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大魔女と魔王:02
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☆すけべではありません
城内に残る魔女に食料が届けられることになった。
…が、魔王の結界が張られた城に近づきたい者などいない。
配達はたらい回しにされ、何度か食品を無駄にした。
王族らからの書簡もどこかへ紛れて消えた。
魔王が王城を占拠してから、100日ほどが経っていた。
消えた討伐隊が突然現れ、王族たちを驚かせた。
彼らは、異世界へ飛ばされていたと語った。
予め持たされていた魔道具を使い戻ってきたら、ふた月が過ぎていたことになる。
未だ城に気配だけはある魔女が戦っている姿は誰も見ていない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おい、門の外に落ちてたぞ」
「え、なに? 私?」
「前なんか届くって言ってなかったか」
私は香草畑の水やりの手を止め、魔王が掲げ持っていた籠を受け取る。
「あ、差し入れの食料かな嬉しい! 魔王も何か食べる?」
「美味いモンなら食ってもいい」
「何その態度…うーん干した物ばかりだからまあ…味はそれなりかも」
「魚にしろ。お前も好きだろ。焼け」
「ハイハイ好き好き。じゃあ捕ってきてね…なに?」
籠を畑の脇に置いた途端、魔王の腕に腰掛けるような形で抱き上げられ、唇を奪われた。
突然なのはとっくに慣れているし、抵抗すると長くなるのがわかっているので、身を任せる。
舌をねじ込まれて反射的に身がすくんだが、魔王の肩に手を置いて力を抜く。
口を緩く開いたまま、互いの舌先を擦り合わせた。
以前舌の形を変えて弄ばれたことがあったけれど、普段は人と変わらない。私よりも厚くて大きい、それだけ。
「ん…ふ…ぁ、ん」
どうしても声が漏れてしまう。
吸われた舌を甘噛みされて身体がびくりと跳ねた。
お返しに、上顎を舌でくすぐってやる。
舌の裏を舐められて一瞬唇を離すと、頭の後ろを空いている手で固定されて、唇を合わせたまま舌を絡め合うしかなくなった。
「…っ、ぅ、ん…っ」
しばらくそうしていると舌が疲れてしまったので、顎を引いてほんの少し距離を開け、いったん休憩と魔王の唇をゆっくり啄んだ。
「ふ…んっ、ん…」
唇で唇をなぞったり挟んだりしていると、拘束が解かれた。、
重く感じる瞼を上げると、至近距離で魔王と目が合った。
「うまい」
「ふぇ、そ、そう?」
自分ではわからなかったが…そうだったのか。
魔王は世辞や嘘を言わないので、純粋にそう思うのだろう。
「お前の魔力が一番美味いな」
「………」
「じゃー魚捕って来るか」
機嫌がよさそうな魔王は、私を降ろすと消えるようにして去った。
―――何故、深い口づけを、技巧を、褒められたと、思ったのか!
ううう恥ずかしい!
私はその場にがっくりと膝をついた。
城内に残る魔女に食料が届けられることになった。
…が、魔王の結界が張られた城に近づきたい者などいない。
配達はたらい回しにされ、何度か食品を無駄にした。
王族らからの書簡もどこかへ紛れて消えた。
魔王が王城を占拠してから、100日ほどが経っていた。
消えた討伐隊が突然現れ、王族たちを驚かせた。
彼らは、異世界へ飛ばされていたと語った。
予め持たされていた魔道具を使い戻ってきたら、ふた月が過ぎていたことになる。
未だ城に気配だけはある魔女が戦っている姿は誰も見ていない。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「おい、門の外に落ちてたぞ」
「え、なに? 私?」
「前なんか届くって言ってなかったか」
私は香草畑の水やりの手を止め、魔王が掲げ持っていた籠を受け取る。
「あ、差し入れの食料かな嬉しい! 魔王も何か食べる?」
「美味いモンなら食ってもいい」
「何その態度…うーん干した物ばかりだからまあ…味はそれなりかも」
「魚にしろ。お前も好きだろ。焼け」
「ハイハイ好き好き。じゃあ捕ってきてね…なに?」
籠を畑の脇に置いた途端、魔王の腕に腰掛けるような形で抱き上げられ、唇を奪われた。
突然なのはとっくに慣れているし、抵抗すると長くなるのがわかっているので、身を任せる。
舌をねじ込まれて反射的に身がすくんだが、魔王の肩に手を置いて力を抜く。
口を緩く開いたまま、互いの舌先を擦り合わせた。
以前舌の形を変えて弄ばれたことがあったけれど、普段は人と変わらない。私よりも厚くて大きい、それだけ。
「ん…ふ…ぁ、ん」
どうしても声が漏れてしまう。
吸われた舌を甘噛みされて身体がびくりと跳ねた。
お返しに、上顎を舌でくすぐってやる。
舌の裏を舐められて一瞬唇を離すと、頭の後ろを空いている手で固定されて、唇を合わせたまま舌を絡め合うしかなくなった。
「…っ、ぅ、ん…っ」
しばらくそうしていると舌が疲れてしまったので、顎を引いてほんの少し距離を開け、いったん休憩と魔王の唇をゆっくり啄んだ。
「ふ…んっ、ん…」
唇で唇をなぞったり挟んだりしていると、拘束が解かれた。、
重く感じる瞼を上げると、至近距離で魔王と目が合った。
「うまい」
「ふぇ、そ、そう?」
自分ではわからなかったが…そうだったのか。
魔王は世辞や嘘を言わないので、純粋にそう思うのだろう。
「お前の魔力が一番美味いな」
「………」
「じゃー魚捕って来るか」
機嫌がよさそうな魔王は、私を降ろすと消えるようにして去った。
―――何故、深い口づけを、技巧を、褒められたと、思ったのか!
ううう恥ずかしい!
私はその場にがっくりと膝をついた。
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