲得。
◆自費出版しました。メルカリとヤフオクで販売してます。
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