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番外01.弟子視点(01話)
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☆弟子視点です。前後編に分けています。
俺が王都から少し離れたその街に半年以上住んでいたのは、亡くなった両親の代わりに五男で末弟である俺の面倒を見ていた長兄の都合だった。
幼い頃離れ離れになった初恋の女性が住む街をつきとめた長兄は、部屋を借り仕事という建前で滞在し、偶然の再会を演出して少しづつ距離を縮めて、口説き落とした。
正直、いい大人なのにどうかしていると思っていた。何なら今でも思っている。
連れて行かれた俺はその間街の学校に通い、家庭教師兼護衛の従者ゴウェイと休日以外はほぼ一日中座学と鍛錬をして過ごしていた。あと家事。
買い出しの休憩がてら木陰で噴水を眺めていると、水しぶきの向こうを歩く女の子に目を奪われた。
要はひと目で恋に落ちた。
背丈は俺と同じくらいで、年齢もそう変わらないように感じた。
何やら思案顔で歩いていて、自分のことで頭をいっぱいにさせたいと思った。
自分のことしか考えられないようにできたらどんなにか。
気がついたのは、彼女の進む先で受け身を捨てて倒れた時だった。
心配そうに俺の側でしゃがんだ彼女は、予想通り丁寧に手当てをしてくれた。
俺を心配する表情から目が離せなかった。
蜂蜜のような色の髪の毛は途中から生糸の色に変わり、春に咲く花のような桃色の瞳には、秋に咲く花の紫色が混ざる。初めて目にする色合いだった。
近くで見ると一段と可愛らしく声も心地よい。俺はすっかり魅せられた。
運命の出会いに違いないと確信した。
名前はアムさん。名前も初めての響きだった。
後で調べて分かったことだが、昔の言葉で「救う人」という意味だった。
魔族がヒトをかどわかすという話は有名で、俺でも知っていた。
彼女は、見た目よりもずっと長く生きている人だった。
もっと互いを知りたかったのに、ゴウェイに邪魔されてしまった。
この出会いを彼に報告された長兄は「へえ~~~」などと言いながら嫌な顔で笑っていた。腹が立った。
その場で結婚の申し込みをできなかったのは、かえってよかったかもしれない。
歳の差はわからないが、俺はまだ少年だ。相手にされない可能性が高い。
彼女の側に居続ける大義名分は何かないか、必死に考えた。
『結婚してください』…何年か先になるが。さすがに突然すぎるな
『息子にしてください孫でもいいです』…夫が無理なら妥協やむなし
『家族の一員として飼育してください』…それも無理ならこれか?
違うな…何ならいいんだ。何でも、彼女の望む存在になるんだが!?
『弟子にしてください』
これだな。
魔女は弟子を取るものと相場が決まっている。
既婚者の可能性を考えていなかったので、最初に確認することにした。
また会えることを信じてゴウェイの目を盗んで街中を徘徊していると、数日後に再会できた。運命を信じた。
弟子になること、呼び捨てで呼ばれることに成功した。
まさか、兄達や親類も呼ばない真ん中の名を選ばれるとは思いもしなかった。特別感がある。
笑った顔があまりにも可愛くて悶えそうになったので話題を変えると、魔女らしく色々な魔法を習得していることを知った、
魔法だけではなく、師匠のことも知りたい。そう、いろいろと。
魔法は、教わってみるとなかなか興味深いものだった。
師匠の教え方は感覚的だったが、俺には合っていたと思う。
いい意味で自分に適当で、力を抜いている師匠。
俺には温かい手料理を振舞ってくれたが、彼女自身は食事に頓着しないのを知っている。
森の中の生活も新鮮だった。
図鑑でしか見たことのないような果樹が植えられた温室の手入れをさせてもらったり、森で突進してきた針毛暴猪をゴウェイが正面で捕らえて仕留めたり。コツを覚えると楽しくていつまでも薪を割っていた。
いろいろな思い出ができた。
森の家で師匠の側に居る時間は本当に楽しかった。癒しだった。
だが、長兄が初恋の…後の義姉上との婚約に成功し、王都に戻ることになってしまった。俺は所詮独り立ちもできない年齢で、従うしかなかった。
悔しくて悲しいのに、師匠が別れを惜しんでくれて仄かに喜びも感じた。
師匠と出会うまでは、魔法にも魔族にも縁も興味もなかった。
生家の宝物庫に魔人にゆかりのあるものがあると聞いた時には驚いたが、師匠に通じる何かかもしれないと期待もした。
まさか、性の指南書や卑猥な小説を訳させたものだとは。
一度読んだだけで丸暗記してしまったのは、魔人の影響なのだろうか。
兄達が珍しく全員揃った席で、「将来結婚をしたい相手がいる」と師匠の話をしたら、全員に「無理だ」と温く笑われた。
「初恋は簡単には実らないぜ? まあお前には無理だろうな…ふっ」
「魔族に拐された魔女がお前なんかを相手にするわけがない。無理だ」
「好きなようにすればいいけど魔女さんに迷惑かけるなよ~お前には無理なのは完全同意」
「俺たちにも勝てないお前には無理だな!」
などと好きに言われ、いつものように俺をからかう兄達と怒る俺とで相撲大会が始まったが、制したのはゴウェイだった。
ちょうど入学可能な年齢だったので、王都にある王立の学院を受験した。
寮があり、新婚の長兄夫婦の邪魔にならない。
適性検査の結果魔法を扱う級に振り分けられた時は、師匠との繋がりが形になったような気がした。
最初の半年程度は様々な魔法を叩きこまれたが、その後は実習という名の「異世界から魔力を求めて現れる『霊族』の討伐」に明け暮れた。
学生と指導役の卒業生との七人一組で、ひたすら霊族を倒す。
戦い方は主に、現地で体で覚えた。
俺の最たる適性は武器に魔力を通し強化するというものだったので、それを使い剣や時には弓で戦った。
大怪我を負っても呪われても、治癒担当や解呪担当の魔法で無理矢理身体を動かした。
魔族から与えられた魔法を使って魔女が見つける時空の傷の側には、観測用の魔法陣が敷いてある。
そこ以外からも霊族が現れたという情報と出動要請があれば、荒野でも雪山でも海原でも陰顕翼竜の相棒蒼色二号で赴く。
師匠に教わった天気の遠見は、天候が変わりやすい地ではとても役立った。
師匠のことを考える時間が、俺の心を支えていた。
思い出の師匠はいつでも可憐で愛らしい。その中に時折成熟したものを感じるのが堪らない。
何かと褒めてくれる師だったが、一度くらい叱られてみてもよかったかもしれない。師匠が俺に仕置きをするならば、どんなものだろうか。それは褒美ではないだろうか。
遠見のひとつ『戦況』を見られる同級に、「恋愛という戦場に身を置く俺の行く末を見てくれただし良い結果しか必要ない」と言ったら、兄達のような生温い目をして肩を叩かれた。
本来は五年で卒業するのだが、討伐が追いつかずに六年ほど学生のままだった。
卒業後は、自動的に霊族の正式な討伐隊員になっていた。
級を決められた頃から嵌められたという感覚はずっとあったが、国を守るのも貴族の責務と考えたらこれは仕方がないと諦めた。
貴族として生きる必要はない、何でもしたいことをしたらいいと育てられたんだがな。
危険な分、学生時分にも受け取っていた出動手当は破格だった。
使い道もなかったので、王都で一番だと評判の宝飾屋で裸石を二つ、色は光の加減で青と銀灰に見えるものと紫と桃とが半々になったものを選び、指輪に仕立てさせた。
師匠には常に身につけて見る度に俺を思い出して欲しいので家事の邪魔にならない意匠にした。
これは後日、婚約指輪となった。先見の明だな。
―――まあ、それまでの師匠以外のことはどうでもよく。
卒業式を終え、どうせまたすぐに呼び出されて会うだろうと特別に別れを惜しむこともなく、級友たちは皆戻るべき場所に向かった。
俺も寮の部屋に置いてある荷物を詰めた鞄を持ち、相棒に飛び乗り、ここへ…師匠の元へ帰ってきた。
俺が王都から少し離れたその街に半年以上住んでいたのは、亡くなった両親の代わりに五男で末弟である俺の面倒を見ていた長兄の都合だった。
幼い頃離れ離れになった初恋の女性が住む街をつきとめた長兄は、部屋を借り仕事という建前で滞在し、偶然の再会を演出して少しづつ距離を縮めて、口説き落とした。
正直、いい大人なのにどうかしていると思っていた。何なら今でも思っている。
連れて行かれた俺はその間街の学校に通い、家庭教師兼護衛の従者ゴウェイと休日以外はほぼ一日中座学と鍛錬をして過ごしていた。あと家事。
買い出しの休憩がてら木陰で噴水を眺めていると、水しぶきの向こうを歩く女の子に目を奪われた。
要はひと目で恋に落ちた。
背丈は俺と同じくらいで、年齢もそう変わらないように感じた。
何やら思案顔で歩いていて、自分のことで頭をいっぱいにさせたいと思った。
自分のことしか考えられないようにできたらどんなにか。
気がついたのは、彼女の進む先で受け身を捨てて倒れた時だった。
心配そうに俺の側でしゃがんだ彼女は、予想通り丁寧に手当てをしてくれた。
俺を心配する表情から目が離せなかった。
蜂蜜のような色の髪の毛は途中から生糸の色に変わり、春に咲く花のような桃色の瞳には、秋に咲く花の紫色が混ざる。初めて目にする色合いだった。
近くで見ると一段と可愛らしく声も心地よい。俺はすっかり魅せられた。
運命の出会いに違いないと確信した。
名前はアムさん。名前も初めての響きだった。
後で調べて分かったことだが、昔の言葉で「救う人」という意味だった。
魔族がヒトをかどわかすという話は有名で、俺でも知っていた。
彼女は、見た目よりもずっと長く生きている人だった。
もっと互いを知りたかったのに、ゴウェイに邪魔されてしまった。
この出会いを彼に報告された長兄は「へえ~~~」などと言いながら嫌な顔で笑っていた。腹が立った。
その場で結婚の申し込みをできなかったのは、かえってよかったかもしれない。
歳の差はわからないが、俺はまだ少年だ。相手にされない可能性が高い。
彼女の側に居続ける大義名分は何かないか、必死に考えた。
『結婚してください』…何年か先になるが。さすがに突然すぎるな
『息子にしてください孫でもいいです』…夫が無理なら妥協やむなし
『家族の一員として飼育してください』…それも無理ならこれか?
違うな…何ならいいんだ。何でも、彼女の望む存在になるんだが!?
『弟子にしてください』
これだな。
魔女は弟子を取るものと相場が決まっている。
既婚者の可能性を考えていなかったので、最初に確認することにした。
また会えることを信じてゴウェイの目を盗んで街中を徘徊していると、数日後に再会できた。運命を信じた。
弟子になること、呼び捨てで呼ばれることに成功した。
まさか、兄達や親類も呼ばない真ん中の名を選ばれるとは思いもしなかった。特別感がある。
笑った顔があまりにも可愛くて悶えそうになったので話題を変えると、魔女らしく色々な魔法を習得していることを知った、
魔法だけではなく、師匠のことも知りたい。そう、いろいろと。
魔法は、教わってみるとなかなか興味深いものだった。
師匠の教え方は感覚的だったが、俺には合っていたと思う。
いい意味で自分に適当で、力を抜いている師匠。
俺には温かい手料理を振舞ってくれたが、彼女自身は食事に頓着しないのを知っている。
森の中の生活も新鮮だった。
図鑑でしか見たことのないような果樹が植えられた温室の手入れをさせてもらったり、森で突進してきた針毛暴猪をゴウェイが正面で捕らえて仕留めたり。コツを覚えると楽しくていつまでも薪を割っていた。
いろいろな思い出ができた。
森の家で師匠の側に居る時間は本当に楽しかった。癒しだった。
だが、長兄が初恋の…後の義姉上との婚約に成功し、王都に戻ることになってしまった。俺は所詮独り立ちもできない年齢で、従うしかなかった。
悔しくて悲しいのに、師匠が別れを惜しんでくれて仄かに喜びも感じた。
師匠と出会うまでは、魔法にも魔族にも縁も興味もなかった。
生家の宝物庫に魔人にゆかりのあるものがあると聞いた時には驚いたが、師匠に通じる何かかもしれないと期待もした。
まさか、性の指南書や卑猥な小説を訳させたものだとは。
一度読んだだけで丸暗記してしまったのは、魔人の影響なのだろうか。
兄達が珍しく全員揃った席で、「将来結婚をしたい相手がいる」と師匠の話をしたら、全員に「無理だ」と温く笑われた。
「初恋は簡単には実らないぜ? まあお前には無理だろうな…ふっ」
「魔族に拐された魔女がお前なんかを相手にするわけがない。無理だ」
「好きなようにすればいいけど魔女さんに迷惑かけるなよ~お前には無理なのは完全同意」
「俺たちにも勝てないお前には無理だな!」
などと好きに言われ、いつものように俺をからかう兄達と怒る俺とで相撲大会が始まったが、制したのはゴウェイだった。
ちょうど入学可能な年齢だったので、王都にある王立の学院を受験した。
寮があり、新婚の長兄夫婦の邪魔にならない。
適性検査の結果魔法を扱う級に振り分けられた時は、師匠との繋がりが形になったような気がした。
最初の半年程度は様々な魔法を叩きこまれたが、その後は実習という名の「異世界から魔力を求めて現れる『霊族』の討伐」に明け暮れた。
学生と指導役の卒業生との七人一組で、ひたすら霊族を倒す。
戦い方は主に、現地で体で覚えた。
俺の最たる適性は武器に魔力を通し強化するというものだったので、それを使い剣や時には弓で戦った。
大怪我を負っても呪われても、治癒担当や解呪担当の魔法で無理矢理身体を動かした。
魔族から与えられた魔法を使って魔女が見つける時空の傷の側には、観測用の魔法陣が敷いてある。
そこ以外からも霊族が現れたという情報と出動要請があれば、荒野でも雪山でも海原でも陰顕翼竜の相棒蒼色二号で赴く。
師匠に教わった天気の遠見は、天候が変わりやすい地ではとても役立った。
師匠のことを考える時間が、俺の心を支えていた。
思い出の師匠はいつでも可憐で愛らしい。その中に時折成熟したものを感じるのが堪らない。
何かと褒めてくれる師だったが、一度くらい叱られてみてもよかったかもしれない。師匠が俺に仕置きをするならば、どんなものだろうか。それは褒美ではないだろうか。
遠見のひとつ『戦況』を見られる同級に、「恋愛という戦場に身を置く俺の行く末を見てくれただし良い結果しか必要ない」と言ったら、兄達のような生温い目をして肩を叩かれた。
本来は五年で卒業するのだが、討伐が追いつかずに六年ほど学生のままだった。
卒業後は、自動的に霊族の正式な討伐隊員になっていた。
級を決められた頃から嵌められたという感覚はずっとあったが、国を守るのも貴族の責務と考えたらこれは仕方がないと諦めた。
貴族として生きる必要はない、何でもしたいことをしたらいいと育てられたんだがな。
危険な分、学生時分にも受け取っていた出動手当は破格だった。
使い道もなかったので、王都で一番だと評判の宝飾屋で裸石を二つ、色は光の加減で青と銀灰に見えるものと紫と桃とが半々になったものを選び、指輪に仕立てさせた。
師匠には常に身につけて見る度に俺を思い出して欲しいので家事の邪魔にならない意匠にした。
これは後日、婚約指輪となった。先見の明だな。
―――まあ、それまでの師匠以外のことはどうでもよく。
卒業式を終え、どうせまたすぐに呼び出されて会うだろうと特別に別れを惜しむこともなく、級友たちは皆戻るべき場所に向かった。
俺も寮の部屋に置いてある荷物を詰めた鞄を持ち、相棒に飛び乗り、ここへ…師匠の元へ帰ってきた。
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