3 / 3
3
しおりを挟む
「俺は吸血鬼のルークだ」
「吸血鬼??」ニーナは首を傾げる。
「なっ、そんなこともしらねぇの?血を主食にする人間みたいなものだ。食うモノが違うだけだと思ったらいい」
ニーナは本当に世間知らずという事を改めて実感するルーク。俺を怖がらなかったのもこのせいか…と思っていたが怖がられないのは気分がよかった。
「まぁなんだ。吸血鬼には人間をただの食べ物としか見てないやつもいる。みんな俺みたいな考え方だと思うなよ」
ルークはニーナに説明した。吸血鬼が人間からどう思われているのかを。
吸血鬼は数が少なく遭遇率も低い。その為に吸血鬼は幻の存在と思われているのが今の世界。吸血鬼の特徴はなんといっても羽。羽の黒色は共通で赤い目もその特徴。そして吸血鬼は太陽の光に弱い。だから夜が活動時間なのだ。ルークが食うぞと脅したのも本当に人間が食えるからそのような脅しをした。人間だって最低限の食事さえあれば生きていける。おいしいものを求めるから他のものに手を出すのだ。しかしルークはそんなことをしない。ニーナは思う。優しい人なんだと。
次はニーナの番。ルークは聞いた。なぜそんなに体が軽いのかと。
ニーナは説明した。これまでの生活を。全て聞いたルークは笑い飛ばす。
「そいつクソだな!」とその一言でニーナは救われる。やっぱりあの生活は異常だったと知る事が出来たから。
今はお昼前。もう普段ならルークは眠りについている時間。それでも起きているのはニーナを心配しているから起きているのだろう。それを心配したニーナは「寝てください」という。「そうだなそろそろ寝させてもらうぜ」と言いながらニーナに近づく。
ベットに座っていたニーナを倒しルークは笑いながらこう言った。
「じゃあ早速お前の血いただくぜ」
ニーナは全く怖くなかった。あの生活を続ける方が怖い。その笑顔に答えるようにニーナも笑い「喜んで」そう言うと同時に羽を広げてニーナを包み一番血が通っている首筋を噛むルーク。
チクっと痛みはしたものの想像よりは痛くなかった。甘噛みをしてくれた事は噛まれるのが初めてのニーナでも気付く。必要な量だけを頂き「ありがとなっ」っと笑ったルークを見てニーナは少し頬を赤くして恥ずかしがった。
そんなニーナに気付かずに「うまかったぜ、今までの中で一番だ。」というルーク。
本当にニーナの血は綺麗で不純物がほぼない。徹底的に管理されていた食事を食べていたのもあるが食が細く運動もあまり出来なかったために油の食べ物が食べれなかったニーナ。そのおかげでルークに美味しいと言って貰えたのならあの生活はルーク様の為にしていた。そう思える。
ニーナは幸せを知った。大切に扱われる存在ではなく「お前が必要だ」と言ってくれた人に出会えたから。あいつは人間じゃない。そう誰かに言われるかもしれない。兄が追いかけてくるかもしれない。でもニーナはルーク様についていく。必要だと言ってくれるかぎりニーナはルークについていくだろう。
鳥かごの中にいた少女は幸せをつかんだ。ルーク様にとって救われた。この言い表せない感情は何なのかわからない。それでもニーナは近くに居たい。そう思う。のちに子供が生まれる事も知らずに…。その話はまた別の時に話すとしよう…【完】
追伸:この勢いのまま子供の話を書きました!【人間と吸血鬼の間に産まれた子は愛する人と旅をする】という題名です!興味があったらそちらもぜひ!!短い話でしたがここまで読んでいただきありがとうございました!!
「吸血鬼??」ニーナは首を傾げる。
「なっ、そんなこともしらねぇの?血を主食にする人間みたいなものだ。食うモノが違うだけだと思ったらいい」
ニーナは本当に世間知らずという事を改めて実感するルーク。俺を怖がらなかったのもこのせいか…と思っていたが怖がられないのは気分がよかった。
「まぁなんだ。吸血鬼には人間をただの食べ物としか見てないやつもいる。みんな俺みたいな考え方だと思うなよ」
ルークはニーナに説明した。吸血鬼が人間からどう思われているのかを。
吸血鬼は数が少なく遭遇率も低い。その為に吸血鬼は幻の存在と思われているのが今の世界。吸血鬼の特徴はなんといっても羽。羽の黒色は共通で赤い目もその特徴。そして吸血鬼は太陽の光に弱い。だから夜が活動時間なのだ。ルークが食うぞと脅したのも本当に人間が食えるからそのような脅しをした。人間だって最低限の食事さえあれば生きていける。おいしいものを求めるから他のものに手を出すのだ。しかしルークはそんなことをしない。ニーナは思う。優しい人なんだと。
次はニーナの番。ルークは聞いた。なぜそんなに体が軽いのかと。
ニーナは説明した。これまでの生活を。全て聞いたルークは笑い飛ばす。
「そいつクソだな!」とその一言でニーナは救われる。やっぱりあの生活は異常だったと知る事が出来たから。
今はお昼前。もう普段ならルークは眠りについている時間。それでも起きているのはニーナを心配しているから起きているのだろう。それを心配したニーナは「寝てください」という。「そうだなそろそろ寝させてもらうぜ」と言いながらニーナに近づく。
ベットに座っていたニーナを倒しルークは笑いながらこう言った。
「じゃあ早速お前の血いただくぜ」
ニーナは全く怖くなかった。あの生活を続ける方が怖い。その笑顔に答えるようにニーナも笑い「喜んで」そう言うと同時に羽を広げてニーナを包み一番血が通っている首筋を噛むルーク。
チクっと痛みはしたものの想像よりは痛くなかった。甘噛みをしてくれた事は噛まれるのが初めてのニーナでも気付く。必要な量だけを頂き「ありがとなっ」っと笑ったルークを見てニーナは少し頬を赤くして恥ずかしがった。
そんなニーナに気付かずに「うまかったぜ、今までの中で一番だ。」というルーク。
本当にニーナの血は綺麗で不純物がほぼない。徹底的に管理されていた食事を食べていたのもあるが食が細く運動もあまり出来なかったために油の食べ物が食べれなかったニーナ。そのおかげでルークに美味しいと言って貰えたのならあの生活はルーク様の為にしていた。そう思える。
ニーナは幸せを知った。大切に扱われる存在ではなく「お前が必要だ」と言ってくれた人に出会えたから。あいつは人間じゃない。そう誰かに言われるかもしれない。兄が追いかけてくるかもしれない。でもニーナはルーク様についていく。必要だと言ってくれるかぎりニーナはルークについていくだろう。
鳥かごの中にいた少女は幸せをつかんだ。ルーク様にとって救われた。この言い表せない感情は何なのかわからない。それでもニーナは近くに居たい。そう思う。のちに子供が生まれる事も知らずに…。その話はまた別の時に話すとしよう…【完】
追伸:この勢いのまま子供の話を書きました!【人間と吸血鬼の間に産まれた子は愛する人と旅をする】という題名です!興味があったらそちらもぜひ!!短い話でしたがここまで読んでいただきありがとうございました!!
0
お気に入りに追加
19
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──
【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
今更「結婚しよう」と言われましても…10年以上会っていない人の顔は覚えていません。
ゆずこしょう
恋愛
「5年で帰ってくるから待っていて欲しい。」
書き置きだけを残していなくなった婚約者のニコラウス・イグナ。
今までも何度かいなくなることがあり、今回もその延長だと思っていたが、
5年経っても帰ってくることはなかった。
そして、10年後…
「結婚しよう!」と帰ってきたニコラウスに…
彼を追いかける事に疲れたので、諦める事にしました
Karamimi
恋愛
貴族学院2年、伯爵令嬢のアンリには、大好きな人がいる。それは1学年上の侯爵令息、エディソン様だ。そんな彼に振り向いて欲しくて、必死に努力してきたけれど、一向に振り向いてくれない。
どれどころか、最近では迷惑そうにあしらわれる始末。さらに同じ侯爵令嬢、ネリア様との婚約も、近々結ぶとの噂も…
これはもうダメね、ここらが潮時なのかもしれない…
そんな思いから彼を諦める事を決意したのだが…
5万文字ちょっとの短めのお話で、テンポも早めです。
よろしくお願いしますm(__)m
【完結】愛も信頼も壊れて消えた
miniko
恋愛
「悪女だって噂はどうやら本当だったようね」
王女殿下は私の婚約者の腕にベッタリと絡み付き、嘲笑を浮かべながら私を貶めた。
無表情で吊り目がちな私は、子供の頃から他人に誤解される事が多かった。
だからと言って、悪女呼ばわりされる筋合いなどないのだが・・・。
婚約者は私を庇う事も、王女殿下を振り払うこともせず、困った様な顔をしている。
私は彼の事が好きだった。
優しい人だと思っていた。
だけど───。
彼の態度を見ている内に、私の心の奥で何か大切な物が音を立てて壊れた気がした。
※感想欄はネタバレ配慮しておりません。ご注意下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる