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8.二輪の一花
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★ガールズラブ要素があります。苦手な方は飛ばしていただいても大丈夫です。破談です。
グレイチェ様は、桃色がかった柔らかそうな灰色の髪と淡い紫にも灰色にも見える瞳の、可愛らしいお嬢様。
随行者のエリァ様は、青色みのあるまっすぐな灰色の髪で瞳は黒に近い落ち着いた灰色。グレイチェ様の侍女で、やはり可愛らしい。
並ぶと可憐な花のようで、顔立ちは似てはいないのに対のように感じる。
「遠方よりお越しいただき、ありがとうございます。この度のご縁を大変嬉しく存じますわ」
「あ、あの………」
グレイチェ様は今にも泣きだしそうに瞳を揺らめかせている。
「グレイチェ様、ご不安でしたら何なりとご相談くださいませ」
「あの、私、箱入りで…家族以外の男性とは話をしたことも殆どなくて…」
壁際に控えるエリァ様は、心配そうにグレイチェ様を見つめている。
「あの、辞退することは…できませんか…?」
「もちろん可能です。相性などもございますしね。ですが」
「はい…」
「一度は床を共にしていただけますと…」
「…そう……ですよね…はい、そう聞いています。そのうえで参りました」
グレイチェ様は真っ白な顔をして、俯いてしまった。
「…嫌なことはさっさと済ませてしまうのも手ですわ」
悪戯っぽい笑みを意識してそう言うと、グレイチェ様は儚げに目を伏せた。
何か事情があって許嫁候補になったのだろうか。
(ああ…心が痛みます……)
「…初夜………には侍女を同伴させたいのです」
「エリァ様を?」
「はい…」
「もちろん、よろしいですよ」
清純そうなエリァ様だが、意外にも手練れなのかもしれない。
私の知らない技などがあれば、是非ともご教示願いたい。
「では、調整させていただきますね。…頑張りましょう!」
「は、はぃ…」
グレイチェ様は消え入りそうな声で、私の手を力なく握り返してくれた。
変わらずこちらを見つめているエリァ様にも、一緒に頑張りましょう!と視線で気持ちを送った。
・・・・・
夜も更け、若様の寝所。
グレイチェ様の希望で、顔合わせもそこそこに床入りとなった。
恥ずかしくてきっと脱げないと言っていたので差し入れた、袖と丈の短い薄手の夜着をグレイチェ様は纏ってる。
そして、寝台で若様に身を任…身を固くし、耐えている。ぎゅうっと目を瞑りながら。
私は、エリァ様と共に気配を消して壁際に控えているのだが…
(…ああ…側で応援したくなります…)
「ひっ、う、あ、やぁ…」
嬌声とは思えない声に、若様も顔には出さないが戸惑っているようだ。
「グレイチェ嬢、辛いのなら」
「いっいえ、続けてください…っ…、申し訳ありません、クロウィス様…」
ちらりとすぐ横のエリァ様を見やると、真っ青な顔をして手を胸の前で組んでいた。
「あ…あの、コハク様」
「はい」
潜めた声で呼ばれて返事をすると、そっと耳打ちされた。
「お嬢さまを、私にしばらくお任せいただけませんでしょうか」
「…はい」
エリァ様と私が寝台に近づくと、気づいたグレイチェ様は縋るように手を伸ばした。
「あ、エリー…」
「お嬢さま…」
寝台の端で、ふたりは抱きしめあった。何かを囁き合っている。
そして、口づけを交した。熱く。
(え…え!?)
混乱する私をよそに、ふたりは背徳的な甘い空気を醸し出している。
エリァ様はグレイチェ様の下半身に手を伸ばし。
「エリー、そこ、好き、あ、あっ」
「ああ…エリーで感じてくださって嬉しいです…」
(はっ、若様のものがしっかりと反応して…わ…わかります…!)
「お嬢さま…この先は旦那様に」
「うん…がんばる…」
(え…ええ、頑張ってくださいまし!)
私は思わず拳を握り締めた。
今ここで、私にもできることがあるはずだ。
エリァ様と私は、寝台の脇に控えることにした。
「こ…これを…こんな…入れ…えっ…え…?」
グレイチェ様は、若様の股間と私の顔を交互に見ている。
「む、むりです…エリー、たすけて」
「お嬢さま」
グレイチェ様は、駆け寄るエリァ様に縋りついた。
可憐な乙女達が手を取り合いふるふると震えている…
「グレイチェ様、大丈夫です、入りますから…クロさま」
若様にそっと耳打ちすると、なにやら微妙な表情で口元をきゅっとした。
私は衣服を脱ぎ捨て、寝台に腰を下ろした若様に背を向け…
そうこれは背面座位、乱れ牡丹。
私は脚を広げ、繋がった場所を指し示す。
「ご覧くださいまし、ちゃんと根元まで入っておりますよ」
「………」
「………」
ふたりは目を丸くしていた。幼けなさが増している。
「こうして、腰を動かしますと…グレイチェ様?」
グレイチェ様は、真っ赤になって全身の力が抜けたように小さくなってしまっていた。
「し、失礼いたします」
エリァ様はグレイチェ様を流れるような動きで抱え上げ、風のように退出した。
「……はっ、グレイチェ様、エリァ様っ」
「…少し、動き辛いな」
私は若様に支えられて膝立ちになり…このまま前方に倒れて…そう後背位!
…いや、倒れない。
膝立ちのまま。これは…?
そのまま若様は私の胸を揉みしだきながら突き上げるように腰を動かし…
「あ、あのクロさま、おふたりを」
「ココは随分…大胆だな」
「え、そんなことは、ああっ、あっ」
「脚を閉じて」
「は、い、あっ♡、ああんっ♡」
夜は更けていった―――
グレイチェ様は、桃色がかった柔らかそうな灰色の髪と淡い紫にも灰色にも見える瞳の、可愛らしいお嬢様。
随行者のエリァ様は、青色みのあるまっすぐな灰色の髪で瞳は黒に近い落ち着いた灰色。グレイチェ様の侍女で、やはり可愛らしい。
並ぶと可憐な花のようで、顔立ちは似てはいないのに対のように感じる。
「遠方よりお越しいただき、ありがとうございます。この度のご縁を大変嬉しく存じますわ」
「あ、あの………」
グレイチェ様は今にも泣きだしそうに瞳を揺らめかせている。
「グレイチェ様、ご不安でしたら何なりとご相談くださいませ」
「あの、私、箱入りで…家族以外の男性とは話をしたことも殆どなくて…」
壁際に控えるエリァ様は、心配そうにグレイチェ様を見つめている。
「あの、辞退することは…できませんか…?」
「もちろん可能です。相性などもございますしね。ですが」
「はい…」
「一度は床を共にしていただけますと…」
「…そう……ですよね…はい、そう聞いています。そのうえで参りました」
グレイチェ様は真っ白な顔をして、俯いてしまった。
「…嫌なことはさっさと済ませてしまうのも手ですわ」
悪戯っぽい笑みを意識してそう言うと、グレイチェ様は儚げに目を伏せた。
何か事情があって許嫁候補になったのだろうか。
(ああ…心が痛みます……)
「…初夜………には侍女を同伴させたいのです」
「エリァ様を?」
「はい…」
「もちろん、よろしいですよ」
清純そうなエリァ様だが、意外にも手練れなのかもしれない。
私の知らない技などがあれば、是非ともご教示願いたい。
「では、調整させていただきますね。…頑張りましょう!」
「は、はぃ…」
グレイチェ様は消え入りそうな声で、私の手を力なく握り返してくれた。
変わらずこちらを見つめているエリァ様にも、一緒に頑張りましょう!と視線で気持ちを送った。
・・・・・
夜も更け、若様の寝所。
グレイチェ様の希望で、顔合わせもそこそこに床入りとなった。
恥ずかしくてきっと脱げないと言っていたので差し入れた、袖と丈の短い薄手の夜着をグレイチェ様は纏ってる。
そして、寝台で若様に身を任…身を固くし、耐えている。ぎゅうっと目を瞑りながら。
私は、エリァ様と共に気配を消して壁際に控えているのだが…
(…ああ…側で応援したくなります…)
「ひっ、う、あ、やぁ…」
嬌声とは思えない声に、若様も顔には出さないが戸惑っているようだ。
「グレイチェ嬢、辛いのなら」
「いっいえ、続けてください…っ…、申し訳ありません、クロウィス様…」
ちらりとすぐ横のエリァ様を見やると、真っ青な顔をして手を胸の前で組んでいた。
「あ…あの、コハク様」
「はい」
潜めた声で呼ばれて返事をすると、そっと耳打ちされた。
「お嬢さまを、私にしばらくお任せいただけませんでしょうか」
「…はい」
エリァ様と私が寝台に近づくと、気づいたグレイチェ様は縋るように手を伸ばした。
「あ、エリー…」
「お嬢さま…」
寝台の端で、ふたりは抱きしめあった。何かを囁き合っている。
そして、口づけを交した。熱く。
(え…え!?)
混乱する私をよそに、ふたりは背徳的な甘い空気を醸し出している。
エリァ様はグレイチェ様の下半身に手を伸ばし。
「エリー、そこ、好き、あ、あっ」
「ああ…エリーで感じてくださって嬉しいです…」
(はっ、若様のものがしっかりと反応して…わ…わかります…!)
「お嬢さま…この先は旦那様に」
「うん…がんばる…」
(え…ええ、頑張ってくださいまし!)
私は思わず拳を握り締めた。
今ここで、私にもできることがあるはずだ。
エリァ様と私は、寝台の脇に控えることにした。
「こ…これを…こんな…入れ…えっ…え…?」
グレイチェ様は、若様の股間と私の顔を交互に見ている。
「む、むりです…エリー、たすけて」
「お嬢さま」
グレイチェ様は、駆け寄るエリァ様に縋りついた。
可憐な乙女達が手を取り合いふるふると震えている…
「グレイチェ様、大丈夫です、入りますから…クロさま」
若様にそっと耳打ちすると、なにやら微妙な表情で口元をきゅっとした。
私は衣服を脱ぎ捨て、寝台に腰を下ろした若様に背を向け…
そうこれは背面座位、乱れ牡丹。
私は脚を広げ、繋がった場所を指し示す。
「ご覧くださいまし、ちゃんと根元まで入っておりますよ」
「………」
「………」
ふたりは目を丸くしていた。幼けなさが増している。
「こうして、腰を動かしますと…グレイチェ様?」
グレイチェ様は、真っ赤になって全身の力が抜けたように小さくなってしまっていた。
「し、失礼いたします」
エリァ様はグレイチェ様を流れるような動きで抱え上げ、風のように退出した。
「……はっ、グレイチェ様、エリァ様っ」
「…少し、動き辛いな」
私は若様に支えられて膝立ちになり…このまま前方に倒れて…そう後背位!
…いや、倒れない。
膝立ちのまま。これは…?
そのまま若様は私の胸を揉みしだきながら突き上げるように腰を動かし…
「あ、あのクロさま、おふたりを」
「ココは随分…大胆だな」
「え、そんなことは、ああっ、あっ」
「脚を閉じて」
「は、い、あっ♡、ああんっ♡」
夜は更けていった―――
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