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太陽が沈み飛び立つ時間。ルーカスは寝ぼけながら謝った。年齢がほぼ変わらないのに幼いと言ってしまったと。そんなことを気にしてたの…と笑うリノ。人とこうやって話すのも久しぶりなのに笑うことまで出来る。リノは居心地がよかった。後はルーカスの早さについて行けるかの心配。

早速飛び立つものの早すぎてついて行くだけでも辛いリノ。それに気づいたルーカスはまた謝る。

「ごめん!リノとの旅が楽しみすぎて張り切って飛ばしちまった。リノは俺に合わせてくれる事ばかりなのに気付かなくてごめんよ!飛びなれてねぇんだろ??ゆっくり行こうぜ!!」

なんて優しいのだろう。リノは救ってくれたあの瞬間からルーカスに惚れているのだろうと自覚する。ひとりぼっちだった少女には大きな出会いだった。

「一生ついていきます!!」今はこれしか言えないリノだが今は十分だった。楽しく話しているうちに海が見え二人は感動する。次は川だ砂漠だ!と次々に目標を立てるルーカス。リノは楽しさと幸せをルーカスから貰った。

しかし長い間血を摂取していないルーカスに疲れが出てくる。決して口には出さないが血が不足していることは吸血鬼の血が流れているリノにはバレバレだった。リノは提案する。首筋をだして「口にあうかわからないけどないよりはましだと思う。人間の血の方が多いしきっと役立つよ。」

最初はそんなの必要ないと強がっていたがリノが抱き着いてこういう。「しんどそうなルーカスを見たくないの…だから飲んで!」その押しに負けルーカスはリノの血を貰った。少し吸血鬼の血が混ざっているため不思議な味がしたがルーカスにリノの血は適応した。

その様子に「よかった…」と心の底から思うリノ。そしてまた抱き着く。リノは打ち明けた。出会った頃から貴方が好きだと、愛していると。

ルーカスは聞いた事はあるもののその言葉の意味がよくわからなくてリノに聞く。「それってどんな感情なんだ」と。

予想外の返事が返ってきて焦るリノだが恥ずかしがりながらその意味を説明する。

「恋っていうのはその人と一緒に居たいとか自分より相手を優先してしまったりしてしまうこと?かな。」

それを聞いたルーカスは「なるほど!」とすっきりしたみたいで「ありがと!」とは言ってくれたがやっぱりなにも伝わらなかった様子をみていってしまった事を後悔する。その瞬間ルーカスは言った。

「じゃ俺もリノに恋してる!!だって俺お前と離れたくないもん!俺にはお前が必要だ!だから一生一緒に居ようね!」

少し解釈違いはあるかもしれない。いや、話し方的に絶対言葉の意味を分かってないが離れたくない。必要だと言ってくれたことがどんなに嬉しかったか。2人はどの種族にも当てはまらない不思議な生き物。それでも自由だ。自由に生きると決めたルーカスは少女を救い心まで満たした。ルーカスもリノの事が愛おしいと思っている。ルーカスは無自覚かもしれない。でもまたここに愛し合う二人が誕生した。

4年の月日が流れ二人は仲良く手を繋ぎながら旅をする。一度家に寄った時は父様と同じく女の子を攫ってきた。血は抗えないと爆笑されたが父様たちは喜んでくれた。父様たちとは違い家を持たない生活はしんどい時もある。それでも2人で見たことが無い景色を見る生活が2人にとっても幸せだった。

もし父様と母様が結ばれてなかったら…もしリノが襲われてなかったら…一つでも欠ければこの2人は出会わなかっただろう。偶然が重なり続け2人は結ばれた。運命というものかもしれない。でも2人には偶然も必然も関係がない。一緒に居られる今を大切にしていたから。これからも2人は仲良く終わりのない旅をするだろう。【完】



追伸:紹介文の所にも書いていますが「鳥籠の中から救ってくれたのは吸血鬼でした」はルーカスの父様母様のお話なので興味があればそちらもどうぞ!!
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